色は色にも匂ひぬる

2010-02-27 | 【樹木】梅
 ここ数日、気温の高い日がつづいている。
 あちこちの梅が、花を咲き匂わせるようになった。
 陽当たりのよくない窓の外の白梅も花の数が増えた。
 そうして、時が過ぎていく。
  梅の花香はことごとに匂へども色は色にも匂ひぬるかな(和泉式部)

梅の香でもね

2010-02-25 | 【樹木】梅
万葉集から、大伴旅人の歌。二首。
 験なきものを思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし
  「験」は「しるし」、「一坏」は「ひとつき」とよむ。
  つまらないことに思い沈むのだったら、一杯の酒だね。
 我妹子が植ゑし梅の木見るごとに心咽せつつ涙し流る
  梅の香に気分転換というのもいいね。

梅をかざして野遊

2010-02-23 | 【樹木】梅
 ももしきの大宮人は暇あれや梅をかざしてここに集へる(万葉集・作者未詳)
 現世で梅をかざして遊べるよろこび。
 一昨年、梅の季節に逝ってしまった友を思う。
 少年時代に一緒に遊んだきりだった。
 荒井由美の「瞳を閉じて」につぎの歌詞。
  風がやんだら
  沖まで船を出そう
  手紙を入れたガラスびんをもって
  遠いところへ行った友達に
  潮騒の音がもう一度届くように
  今 海に流そう
 彼に手紙でも書こうか。
 今年も梅が咲いたよと。


見ないとおさまらない

2010-02-22 | 【樹木】梅
 二月下旬。
 多摩動物公園を散歩。
 毎年、その花を見る。
 たいした花ではない。
 たいしたことでもない。
 だけど。
 見ないと気持ちがおさまらない。
 八重の紅梅である。
 次は、恋をしないと気持ちがおさまらない和泉式部の一首。
  春はただわが宿にのみ梅咲かば離れにし人も見にと来なまし

闇はあやなし

2010-02-16 | 【樹木】梅
 夜、窓の外の梅を見る。
 花が、ちらほらだった。
 香りは感じなかったが。
 春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる(躬恒)
 春の夜の闇にうかぶよ梅が枝白き蕾のふくらみて(健太郎)

ことしの梅の花は

2010-02-15 | 【樹木】梅
 駐車場わきの梅の木に、白い花がついていた。
 近づいて、よく見ようと思ったが、時間がなかった。
 そのまま出かけて、夕刻帰ったときは、もう暗くなっていた。
 そう言えば、多摩動物公園のオランウータン舎近くの梅の花は咲いたろうか。
 毎年、その香りにしばし足をとどめているのだが。
 程久保川べりの枝垂れ梅はどうだろうか。
 毎年、はやめに花をつける梅の木なのだが。
 ここのところ、いささかゆとりがない。