“Eonta”

2018-11-25 | 【断想】音楽
 クセナキスの「Eonta(エオンタ;存在するものども)」(1963-64)。
 ピアノとその他の楽器のための室内楽曲である。
 《 Ensemble Instrumental de Musique Contemporaine de Paris(パリ現代音楽室内楽団)/LE CHANT DU MONDE》
 演奏者は、以下の顔ぶれ。
 ピアノが高橋悠治。
 トランペットがP.ThibaultとL.Longoの2人。、
 トロンボーンがJ.Toulon,G.Moisan,M.Chapellierの3人。
 曲は、以下の2つのパートで構成されている。
 Premiére Partie 13;17
 Denxiéme Partie 6;57
 クセナキスのピアノは、いつものことだけど、なかなかいい。
 弦や管楽器より、切迫感がうすく感じられ、曲として親しみやすい。
 ピアノの音がもつ、燦めきのせいだろうか。
 クセナキスは、ナイーブな肉体をもつ人間に向かって、何を言いたかったのだろうか。
 肉体とは、感性と置き換えてもいい。

“アインシュタイン”knee play3

2018-11-24 | 【断想】音楽
 フィリップ・グラスのオペラ「浜辺のアインシュタイン」。
 マイケル・リーズマン指揮、CBS盤のCDで、knee play3を聞く。
 DISC2のラスト、4DISCの半分になる。
 続く第3幕から、後半となる。
 knee playと言うのは、一般的な用語なのだろうか。
 「関節劇」と訳されていて、意味は通じるが。
 作曲家への何らかの関心がなかったら、根気よく、こんな音楽を聞くことはないだろう。

“Metastasis”

2018-11-24 | 【断想】音楽
 クセナキスの管弦楽曲「Metastasis(メタスタシス;弁証法的変換)」(1953-54)。
 《 モーリス・ル・ルー指揮/フランス国立放送管弦楽団/LE CHANT DU MONDE》
 61人の奏者による作品。
 クセナキスの事実上のデビュー作。
 以前、MODE盤で聞き、「硬質の美がある」とメモした。
 改めて、聞いて、そんな面もあるかも知れないが、とは感じた。
 それは、クセナキスの音楽全体に言えることでもある。
 なめらかで、美しいものはないということでもある。

“Pithoprakta”

2018-11-24 | 【断想】音楽
 クセナキスの管弦楽曲「Pithoprakta(ピソプラクタ;確率による行為)」(1955-56)。
 《 モーリス・ル・ルー指揮/フランス国立放送管弦楽団/LE CHANT DU MONDE》
 50の楽器(弦46,trb2,シトロフォン1,ウッド・ブロック1)による10分ばかりの初期の作品である。
 シトロフォンだろうか、ウッド・ブロックだろうか、時々、短く鳴る音が印象に残った。
 さて、クセナキスの血にちなんで、古代ギリシャの詩を読んだ。
 レスボス島に生まれた詩人サッポオの詩(呉茂一訳)。
 以下、幾つかの断片の中で、読み返したもの。
  死ぬのは 凶いこと
  神様たちも さうきめて いらっしゃる
  さもなくばみんな 死なれたろう筈

“アインシュタイン”第2幕

2018-11-17 | 【断想】音楽
 フィリップ・グラスのオペラ「浜辺のアインシュタイン」。
 マイケル・リーズマン指揮、CBS盤のCDで、以下を聞く。
 ヴァイオリンは、ポール・ズーコフスキー。
 knee play2
 act2 scene1・dance1(第2幕 第1場・舞踏1)
 act2 scene2・night train(第2幕 第2場・夜行列車)
 第2幕第1場は、「宇宙船のある原野」、英語で、Field with Spaceship。
 冬の日、ビーチで日向ぼっこしながら昼寝。
 そんな時に、聞くのならなあ。
 出かける用意をしながらじゃあなぁ。

“アインシュタイン”の裁判

2018-11-15 | 【断想】音楽
 フィリップ・グラスのオペラ「浜辺のアインシュタイン」。
 マイケル・リーズマン指揮、CBS盤のCDで、第1幕の「裁判」と名づけられた第2場を聞く。
 歌唱、語り、そんなはじまり。
 アインシュタインは、どうしたのかな。
 音楽は、単調である。
 舞台では、なにか面白いことでもやっているのだろうか。
 音楽の感じからいけば、舞台もつまらなさそうだ。
 美女のエロチックな踊り、ないだろうな。

