「古九谷夢譚」

2015-09-23 | 読書
 先般、幼なじみの東出甫国が著した「古九谷夢譚」という小説を読んだ。
 掲載誌を贈ってくれた。
 古九谷が、17世紀半ばに現れ、数十年後に歴史から忽然と姿を消した経緯を書いている。
 著者は、その原因を当時のキリシタンに対する政治措置に求める説によって小説を作っている。
 古九谷は、石川県生まれのわれわれにとって、郷土の誇りのひとつである。
 友が、それを題材にしているのがとても嬉しかった。
 古九谷の皿の絵柄に、隠れキリシタン説を推測する文を読んだことがあるが、それが何だったか忘れた。
 また、彼に、坂口安吾の「イノチガケ」を薦められて読んだことを思い出した。
 キリスト者の殉教をあつかった小説である。
 わたしたちも齢ととってきた。
 少年の日々がなつかしい。 
 たまたま、仙人草の写真。その十字形。