“ケリー・ブルー”

2021-11-29 | 【断想】音楽

 ウィントン・ケリーの「ケリー・ブルー」。
 自身の手になる作曲と演奏。
 ウィントン・ケリー・セクステットで。
  ウィントン・ケリー(p)
  ポール・チェンバース(b)
  ジミー・コブ(ds)
  ナット・アダレイ(cor)
  ボビー・ジャスパー(fl)
  ベニー・ゴルソン(ts)
 1959年のレコーディングだ。
 大ヒットしたジャズ・ナンバーのひとつ。
  ジャズ喫茶の人気曲。
 アルバム名「ケリー・ブルー」(RIVERSIDE)。
 かるくてしたしみやすい。
 あかるくたのしい。 


クリフォードの想い出

2021-11-28 | 【断想】音楽

 リー・モーガンのトラッペットで、ベニー・ゴルソン作曲「クリフォードの想い出:アイ・リメンバー・クリフォード」。
 この演奏で、ベニー・ゴルソンは、テナー・サックスを奏している。
 ベニー・ゴルソンは、作曲時を思い返し、「暗い気持ちだった。音符を書く毎に、友だちを永遠に失ったことを思わずいられなかった」と語っている。
 25歳で、交通事故で、突然に帰らぬ人となったクリフォード・ブラウンは、多くの人に悼まれた。
 その才能が惜しまれた。


ブラウニー〈スタンダード〉

2021-11-28 | 【断想】音楽

 昔から、人気のあるジャズ・アルバム。
 クリフォード・ブラウンがストリングスをバックにトランペットを奏でている。
 しかも、それらの曲は、スタンダードで、親しみやすい。
 「クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス」(1955 EmArcy)。
 1.イエスタデイズ
 2.ローラ
 3.ホワッツ・ニュー
 4.ブルー・ムーン
 5.愛さずにはいられない
 6.エンブレイサブル・ユー
 7.ウィロー・ウィープ・フォー・ミー
 8.メモリーズ・オブ・ユー
 9.煙が目にしみる
 10.ジェニーの肖像
 11.いつかどこかで
 12.スターダスト
 トランペットがクリフォード・ブラウン、編曲、指揮がニール・へフティ。
 リッチー・パウエル(p)、バリー・ガルブレイス(g)、ジョジ・モロオ(b)、マックス・ローチ(ds)が、ともに演奏。
 丁寧で、安定した音、音色よく情感も感じられ、申し分のないトランペット演奏。
 バックのストリングスも美しく、ロマンある名曲を盛り上げている。
 ただ、これをもってジャズのすべてではないことは言うまでもない。
 ここには、インプロビゼイションの凄さやマイナー感覚の際立つ表出はない。
 でも、そんなことを、一枚のアルバムに対して求めてもはじまらない。
 「お前は、お前の好きなジャズを聞け」と言うことになる。
 ともかく、「クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス」は、申し分のない名盤である。
 「SMOKE GETS IN YOUR EYES」、「STARDUST」、その旋律をよく耳にしているせいか、とても素晴らしい。


ブラウニー〈メモリアル〉

2021-11-28 | 【断想】音楽

 クリフォード・ブラウンの「メモリアル・アルバム」(1953 Blue Note)。
 初リーダー盤である。
 アルバムには、1953年6月9日と8月28日の2回のセッションが収められている。
 6月9日のメンバーは、以下の5人。
 ルー・ドナルドソンがリーダーのようだ。
 クリフォード・ブラウン(tp)
 ルー・ドナルドソン(as)
 エルモ・ホープ(p)
 パーシー・ヒース(b)
 フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
 8月28日は、六重奏。
 ちょっと違うかも知れないが、以下の顔ぶれ。
  クリフォード・ブラウン(tp)
 ジジ・クライス(as,fl)
 チャーリー・ラウズ(ts)
 ジョン・ルイス(p)
 パーシー・ヒース(b)
 アート・ブレイキー(ds)
 【収録曲】10曲。
 1~5が、8月28日のセッション。
 1.ヒム・オブ・ジ・オリエント
 2.イージー・リヴィング
 3.マイナー・ムード
 4.チェロキー
 5.ウェイル・ベイト
 6.ブラウニー・スピークス
 7.ディー・ダー
 8.クッキン
 9.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
 10.カーヴィング・ザ・ロック
 以上が、このアルバムの基礎データとなる。
 ジャケットは、黒と緑でできていて、シンプルだが、なかなきい。
 クリフォード・ブラウンは、聞いていて、とても上手いし、嫌味がないし、いい音だなあと感じる。
 だけど、好きになるかどうかは別次元で、いろんな要素の反映となる。
 クラシックでは、モーツァルトやベートーベンを余り聞かず、リムスキー・コルサコフやラヴェルが好みというわたしの傾向は、ジャズでも現れているようだ。
 最近は、クラシックを聞くことがほとんどないが。
 ジャズでは、ファンキー、ジャージー、グルーヴィー等と評されている類のが好きだ。
 ビ・バップでなく、ハード・バップの時代のもの。
 フュージョンは、ジャズとは感じない。
  クリフォード・ブラウンは、ビ・バップなのだ。
 模範的過ぎるのだ。
 何処も悪くはないが、特に好きにもならない。
 今後は、どうなるか分からないが。


