美しき竹林

2017-09-14 | 【樹木】竹
 「樹木のことを」というのが、このブログのスタート。
 最近は、あたらしい知識を得ていなくて、低調。
 竹のことを書き出して、これまでに結構書いたことを忘れていることに気づいた。
 この前、見かけた竹林、美しいと感じた。

笋に落とし差し

2011-05-10 | 【樹木】竹
 笋の藪の案内やをとしざし(蕪村)
 草のような木のような竹、その子がズンズン伸びている。
 金曜には、友人に筍をを持って帰らぬかと言われた。
 土曜日曜には筍ご飯を食べた。
 いま、竹の子の季節だ。
 近く、幼友達に会う。
 俺たちが、竹の子のようだった頃の友だ。
 遠くに住む竹の子仲間から届いた手紙を携えて行く。

竹ですか笹ですか

2007-08-06 | 【樹木】竹
 竹と笹は、どうちがうのか。
 ヤマケイポケットガイド「庭木・街路樹」に、タケ・ササ類について、以下のようなコンパクトな説明がある。
 「 タケ・ササ類は種類が多く、名前では区別ができない。一般には、稈が高く伸びるものをタケ、伸びずに地ぎわに密生するものをササとする。しかし、植物学的には、成長とともに皮(葉鞘)が落ちるものをタケ、残るものをササ、地下茎がほとんど伸びず株立ちになるものをバンブーとしている」

竹は巨大な草か

2007-08-05 | 【樹木】竹
 タケ、ササの類は、木か草か。
 「図説 日本の植生」(沼田眞、岩瀬徹著、講談社学術文庫)には、以下のように記されている。
 「竹林を見れば、たしかに林と呼べる構造、つまり上層に竹、下層に低木層や草本層をもつ階層構造をつくる。この点から竹は木に近い。一方、竹は肥大成長をしないとか、根茎で繁殖するなど、ふつうの木に見られない草本的性格ももっている。そこで、竹は巨大な草と表現する人もある。これが同じタケ科でもササになると、その植生のタイプは多くは草原の中にくり入れられる。このように竹は、生活型からも、植生の上からも、中間的な性格をもった独特のものである」
そういうことなのだ。草か木かなどと、無理に分けようとするのが間違い。
竹というのは、涼しさを感じさせる。竹林を風が通るときの音はいい。

夏の「隈笹」

2007-07-06 | 【樹木】竹
 クマザサは、熊がでそうなところに生えているから、熊笹と書くと思っていたが、ほんとうは、隈笹と書く。冬になると、葉の縁が白っぽく隈取られる。ゆえに、隈笹なのである。夏の隈笹に隈はない。全体が緑色である。

「熊笹」の香り

2007-07-05 | 【樹木】竹
 くず饅頭を食べた。
 なかの餡が透けてみえるのがいい。
 清涼感がある。
 熊笹で包んであった。
 熊笹の縁はきれいに丸みをつけられていた。
 熊笹の香りがなんともいい。
 熊笹もすがすがしさを感じさせてくれる。
 夏の菓子だ。
 熊笹は隈笹と書くのが正しい。

姫竹は根曲り竹

2007-05-19 | 【樹木】竹
 ビールを飲みながら、姫竹を食べた。皮を剥いて囓ると適度な歯触りがあり、甘み香ばしさがあって旨い。まさに、旬のもの。
 この姫竹は、細竹、根曲り竹、千島笹とも言う。秋田では筍といえば、この姫竹をさすとのこと。それぞれの地方での実際の呼び名というのは、学名などとは無縁だ。この姫竹は、じだけとかやまたけという呼びかたもされる。

かじると甘い竹

2007-03-19 | 【樹木】竹
 小学3,4年の頃だった。「これをかじってごらん」とすすめられたことがあった。それは、細い竹で、皮をむいたものだった。かじると、とても甘かった。その時、その竹の名も教わったことまでは憶えているが、名までは憶えていない。そのうち、調べてみたい。
 この話を妻にしたら、「サトウキビでないの」と言われた。違うと思う。サトウキビは別途かじったことがあると思う。少し前だが、多摩動物公園で、オランウータンにサトウキビを投げて、やっているのを見た。あれではない。

夜の竹の子

2007-03-18 | 【樹木】竹
 「破竹の勢い」と言うが、これは、竹の割れ方からきている。節をひとつ割り過ぎれば、あとは、パシッといっきにいく。そうなんだが、竹の勢いは、割れるときだけではない。
 孟宗竹の竹の子は、一夜にして1メートル以上も伸びる。竹の子が頭を出しだした頃の竹林は、日毎、あたらしい様相を呈する。
 ゆえに、食する筍というのは、グングン伸び出す前に採らなくてはいけない。
 かつて、夜、女の子を東京からはかなり距離のある自宅におくっていった。友人の男と三人で食事をして、その帰りだった。男の友人がクルマを運転した。ドライブ気分だった。その御礼ということだったか、真っ暗な夜、その子のお父さんが竹の子を掘りに行ってくれた。そして、とれたてのをもらったことがある。思いがけないことだった。とても嬉しかった。

竹のお土産

2007-03-17 | 【樹木】竹
 竹の繁る風景は、日本ではめずらしくもないが、欧米人は、異国情緒を感じるようだ。
 ずいぶん前になるが、来日した欧米人へのプレゼントとして、竹を使ったネクタイピンやカフスを用意したことがある。「欧米人は、竹製品を喜ぶ」と聞いていたからだ。
その後、アメリカへ旅行に行くとき、土産で使おうと、竹製の孫の手を10本ほど買ったことがある。結局、配るチャンスを失して、もち帰ってきた。日本では、そんなものありがたがられることはなく、数年、押し入れの片隅にころがり、いつのまにか無くなった。

むいたり、むしったり

2007-03-16 | 【樹木】竹
 筍の皮をむいたり、雉の毛をむしったり、私の小さい頃は、そういうことをした。今、都会で普通に暮らしていると、そういうことをする機会がない。むいたり、むしったりしながら、体感的に得ていたものは、少なくなかったように思われる。
 今より自然に近かった。私より前の子どもは、もっと自然に近かった。

竹の花のこと

2007-03-15 | 【樹木】竹
 竹は木か、大きな草か。不思議な植物である。
 いつのことだったか、「おっ、竹の花が咲いているぞ」と言われたことがある。クルマに乗っている時だった。とっさに見て、「あれか」と思った。以降、竹の花のことを、小さくて白いかわいい花と思いこんでいた。しかし、改めて、写真などで見ると、頭のなかにイメージとしてのこっているものとは異なっている。
 「一九五三年ごろから全国でマダケ林のいっせい開花が始まり、一九六六年ごろをピークにしだいにおさまってきた。マダケの開花は一○○年くらいの長い間隔で見られるので、たいへん珍しがられた」(図説 日本の植生/沼田眞、岩瀬徹/講談社学術文庫)とある。
 マダケの開花周期については、ほぼ120年とされているようだ。花が咲いた後には、その竹林は枯れる。同書に、「一代の寿命が終わるときに、咲くのである。もっとも地上部は枯れても、地下茎の一部の節は生きていてそこから再生し、徐々にもとの竹林に回復していく」と記されている。
 モウソウチクの開花周期については、67年という例が記録されているが、あくまで例であるそうだ。
 身近な竹、不思議な植物である。