濡れた十字架

2009-04-26 | 【樹木】ETC
 ハナミズキ(花水木)の花が気になる。
 イエスが磔にされた十字架と、ひとに思わせたと知ってから。
 ※写真は、雨降りのなかで撮った一枚。

まどろみのうちに

2009-04-26 | 【断想】ETC
 休日の朝。
 遠くで小鳥たちの声がするが、まだ静かだ。
 ようやく、雨はあがった。
 木々の肌は濡れてまだ黒いが。
 川からは、増したままの水が流れる音がするが。
 灰色の雲が去っていく。
 うっすらと薄青い空が見えだしている。
 コンクリートの住まいのでっぱりで、空を眺める俺と、崖地の岩のうえで、空気を嗅ぐ一匹の狼と、どこが違うだろうか。
 まだ、からだは、眠いと言っているようだ。
 過ぎゆく春を惜しむのは、ひとがが健やかな証しでもあろうと思う。
 式子内親王の歌だ。
 なんともすてきな歌だ。
  はかなくてすぎにしかたをかぞふれば花に物思ふ春ぞへにける

岩牡蠣の季節へ向かう

2009-04-25 | 【樹木】ETC
 岩牡蠣は、真牡蠣と同じマガキ属だが、身も殻もずっと大きい。一部の地方で養殖がされているようだが、ほとんど天然ものである。それで、市場に出る量も少ない。オイスターバーで、何度か「今日は売り切れ」と言われたことがある。
 食べるのは夏で、夏牡蠣と呼ばれる。5月頃から、お目にかかれる。そろそろである。
 一口では食べられないボリュームのある岩牡蠣を、願わくは、美女と一緒にと思う。
※写真は、ベランダに置きっぱなしにしてあった真牡蠣の殻。

甘い甘い無花果

2009-04-25 | 【樹木】ETC
 4月8日に一枚目の葉をつけた無花果(イチジク)は、17日後の今日、数えるのがわずらわしいくらいに葉をつけている。まぎれもない生長をしている。
 ところが俺の肉体は衰退しつつある。17日前の俺と、今日の俺のどこが違うかをはっきりとは較べられないが、老化の道を進んでいることはまぎれもないことだ。
 それは、自然なことだけど、嬉しいことではない。
 ピエール・ルイスの「ビリチスの歌」を読んでいたら、「熱い腰帯」という詩に無花果が出てきた。さて、その無花果とは、何の喩えであろうか。鈴木信太郎の訳(括弧内)である。
 ビリチスが、最近つれないひとに言う。
 「果実や野菜をほしがる食ひしん坊。ビリチスの 小さな庭には 無花果が 一つあるだけ。けれどもそれは 甘い甘い無花果よ。」

裸で樹のぼり

2009-04-24 | 【樹木】ETC
 「かわいそうね」
 「微罪だね」
 とか言われたりもしている。
 街中の公園に裸でいて逮捕された男が有名人だったので、大きなニュースになっていた。
 裸ということで思い出した。
 こちらは、若き女性の裸である。
 ピエール・ルイスの「ビチリスの歌」の「樹」という詩。
 鈴木信太郎の訳である。勝手に、行換えなどをした。
  著物を脱いで 樹のぼりをした。
  裸の腿で、滑らかな 湿った樹肌を 抱き締めた。
  サンダルが 枝から枝と渡ってゆく。
  天辺で、木の葉がくれに暑さを避けて、木の股に 妾は馬乗り。
  両足を 宙に ぶらぶらさせながら。
  雨はあがった。
  雫が落ちて肌を流れる。
  両手は 苔の染みがつき、足の指は 花踏みしだき 赤く染つた。
  横なぐりの風が吹くとき、この美しい樹が生き生きと 生きてゐるのを 妾は感じた。
  妾は脚をなほ締めつけて、枝の毛深い襟筋に 脣をひらいて 押しあてた。

躑躅の蕾ができる時季

2009-04-23 | 【樹木】躑躅
 住まいから見下ろせる小公園のツツジ(躑躅)が、今年はほとんど花をつけていない。毎年、目を愉しませてくれるのに残念だ。
 恐らく、時季を誤って剪定したのだろう。ツツジの蕾は、花の終わりの頃にでき出すという。よって、次年に美しい花をいっぱい咲かせようと思って、剪定をするなら、前年の花の終わり頃にはした方がいいと言うことになる。
 ツツジだけのことではないが、花木の剪定は、蕾の出来る時期などに注意が必要である。蕾が早くでき出す植物も多いのだ。

