Eddie Higgins Quartet featuring Scott Hamilton
2002Rec Venus Records
日曜の17時
11月末のこの時刻
もう外は暗くなった
夕食前
くつろぎのひととき
この時期 届く「喪中葉書」が増えている
CD2曲目は、「ロシアン・ララバイ」
僕たちの子守歌
それは犀川のせせらぎか
猿丸神社の木々のざわめきか
みんなで聞こうとしたら
あの世から来てもらわなくてはならない奴がふえた
なんてことだ
「夜も昼も」、この曲が終わったら、とめよう。
今日から、アドベント。
それで、クリスマスを思って、リムスキー・コルサコフの「歌劇・クリスマス・イヴ組曲」。
その中の「悪魔のクリスマス」。
何だか不穏な気配。
どこかしら東洋的ムード。
天翔る不気味な影。
妖怪の行進だろうか。
悪魔たちを駆逐する正義の軍団も現れたのかな。
いや、いつの間にか、次の曲かな。
わからないが、聞いていて、思い浮かぶ展開。
バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聞こうかと思ったけど、時間がかかりそうで、やめた。
チャールス・ミンガスの「黒い聖者と罪ある女」(1963 Impulse!)。
CDの宣伝には、「ミンガスの才能が隅々まで光り輝く“エスニック・フォーク・ダンス・ミュージック”」とある。
アルバム名、その宣伝文句には、ひかれるが、実際に聞くと、何だかまとまりの悪い演奏のように感じる。
ちょっと、何を言いたいのか分からない音楽になっていないか。
フリー・ジャズには、この手のものが、多いのだが。
それらの、悪しき影響だろうか。
パーソネルには、11人の名前がならんでいる。
その中には、チャーリー・マリアーノもいる。
チャールス・ミンガスは、全体のまとめあげが、うまい人だが、これは、失敗作でなかろうか。
僕に、聞く耳がないだけだろうか。
なんだかわけの分からないフリー・ジャズを根気よく聞くには、耐えがたくなった自分がいる。
面白い音はしているが、それが、ずっと続くとうるさくなる。
ソニー・ロリンズの「ビレッジ・バンガードの夜 vol.2」(1957 Blue Note)。
1.恋とは何でしょう
2.朝日のようにさわやかに
3.ソニー・ムーン・フォー・トゥ
4.アイ・キャント・ゲット・スターテッド:言い出しかねて
5.四月の思い出
6.ゲット・ハッピー
7.ストライバーズ・ロウ
8.オール・ザ・シングス・ユー・アー
9.ゲット・ハッピー
この時期のソニー・ロリンズの凄さについては、卓越したインプロヴィゼーションがあげられるようだ。
だけど、何となく聞いていると、あきてくる。眠くなる。
演奏者は、ソニー・ロリンズ(ts)、ウィルパー・ウェア(b)、エルビン、ジョーンズ(ds)、ピアノレスのトリオである。
4曲目の「言い出しかねて:I CAN'T GET STARTED」
作曲:ヴァーノン・デューク
作詞:アイラ・ガーシュウィン
5曲目の「四月の思い出」
ソニー・ロリンズとエルビン、ジョーンズノかけ合いが展開される。
それを意識して聞くと、それなりの面白さも見いだすことができる。
ジャズを演奏するような人には、きっと、このアルバム、面白いのかも知れぬ。
ソニー・ロリンズの「ビレッジ・バンガードの夜 vol.1」(1957 Blue Note)。
パーソネル
ソニー・ロリンズ(ts)
ドナルド・ベイリー(b)
ウィルパー・ウェア(b)
エルビン、ジョーンズ(ds)
ビート・ラロカ(ds)
ピアノ・レス・トリオでの演奏である。
ソニー・ロリンズは、そのスタイルが好きだった。
収録曲
1.チュニジアの夜
2.アイブ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン
3.チュニジアの夜
4.朝日のようにさわやかに
5.フォア
