ファイブ・スポットのドルフィー

2019-09-29 | 【断想】音楽
 エリック・ドルフィー・アット・ザ・ファイブ・スポット VOL.2
 VOL.1のCDを2枚もっている。
 誤って、ダブって買ったらしい。
 VOL.2を聞かなくてはと随分まえから思っていた。
 VOL.1の白熱の演奏を聴いて、そう思っていた。
 思った通りの熱のこもった演奏である。
 エリック・ドルフィーとトランペットのブッカー・リトルが、刺激し合って、凄くテンションをたかめている。
 まれに見る素晴らしさである。
 マル・ウォルドロンのピアノも素晴らしい。
 プレスティジ盤、1961年のライブ録音。

アイラーのデンマーク・デビュー

2019-09-29 | 【断想】音楽
 アルバート・アイラーの初レコーディングは、1926年にスウェーデン・ストックフォルムで行われている。
 「ファースト・レコーディング」とアルバム名で、バード・ノーツ社から出されており、後にソネット社からの発売となっている。ソネット社からのLP盤を持っている。
 「スイングジャーナル」の選定で“ゴールド・ディスク”となっているものである。
 次に出されたのは、1963年から1964年にかけて、3回にわたり録音されたもので、デンマークのデビュー社からの3枚のアルバムである。
 アルバート・アイラーの実際上のデビュー作とされるものである。
 この3作は、「マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー」、「スピリッツ」、「ゴースト」。
 「マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー」については、「フリー・ジャズ」と言うアルバム名で、フリーダム社から出たLP盤を持っている。
 デンマーク・デビュー3作の最初のものである。先日、このブログに取り上げた。
 今回、これのCD盤を入手した。
 「スピリッツ」、「ゴースト」については、いずれもフリーダム社のCD盤を持っている。
 フリーダム社からのLP盤も持っていて、音源が同じものらしいが、確認が必要のようだ。
 アルバム名が異なっているのである。解説書をよく読めば判るのだろうが。
 「ウィッチズ・アンド・デヴィルス」と言う名のアルバムのLP盤は、「スピリッツ」のCDと収録曲が同じである。
 「ヴァイブレーション」と言う名のアルバムのLP盤は、「ゴースト」のCDと収録曲が同じである。
 かつて、アイラーのレコードは、見かけたら買うようにしていたで、こういうことになっている。
 その当時には、「スピリチュアル・ユニティ」なども録音されている。
 とりあえず、「マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー」のCDを入手したので、以上をまとめてみた次第である。
 「マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー」は、自己紹介で始まり、ジャズのスタンダード・ナンバーである「バイ・バイ・ブラックバード」、「ビリーズ・バウンド」、「サマータイム」、「オン・グリーン・ドルフィン・ストーリート」、「C.T.」と続く。
 1963年1月14日の録音である。
 「サマータイム」も改めて聞く。
 アイラーの内なる声が切々と伝わってくる。
 悲しさや切なさへの共感、如何ともしがたい状況から抜け出そうとするもがきとも聞こえる。絶望と希望の混淆、うまく表現できない。
 アイラーは、僕に、地球の空気のおいしさを感じさせてくれた。
 この世も、捨てたもんじゃないと思わせてくれたミュージシャンなのだ。

SUMMERTIME

2019-09-23 | 【断想】音楽
 アルバート・アイラーの演奏による「サマータイム」を聞きたかった。
 先日読んだ本に、「マイ・ネイム・イズ・アルバート・アイラー」に収められた「サマータイム」のことが書かれていた。
 胸をしめつける演奏と評しており、聞きたくなった。
 ただ、アイラーのアルバムは、ほとんど持っているはずなのに、「マイ・ネイム・イズ・・・・・」がない。
 それで、他のアルバムにないかとさがしたら、「ALBERT AYLER/free jazz」の中にあった。
 1964年、Freedom Recordsの盤である。
 「マイ・ネイム・イズ・・・・・」は、1963年の録音のようだ。だが、収録曲が同じなので、もしかしたら、同じ演奏かも知れぬ。
 「サマータイム」は、もともとは、がーシュウィンの「ボギーとベス」の中の曲である。
 子守歌のようである。
 アイラーのやさしい声のイントロダクション。
 「BYE,BYE,BLACKBIRD」、「BILLIE'BOUNCE」そして、「SUMMERTIME」。
 以上が、SIDE1。
 アイラーの胸のなかにあるものが、音になってほとばしり出ている感じである。
 ひきつけられる。

