「ミケランジェロ」

2016-08-15 | 読書
●ミケランジェロ/田中英道著/講談社学術文庫/1991年4月10日発行/800円
 以前、「若き日のミケランジェロ」と題されて発行されたもので、その存在は知っていて、いつか読もうと思っていた。たまたま、その文庫化された本書を古本市でみつけた。
 著者の田中氏には、友人とやっている勉強会に講師として招き、話を聞いたことがある。その時は、昭和の政治史にからむ話だったと記憶している。その後、氏の「日本美術全史」をとてもおもしろく読んだ。このブログで、その紹介をしたことがある。
 さて、今回の「ミケランジェロ」であるが、これもとてもおもしろかった。いわゆる伝記物ではなく、その作品に秘められたミケランジェロの精神に肉薄しようとするもので、稀代の天才の胸にあったものの幾ばくかを知ることができたように思う。当然、ミケランジェロの生きた時代の思潮状況や、同時代に生きたレオナルド・ダ・ヴィンチのことなどが、その背景にある。とは言うものの、焦点は人間ミケランジェロ個人の精神である。その中味については、再読でもした折に述べてみたい。
 わたしは、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品より、ミケランジェロの作品の方に魅かれる。きっとそれは、作品ににじみだす精神性により共感を得るものがあるからでないかと思う。本棚にあつた画集を改めて開く契機ともなった。

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1 コメント

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さきほど ()
2016-08-22 13:29:56
ハラケンタロウという方から間違いの留守電がありまして、探してみたところ、こちらに辿り着いたのですが、人間違いでしたらごめんなさい。
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