My Foolish Heart

2020-11-29 | 【断想】音楽

 Eddie Higgins Quartet featuring Scott Hamilton
 2002Rec Venus Records
 日曜の17時
 11月末のこの時刻
 もう外は暗くなった
 夕食前
 くつろぎのひととき
 この時期 届く「喪中葉書」が増えている
 CD2曲目は、「ロシアン・ララバイ」
 僕たちの子守歌
 それは犀川のせせらぎか
 猿丸神社の木々のざわめきか
 みんなで聞こうとしたら
 あの世から来てもらわなくてはならない奴がふえた
 なんてことだ
 「夜も昼も」、この曲が終わったら、とめよう。


悪魔のクリスマス

2020-11-29 | 【断想】音楽

 今日から、アドベント。
 それで、クリスマスを思って、リムスキー・コルサコフの「歌劇・クリスマス・イヴ組曲」。
 その中の「悪魔のクリスマス」。
 何だか不穏な気配。
 どこかしら東洋的ムード。
 天翔る不気味な影。
 妖怪の行進だろうか。
 悪魔たちを駆逐する正義の軍団も現れたのかな。
 いや、いつの間にか、次の曲かな。
 わからないが、聞いていて、思い浮かぶ展開。
 バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聞こうかと思ったけど、時間がかかりそうで、やめた。


黒い聖者と罪ある女

2020-11-29 | 【断想】音楽

 チャールス・ミンガスの「黒い聖者と罪ある女」(1963 Impulse!)。
 CDの宣伝には、「ミンガスの才能が隅々まで光り輝く“エスニック・フォーク・ダンス・ミュージック”」とある。
 アルバム名、その宣伝文句には、ひかれるが、実際に聞くと、何だかまとまりの悪い演奏のように感じる。
 ちょっと、何を言いたいのか分からない音楽になっていないか。
 フリー・ジャズには、この手のものが、多いのだが。
 それらの、悪しき影響だろうか。
 パーソネルには、11人の名前がならんでいる。
 その中には、チャーリー・マリアーノもいる。
 チャールス・ミンガスは、全体のまとめあげが、うまい人だが、これは、失敗作でなかろうか。
 僕に、聞く耳がないだけだろうか。
 なんだかわけの分からないフリー・ジャズを根気よく聞くには、耐えがたくなった自分がいる。
 面白い音はしているが、それが、ずっと続くとうるさくなる。


ビレッジ・バンガードの夜vol.2

2020-11-28 | 【断想】音楽

  ソニー・ロリンズの「ビレッジ・バンガードの夜 vol.2」(1957 Blue Note)。
 1.恋とは何でしょう
 2.朝日のようにさわやかに
 3.ソニー・ムーン・フォー・トゥ
 4.アイ・キャント・ゲット・スターテッド:言い出しかねて
 5.四月の思い出
 6.ゲット・ハッピー
 7.ストライバーズ・ロウ
 8.オール・ザ・シングス・ユー・アー
 9.ゲット・ハッピー
 この時期のソニー・ロリンズの凄さについては、卓越したインプロヴィゼーションがあげられるようだ。
 だけど、何となく聞いていると、あきてくる。眠くなる。
 演奏者は、ソニー・ロリンズ(ts)、ウィルパー・ウェア(b)、エルビン、ジョーンズ(ds)、ピアノレスのトリオである。
 4曲目の「言い出しかねて:I CAN'T GET STARTED」
 作曲:ヴァーノン・デューク
 作詞:アイラ・ガーシュウィン
  5曲目の「四月の思い出」
 ソニー・ロリンズとエルビン、ジョーンズノかけ合いが展開される。
 それを意識して聞くと、それなりの面白さも見いだすことができる。
 ジャズを演奏するような人には、きっと、このアルバム、面白いのかも知れぬ。