ドルフィーの「惑星」

2019-09-21 | 【断想】音楽
 1967年11月に、第10版として、荒地出版社から発行されている「モダンジャズ入門」を懐かしい思いで開いた。
 もう半世紀ばかりも前の本で、その出版当時に読んだものと思われる。
 油井正一編となっていて、油井氏をはじめ、植草甚一、相倉久人、いソノてルヲ、岩浪洋三らが執筆している。
 その中に、資料と言うことで、藤井肇氏による「モダンジャズLP30選」なるページがある。
 あの当時、何が選ばれているのだろうと興味深く開いた。
 30選のひとつに、エリック・ドルフィーの「惑星」があった。
 1960年に、プレスティジから出されたアルバムである。
 日本語で「惑星」と名づけられたこのアルバムは、その後、どう言う経緯でそうなったかは、分からぬが、今は、「アウトワード・バウンド」として発売されている。
 エリック・ドルフィの初リーダー盤である。
 以前、このブログで取り上げ、簡単な感想を記している。
 さて、休日の午後に聞く。
 ドルフィーは、アルト・サックス、フルート、バス・クラリネット。
 ドラムは、ロイ・へリンズ。
 トランペットは、フレディー・ハバード。
 ピアノは、ジャッキー・バイアー。
 ベースは、ジョージ・タッカー。
 演奏のレベルの高さが感じられる。
 独特の音空間がひろがっている。
 それを、何と言ったらいいのだろうか。
 誰かが、かつて、ドルフィーを「音の魔術師」と言った記憶があるのだが、まさにそうである。
 何かのメッセージ性云々と言うよりは、卓越した音の洪水と言った方がいいか。

「死刑台のエレベーター」

2019-09-19 | 【断想】音楽
 マイルス・ディビスの「死刑台のエレベーター」のこと。
 もともとのLP盤では、サウンドトラックの10曲が収められていた。
 CDとして入手した「死刑台のエレベーター」完全版では、これの他に、「シャンゼリゼtake1」から「ドライヴウェイtake2」までの16曲がプラスされている。
 これらは、映画制作のプロセスでのものだそうで、上映時のエコー処理はされていない。
 それぞれ、映画のシーンにあわせて作られているのだろうが、それを知らなくても、音楽として楽しめる。
 とても魅力的である。

巨峰は黒いのがいい

2019-09-18 | 【樹木】ETC
 先日、勝沼で葡萄狩り。
 当初の予定が変わり、急遽実現した葡萄狩り。
 今年は、そんな機会はないと思っていたが。
 その場で、シャインマスカットと巨峰を食べた。
 葡萄園の人に、巨峰は色の黒いのおいしいと言われた。
 巨峰の葡萄棚の下で、傘をつけず、実の小さいのを見つけた。
 それは、売り物とする手当のしてない葡萄。
 いただけますかと、所望して、一粒。
 種がありますよと言われた。
 種はあったが、おいしかった。
 なんだか、もったいない。

Ascenseur pour I'échafaud

2019-09-18 | 【断想】音楽
 フランスの映画「死刑台のエレベーター」のサウンドトラック盤を聞く。
 Ascenseur pour I'échafaudが日本では、そう訳されている。
 人気の映画音楽を集めたCDに、そのテーマ曲が入っており、それを聞いた。
 それで、全体を聞きたくなった。
 かつて、その曲は、何度も聞いている。
 映画も観ているのでないかと思うのだが、改めて、全体をと言う次第である。
 映画は、ルイ・マル監督、デビュー作である。
 ジャンヌ・モローやモーリス・ロネが演じている。
 ユニバーサル・ミュージックから発売されている。
 音楽は、マイルス・ディビスで、みずからトランペットを吹いている。
 なんとも孤愁ただよう音色で、胸にしみる。
 映画のストーリーに即せば、もっと別の感じ方もするかも知れない。
 入手したCDには、26曲が収められており、はじめの10曲がサウンドトラック。
 1957年の作で、1956年の「リラクシン」や「クッキン」の翌年のものである。
 ともかく、すばらしい。
 独り、静かに過ごしたい夜のための音楽のひとつだ。

