“ライフ・ライン”

2024-07-01 | 【断想】音楽

 ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテットによる「ライフ・ライン」。
 1981年、オランダでのスタジオ録音、レーベルはタイムレス(アルファ・レコード)。
 タイムレスでの「アース・ビームス」(1980)につぐ、第二弾。
 このアルバムでは、ジョージ・アダムスのヴォーカルが聞ける(2曲目、4曲目)。
 〈パーソネル〉
 ジョージ・アダムス(ts,fl,vo)
 ドン・ピューレン(p)
 キャメロン・ブラウン(b)
 ダニー・リッチモンド(ds)
 〈収録曲〉CDには、6曲収録されている。
 1.ザ・グレイト・エスケイプ・オア・ラン・ジョン・ヘンリー・ラン
 2.セリアスリー・スピーキング
 3.ソフト・シーズ
 4.ネイチャーズ・チルドレン
 5.プロテクション
 6.ニューカマー:セブン・イヤーズ・レイター
 ジョージ・アダムス、ドン・ピューレンのエキサイティングな演奏からは、フリー・スタイルをよそおっているのではないのは聞き取れる。
 ただ、僕には、その叫びが何によるものであるのか、何を求めるものであるかが、掴めない。
 演奏された1980年頃というのは、45年くらい前になる。
 僕が、秘書家業をはじめた頃だ。
 世界的にも学生運動、学園紛争の時代が遠ざかり、世の中いくらか落ちついた頃なのだ。
 人には、いつの時代でも変わらぬものはあるのだが。
 


ヘネラリフェにて

2024-06-30 | 【断想】音楽

 ファリャの「スペインの庭の夜」の第一楽章が「ヘネラリフェにて」。
 ヘネラリフェは、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿の北に位置するイスラーム建築物。
 14世紀に、当時の王朝の夏の別荘として建造された。
 エドゥアルド・マータ指揮、ロンドン交響楽団で聴く。
 エドゥアルド・マータは、メキシコ人。
 今日は休日。午後、香を買いに出かけた。
 CHANDANとWHITE MUSK。
 コーン型、かたわらで、煙。


“アース・ビームス”

2024-06-28 | 【断想】音楽

 ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテットによる「アース・ビームス」。
 1980年、オランダでのスタジオ録音、レーベルはタイムレス(アルファ・レコード)。
 〈パーソネル〉
 ジョージ・アダムス(ts,fl)
 ドン・ピューレン(p)
 キャメロン・ブラウン(b)
 ダニー・リッチモンド(ds)
 〈収録曲〉CDには、6曲収録されている。
 1.アース・ビームス
 2.マグネティック・ラブ・フィールド
 3.デュオニサス
 4.サタディ・ナイト・イン・ザ・コスモス
 5.モア・フラワーズ
 6.ソフィスティケイテッド・アリス
 ジョージ・アダムスの演奏を聴くのを愉しみにしていたのに、1曲目、2曲目は、なんとなく聞き流してしまった。
 3曲目の「デュオニサス」は、いささか風変わりな展開をみせる演奏だ。
 異形なものに接する愉しさがある。
 ドン・ピューレンのピアノ・ワークは、何処かで聞いたなつかしさ。
 ジョージ・アダムスのテナーのフリー・スタイルも、違和感なくしっくりくる。
 俺は、こう言うのも好きなんだと思わせる。
 4曲目も、続いてわたしの好みだ。
 アルバート・アイラーの音を思い出しもする。
 ジョン・コルトレーンやアーチー・シェップではないのだ。
 3曲目を聞いて、いいなと感じ、6曲目まで続いた。
 もう一度、1曲目の「アース・ビームス」を聞き直してみた方がよさそうだな。
 ジョージ・アダムスもドン・ピューレンも、もっとエキサイティングした方がいいのかなあと感じた。
 曲の後半には、激しさはあるのだが、今ひとつ、ノリがないのだ。
 トータルとしては、とっても気に入ったんだけど。

 


“忘れるな!”