つはのはな

2018-11-13 | 【草花】ETC
地下鉄の虎ノ門駅から西新橋の事務所へ行く途中、
二個所で季節を感じさせる石蕗の花が咲いている。
格別に好きな花というわけでないが、
そこに咲いていると、いいなと思う。
「つはのはな」は、ツワブキの花である。
漢字で石蕗だけど、別の書き方もある。

“浜辺のアインシュタイン”

2018-11-10 | 【断想】音楽
 「浜辺のアインシュタイン」は、フィリップ・グラスが、舞台演出家のロバート・ウィルソンとともに作った約4時間半のオペラ作品である。
 台本(英語)は、クリストファー・ノウレス、サミュエル・ジョンソンである。
 1976年にアヴィニヨン音楽祭で初演された。
 この作品の音を、CDで聞く。
 指揮は、マイケル・リーズマン。
 演奏は、フィリップ・グラスEns.cho、ポール・ズーコフスキー(vn)。
 語りは、チャイルズ。
 レーベルは、ソニー。
 以下のように、knee playが、4幕をはさむ。
 knee play(ニー・プレイ・関節劇)1
 act1 scene1・train(第1幕 第1場・列車)
 act1 scene2・trial(第1幕 第2場・裁判)
 knee play(ニー・プレイ・関節劇)2
 act2 scene1・dance1(第2幕 第1場・舞踏1)
 act2 scene2・night train(第2幕 第2場・夜行列車)
 knee play(ニー・プレイ・関節劇)3
 act3 scene1・trial/prison(第3幕 第1場・裁判/刑務所)
 act3 scene2・dance2(第3幕 第2場・舞踏2-宇宙船のある原野)
 knee play(ニー・プレイ・関節劇)4
 act4 scene1・building(第4幕 第1場・ビルディング)
 act4 scene2・bed(第4幕 第2場・ベッド)
 act4 scene3・building(第4幕 第3場・宇宙船)
 knee play(ニー・プレイ・関節劇)5
 宇宙船のある原野は英語で、Field with Spaceship
 列車は、ウィルソンの汽車。
 このオペラには、はっきりしたストーリーはなく、アインシュタインの視覚的イメージを音響や演技、台詞などで表現したもののようだ。
 この作品のことは、オペラの概念を変えるものとか言うことで、前から知っていたが、観る機会はもちろん聞く機会もなかった。タイトルがよくて、聞いてみたいとは思っていた。
 CD屋で、クセナキスのものをさがしていたときに、このCD(中古)が廉価で売られていたのを見つけて買った。洋盤で、解説パンフが役に立たなかったので、以上のようなメモを作った。
 とりあえず、第1幕第1場の終わりまで聞いてみた。
 浜辺で佇むアインシュタインの頭のなかを、シュッポシュッポと汽車が走っている感じがあった。グルグルグルグルといつまでも、汽車は宙を走る。

“Kyania”

2018-11-10 | 【断想】音楽
 クセナキスの管弦楽曲「Kyania(キアニア;暗き紺碧の国)」(1990)。
 《 アルトゥーロ・タマヨ;指揮/ルクセンブルク・フィルハーモニック/Timpani》
 「暗き紺碧の国」は、どこにあるのだろうか。
 生き物は棲んでいるのだろうか。
 そこに禍はあるのだろうか。
 禍と言えば尽きることがない。
 君は禍から逃れられない。
 それは君の属性なのだ。

“Eridanos”

2018-11-07 | 【断想】音楽
 クセナキスの管弦楽曲「Eridanos(エリダノス)」(1973)。
 オーケストラは、68楽器。
 《 アルトゥーロ・タマヨ;指揮/ルクセンブルク・フィルハーモニック/Timpani》
 時々、感じるな。
 遠くから、何かが、得体のしれないものが近づいて来る感じ。
 ラヴェルやファリャにもある感じだ。
 ラヴェルやファリャは、ワクワク感。
 クセナキスは不安感。
 生きた時代が違う。
 血も氷る大量殺戮兵器のある時代なのだ。
 クセナキスの音楽は、半端でないところがいい。