OLD DEVIL

2019-09-06 | 【断想】音楽
 テナー・サックスが好きだった。
 そして、ソニー・ロリンズが好きだった。
 過去形で言うのはおかしいか。
 ロリンズ絶頂期の名盤のひとつ。
 1950年代、ハード・バップの頃。
 「ビレッジバンガードの夜」
 1957年、ジャズクラブ「ビレッジバンガード」でのライブが録音された。
 もともとのアルバムに収められている6曲は以下。
 ・オールド・デビル・ムーン
 ・朝日の如くさわやかに
 ・ストライバーズ・ロウ
 ・ソニムーン・フォー・トゥ
 ・チュニジアの夜
 ・言い出しかねて
 以前、このLP盤をもっていた。それは、後輩にあげた。
 昔のはなしだ。
 最近は、CDで、3枚組になっていたりする。
 その前は、2枚組。
 ブルーノート盤である。
 ピアノ・レスのトリオで演奏されている。パーソネルは以下。
 ソニー・ロリンズ(ts)
 ドナルド・ベイリー(b)
 ウィルバー・ウェア(b)
 エルビン・ジョーンズ(ds)
 ビート・ラロカ(ds)
 ロリンズは、真似のできない域にある。

セロニアス・アローン

2019-09-05 | 【断想】音楽
 新宿にレッド・ライオンと言うサパー・クラブがあった。
 先輩のH氏に連れて行ってもらったのがはじめで、
 その後、個人的にもよく行った。
 女ともだちと一緒の時もあった。
 お酒は、ウィスキーを飲んだ。
 バランタイン、カティ・サーク、ホワイト・ホースト言ったところだった。
 レーズン・バターやナッツをよくたのんだ。
 懐かしい、その頃の酒とつまみ。
 店には、ピアノがあって、
 生での演奏があった。
 名の売れたタレントの某氏がよく弾いていた。
 演奏曲のリクエストができた。
 セロニアス・モンクの「ブルー・モンク」をお願いしたりしてた。
      ◆
 夜、ちょっと聞きたくなった。
 セロニアス・モンクのソロ・アルバム。
 リバーサイド、1959年の録音。
 「セロニアス・アローン・イン・サンフランシスコ」
 このアルバムのトップが「ブルー・モンク」
 本当は、ウイスキーを飲みながら聞きたい。
      ◆
 今、思い返すと、いい日々だったんだろうな。
 いい友がいて、酒があって、俺は、多くを得た。
 何かを忘れさせてくれた。

黄色い濡れた傘

2019-09-03 | 【草花】ETC
 以前に撮ったキノコの写真が、パソコンの中に何枚かあった。
 その中に特徴的なキノコの写真があった。
 黄色の傘は波打ち、ヌラヌラしているようだ。
 図鑑で見ると、アンズタケのようである。
 3年前の6月に撮ったようなのだが、違うかも知れない。
 アンズタケは、夏から秋のキノコ、どうなんだろう。

FONTESSA

2019-09-03 | 【断想】音楽
 ジョン・ルイス(p)
 ミルト・ジャクソン(vib)
 パーシー・ヒース(b)
 コニー・ケイ(ds)
 MJQの不朽の名作。
 時に、こういうのもいい。
 ルネッサンス期のコメディ等を素材として、ヨーロッパの香り。
 フーガの技法も。
 曲名も、ベルサイユ、エンジェル・アイズ、フォンテッサ、虹の彼方に(オーバー・ザ・レインボウ)、・・・。
 わたしの好きなアルバート・アイラーの音とは、ほど遠いところにある。
 ジャケットも洒落ている。
 1965年の録音だ。

