馬栗=トチノキ

2007-09-30 | 【樹木】ETC
 雨降りの中、傘をさして多摩動物公園を散歩した。すいていた。そのせいもあろう。トチの実が落ちていて、2個拾った。1個は実が出ていた。もう1個は殻をわって実を出した。
 トチノキの英名はホース・チェスナッツだそうだ。馬栗。丸くて大きな実を見ると、まさに、そんな感じがする。
 先日、トチ餅を食べたが、トチの実はそのままでは、渋くて食べられない。でも、食べる奴もいるのかな。

「笑えるクラシック」

2007-09-30 | 読書

【本の紹介】
●笑えるクラシック/樋口裕一著/幻冬舎新書/2007年7月30日発行/756円
 まるで人生のなんたるかを学び取ろうとするかのようなまじめさでクラシック音楽に接する人も多い。しかし、作曲者自身、まるっきりそんなことを考えていない曲も多いんですよと著者は語っている。作曲者の真意を知れば、愉しみ方も広がるますよということで、例をあげている。ラヴェルは、「ボレロ」の演奏はただ単調にやって欲しいと思っていたようなのに、トスカニーニはメリハリをつけようとしすぎたとか。また、本書後半には、「正真正銘笑える名作オペラ」や推薦CD・DVDの紹介もある。


オオカミがすたれて

2007-09-27 | 【断想】ETC
 森を荒らすと、さまざまな禍が発生する。人類は、文明の崩壊をも経験している。農耕、漁撈、治水……影響ははかりしれない。
 ヨーロッパでは、14世紀から17世紀にかけて、幾度かペストの大流行にみまわれているが、それも、森を荒らしたことと無縁ではないと言われている。
 気候変動、人口増、麦作牧畜文化等々、様々な要因がからみあっているようだが、当時それらによって森が破壊され、草地が飛躍的に広がった。
 草地は、ペスト菌をもつクマネズミの生息地である。クマネズミは、人が住むすぐ隣で増殖することになった。そして、クマネズミにつく蚤を介して、人の間にペスト菌がばらまかれた。結果は、世界史で教わったごとくである。
 森が破壊され、狭くなったことにより、オオカミをはじめとしたネズミを補食する動物が減ったことの影響も少なくないと言われている。

首輪のあとが残るオオカミ

2007-09-27 | 【断想】ETC
 秩父の三峯山博物館で、「オオカミがのこしてくれたもの」という特別展が開催されている。先日、見てきた。ニホンオオカミの毛皮が展示されていた。特にどうこういう代物ではない。今では、珍しいというだけである。
 ニホンオオカミは、およそ100年前に絶滅したとされている。その後、目撃情報もあるが、ニホンオオカミであるとは公式に確認されていない。1996年に秩父山中で撮影されたニホンオオカミかも知れないという生き物の写真も展示されていた。オオカミに毛並みや姿が似た犬ではなかろうか。なんだか首輪のあとが残っているように見えた。どこかから逃げてきたのかも知れない。何かをさがしていて、森のなかを彷徨うことになったのかも知れない。

凪ぎたる海の面かな

2007-09-26 | 【断想】ETC
 昨夜、夜空の月をあおぎ、きれいだな、満月に近い月だなあと思っていた。それは、9月25日「中秋の名月」だった。あとで、妻に言われて、ようやく気づいた。西行の「山家集」から一首。
 月すみてなぎたる海のおもてかな雲の波さへ立ちもかからで
※陰暦の8月15日の月を「中秋の名月」と呼ぶ。今年は、陽暦9月25日の月がそれにあたる。
※実際の満月の日は、陽暦9月27日(陰暦8月17日)。15日が必ず満月というわけではない。

狂った二ホンオオカミ

2007-09-26 | 【樹木】ETC
 農耕中心の日本では、オオカミと人との共存が成り立ち、森を守る「神」ともされ、崇められもした。明治期以降、オオカミを嫌う西欧文化が、日本になだれ込み、オオカミは害獣との見方が強くなった。ただ、オオカミが嫌われ者になった因を西洋文化にだけ押し付けるわけにもいかないだろう。
 享保17(1732)年、徳川吉宗の時代である。ニホンオオカミの間で、狂犬病が流行したそうだ。発病すると狂躁状態になり、やたらものに咬みつく。人間、家畜にも咬みつく。咬みつかれて感染し、狂犬病が発症すると100%命を落とすという、未だ治療方法がない怖い病気である。
 日本では、予防法が制定され、犬には注射がうたれるようになり、昭和30年前後の後、人にも動物にも発生していない。しかしながら、予防の手だてもない時代、狂ったオオカミが襲ってきたら、撲滅してやろうという気持ちにもなったであろう。
 ただ、それは、オオカミのもともとの属性ではないということだ。人間でも、狂い、凶暴性を発揮しだせば、嫌われる、隔離される。