2024-06-26 | 【断想】音楽

 チャールズ・ミンガス / チェンジズ 1 / アトランテック
 〈ソング・リスト〉4曲収録
 1.アッティカ刑務所事件のロックフェラーを忘れるな(録音:1974,12.28)
 2.スー・グラハムの変化(録音:1974,12.27)
 3.デヴィル・ブルース(録音:1974,12.28)
 4.敬愛するエリントン・サウンド(録音:1974,12.27)
 〈パーソネル〉
 ジャック・ウォルテス(tp)
 ジョージ・アダムス(ts,vo) ※「デヴィル・ブルース」でヴォーカル
 ドン・プーレン(p)
 チャールズ・ミンガス(b)
 ダニー・リッチモンド(ds)
 マーカス・ベルグレイヴ(tp)
 フリーで、クレイジーで、疾走感、ファイティング・・・ミンガスの魅力いっぱいだ。
 ジョージ・アダムスと言う人のテナー・サックスがこれまたいい。
 フリージャズ風なのだが、単なるこけおどしでなく、人の胸の中に入ってくるものがある。
 もう少し、聞いてみたくなった。
 「スー・グラハムの変化」は、17分ばかりの熱演、なかなかイカレてる。
 「デヴィル・ブルース」は、昨日聞いた。


“デヴィル・ブルース”

2024-06-24 | 【断想】音楽

 天使や悪魔には、ずっと昔から関心がある。
 魔物や鬼神の類いより、魅かれるものがある。
 チャールズ・ミンガスの「チェンジズ 1」に、“デヴィル・ブルース”と言う曲。
 1974年、アトランティック・レコードのスタジオで録音されている。
 これは、ジャズと言えるだろうか。
 演奏は、ミンガスのベースではじまる。
 ジョージ・アダムスのヴォーカル、シャウトがはいる。
 何て、叫んでいるのだろう。
 英語が聞き取れない。
 ピアノ、ドラム、トランペット・・・、そしてアダムスのテナー・サックス。
 文句なしに、のれる。
 単純明快である。
 こう言うの好きだ。


“ハートブレイク”

2024-06-23 | 【断想】音楽

 〈チェット・ベイカー・ウィズ・ストリングス / ハートブレイク〉
 このアルバム、タイムレス・レコードが設立15年を記念して、1991年に制作した。
 タイムレスで録音していたチェット・ベイカー・カルテットのものから、10曲を厳選、それにストリングスをのせた。
 日本では、「傷心」と言う名前で出ています。
 ちょっと、そそられませんか。
 収録曲は、以下のお馴染みの10曲。
 1.エンジェル・アイズ
 2.オール・オブ・ユー
 3.マイ・ファニー・バレンタイン
 4.ブルー・ムーン
 5.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
 6.ユー・アンド・ザ・ナイト・アンド・ザ・ミュージック
 7.アズ・タイム・ゴーズ・バイ
 8.ラウンド・ミッドナイト
 9.マイ・メランコリー・ベイビー
 10。マイ・フーリッシュ・ハート


“彼は彼だけ”

2024-06-21 | 【断想】音楽

 どこかの店で、BGMで、トランペットを耳にした。
 それで、トランペットを聞こうと思った。
 チェット・ベイカーにしよう。
 何というか、まぎれもなく彼自身であり、彼自身以外の何者にもなり得ない彼が感じられるチェット・ベイカーがいい。
 人の魅力というのは、こういうことなのだろう。
 業病にとりつかれた病人でこそなのだ。
 マイルス・ディヴィスでは、だめなんだ。
 Jazz in Paris / Chet Baker Quartet plays standards / 1955 / Emarcy 


“ネイチャー・ボーイ”

2024-06-17 | 【断想】音楽

 今夜は、バルネ・ウィランで“ネイチャー・ボーイ”。
 なんだか巫山戯たような演奏が気になるが、好きな曲だ。
 この曲の奇妙な感じの旋律を愉しむには、ジャッキー・マクリーンの方がよかったか。
 ジャッキー・マクリーンのもとの旋律に即した部分がよかったように覚えている。
 演奏の前半だ。
 それを聞いて、今夜はお終いにしようか。
 やっぱり、ジャッキーの方が、この曲に関してはいい。


“金の耳飾り”

2024-06-16 | 【断想】音楽

 ケニー・ドリューが弾く“ゴールデン・イヤリング”。
 僕たちは悲しみと付き合わずには過ごせない。
 過ごすことがあるとしたら
 その感情を持たない場合だ
 ケニー・ドリューは癒やしてくれる
 「リコレクションズ」は絶品だ