御衣黄という色

2009-04-23 | 【樹木】櫻
 御衣(ギョイ)を古語辞典で引く。
 「天皇や貴人のお召し物」とある。
 御衣黄(ギョイコウ)となると、「天皇や貴人がお召しになる衣の色で、黄を帯びたもの」ということになろう。
 桜の御衣黄の花は、緑色といわれるが、その緑は、黄の沈み込んだ色だ。光線によっては、より黄に近く見えるかも知れない。
 名の由来である。

「八重散りしける」

2009-04-22 | 【樹木】櫻
 今朝、駅前で見た八重桜は、昨夜の雨に濡れて、なんだかだらしなく感じた。
 桜の開花は、一重より八重がおそい。一般に、花びらの多いものほど、開花がおそいそうだ。
 その八重も散り始めた。
 八重と山桜の両方がでてきて、どういうことかなと思うが。新古今集から一首。
 木のもとの苔の緑も見えぬまで八重散りしける山ざくらかな(大納言師頼)

牡蠣の種類Ⅱ

2009-04-22 | 【断想】牡蠣
 先日、牡蠣の主な種類について記したが、日本で養殖されている牡蠣のほとんどは真牡蠣(マガキ)であり、ジャパニーズ・オイスター(パシフィック・オイスター)と呼ばれている。そういうことなので、天然で夏牡蠣(夏に食用)の岩牡蠣(イワガキ)は別にして、ほとんど見ることのない住之江牡蠣(スミノエガキ)等を省き、以下のように列べた方がいいのかと思う。  
 ・ニッポンガキ(パシフィック・オイスター)
 ・アメリカガキ(バージニアガキ):アメリカ東海岸原産
 ・オリンピアガキ(カンムリガキ):アメリカ西海岸原産
 ・オーストラリアガキ
 ・フランスガキ(ヨーロッパヒラガキ)
 ・ポルトガルガキ
 ・ボンベイガキ
 ・チリーガキ
 原産地を中心にすれば、大雑把には、こんなところなのか。養殖ということになると、実際に生産される海域は、原産地と異なってくるが。
 少しづつ、あたまのなかを整理していこうかと思う。

人と木のひととき

2009-04-22 | 【樹木】ETC
 今夜は雨に濡れたな。
 冷たくないし、濡れるのもいいだろう。
 明日はきっと、スカッといい天気だぞ。
 犬四手(イヌシデ)の木に、そう言ってやった。
 森林セラピーのことが書かれた本を読んでいる。
 「そういえば、休むという字は、人偏に木であった。」とあった。
 今日得た最高の知識だ。
 ※引用は、田中淳夫著「森を歩く」(角川SSC新書)

春雨の夜

2009-04-22 | 【樹木】ETC
 シャツ一枚、パンツ一枚でベランダにおれるようになった。
 雨が降っている。
 結構降っている。
 木々が濡れている。
 酒を口にふくむ。
 ちびちび飲むとうまさががよくわかる。
 そうして、うちなる苛立ちが消えないかと思っている。
 幹が細いくせに樹冠の葉を繁らせた櫟が濡れてしおれている。
 ほおっておこう。
 あれこれ気を遣ってもよくないだろう。
 雨の音で、地下を流れる水の音が聞こえないな。
 あの音は、俺をどれだけ癒してくれたことだろう。

白い十字架

2009-04-21 | 【樹木】ETC
 毎朝、駅へ向かう道の途中に、ハナミズキ(花水木)の木がある。
 いつも、白い花びらを見る。
 その十字にひらいた4枚の花びらは、2枚づつ幅・長さが異なっている。
 これで、イエスが磔にされた十字架と思われたのだと確認する。

行く春に

2009-04-21 | 【断想】ETC
 それぞれに春の日が行く。
 過日。
 あいつとすれちがった。
 さみしそうな顔をしていた。
 それでも、うつむいてはいなかった。
 昨日。
 あいつとすれちがった。
 俺をみつけて、嬉しそうに声をかけてくれた。
 俺もそいつの笑顔をみて、嬉しかった。

黄緑色の鬱金の花

2009-04-21 | 【樹木】櫻
 その淡黄緑色の花が人気である。
 鬱金(ウコン)という名の響きもいい。
 名のいわれは、言わずもがな。
 黄桜との呼び方もする。
 花のさかりが過ぎ、散る前には淡紅色になる。
 オオシマザクラ系の園芸品種である。
 高尾駅から多摩森林科学園・サクラ保存林への道にも植えられていた。