1960年のジャッキー

2021-11-27 | 【断想】音楽

 ジャッキー・マクリーンの「カプチン・スイング」(1960 Blue Note)。
 【パーソネル】
 ブルー・ミッチェル(tp)
 ジャッキー・マクリーン(as)
 ウォルター・ビショップ Jr.(p)
 ポール・チェンバース(b)
 アート・テイラー(ds)
 【ソング】
 1.フランシスコ
 2.ジャスト・フォー・ナウ
 3.ドント・プレイム・ミー
 4.コンディション・ブルー
 5.カプチン・スイング
 6.オン・ザ・ライオン
 時に、哀感を強く感じさせるジャッキー・マクリーンをもっと聞きたくて、手にしたCDだ。
 いつも、期待通りにいくものではない。
 1曲目の「フランシスコ」は、フランシス・ウルフ、6曲目の「オン・ザ・ライオン」は、アルフレッド・ライオンに捧げたものである。
 プレスティッジからブルーノートに移籍した頃に吹き込まれたもの。
 勢いを感じさせる演奏である。
 わたしのCD棚にジャッキー・マクリーンのアルバムが、いつしか12枚ある。
 1955 ジャッキー・マクリーン・クインテット
 1956 4.5 And 6
 1957 ア・ロング・ドリンク・オウ・ザ・ブルース
 1959 スイング・スワング・スインギン
 1959 ジャキーズ・バッグ
 1960 カプチン・スイング
 1962 レット・フリーダム・リング
 1962 ジャッキー・マクリーン
 1967 デモンズ・ダンス
 1973 ゲットー・ララバイ
 1973 ザ・ミーティング
 1999 ネイチャー・ボーイ
 このように並べてみると、好きなのは「1955ジャッキー・マクリーン・クインテット」、「1999ネイチャー・ボーイ」。最初と最後。
 マル・ウォルドロンと演っているものに好きなのがある。


フュエゴ:FUEGO

2021-11-27 | 【断想】音楽

ドナルド・バードの代表作「フュエゴ」(1959 Blue Note)を手に取る。
ドナルド・バードのリーダー・アルバムでは、相当前に、「ブラック・バード」を聞いたくらいだ。
「ブラック・バード」は、ワシントンのハワード大学音楽部の黒人学生を率いてのもの。
彼は、大学の音楽教授なのである。
また、彼は、メソジスト教会の牧師の息子でもあった。
さて、「フュエゴ」は、スペイン語で火、情熱の意味だそうだ。
【パーソネル】
ドナルド・バード(tp)
ジャッキー・マクリーン(as)
デューク・ピアソン(p)
ダグ・ワトキンス(b)
レックス・ハンフリーズ(ds)
【収録曲】全曲オリジナル
1. フュエゴ ※出だしはベースとドラム
2. バップ・ア・ループ
3. ファンキー・ママ
4. ロウ・ライフ
5. ラメント
6. エイメン:Amen


“ブルースの真実”

