退屈せずにチェンバロ

2009-04-26 | 【断想】音楽
 チェンバロの曲を、退屈せずに聞くことが出来た。
 生演奏だったからと思う。
 耳で音を聞くだけでなく、目で奏者の挙動不審とも思えるような動きを見ることができて、飽きなかった。目を閉じて聞くと、すごくいい。目を開けて、奏者を見て、「あいつは、きっと女にもてない」、楽器を見て、「かなり高価そうだな」などと思っていた。
 チェンバロのコンサートなんてはじめてだった。
 CDで、チェンバロ曲を聴いていると、だいたい途中で、やめてしまう。
 クーナウに「ダビデとゴリアテの戦い」という曲がある。解説に、ダビデが投げた石がゴリアテの頭にゴツンとあたり、ゴリアテが倒れて死ぬ状況が音楽になっているとあって、いかにも面白そうだった。CDを買って、実際に聞いて、退屈した記憶がある。

ブラストファガなくとも

2009-04-26 | 【樹木】ETC
 イラン産の乾しイチジク(無花果)を食べた。
 日本のイチジクは、雌蕊が受粉、受精しなくても結実する。
 このような性質を単為結果性という。
 すべてのイチジクがこのような性質をしているのではない。
 小さな蜂の仲立ちを得ている。
 その蜂は、ブラストファガという。
 成熟果の食用となる果肉は、花托が肥厚したものである。

まどろみのうちに

2009-04-26 | 【断想】ETC
 休日の朝。
 遠くで小鳥たちの声がするが、まだ静かだ。
 ようやく、雨はあがった。
 木々の肌は濡れてまだ黒いが。
 川からは、増したままの水が流れる音がするが。
 灰色の雲が去っていく。
 うっすらと薄青い空が見えだしている。
 コンクリートの住まいのでっぱりで、空を眺める俺と、崖地の岩のうえで、空気を嗅ぐ一匹の狼と、どこが違うだろうか。
 まだ、からだは、眠いと言っているようだ。
 過ぎゆく春を惜しむのは、ひとがが健やかな証しでもあろうと思う。
 式子内親王の歌だ。
 なんともすてきな歌だ。
  はかなくてすぎにしかたをかぞふれば花に物思ふ春ぞへにける