ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテットによる「ライフ・ライン」。
1981年、オランダでのスタジオ録音、レーベルはタイムレス(アルファ・レコード)。
タイムレスでの「アース・ビームス」(1980)につぐ、第二弾。
このアルバムでは、ジョージ・アダムスのヴォーカルが聞ける(2曲目、4曲目)。
〈パーソネル〉
ジョージ・アダムス(ts,fl,vo)
ドン・ピューレン(p)
キャメロン・ブラウン(b)
ダニー・リッチモンド(ds)
〈収録曲〉CDには、6曲収録されている。
1.ザ・グレイト・エスケイプ・オア・ラン・ジョン・ヘンリー・ラン
2.セリアスリー・スピーキング
3.ソフト・シーズ
4.ネイチャーズ・チルドレン
5.プロテクション
6.ニューカマー:セブン・イヤーズ・レイター
ジョージ・アダムス、ドン・ピューレンのエキサイティングな演奏からは、フリー・スタイルをよそおっているのではないのは聞き取れる。
ただ、僕には、その叫びが何によるものであるのか、何を求めるものであるかが、掴めない。
演奏された1980年頃というのは、45年くらい前になる。
僕が、秘書家業をはじめた頃だ。
世界的にも学生運動、学園紛争の時代が遠ざかり、世の中いくらか落ちついた頃なのだ。
人には、いつの時代でも変わらぬものはあるのだが。
ファリャの「スペインの庭の夜」の第一楽章が「ヘネラリフェにて」。
ヘネラリフェは、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿の北に位置するイスラーム建築物。
14世紀に、当時の王朝の夏の別荘として建造された。
エドゥアルド・マータ指揮、ロンドン交響楽団で聴く。
エドゥアルド・マータは、メキシコ人。
今日は休日。午後、香を買いに出かけた。
CHANDANとWHITE MUSK。
コーン型、かたわらで、煙。
ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテットによる「アース・ビームス」。
1980年、オランダでのスタジオ録音、レーベルはタイムレス(アルファ・レコード)。
〈パーソネル〉
ジョージ・アダムス(ts,fl)
ドン・ピューレン(p)
キャメロン・ブラウン(b)
ダニー・リッチモンド(ds)
〈収録曲〉CDには、6曲収録されている。
1.アース・ビームス
2.マグネティック・ラブ・フィールド
3.デュオニサス
4.サタディ・ナイト・イン・ザ・コスモス
5.モア・フラワーズ
6.ソフィスティケイテッド・アリス
ジョージ・アダムスの演奏を聴くのを愉しみにしていたのに、1曲目、2曲目は、なんとなく聞き流してしまった。
3曲目の「デュオニサス」は、いささか風変わりな展開をみせる演奏だ。
異形なものに接する愉しさがある。
ドン・ピューレンのピアノ・ワークは、何処かで聞いたなつかしさ。
ジョージ・アダムスのテナーのフリー・スタイルも、違和感なくしっくりくる。
俺は、こう言うのも好きなんだと思わせる。
4曲目も、続いてわたしの好みだ。
アルバート・アイラーの音を思い出しもする。
ジョン・コルトレーンやアーチー・シェップではないのだ。
3曲目を聞いて、いいなと感じ、6曲目まで続いた。
もう一度、1曲目の「アース・ビームス」を聞き直してみた方がよさそうだな。
ジョージ・アダムスもドン・ピューレンも、もっとエキサイティングした方がいいのかなあと感じた。
曲の後半には、激しさはあるのだが、今ひとつ、ノリがないのだ。
トータルとしては、とっても気に入ったんだけど。
チャールズ・ミンガス / チェンジズ 1 / アトランテック
〈ソング・リスト〉4曲収録
1.アッティカ刑務所事件のロックフェラーを忘れるな(録音:1974,12.28)
2.スー・グラハムの変化(録音:1974,12.27)
3.デヴィル・ブルース(録音:1974,12.28)
