●「進化論」を書き換える/池田清彦著/新潮社/2011年3月25日発行/\1400
著者は、テレビ番組にも出られている方で、きっと読みやすく、楽しめる本と思って読み出したが、大間違いであった。生物学について、それなりの知識がない読者にとっては、なじみのない用語、名称などが多く、その連続に面食らい、言い回しも含めて、理解不能と言うことになる。当然、私は、そんな一般読者で、さっぱり理解がついていけず、「不親切な本」と毒づくしかなかった。
ただ、大枠は分かった。進化論なるものの紹介・歴史が記されていて、ラマルク、ダーウィンの進化論から、その後、遺伝学の知を得て隆盛したネオダーウィニズムの解説とその破綻が述べられている。
たが、これらの進化論では、「小さな進化」の説明はできても、魚類から四足動物へというような「大きな進化」の説明はできなかったとある。
著者は、最新の生命科学の知を得ての「進化機構論」「構造主義進化論」なるものを説いている。確か、講談社学術文庫にも、それについての著作があったと思う。