C.W ソング・ブック

2024-06-16 | 【断想】音楽

 以下は、聞いたことのあるカサンドラ・ウィルソンのアルバム。
 1988 ブルー・スカイ BAMBOO
 1989 ジャンプ・ワールド JMT ※ブルックリン派
 1993 ブルー・ライト・ティル・ドーン BLUE NOTE ※ブルーノート・デビュー
 1995ソング・ブック JMT/BAMBOO ※コンピレージョン
 1996 ニュー・ムーン・ドーター BLUE NOTE  ※定評盤
 1997 ランデブー:テネシー・ワルツ BLUE NOTE
 1999 トラヴェリング・マイルス BLUE NOTE
 2002 ベリー・オブ・ザ・サン BLUE NOTE ※「トラヴェリング・マイルス」以来の盤
 2003グラマードBLUE NOTE
 2006サンダーバードBLUE NOTE
 2008ラブリーBLUE NOTE
 2015カミング・フォース・バイ・デイSONY
 今回は、コンピレージョン・アルバムとなる「ソング・ブック」。
 JMT / BAMBOO時代に残したアルバムから選んだ10曲を収めたアルバムとなっている。
 ブルックリン派と呼ばれていた頃のものとなるが、その中で、オーソドックスな要素の濃い歌唱が選ばれているのかな。
 このあたり、私には、自分で判断する能力が無い。
 カサンドラ・ウィルソンの歌にど迫力を感じたのは、「ニュー・ムーン・ドーター」からだったか。
 だから、その前の時代のものになると言うこと。
 〈収録ソング〉
 1.レッツ・フェイス・ザ・ミュージック
 2.スゥート・ロレイン ※ブルー・スカイ
 3.ブルー・イン・グリーン
 4.ビューグルズ、バングルズ・アンド・ビーズ
 5.アイム・オールド・ファッションド ※ブルー・スカイ
 6.ワールウィンド・ソルジャー ※ジャンピワールド
 7.リトル・ワン・アイル・ミス・ユー
 8.ボディ・アンド・ソウル
 9.ノー・グッド・タイム・フェアリーズ
 10。オータム・ノクターン ※ブルー・スカイ
 ジャズ・ヴォーカルの歴史に新しいページを開きつつあり、かつ、独自の境地を歩みつつあったのだろうが。
 ここには、その後のブラックで、ヘヴィーなものは、まだ顕著ではない。
 


“惑星”

2024-06-15 | 【断想】音楽

 《エリック・ドルフィー・クインテッド / ライブ・イン・ジャーマニー(1961 MAGNETIC RECORDS)》で、“オン・グリーン・ドルフィン・ストリート”を聞いた。
 エリック・ドルフィーの演奏はとてもよさそうだ。
 24分近くの熱演である。
  途中、“ゴーイン・ホーム”のメロディもあって、おもしろい。
 だけど、ともかく録音が悪い。
 まともなものを聞きたくなった 
 《エリック・ドルフィー・クインテッド / アウト・ワード・バウンド(1960 PLESTIGE》で、同じ曲を聞く。
 このアルバム、日本では、「惑星」との名前で登場。
 古いLP盤のジャケットは、安っぽい。


“プライベート盤”

2024-06-15 | 【断想】音楽

 新宿のディスク・ユニオンで、棚に以下のアルバムを見つけて、即座に購入を決めた動機は、「これは、持ってないな。エリック・ドルフィーのものだから、手に入れておこう」ということだった。
 最近は、特に欲しいと思うものがなくなって、時に、そう言う買い方もする。
 ◇
 エリック・ドルフィー・クインテッド
 ライブ・イン・ジャーマニー(1961 MAGNETIC RECORDS)
 〈パーソネル〉
 エリック・ドルフィー(b-cl)
 マッコイ・タイナー(p)
 ボブ・クニングハム(b)
 メル・ルイス(ds)
 〈トラック〉
 1.ソフティ・アズ・イン・ア・モーニング・サンライズ(朝日のようにさわやかに)
 2.オレオ
 3.オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
 4.ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト
 5.ザ・テーマ
 このアルバム、CDをかけるとすぐに気づく。
 録音がひどい。
 音質は悪いし、楽器音の音量バランスも悪い。
 録音マイクが、各楽器の音をバランスよく録るようになっていない。
 性能も悪い。
 折角のプレイヤーたちの演奏が台無しになっている。
  MAGNETIC RECORDSとは、どんなレコード会社なのだろうか。
 私家本を扱う書籍出版社のように、持ち込まれたプライベート録音の音源でCD化などをして、売り出しもするようなレコード会社のようだ。
 エリック・ドルフィーについては、以前にも、こんなCDに出くわした。
 まあ、残念だと言うしかない。


“ロコへのバラード”