4.敬愛するエリントン・サウンド(録音:1974,12.27)
〈パーソネル〉
ジャック・ウォルテス(tp)
ジョージ・アダムス(ts,vo) ※「デヴィル・ブルース」でヴォーカル
ドン・プーレン(p)
チャールズ・ミンガス(b)
ダニー・リッチモンド(ds)
マーカス・ベルグレイヴ(tp)
フリーで、クレイジーで、疾走感、ファイティング・・・ミンガスの魅力いっぱいだ。
ジョージ・アダムスと言う人のテナー・サックスがこれまたいい。
フリージャズ風なのだが、単なるこけおどしでなく、人の胸の中に入ってくるものがある。
もう少し、聞いてみたくなった。
「スー・グラハムの変化」は、17分ばかりの熱演、なかなかイカレてる。
「デヴィル・ブルース」は、昨日聞いた。
天使や悪魔には、ずっと昔から関心がある。
魔物や鬼神の類いより、魅かれるものがある。
チャールズ・ミンガスの「チェンジズ 1」に、“デヴィル・ブルース”と言う曲。
1974年、アトランティック・レコードのスタジオで録音されている。
これは、ジャズと言えるだろうか。
演奏は、ミンガスのベースではじまる。
ジョージ・アダムスのヴォーカル、シャウトがはいる。
何て、叫んでいるのだろう。
英語が聞き取れない。
ピアノ、ドラム、トランペット・・・、そしてアダムスのテナー・サックス。
文句なしに、のれる。
単純明快である。
こう言うの好きだ。
〈チェット・ベイカー・ウィズ・ストリングス / ハートブレイク〉
このアルバム、タイムレス・レコードが設立15年を記念して、1991年に制作した。
タイムレスで録音していたチェット・ベイカー・カルテットのものから、10曲を厳選、それにストリングスをのせた。
日本では、「傷心」と言う名前で出ています。
ちょっと、そそられませんか。
収録曲は、以下のお馴染みの10曲。
1.エンジェル・アイズ
2.オール・オブ・ユー
3.マイ・ファニー・バレンタイン
4.ブルー・ムーン
5.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
6.ユー・アンド・ザ・ナイト・アンド・ザ・ミュージック
7.アズ・タイム・ゴーズ・バイ
8.ラウンド・ミッドナイト
9.マイ・メランコリー・ベイビー
10。マイ・フーリッシュ・ハート
どこかの店で、BGMで、トランペットを耳にした。
それで、トランペットを聞こうと思った。
チェット・ベイカーにしよう。
何というか、まぎれもなく彼自身であり、彼自身以外の何者にもなり得ない彼が感じられるチェット・ベイカーがいい。
人の魅力というのは、こういうことなのだろう。
業病にとりつかれた病人でこそなのだ。
マイルス・ディヴィスでは、だめなんだ。
Jazz in Paris / Chet Baker Quartet plays standards / 1955 / Emarcy
今夜は、バルネ・ウィランで“ネイチャー・ボーイ”。
なんだか巫山戯たような演奏が気になるが、好きな曲だ。
この曲の奇妙な感じの旋律を愉しむには、ジャッキー・マクリーンの方がよかったか。
ジャッキー・マクリーンのもとの旋律に即した部分がよかったように覚えている。
演奏の前半だ。
それを聞いて、今夜はお終いにしようか。
やっぱり、ジャッキーの方が、この曲に関してはいい。
ケニー・ドリューが弾く“ゴールデン・イヤリング”。
僕たちは悲しみと付き合わずには過ごせない。
過ごすことがあるとしたら
その感情を持たない場合だ
ケニー・ドリューは癒やしてくれる
「リコレクションズ」は絶品だ
以下は、聞いたことのあるカサンドラ・ウィルソンのアルバム。
1988 ブルー・スカイ BAMBOO
1989 ジャンプ・ワールド JMT ※ブルックリン派
1993 ブルー・ライト・ティル・ドーン BLUE NOTE ※ブルーノート・デビュー
1995ソング・ブック JMT/BAMBOO ※コンピレージョン
