などて君

2014-05-30 | 【断想】ETC
 今朝も、時鳥の声が聞こえた。
 鳥の声と言うと思い出す。
 もうだいぶ前のことになった。
 神社の木々のあいだから、思いがけない木の葉木菟の声。
 幽界からの友の声と感じた。
 多くの友人・知人がこの世をさった。
 今年になってからも。
 気になる音信不通の友もいる。
 生かされて今がある自分を思う。
 和泉式部歌集から一首。
 などて君むなしき空に消えにけん淡雪だにもふればふる世に

あけぼのの時鳥

2014-05-29 | 【断想】ETC
 昨夜、駅からの帰り道、時鳥の声を聞いた。
 先日の朝、駅へ向かう道で聞いたときと同じ方角から。
 多摩動物公園駅の近くの林から。
 同じ鳥なのだろう。
 そして、家に帰って、知った。
 妻もその声に気づいていた。
 なんだか、嬉しかった。
 そして今朝、いましがた時鳥の声が聞こえた。
 ほとんど一声だった。
 式子内親王の歌。
 「まちまちて夢かうつつかほととぎすただ一声のあけぼのの空」

日本酒賛歌

2014-05-28 | 読書
【本の紹介】
●めざせ!日本酒の達人/山同敦子著/ちくま新書/2014年5月10日発行/940円
 日本が、世界に誇れるもののひとつが日本酒である。わたしが好きな牡蠣にも、日本酒は合う。食べ物とともにおいしくいただける酒である。
 著者は、JSA認定ソムリエでもある女性ジャーナリスト。自分の感覚を大切にして、お酒に接すること、美味しいと感じたら、それを自分なりに表現するといいと薦められている。私は、総じて日本酒ならなんでも好きだけど、時折、これは美味いなというもの出会う。そんな時、名前ぐらいは、メモでもしておいた方がいいのかと思う。
 本書では、日本酒に関する基礎知識が、ひととおり語られている。米の生産、蔵元での製造、小売店や居酒屋のこと、さらに、日本酒に関する様々な用語等々、そこらをしっかり理解しようとすると案外わずらわしい。そんな部分は、必要に応じて読み返せばいいやとページをめくった。
 読み終えて、改めて、自分はどんな酒が好きなのかと思った。
 居酒屋に入って、郷里の酒があると注文することが多い。天狗舞、手取川、菊姫、萬歳楽・・・・・。
 最近は人気の山口の獺祭。昔から人気の広島の酔心。東北の奥の松やまんさく、会津誉れ、・・・・切りがないのでやめておこう。
 本の中程に、次のような記述があった。
 「私見ですが、概して男性は有名な銘柄を好む傾向にあります。特に社会的地位のある男性は、有名な銘柄の斗瓶取りなどの限定品に目がないようです。社会の中での評価を選択基準にするのでしょうね」
 美味しさよりメンツか、なさけなくもあるな。

芝桜の丘

2014-05-27 | 【草花】ETC
 今年のゴールデンウィークの一日。
 秩父の羊山公園へ芝桜を見に行った。
 武甲山を背景にした丘一面に芝桜が咲いていた。
 シバザクラはハナシノブ科の多年草。
 特に、見たかったわけでもないが、休日の散歩のつもりだった。
 広場に、出店があり、野草の天ぷら等を食べた。
 そばの花の蜂蜜も買った。
 その折、はからずも横瀬の駅で電車を降りた。
 横瀬が、芝桜の丘への最寄り駅と、近くまで行って気づいた。
 そこは、友人が移り住んだところだった。
 同じ稼業をやっていた彼は、永田町から離れて、居を秩父に移した。
 彼には、「そのうち遊びに行くよ」と言っていた。
 電話をしようかと思ったが、連れもいてやめた。
 だけど、折角、横瀬まで行ったのにという気持ちが残った。
 その彼から、電話があった。
 また、「そのうちに行くよ」と言った。
 彼が、秩父に行った直接の契機になったのは、前回総選挙の結果である。
 もっとも、彼は、以前から、移住をしようとしていたが。
 彼は、長年の思いを実行した。
 俺には・・・・・。
 だけど、もっと人里遠いところへ行くのかと思っていた。
 前回総選挙結果の余波は、まだ、ある。

家持が愛した撫子

2014-05-27 | 【草花】ETC
 先日、とあるところで、撫子の花が群れ咲きだしているのを見た。
 大伴家持が愛し、育てた花だ。
 「わが宿に蒔きしなでしこいつしかも花に咲きなむ」
 わたしの見た撫子と、大伴家持が育てた撫子は品種が違うだろうが。
 撫子は秋の七草にかぞえられているが、夏の花。

更紗空木の花

2014-05-26 | 【樹木】ETC
 あの卯の花、更紗空木には、去年、気づいたんだ。
 色づきで八重の園芸品種。
 今年も見ることができた。
 それを見ることで気づくことがある。
 自分の気持ちがいかなる状態か。
 ここのところ、総じてあくせく。
 好ましいことではないと。

「よかったね」

2014-05-25 | 【樹木】ETC
 窓から外を見て、思っていた。
 今年はエゴノキの花を見ていない、と。
 ゆとりがない証しかなあ、と。
 久しぶりに多摩動物公園を散歩した。
 あちこちで、路上に散ったエゴノキの花を見た。
 一番の見頃は、過ぎてしまったようだ。
 それでも、匂いも発して、小さな花々が美しかった。 
 自分に、「よかったね」と言っておいた。

憐れみ給え

2014-05-24 | 【断想】ETC
 空海の詩にある。
  三界の狂人は狂せることを知らず
  四生の盲者は盲なることを識らず
 人それぞれの価値観
 その言動
 俗世の地位みたいなものとらわれている人
 人の意見を聞けなくなった人
 さまざまだ
 しんから頭にくることもあるが
 己の胸に手を当てれば・・・・
 神よ、憐れみ給え

時鳥の声

2014-05-24 | 【断想】ETC
 今朝は、ホトトギスの声が聞こえないな。
 先日、駅への道の途中で、聞いたのだが。
 もう、そんな季節かと。
 今朝も初夏を感じさせる空だ。
 時鳥の声が、今にもするかも知れない。
 時鳥の歌はと、式子内親王の歌集を開く。
 齋院時代の思い出の歌である。
 「時鳥そのかみやまの旅枕ほの語らひし空ぞ忘れぬ」

「今昔物語」

2014-05-01 | 読書
 福永武彦訳の「今昔物語」(ちくま文庫)を読み終えた。
 選ばれた155篇の話が収められている本だ。
 訳がいいのか、楽しく読み進んだ。
 しかも、ひとつの話が短くて、読みやすかった。
 いいなと感じた話が載っているページのはしを折っておいた。
 それが、以下の4篇。
 ・死んだ妻とのただの一夜逢う話
 ・平中が本院の侍従に恋する話
 ・女の執念が凝って蛇になる話
 ・天狗に狂った染殿の后の話
 いずれもエロチックなところのある話。
 女の性行のことが思われる話。
 好みが知られようというもの。