ビレッジ・バンガードの夜

2020-11-23 | 【断想】音楽

  ソニー・ロリンズの「ビレッジ・バンガードの夜 vol.1」(1957 Blue Note)。
 パーソネル
 ソニー・ロリンズ(ts)
 ドナルド・ベイリー(b)
 ウィルパー・ウェア(b)
 エルビン、ジョーンズ(ds)
 ビート・ラロカ(ds)
 ピアノ・レス・トリオでの演奏である。
 ソニー・ロリンズは、そのスタイルが好きだった。
 収録曲
 1.チュニジアの夜
 2.アイブ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン
 3.チュニジアの夜
 4.朝日のようにさわやかに
 5.フォア
 6.ウディン・ユー
 7.オールド・デビル・ムーン
 このアルバム、vol.1とvol.2になっているが、それは後に発掘された音源があってのことで、最初は、LP1枚であった。
 収録曲は、A面に「オールド・デビル・ムーン」「朝日の如くさわやかに」「ストライバーズ・ロウ」、B面に「ソニー・ムーン・フォー・トゥ」「チュニジアの夜」「言い出しかねて」。
 そのLP、昔、持っていたように思う。
 人にあげたものの一枚だ。
 vol.2には、以下が収録されている。
 1.恋とは何でしょう
 2.朝日のようにさわやかに
 3.ソニー・ムーン・フォー・トゥ
 4.アイ・キャント・ゲット・スターテッド
 5.四月の思い出
 6.ゲット・ハッピー
 7.ストライバーズ・ロウ
 8.オール・ザ・シングス・ユー・アー
 9.ゲット・ハッピー
 ソニー・ロリンズの音には屈託がない
 豪放磊落とか言われるけど、それは、ちまちましたことにこだわっていないと言うことでもある。
 それは、人柄と一体のものでもある。
 人品は、音にあらわれると言う次第。
 「OLD DEVIL MOON」は、vol.1では最後に、もとのLPではトップにおかれた曲。
 「年老いた悪魔の月」「おいぼれデビルみたいな月」・・・。


惑星:Outward Bound

2020-11-23 | 【断想】音楽

 「惑星:Outward Bound」(1960 Prestige)。
 エリック・ドルフィの初リーダー盤。
 それまでは、チコ・ハミルトン・クインテッドでフルートを吹いていた。  
 1967年出版のジャズの紹介本では、エリック・ドルフィがまだよく知られていなかったようで、あたらしいジャズを切りひらくひとりと位置付けられ、「変わり種」「・・・・コールマンより将来性が期待される」と書かれている。
 演奏は5人。
 エリック・ドルフィ(as,bcl,fl)
 フレディ・ハバード(tp)
 ジャッキー・バイアード(p)
 ジョージ・タッカー(b)
 ロイ・ヘインズ(ds)
 プレスティッジからのLP盤のジャケットは、ちゃっちぃ。
 モノクロで、紙質のレベルの低さも歴然。
 その後、「NEW JAZZ 8236」としてでているものも、濃いグリーンの単色だが、キリコの絵を思わせるところがあって、いくらかましになった。
 曲は、A面3曲、B面3曲の6曲が収録されている。
 B面の1曲目「245」、フレディ・ハバードのトランペットがさえている。


HAITIAN FIGHT SONG

2020-11-22 | 【断想】音楽

 「ハイチ人の戦闘の歌」を聞く。
 「ザ・クラウン」(1957 Atlantic)の第1曲目。
 以前は、10代の頃にしたしんだポピュラーを聞くと、懐かしくてたまらなかった。
 その頃の感覚がよみがえってくる感覚があった。
 ところが、最近、その感覚が薄れてきているように思う。
 70代ともなると、そう言うことなのだろうか。
 何だか、魂を震わすような音楽をと思って、チャールズ・ミンガスをかけてみた。
 何かを吹き込んでくれる気がする。
 そこに、きわだったスタンスをもった奴がいると感じる。


CUMBIA & JAZZ FUSION

2020-11-22 | 【断想】音楽

 僕の好きなアルバムのひとつ。
 チャールズ・ミンガスの「クンビア・アンド・ジャズ・フュージョン」(1976 Atlantic)。
 もともと、LP盤で聞いていたが、いつでも気軽に、クルマの中でもと言うことで、CD盤も買って、よく聞いた。


煙が目にしみる

2020-11-22 | 【断想】音楽

 ザ・プラターズの歌で「SMOKE GETS IN YOUR EYES」を聞く。
 そして、スコット・ハミルトンをフューチャリングしたエディ・ヒギンズ・カルテットで聞く。
 ザ・プラターズの歌は、朗々とうたいあげる感じである。
 一方、エディ・ヒギンズは、題名に似合ったムーディッシュな演奏。