1996 ニュー・ムーン・ドーター BLUE NOTE ※定評盤
1997 ランデブー:テネシー・ワルツ BLUE NOTE
1999 トラヴェリング・マイルス BLUE NOTE
2002 ベリー・オブ・ザ・サン BLUE NOTE ※「トラヴェリング・マイルス」以来の盤
2003グラマードBLUE NOTE
2006サンダーバードBLUE NOTE
2008ラブリーBLUE NOTE
2015カミング・フォース・バイ・デイSONY
今回は、コンピレージョン・アルバムとなる「ソング・ブック」。
JMT / BAMBOO時代に残したアルバムから選んだ10曲を収めたアルバムとなっている。
ブルックリン派と呼ばれていた頃のものとなるが、その中で、オーソドックスな要素の濃い歌唱が選ばれているのかな。
このあたり、私には、自分で判断する能力が無い。
カサンドラ・ウィルソンの歌にど迫力を感じたのは、「ニュー・ムーン・ドーター」からだったか。
だから、その前の時代のものになると言うこと。
〈収録ソング〉
1.レッツ・フェイス・ザ・ミュージック
2.スゥート・ロレイン ※ブルー・スカイ
3.ブルー・イン・グリーン
4.ビューグルズ、バングルズ・アンド・ビーズ
5.アイム・オールド・ファッションド ※ブルー・スカイ
6.ワールウィンド・ソルジャー ※ジャンピワールド
7.リトル・ワン・アイル・ミス・ユー
8.ボディ・アンド・ソウル
9.ノー・グッド・タイム・フェアリーズ
10。オータム・ノクターン ※ブルー・スカイ
ジャズ・ヴォーカルの歴史に新しいページを開きつつあり、かつ、独自の境地を歩みつつあったのだろうが。
ここには、その後のブラックで、ヘヴィーなものは、まだ顕著ではない。
《エリック・ドルフィー・クインテッド / ライブ・イン・ジャーマニー(1961 MAGNETIC RECORDS)》で、“オン・グリーン・ドルフィン・ストリート”を聞いた。
エリック・ドルフィーの演奏はとてもよさそうだ。
24分近くの熱演である。
途中、“ゴーイン・ホーム”のメロディもあって、おもしろい。
だけど、ともかく録音が悪い。
まともなものを聞きたくなった
《エリック・ドルフィー・クインテッド / アウト・ワード・バウンド(1960 PLESTIGE》で、同じ曲を聞く。
このアルバム、日本では、「惑星」との名前で登場。
古いLP盤のジャケットは、安っぽい。
新宿のディスク・ユニオンで、棚に以下のアルバムを見つけて、即座に購入を決めた動機は、「これは、持ってないな。エリック・ドルフィーのものだから、手に入れておこう」ということだった。
最近は、特に欲しいと思うものがなくなって、時に、そう言う買い方もする。
◇
エリック・ドルフィー・クインテッド
ライブ・イン・ジャーマニー(1961 MAGNETIC RECORDS)
〈パーソネル〉
エリック・ドルフィー(b-cl)
マッコイ・タイナー(p)
ボブ・クニングハム(b)
メル・ルイス(ds)
〈トラック〉
1.ソフティ・アズ・イン・ア・モーニング・サンライズ(朝日のようにさわやかに)
2.オレオ
3.オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
4.ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト
5.ザ・テーマ
このアルバム、CDをかけるとすぐに気づく。
録音がひどい。
音質は悪いし、楽器音の音量バランスも悪い。
録音マイクが、各楽器の音をバランスよく録るようになっていない。
性能も悪い。
折角のプレイヤーたちの演奏が台無しになっている。
MAGNETIC RECORDSとは、どんなレコード会社なのだろうか。
私家本を扱う書籍出版社のように、持ち込まれたプライベート録音の音源でCD化などをして、売り出しもするようなレコード会社のようだ。
エリック・ドルフィーについては、以前にも、こんなCDに出くわした。