2024-06-13 | 【断想】音楽

 「ロコ」は男の狂人のこと、女の狂人は「ロカ」と呼ばれる。
 ピアソラの「ロコへのバラード」の歌詞の和訳を読んだ。
 作ったのは、オラシオ・フェレール。
 狂人を登場させると言うこと・・・・・。
 最近ではどうなのだろう。
 古くはよくあったのでないか。
 能では普通に。
 西脇順三郎の「旅人かへらず」の145。
  村の狂人まるはだかで
  女郎花と蟋蟀をほほばる
 かつては、気の狂った人も、日常の中にいた。
 そして、なにがしかを知った。
 体感して、得るものがあった。
 アメリータ・パルタールが歌うのも聞いた。


ミルヴァとピアソラ

2024-06-12 | 【断想】音楽

 Milva & Astor Piazzolla / Live in Yokyo 1988
 ミルヴァとアストル・ピアソラの共演。
 1988年、東京でのライブである
 ミルヴァとアストル・ピアソラの共演は、これより前に、パリで行われていて、ヴァイオリンニストのギドン・クレーメルは、それを聞いて感動したということである。
 ギドン・クレーメルの“ピアソラへのオマージュ2”では、ミルヴァも歌っている。
 ミルヴァについては、以前より名前は、よく聞いているが、まともに聞いたことがない。
 改めて、その歌唱に接すると、迫力を感じる。歌詞の意味がとれなくても、胸に迫るものがある。
 器楽の方は、アストル・ピアソラ新タンゴ五重奏団。
 さて、「Milva & Astor Piazzolla / Live in Yokyo 1988」(B.J.L)は、CD2枚組のアルバムである。
 DISC-1、DISC-2とも、10トラックづつである。
 DISC-1
 1.ダンゲディア Ⅲ
 2.わが死へのバラード(6時が鳴るとき)
 3.ルンファルド
 4.迷子の小鳥たち
 5.もしもまだ
 6.ブエノスアイレスの夏
 7.孤独の歳月
 8.ロコへのバラード
 9.ムムキ
 10.ミケランジェロ 70
  DISC-2
 1.行こう、ニーナ
 2.忘却(オブリヴィオン
 3.チェ・タンゴ・チェ
 4.アディオス・ノニーノ
 5.3001年へのプレリュード(私は生まれ変わる)
 6.フィナーレ “ブレヒトとブレルの間で”
 7.天使の死
 8.ミルバの挨拶
 9.ロコへのバラード
 10.チェ・タンゴ・チェ
 〈感想・印象〉
 音楽として、とても素晴らしい。
 しかし、僕が聞くのは、いつも夜、就寝の前なのだ。
 いつも、激しくて、重苦し過ぎるなと感じる。
 でも、聞いている。
 アストル・ピアソラに魅せられている。
 このアルバムでは、ミルヴァも力強く、迫力満点。
  「ロコへのバラード」の中では、ミルヴァの語りもある。
 イカれた男が、歌のなかに登場する。
 凄い。
 僕たちの社会とは何なのか。
 あたりまえとは、どう言うことなのか。
 そんな思いがわいてくる。
 以上、DISC-1を聞きながら。
 どの曲も、胸に迫る。
 そこには狂気があり、狂気は真実を語る。
 日本人の客の前で、ピアソラもミルヴァも最高だ。
 この音楽は、さまざまな思いを呼ぶ。
  ◇
 何時しか
 俺は、敗北していた
 きっと、そうなのだ
 踏み出せない俺がいた
 それを認めない俺がいた
 その時
 俺は死んでしまったのか
 生きていると思っているのは
 勘違いなのか

 


Pへのオマージュ2

2024-06-08 | 【断想】音楽

 ギドン・クレーメルによるアストル・ピアソラへの“オマージュ”第2弾である。
 アルバムには「エル・タンゴ」との名前が付けられている。
 11のトラックで出来ている。
 3つめの「3001年へのプレリュード」、9つめの「チェ・タンゴ・チェ」では、ミルヴァのヴォーカルが聞ける。
 〈トラック・リスト〉
 1.レピラード
 2.バチュリ
 3.3001年へのプレリュード
 4.マイ・ハッピネス
 5.エル・タンゴ
 6.インステッド・オブ・ア・タンゴ
 7.デカリシモ
 8.酔いどれたち
 9.チェ・タンゴ・チェ
 10 .3人のためのミロンガ
 11.ミケランジェロ70
 ピアソラの音楽は、僕に、人の命、人生とは何なのかと問いかけてくる。
 いいとこのお兄さんが接する人生論風ではなくて。
 僕たちの内なる罪を見つめながら。