2021-11-27 | 【断想】音楽

 オリヴァー・ネルソンの「ザ・ブルース・アンド・ジ・アブストラクト・トゥルース(ブルースの真実)」(1961 impulse)。
 今回、初めて聞くように思う。
 オリヴァー・ネルソンは、作曲、編曲に優れていることで知られている。
 そのうえに、サキソフォーン奏者。
 このアルバムでは、アルトとテナーを奏している。
 【パーソネル】以下の通り、演奏メンバーが錚々たる顔ぶれである。
 オリヴァー・ネルソン(as,ts,arr) ※arrは、「編曲」。
 エリック・ドルフィー(as,fl)
 フレディ・ハバード  (tp)
 ジョージ・バーロウ(bs)
 ビル・エヴァンス(p)
 ポール・チェンバース(b)
 ロイ・ヘインズ(ds)
 【収録曲】オリジナルの6曲。
 1.ストールン・モーメンツ
 2.ホー・ダウン
 3.カスケイズ
 4.ヤーニン(あこがれ)
 5.ブッチ・アンド・ブッチ
 6.ティーニーズ・ブルース
 それぞれの曲、ソロをとる演奏者たちの個性、魅力がいきいきとあらわれていて、素晴らしい。
 エリック・ドルフィーやフレディ・ハバードが光っている。
 それだけではない。ピアノもベースもドラムも素敵である。
 ひきこまれ、耳を傾けてしまう。
 オリヴァー・ネルソンについて言えば、独特の音色で、何だか広大な宇宙の音のようで、ミステリアスとも言える。
 全体を通して、きまじめで、息せき切っただけのようなところはなく、音楽を楽しむ心あふれたスタイルが好ましい。


“至上の愛”

2021-11-23 | 【断想】音楽

 ジョン・コルトレーンの「至上の愛」(1964 Impulse)。
 演奏してるのは、以下の以下の4名で、黄金カルテットと呼ばれる。
 そして、このアルバムは、黄金カルテットによる最高傑作と評されている。
 ジョン・コルトレーン(ts)
 マッコイ・タイナー(p)
 ジミー・ギャリソン(b)
 エルビン・ジョーンズ(ds)
 このアルバムは、名前が大袈裟だが、構成も堂々としている。
 クラシックの交響曲のように4楽章形式。組曲になっている。
 1.パート1:承認
 2.パート2:決意
 3.パート3:追求
 4.パート4:賛美
 確かに、とても良くできたアルバム。
 演奏のレベルも高いと思う。
 精神性が高いかどうか分からぬが、高そうだという体裁は充分にある。
 ジョン・コルトレーンは、「聖者になりたい」とか、「神の啓示をうけた」とか、語っていたそうだ。
 「聖者になりたい」と言うのは、結構なことだけど、胡散臭さをも発するものであることを忘れてはいけない。
 このアルバム、LP盤で、相当前に購入しているが、普段聞くことはない。
 聞いて、好き嫌いは別に、新鮮だった。

 


ニューヨークの秋

2021-11-23 | 【断想】音楽

 秋なので
 秋の詩をひとつ
 西脇順三郎の「旅人かへらず」から
 八〇番
   秋の日ひとり
  むさし野に立つ
  ぬるでの下に
 秋なので
 タイトルに秋と付く曲
 「ニューヨークの秋」
 ケニー・ドーハムの「カフェ・ボヘミア」から
 やさしげなトランペットの音
 はじめから終わりまで
 MJQの「ジャンゴ」で
 これは評判の名演
 チェット・ベイカーの「プレイス・スタンダード」から
 しんみり
 ちょっと眠くなる
 ジミー・スミスの「プリティー・ジャスト」から
 ハモンド・オルガンによる演奏は独特だ


バルネの「枯葉」

2021-11-23 | 【断想】音楽

 昨夜、「枯葉:オータム(リーブス)」を七つの演奏・奏者で聞いた。
 もう一つ、追加。
 フランス人のバルネ・ウィラン。
 サキソフォーンである。
 ピアノを弾いているのはマル・ウォルドロン。
 「枯葉」の歌詞を作ったのは、フランス人のプレヴェール。
 プレヴェールの詩をひとつ。
 小笠原豊樹訳で「庭」。
 千年万年の年月も
 あの永遠の一瞬を
 語るには
 短すぎる
 きみはぼくにくちづけした
 ぼくはきみにくちづけした
 あの朝 冬の光のなか
 パリのモンスリ公園
 パリは
 地球の上
 地球は一つの惑星。