まあ、残念だと言うしかない。
「ロコ」は男の狂人のこと、女の狂人は「ロカ」と呼ばれる。
ピアソラの「ロコへのバラード」の歌詞の和訳を読んだ。
作ったのは、オラシオ・フェレール。
狂人を登場させると言うこと・・・・・。
最近ではどうなのだろう。
古くはよくあったのでないか。
能では普通に。
西脇順三郎の「旅人かへらず」の145。
村の狂人まるはだかで
女郎花と蟋蟀をほほばる
かつては、気の狂った人も、日常の中にいた。
そして、なにがしかを知った。
体感して、得るものがあった。
アメリータ・パルタールが歌うのも聞いた。
Milva & Astor Piazzolla / Live in Yokyo 1988
ミルヴァとアストル・ピアソラの共演。
1988年、東京でのライブである
ミルヴァとアストル・ピアソラの共演は、これより前に、パリで行われていて、ヴァイオリンニストのギドン・クレーメルは、それを聞いて感動したということである。
ギドン・クレーメルの“ピアソラへのオマージュ2”では、ミルヴァも歌っている。
ミルヴァについては、以前より名前は、よく聞いているが、まともに聞いたことがない。
改めて、その歌唱に接すると、迫力を感じる。歌詞の意味がとれなくても、胸に迫るものがある。
器楽の方は、アストル・ピアソラ新タンゴ五重奏団。
さて、「Milva & Astor Piazzolla / Live in Yokyo 1988」(B.J.L)は、CD2枚組のアルバムである。
DISC-1、DISC-2とも、10トラックづつである。
DISC-1
1.ダンゲディア Ⅲ
2.わが死へのバラード(6時が鳴るとき)
3.ルンファルド
4.迷子の小鳥たち
5.もしもまだ
6.ブエノスアイレスの夏
7.孤独の歳月
8.ロコへのバラード
9.ムムキ
10.ミケランジェロ 70
DISC-2
1.行こう、ニーナ
2.忘却(オブリヴィオン
3.チェ・タンゴ・チェ
4.アディオス・ノニーノ
5.3001年へのプレリュード(私は生まれ変わる)
6.フィナーレ “ブレヒトとブレルの間で”
7.天使の死
8.ミルバの挨拶
9.ロコへのバラード
10.チェ・タンゴ・チェ
〈感想・印象〉
音楽として、とても素晴らしい。
しかし、僕が聞くのは、いつも夜、就寝の前なのだ。
いつも、激しくて、重苦し過ぎるなと感じる。
でも、聞いている。
アストル・ピアソラに魅せられている。
このアルバムでは、ミルヴァも力強く、迫力満点。
「ロコへのバラード」の中では、ミルヴァの語りもある。
イカれた男が、歌のなかに登場する。
凄い。
僕たちの社会とは何なのか。
あたりまえとは、どう言うことなのか。
そんな思いがわいてくる。
以上、DISC-1を聞きながら。
どの曲も、胸に迫る。
そこには狂気があり、狂気は真実を語る。
日本人の客の前で、ピアソラもミルヴァも最高だ。
この音楽は、さまざまな思いを呼ぶ。
◇
何時しか
俺は、敗北していた
きっと、そうなのだ
踏み出せない俺がいた
それを認めない俺がいた
その時
俺は死んでしまったのか
生きていると思っているのは
勘違いなのか
ギドン・クレーメルによるアストル・ピアソラへの“オマージュ”第2弾である。
アルバムには「エル・タンゴ」との名前が付けられている。
11のトラックで出来ている。
3つめの「3001年へのプレリュード」、9つめの「チェ・タンゴ・チェ」では、ミルヴァのヴォーカルが聞ける。
〈トラック・リスト〉
1.レピラード
2.バチュリ
3.3001年へのプレリュード
4.マイ・ハッピネス
5.エル・タンゴ
6.インステッド・オブ・ア・タンゴ
7.デカリシモ
8.酔いどれたち
9.チェ・タンゴ・チェ
10 .3人のためのミロンガ
11.ミケランジェロ70
ピアソラの音楽は、僕に、人の命、人生とは何なのかと問いかけてくる。
いいとこのお兄さんが接する人生論風ではなくて。
僕たちの内なる罪を見つめながら。