葡萄からの酒を讃える

2019-09-02 | 【樹木】エッセイ
 「ここでいただいたワインおいしかったね」いつもの笑顔で、席に腰をおろした美女が言った。
 以前、店のひとが薦めてくれた白ワインのことだった。
 「そう言えば、ここ久しぶりだね」
 数年前、肝臓の手術を受けて以降、酒の機会を減らすように心がけるようになった。
 それで、美女と酒席をともにすることも少なくなった。
 常々、人生で、こんなに淋しいことがあるだろうかと思っている。
●葡萄から造った酒
 もうすぐ、葡萄の実の本格的な収穫の季節となる。それで、葡萄と葡萄から造った酒のことにふれたいと思った。
 古いヨーロッパの俗謡曲集に、「カルミナ・ブラーナ」がある。その中の「バッカスよ、ようこそ」(細川哲士訳)と言う歌。
 バッカスは血管に
 熱い液体を注ぎ
 ヴィーナスの激情に
 女性をもえたたせる・・・・
 バッカスは、葡萄酒を発明した酒神、忘我・エクスタシーの神である。
 美酒は、心のほつれをときほぐし、憂さを忘れさせ、世間のとらわれからも飛翔させてくれもする。
 「あれこれ気にせず、楽しくやらなくちゃ。一緒に旅行に行きましょ」
 過ぎし日、深夜の小さなバーで、美女の口の端にのぼった一言に、攻守逆転の思いをもったもの。
 葡萄から造ったお酒は、ワインがメインだろうが、ワインの一種のシェリー、そしてブランデーがある。
 かつてのわたしのボスであった故和田一仁代議士は、香りのいいブランデーが好きだった。
 時折、都内のホテルの最上階のラウンジでブランデーグラスを傾けた。選挙では苦労をしたが、そんな時を過ごすこともあった。
 女人が一緒のこともあったが、和田さんの若い頃からの友人の故渡辺朗代議士とのこともあった。
 世界を舞台に活躍していた渡辺さんは、よくドライシェリーを飲んでいた。そのオーダーがさまになっていた。それで、まねをした。
 美女を誘って、そのラウンジへ行った時は、かっこよく見られるかなとまずシェリーを注文することにしていた。と言うことで、葡萄から出来たお酒には、美女とのおつきあいでもお世話になった。
●鬼女のための葡萄
 さて、葡萄の恵みはこれだけではない。女性も気立てのいい美女ばかりとは言えない。
 黄泉の国にイザナミノミコトを救い出しにたずねたイザナギノミコトは、彼女に言い渡されていた。
 「わたしがここを離れる準備をしているうちは、わたしのことを覗いたりしないでね」
 彼は、その禁を破り、鬼女たちに追いかけられるハメになる。
 追い払うために、イザナギノミコトが、鬘を投げて生え出てきたのが蒲子(えびかづら)である。
 蒲子とは、山葡萄のことで、鬼女たちが山葡萄の実を食べているスキに逃げたとのこと。
 葡萄は、女人に近づくにも、逃げるにも役立つということか。
●冬の日にも葡萄
 何年に一度か、甲州に葡萄狩りに行く。今年は行けるだろうか。
 その葡萄の郷に葡萄寺と呼ばれる古刹がある。葡萄を手にした薬師如来像が安置されている。葡萄には薬功があるとのことのようだ。
 それを気にしているわけではないが、わたしは、ただただ葡萄好きで、年から年中食べている。
 本来、季節はずれの冬には、ニューヨーク生まれで、日本では緯度が同じくらいの津軽地方を中心に生産されているスチューベンを食べる。
 別名、冬葡萄。巨峰にまさる糖度があって、とてもいい。
 さあて、原稿が出来そうだし、香り高く、味もずっしりヘビーな赤ワインでも美女と飲みたいな。
(月刊誌「改革者」2019年8月号)

・・ヤマドリ・・

2019-09-01 | 【草花】ETC
 キノコの図鑑を見た。
 それは、傘の裏側が、孔状のようだった。
 イグチ科のヤマドリタケモドキとかコガネヤマドリと言うような名にヤマドリと付いているキノコのようである。
 だけど、まったく自信が無い。
 生き物は、ひとつの個体でも、成長、衰退と変化する。