膨張する宇宙のなかで

2012-01-25 | 読書
●ベテルギウスの超新星爆発/野本陽代著/幻冬舎新書/2011年11月30日発行/780円
 超新星の研究の進展をもとに、宇宙に関する新しい知見が記されている。しかしながら、物理学や天文学等の基礎知識が不足しているせいか、本は一応読み終えたものの、よく理解できたとは思えない。
 本書のタイトルになっているベテルギウスについては、このブログに記したように、いずれおとずれるその終末の宇宙ショーが想像され、心ときめかされる。
 しめくくりに述べられているのは、宇宙は加速して膨張しているが、その因は解明されていないということである。不明ゆえに、その源は「ダークエネルギー」と呼ばれていると言う。
 ということは、宇宙の一部であるわれわれの存在のもとが、分からないということである。何故か知ることもなく人間は生きているということだ。
 にもかかわらず、われわれの喜怒哀楽の確かなこと。恋する切ない心、すけべ心、人間関係の悩み、不信に発する心の病気、嫉妬・・・・。

欅の木のした

2012-01-24 | 【樹木】ETC
 先日、欅の木のしたで、人を待っていた。
 その間、欅の幹、樹皮を見ていた。
 斑状のはがれに、少年時代に見ていた金沢の猿丸神社の欅を思い出した。
 昨年末、金沢の幼友達に、「来年、金沢に来ないか」と言われた。
 金沢に行けたら、猿丸神社の欅も見よう。
 かつて、その欅の木の下に、俺たちがいた。
 死んでしまった奴がいる。
 遠くへ行って、会えない奴もいる。

いにしえの文字

2012-01-24 | 【断想】ETC
 先日、いにしえの文字である甲骨・金文を主題とした書芸術展「亀甲展・加藤光峰展」を見に行った。旧友の紹介による。
 いずれも、生命力の漲った作品である。見ていると、こちらをも元気にしてくれる。
 白い紙に黒い墨で、いにしえの文字が書かれているだけだが、立体感ある迫力に満ちたものである。字の意味を理解しようとするより、その全体から感じられるものを素直に受けとめた方がいいように思う。是非、皆さまも足を運んだらと勧めたくなる。
 以前お会いした吉岡祥鬼氏、亀甲会主宰の加藤光峰氏から作品の紹介をいただいた。
 そのいにしえの字の形は、われわれの感性と思念の源が何であったかを考えさせてくれる。知と感性を広げてくれるものと感じた。

「民社協会15年史」

2012-01-24 | 民社
 昨秋、民社協会から、「民社の志を伝え続けて・民社協会15年史」が発行された。
 平成6年12月に民社党は解党。その後の民社協会15年余の活動記録を中心にしたものである。第1章は、読み物的な総論。第2章は、年毎の記録、創憲会議の活動。第3章で地方協会の動き。頒価は1000円。
 執筆は、数名が協会活動との関わりによって年度を分担した。私も執筆陣の一人となった。さまざまな要因から、このような関わりをもつことになった。若干の労はあったが、このように関与できたことは、嬉しいことであった。
今日は、民社党の結党記念日である。夕刻に、民社OB会による催しが予定されている。民社党解党から17年になる。未だに、志を同じくした者が集い、ともに楽しい時を過ごせることは喜ばしいことである。

想う

2012-01-22 | 【樹木】ETC
 想うとは、木と目と心。
 想いは、木を見るところから。
 ベランダから、欅の木が二本見える。
 昨年、大胆に剪定され、今は葉を落としていて、侘びしい姿だ。
 春になって、葉をつけ出すのが待ち望まれる。
 生命への思い。

まだ石蕗の黄色い花

2012-01-17 | 【草花】ETC
 一月中旬、首相官邸下のツワブキ(石蕗)の黄色い花が、まだ咲いていた。
 昨年十二月に、近隣に住む美女が、その「佇まいが見事」と教えてくれた。
 一緒に見に行けるといいね、と言っていたのだが、果たしていない。
 ツワブキの花は、その年の日数も残り少なくなった頃に咲く。
 もう、花の季節は過ぎてしまったかと思っていた。
 そうではなかった。
 これからでも、口約束を果たせるということか。
 なんだか、気持ちにゆとりのない日々を過ごしているようだ。

人が壊してつくる森

2012-01-17 | 読書
【本の紹介】
●人と森の物語/池内紀著/集英社新書/2011年7月20日発行/777円(税込み)
 森歩きが好きなドイツ文学者による一書。北海道大学の苫小牧研究林をはじめ全国十五の森が取り上げられている。いずれも、人間が深く関わり育てた森である。森の成り立ち、変遷、現状が語れているが、言いしれぬ感動を呼ぶ。愛媛県の別子銅山は、古くから採掘が進み、ヤマには、料亭、劇場なども並び立つ栄華をきわめる。そして、岩肌をさらす山へ。そして、閉山。人が去り、今は見わたす限りの緑の山。荒れて、植樹を受けつけぬ山に、石垣を積み、土を盛り、木を植えたのは他ならぬ人なのである。

晩年のベテルギウス

2012-01-06 | 【断想】ETC
 この季節、夜空に目につく「冬の大三角」。
 その一角に輝き、オリオン座の右肩にあたる星でもあるベテルギウス。
 赤い光を放っているので、すぐに見分けられる。
 約640光年の位置にあり、地球から比較的近い。
 そのベテルギウス、晩年を迎えていると言われる。
 近い将来の爆発が予想される状態である。
 爆発すれば、満月と同じくらいの明るさになると言われる。
 星の誕生と死。
 人の生と死とは規模が違う。
 人にとっては、人の死は、おおきなことだけど。
 夜空を眺めつつ。