枯葉:オータム・リーブス

2021-11-22 | 【断想】音楽

 シャンソン「枯葉」をジャズの演奏で聞こうかと思った。
 ●アーチー・シェップのテナー・サックスで。
  こういうことでもないと、アーチー・シェップを聞こうとは思わないだろうから、まず。ちょっと、フリー風な、こけおどし的なところがあって、気に障るが、まあよしとするか。
 ●チェット・ベイカーのトランペットで。
  いささか軽く流している感じ。もう少し、しっとりやってもらってもと思う。
 ●キャノンボール・アダレイのアルト・サックスとマイルス・ディビスのトランペットで。
  有無を言わせぬすばらしさ。マイルスのミュートがなんともいいし、キャノンボールのサックスもこけおどし的なところなく、素直でいい。リズム・セクションもジャズとしてのよさをつくっている。
 ●ビル・エヴァンスのピアノで。
  名演だなあとは思うけど、テンポが速いこともあるのか、「枯葉」を楽しめない。
 ●キース・ジャレットのピアノで。
  インプロビゼーションが凄くて、「枯葉」かなと言うところはあるが、演奏は素晴らしい。でも、基本旋律は、しっかりやっている。
 ●デューク・ジョーダンのピアノで。
  聞きやすい。ジャズを楽しむには、こういうのがいい。
 ●エディ・ヒギンズのピアノ、スコット・ハミルトンのテナー・サックス、ケン・ペプロフスキーのクラリネットで。
  聞きやすいが、ジャズ演奏としては、凡庸。


“チェイシン・ザ・トレーン”

2021-11-21 | 【断想】音楽

 ジョン・コルトレーンの「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード 11-01-1961」。
 ジャズの名盤と言われるこの一枚、私が持っているCDは、上記の名前で、スイングジャーナル誌名盤蒐集クラブ選定アルバムになっている。
 名前にあるように、1961年11月1日、ニューヨークでのライブ録音である。
 このアルバムの演奏は6人である。
 ジョン・コルトレーン(ts,ss)
 エリック・ドルフィー(bcl)
 マッコイ・タイナー(p)
 ジミー・ギャリソン(b)
 レジー・ワークマン(b)
 エルヴィン・ジョーンズ(ds)
 収録曲は、以下の6曲。
 1.チェイシン・ザ・トレーン
 2.インプレッション ※ジミー・ギャリソンがベース
 3.スピリチュアル
 4.ザ・レッド・プラネット
 5.ナイーマ
 6.ブラジリア
 以上がこのアルバムの基礎情報である。
 しかし、このアルバムが、もともと評価された時のデータは、以上とは違うのである。
 もとのLP盤では、レコーディングの日が、1961年11月2,3日である。
 演奏メンバーには、“黄金カルテット”の一員となるジミー・ギャリソンが入っていない。
 収録曲は、以下の3曲である。
 A-1.スピリチュアル
 A-2.朝日のようにさわやかに
 B-1.チェイシン・ザ・トレーン
 以上の通りであり、アルバム名は、「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」。
 「11-01-1961」は付いていないのである。
 そして、このアルバムのB面の「チェイシン・ザ・トレーン」における、ジョン・コルトレーンの15~16分にわたるソロに、皆が感嘆し、エモーショナルな演奏と驚いたわけである。
 と言うようなことで、ちょっと注意しないと、ほぼ同じとは言え、異なるアルバムを入手したりすることになる。
 ちなみに、「11-01-1961」における「チェイシン・ザ・トレーン」の演奏は、9分52秒。
 ジョン・コルトレーンのサックス、確かにパワフルであるが、あんなに吹き続けて、何を表現したかったのだろうかとも思ってしまう。
 ああいうのに、まじめくさった顔をして、耳を傾けた人が大勢いた時代が懐かしくもある。
 わたしが高校生の頃、ジャズ喫茶は、このような音であふれていた。
 その音は聞いていたが、結局、ジョン・コルトレーンには、これと言ったものを感じなかった。
 それには、いろんな要素があるのだろうが。
 ひらめきのような魅力がないのである。
 一方、エリック・ドルフィーは、違う。
 3曲目の「スピリチュアル」、エリック・ドルフィーのバス・クラリネットがよく聞こえる。魅力的だ。ひらめきを感じる。


“黒い鳥”