「いつの日か」狼よ

2007-09-25 | 【樹木】ETC
 海外から入ってきた狂犬病に罹って嫌われ、怖れられて、殺されて、海外から伝わったジステンバーで決定的打撃をうけ、滅んでいった動物がいる。ニホンオオカミである。
 ニホンオオカミがどこかで生き残っていてくれたらなあ。そして、いつの日か、種族をふやし、かつてそうだったように日本の森の「守護神」になってくれたらなあ。そんな思いもあって、先日、秩父の三峯神社に行ってみた。

雨の朝の思い

2007-09-25 | 【樹木】ETC
 朝、雨が降っている。
 人の喜怒哀楽がいかほどのものであれ、雨は降り、木々を濡す。
 ケヤキもイヌシデも、まだ青い葉をしている。いつまでも、青い葉のままであってほしくもあり、紅葉の美しさを早く見たくもある。いずれ季節は巡るのに、人は、そのように思う。

奥秩父の森の道案内

2007-09-24 | 【断想】ETC
 三峯神社の創りは、日本武尊が伊弉諾尊と伊弉册尊を祀ったところにあるというから、古い。「お犬様」という狼信仰の関東の総本山になったのは、江戸時代になってからのようだ。御眷属信仰がひろまり、江戸をはじめ各地に三峯講が組織されたそうだ。
 奥秩父の森に迷い込んだ日本武尊を、どこからともなく現れた狼が道案内したという話は、江戸期につくられたものかと思われる。
 いずれにしろ、狼が森を守るものとして崇められたのには、理由がある。森や田畑を荒らす鹿、猪の追い払い、農耕に益をもたらし、川の氾濫など自然災害を防いでくれたのである。今、奥多摩では、鹿が増え、森を荒らしている。
 三峯お犬茶屋山麓亭という店で、イモ田楽を食べた。イモは、もともとロシアからもってきた種によるものだそうだ。その特産の中津イモに味噌だれをつけて囲炉裏焼きしたものである。長い串に4~5個ついていた。小さなジャガイモ風だが、身は崩れない。

トチ餅を食す

2007-09-23 | 【樹木】ETC
 住まいのベランダから見下ろせるところに、トチノキが一本あった。先年、伐られた。木が密集しすぎていたからだ。そのトチノキに実がついているのを見たことはない。陽当たりがよくなかったこともあろうが、トチノキがしっかり実をつけるようになるには、年数もかかるということだ。
 昨日、トチ餅を食べた。手作りの饅頭型のものと、きれいな切り餅になっているものの2種。手作りのものの方が風味があった。香りもした。いずれにしろ、格別うまいというものではない。香りがいいわけでもない。

「犬狼」鼻祖のことなど

2007-09-22 | 【断想】ETC
 澁澤龍彦の「犬狼都市」に出てくるのは、コヨーテである。次のように、一族の運命を語り出す。
 「……おれは大ロッキー山脈のほとり、ワイオミング州はイエロオストン国立公園のなかの、緑したたるフレモント渓谷に生をうけ享けた、生粋のコヨーテ、犬狼貴族である。おれたちの種族は昔と変わらず、今もインディアンたちからは神の犬と呼び慣らわされているが、このことには相当の理由があるのだ。それを話して聞かせよう。」
 衰亡する種族が、あたらしい生命をのちに遺そうとする話である。

「二ホンオオカミの復活」

2007-09-21 | 【樹木】ETC
 レバノンスギの森の守護神フンババはギルガメシュに殺され、日本の森を守り、秩序を保ってきた二ホンオオカミは、人がしかけた毒や銃弾、そして流行病に絶えた。
 時流れて久しい。
 なくしたものを取り戻すことは出来るのか。復活はあるのか。秩父の三峯神社は、狼信仰の関東の中心と聞く。一昨年だったか、近くまで行ったのに。