恋に過ごせし宵

2020-11-19 | 【断想】音楽

 エディ・ヒギンズ・トリオ、2006年録音、ヴィーナス・レコードからのアルバム「恋に過ごせし宵:A Lovely Way To Spend An Evening」。
 エディ・ヒギンズ(p)
 ジェイ・レオンハート(b)
 マーク・テイラー(ds)
 以上がトリオのメンバー、ジャケットに三人の記念写真のようなのが載っている。
 三人とも、とてもいい顔をしている。楽しそうである。
 そして、エディ・ヒギンズが一番整った顔立ちをしている。
 アルバム名が語るように、ロマンチックなラブ・ソング集。
 《ロマンス4部作》の第2弾だそうで、このCDには13曲収録されている。
 収録曲には、「涙のかわくまで」、「パリの四月」、「恋に過ごせし宵」、「ジェントル・レイン」、「セレナーデ・イン・ブルー」、「降っても晴れても」、「今宵の君は」、「春の如く」等。
 エディ・ヒギンズのジャズには、高尚なもの、先進的なもの、そんなものは求めてはならない。
 それは、彼の目指したものとは、違うはずだ。
 一定のレベルをもって、くつろぎを与えてくれる。
 代わり映えはないが、期待通りのジャズの愉悦をもたらしてくれる。
 それがエディ・ヒギンズのよさのように思う。
  今宵の君は素敵だよ
 瞳が光っているよ
 何かいいことあったのかい
 ・・・・・・・
 音楽のことメインにしたエッセイを書いた。
 音楽そのもののよさを文章で表現するのは難しい。
 とかく、関連の知識を並べてお終いになる。
 せめて、著者の音楽や音への愛着が伝わるものを。
 そんなにうまく書けたとは思えぬ。
 タイトルは、「マイ・ファニー・バレンタイン」。
 月刊誌の掲載ののち、このブログにあげることもあるかな。


「グッド・バイ」

2020-11-16 | 【断想】音楽

 1953年、1954年、パシフィック・レコードに残したチェット・ベイカーの名演を集めた「ザ・トランレット・アーティストリー・オブ・チェット・ベイカー」より、「グッド・バイ」。
 「グッド・バイ」は、1953年の録音である。
 チェット・ベイカー(tp)
 ハーブ・ゲラー(as,ts)
 ジャック・モントローズ(ts)
 ボブ・ゴードン(bs)
 ラス・フリーマン(p)
 ジョー・モンドラゴン(b)
 シェリー・マン(ds)
 以上をメンバーとした4管編成の演奏。
 スロー・バラードである。
 この「グッド・バイ」は、この世に別れをつげた人への「さようなら」か。
 なんだか、哀悼の雰囲気がある。
 棺を前に、頭を垂れる人の姿が思い浮かぶ。


FOREVER

2020-11-14 | 【断想】音楽

 懐かしい映画音楽を聞く
 若いときの感覚がよみがえる
 「ロミオとジュリエット」
 「ある愛の詩」
 盛りの時は短いと言う
 俺はその時を存分に愉しんだろうか
 恋のことも
 野望のことも
 いずれにしろ俺は老年
 多くの愉しみが遠ざかっていく
 「アラビアのロレンス」
 ・・・・・・


マイルス・ディビス・クインテッド

2020-11-14 | 【断想】音楽

 マイルス・ディビスが、CBSへの移籍を前に、プレスティッジ・レーベルに残した4部作。
 演奏3回の収録を分けたようである。いや、マラソン・セッションで、26曲を2日間で録音したとも記されている。
 以下をメンバーとするマイルス・ディビス・クインテッドの記録でもある。
 同メンバーによるものは、これだけではなく、別アルバムもあるようであるが。
 マイルス・ディビス(tp)
 ジョン・コルトレーン(ts)
 レッド・ガーランド(p)
 ポール・チェンバース(b)
 フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
 さて、その4アルバム。
 Relaxin:リラクシン(1956.05)
 Warkin:ワーキン
 Steamin:スティーミン
 Cookin:クッキン(1956.10)
 この4枚のうち、「リラクシン」、「クッキン」を持っている。もう1枚、持っていたように思ったが、CD棚をさがしてもなかった。
 「リラクシン」を聞いた。わたしにとって、これぞモダン・ジャズ(ハード・バップ)と感じさせるものである。


〈めざめよと呼ぶ声あり〉

2020-11-14 | 【断想】音楽

 「ギリシア詞華集」より、アンチィパネスの詩(沓掛良彦訳)。
 ・・・・・されば盛りの年にあるうちに
 なんでも盛大にやるがいい、歌でも、恋でも、酒盛りでも。
 その後でやってきるのは老年の重苦しい冬だ。千ドラクマ払ったって
 できやしないんだ。あんたを待っているのはそういう不能なんだろ。
 いつになく深く心にとまった。
 久し振りに、バッハを聴こうかとおもった。
 昨日、病院から退院したことが関係しているだろうか。
 「カンタータ第140番〈めざめよと呼ぶ声あり〉」より、冒頭のコーラス。
 カール・リヒター、ミュンヘン・バッハ合唱団。