2021-11-20 | 【断想】音楽

 モート・ディクソン作詞、レイ・ヘンダーソン作曲の「バイ・バイ・ブラックバード」。
 「バイ・バイ・ブラックバード」は、黒人芸人を指すスラングとのこと。
 “バイ・バイ”と夜逃げ。
 マイルス・ディビスのトランペットで。
 キース・ジャレットのピアノで。
 アルバート・アイラーのサックスで。


“ザ・ニアネス・オブ・ユー”

2021-11-20 | 【断想】音楽

 ヘレン・メリルの「ザ・ニアネス・オブ・ユー」(EmArcy)。
 このアルバムには、12曲収録されている。
 7曲(1,3,4,5,6,8,11)が、1957年12月のシカゴでの録音。
 5曲(2,7,9,10,12)が、1958年2月のニューヨークでの録音。
 1958年のセッションでは、ビル・エヴァンスがプレイしている。
 1.バイ・バイ・ブラックバード ※ミディアム・テンポ
 2.ホエン・ザ・サン・カムズ・アウト ※バラッド。ボイー・ジャスパーのフルート。
 3.アイ・リメンバー・ユー ※ミディアム・テンポ
 4.朝日のようにさわやかに ※バラッド
 5.ディアリー・ビラヴド ※映画「晴れて今宵は」。バラッド。
 6.サマータイム ※バラッド
 7.オール・オブ・ユー
 8.あなたの面影
 9.レッ・ミー・ラヴ・ユー
 10.ニアネス・オブ・ユー
 11.ジス・タイム・ザ・ドリームス・オン・ミー
 12.ジャスト・イマジン
 語りかけるようなスローなバラッドが、よりヘレン・メリル向き。
 きっと、「バイ・バイ・ブラックバード」、「朝日のようにさわやかに」、「サマータイム」等のスタンダード、他の演奏との比較で、聞き返すことになろう。
 


“ジャイアント・ステップス”

2021-11-20 | 【断想】音楽

 ジョン・コルトレーンは、天才型ではなく努力型の人で、遅咲きのテナー奏者であると言われる。
 インパルスに移籍して以降か、大御所的雰囲気が漂いだし、わたしには求道者風が鼻につくようになる。
 それが、一般的には高い評価に結びついた。
 かつて、ともかく大人気で、よくその音が聞かれた。
 改めて聞くと、その音は懐かしくもあるが、特に魅力は感じない。
 【勝手に選んだコルトレーンの主なアルバム】
 ・1957 Prestige  コルトレーン:初リーダー盤。
 ・1957 Blue Note ブルー・トレイン:ブルー・ノートからの唯一のリーダー盤。ハード・バップの代表的力作。
 ・1958 Prestige ソウルトレーン:プレステッジ時代の代表作。シーツ・オブ・サウンドが聞かれる。
 ・1959 Atlantic ジャイアント・ステップス:マイルス・グループを離れ、独立後、初のアルバム。自身のスタイル(シーツ・オブ・サウンド)を確立させた傑作。
 ・1960 Atlantic マイ・フェイバリット・シングス:インド音楽の影響が見られる。 ・1961 Impulse アフリカ:ブラス:インパルス移籍第一弾。  
 ・1961 Impulse ビレッジ・バンガード:エモーショナルなソロ。
 ・1961 Impulse インプレッションズ
 ・1961 Impulse バラード
 ・1964 Impulse 至上の愛
 ・1965 Impulse アセンション
 ・1965 Impulse クル・セ・ママ
 ・1967 Impulse エクスフレション  
 さて、「ジャイアント・ステップス:Giant Steps」をかけよう。
 こう言うのを聞くと、コルトレーンだなあと感じる。
 確かに、音をくまなく敷きつめたようなシーツ・オブ・サウンド、自身のスタイルを持つことは素晴らしいことだと思う。
 でも、それは、「それがなんだ、どうだと言うんだ」と言われると、それだけのことでしかないようにも思う。
 【このアルバムの演奏メンバー】
 ジョン・コルトレーン(ts)
 トミー・フラナガン(p)
 ウィントン・ケリー(p)
  ポール・チェンバース(b)
 アート・テイラー(ds)
 ジミー・コブ(ds)
 【収録曲】
 1.ジャイアント・ステップス
 2.カズン・マリー
 3.カウントダウン
 4.スパイラル
 5.シーダズ・ソング・フルート
 6.ネイマ
 7.ミスターP.C.
 CD盤には、5つのボーナス・トラックが付いている。