6.ウディン・ユー
7.オールド・デビル・ムーン
このアルバム、vol.1とvol.2になっているが、それは後に発掘された音源があってのことで、最初は、LP1枚であった。
収録曲は、A面に「オールド・デビル・ムーン」「朝日の如くさわやかに」「ストライバーズ・ロウ」、B面に「ソニー・ムーン・フォー・トゥ」「チュニジアの夜」「言い出しかねて」。
そのLP、昔、持っていたように思う。
人にあげたものの一枚だ。
vol.2には、以下が収録されている。
1.恋とは何でしょう
2.朝日のようにさわやかに
3.ソニー・ムーン・フォー・トゥ
4.アイ・キャント・ゲット・スターテッド
5.四月の思い出
6.ゲット・ハッピー
7.ストライバーズ・ロウ
8.オール・ザ・シングス・ユー・アー
9.ゲット・ハッピー
ソニー・ロリンズの音には屈託がない
豪放磊落とか言われるけど、それは、ちまちましたことにこだわっていないと言うことでもある。
それは、人柄と一体のものでもある。
人品は、音にあらわれると言う次第。
「OLD DEVIL MOON」は、vol.1では最後に、もとのLPではトップにおかれた曲。
「年老いた悪魔の月」「おいぼれデビルみたいな月」・・・。
「惑星:Outward Bound」(1960 Prestige)。
エリック・ドルフィの初リーダー盤。
それまでは、チコ・ハミルトン・クインテッドでフルートを吹いていた。
1967年出版のジャズの紹介本では、エリック・ドルフィがまだよく知られていなかったようで、あたらしいジャズを切りひらくひとりと位置付けられ、「変わり種」「・・・・コールマンより将来性が期待される」と書かれている。
演奏は5人。
エリック・ドルフィ(as,bcl,fl)
フレディ・ハバード(tp)
ジャッキー・バイアード(p)
ジョージ・タッカー(b)
ロイ・ヘインズ(ds)
プレスティッジからのLP盤のジャケットは、ちゃっちぃ。
モノクロで、紙質のレベルの低さも歴然。
その後、「NEW JAZZ 8236」としてでているものも、濃いグリーンの単色だが、キリコの絵を思わせるところがあって、いくらかましになった。
曲は、A面3曲、B面3曲の6曲が収録されている。
B面の1曲目「245」、フレディ・ハバードのトランペットがさえている。
「ハイチ人の戦闘の歌」を聞く。
「ザ・クラウン」(1957 Atlantic)の第1曲目。
以前は、10代の頃にしたしんだポピュラーを聞くと、懐かしくてたまらなかった。
その頃の感覚がよみがえってくる感覚があった。
ところが、最近、その感覚が薄れてきているように思う。
70代ともなると、そう言うことなのだろうか。
何だか、魂を震わすような音楽をと思って、チャールズ・ミンガスをかけてみた。
何かを吹き込んでくれる気がする。
そこに、きわだったスタンスをもった奴がいると感じる。
僕の好きなアルバムのひとつ。
チャールズ・ミンガスの「クンビア・アンド・ジャズ・フュージョン」(1976 Atlantic)。
もともと、LP盤で聞いていたが、いつでも気軽に、クルマの中でもと言うことで、CD盤も買って、よく聞いた。
ザ・プラターズの歌で「SMOKE GETS IN YOUR EYES」を聞く。
そして、スコット・ハミルトンをフューチャリングしたエディ・ヒギンズ・カルテットで聞く。
ザ・プラターズの歌は、朗々とうたいあげる感じである。
一方、エディ・ヒギンズは、題名に似合ったムーディッシュな演奏。
エディ・ヒギンズ・トリオ、2006年録音、ヴィーナス・レコードからのアルバム「恋に過ごせし宵:A Lovely Way To Spend An Evening」。
エディ・ヒギンズ(p)
ジェイ・レオンハート(b)
マーク・テイラー(ds)
以上がトリオのメンバー、ジャケットに三人の記念写真のようなのが載っている。
三人とも、とてもいい顔をしている。楽しそうである。
