むなしき空に春風

2019-04-10 | 【樹木】櫻
 また、式子内親王の春の歌。
  花は散りてその色となくながむればむなしき空に春風ぞ吹く
 染井吉野の花は、だいぶ散った。
 空に風。
 「むなしき空に吹く風」とは・・・・。
 時は過ぎ、花は散る。
 わたしはながめている。
 ながめているのは、こころのうちがわ。

雲ぞさくらよ

2019-04-08 | 【樹木】櫻
 桜の花を見かけない日がない時季だ。
 電車の窓から・・・・・・。
  たれもみよ吉野の山の嶺つづき雲ぞさくらよ花ぞ白雪
 式子内親王の好きな歌のひとつ。
 青空をバックにした桜の花は、見た目に美しくても、写真で撮ると暗くなることが多い。
 花が蔭になる。グレーになってしまう。

春のおもかげ

2019-03-27 | 【樹木】櫻
 この世にはわすれぬ春のおもかげよ朧月夜のはなのひかりに
 この歌も、式子内親王のもの。
 「春のおもかげ」・・・・
 時は流れる
 この世の生はいつまでもはつづかない
 「はなのひかり」・・・
 つつましやかに

雲ぞさくらよ

2019-03-25 | 【樹木】櫻
たれもみよ吉野の山の嶺つづき雲ぞさくらよ花ぞ白雪
式子内親王が、こう詠んだとき、その桜は、山桜。
今の日本、もうすぐ本格的な桜の季節がやってくる。
こう言うときの桜は、染井吉野。
その染井吉野。
江戸末期以降の桜。
日本の西欧化とともにあった桜。
桜の「雲か霞か」と言うイメージを押し進めたのが染井吉野。

大島桜かなあ

2019-03-24 | 【樹木】櫻
花びらが白くておおきい。
萼片の緑色が花の中心に透けて見える。
大島桜だろうか、
緑の葉が出ていれば、そうなのだろう。
だけど、これは若葉が赤い。
ただ、赤い場合もあるし、雑種もあるという。
山桜と言うこともと思うが、
このあたりの山桜が花をつけるのは、
もう少ししてからでなかったろうか。

サクラの季節

2019-03-14 | 【樹木】櫻
サクラの花を見かけるようになった。
この前、早咲きのオカメ。
そして今日、少し早めのオオカンザクラと見た。
もうすぐ、ソメイヨシノの花がいっせいに咲き出す。
先日、春のサクラじゃないけど、ジュウガツザクラの花も見た。
花としては、ちいさく可憐なジュウガツザクラがいいな。
この先いいのは、江戸彼岸の姥桜。
紅色の枝垂れなんかがいいな。

「慶雲興」

2019-03-10 | 【樹木】櫻
 上野の森美術館での龜甲展、いにしへの文字の書である。
 知り合いから案内をもらい、観に行った。
 その知り合いは、「慶雲興」と書いた作品を出していた。
 「お祝いに送れるような書ですね」と言うと、
 本人から、「良き時代の訪れを願って」との返事。
 その帰り、上野公園内で十月桜の花を見た。
 昨日は、オカメ、今日は十月桜と二日続きの桜。
 どちらの桜も、豆桜がからんでいる。
 十月桜は、豆桜と江戸彼岸が関与したとされている。
 花期は、十月頃から、年をこして、春まで。
 通常の春の桜ではない。
 赤坂見附交差点の桜も、この種だったと思う。
 そう言えば、ついこの前、見かけて、
 「や、咲いてるな」と思って、通り過ぎていた。

風にのって

2016-04-06 | 【樹木】櫻
 窓のそと
 風にのってヒラヒラと白いもの
 桜の花びら
 近くの公園からだろう
 あそこは小学校の跡地
 かつて
 そこには少年少女の声
 桜の季節
 いつまでも続くわけではない
 時は過ぎる
 便りが途絶えている友
 少年時代をともに過ごした友
 生きているのだろうか
 既に多くの友が
 この世にいない
 あいつは手紙で
 小学校の桜のことを書いていた