そして、エディ・ヒギンズが一番整った顔立ちをしている。
アルバム名が語るように、ロマンチックなラブ・ソング集。
《ロマンス4部作》の第2弾だそうで、このCDには13曲収録されている。
収録曲には、「涙のかわくまで」、「パリの四月」、「恋に過ごせし宵」、「ジェントル・レイン」、「セレナーデ・イン・ブルー」、「降っても晴れても」、「今宵の君は」、「春の如く」等。
エディ・ヒギンズのジャズには、高尚なもの、先進的なもの、そんなものは求めてはならない。
それは、彼の目指したものとは、違うはずだ。
一定のレベルをもって、くつろぎを与えてくれる。
代わり映えはないが、期待通りのジャズの愉悦をもたらしてくれる。
それがエディ・ヒギンズのよさのように思う。
今宵の君は素敵だよ
瞳が光っているよ
何かいいことあったのかい
・・・・・・・
音楽のことメインにしたエッセイを書いた。
音楽そのもののよさを文章で表現するのは難しい。
とかく、関連の知識を並べてお終いになる。
せめて、著者の音楽や音への愛着が伝わるものを。
そんなにうまく書けたとは思えぬ。
タイトルは、「マイ・ファニー・バレンタイン」。
月刊誌の掲載ののち、このブログにあげることもあるかな。
1953年、1954年、パシフィック・レコードに残したチェット・ベイカーの名演を集めた「ザ・トランレット・アーティストリー・オブ・チェット・ベイカー」より、「グッド・バイ」。
「グッド・バイ」は、1953年の録音である。
チェット・ベイカー(tp)
ハーブ・ゲラー(as,ts)
ジャック・モントローズ(ts)
ボブ・ゴードン(bs)
ラス・フリーマン(p)
ジョー・モンドラゴン(b)
シェリー・マン(ds)
以上をメンバーとした4管編成の演奏。
スロー・バラードである。
この「グッド・バイ」は、この世に別れをつげた人への「さようなら」か。
なんだか、哀悼の雰囲気がある。
棺を前に、頭を垂れる人の姿が思い浮かぶ。
懐かしい映画音楽を聞く
若いときの感覚がよみがえる
「ロミオとジュリエット」
「ある愛の詩」
盛りの時は短いと言う
俺はその時を存分に愉しんだろうか
恋のことも
野望のことも
いずれにしろ俺は老年
多くの愉しみが遠ざかっていく
「アラビアのロレンス」
・・・・・・
マイルス・ディビスが、CBSへの移籍を前に、プレスティッジ・レーベルに残した4部作。
演奏3回の収録を分けたようである。いや、マラソン・セッションで、26曲を2日間で録音したとも記されている。
以下をメンバーとするマイルス・ディビス・クインテッドの記録でもある。
同メンバーによるものは、これだけではなく、別アルバムもあるようであるが。
マイルス・ディビス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
さて、その4アルバム。
Relaxin:リラクシン(1956.05)
Warkin:ワーキン
Steamin:スティーミン
Cookin:クッキン(1956.10)
この4枚のうち、「リラクシン」、「クッキン」を持っている。もう1枚、持っていたように思ったが、CD棚をさがしてもなかった。
「リラクシン」を聞いた。わたしにとって、これぞモダン・ジャズ(ハード・バップ)と感じさせるものである。
「ギリシア詞華集」より、アンチィパネスの詩(沓掛良彦訳)。
・・・・・されば盛りの年にあるうちに
なんでも盛大にやるがいい、歌でも、恋でも、酒盛りでも。
その後でやってきるのは老年の重苦しい冬だ。千ドラクマ払ったって
できやしないんだ。あんたを待っているのはそういう不能なんだろ。
いつになく深く心にとまった。
久し振りに、バッハを聴こうかとおもった。
昨日、病院から退院したことが関係しているだろうか。
「カンタータ第140番〈めざめよと呼ぶ声あり〉」より、冒頭のコーラス。
カール・リヒター、ミュンヘン・バッハ合唱団。