神社めぐり

2010-08-24 | 【断想】神々
 「この夏、春日大社、諏訪大社、三島大社に行ったよ」
 「どちらも立派な神社ね。諏訪大社は上社と下社があるけど」
 「そうだね、二社四宮をまわったよ」
 「わたし、神社同好会なの。全国の神社めぐりをしているの」
 「どうりで」

梶と蛇

2010-08-18 | 【樹木】ETC
 諏訪大社では、その神紋たる梶の葉の紋様をよく見かけた。
 吉野裕子の「蛇」(講談社学術文庫)に、次のようにあった。
 「・・・梶を解字すれば、木と尾である。蛇は頭と尾で成り立っているようなもので、他の生物とこの点で非常に異なっており、蛇の蛇たる所以はまさにその尾にある。陰陽五行思想において、蛇はまた木気であって、その木と尾の取り合わせである『梶』の字は蛇の象徴であろう。」

絡み合う蛇

2010-08-16 | 【断想】蛇
 諏訪大社下社春宮で見た太くがっしり絡み合った注連縄。
 三嶋大社で見かけたゆるく絡み合った注連縄。
 いずれにしろ、絡み合う蛇が連想されもする。
 蛇の交尾はエネルギッシュで、その姿は豊饒の寿ぎ。
 吉野裕子の「蛇」(講談社学術文庫)に次のようにある。
 ・・・・『古事記』によれば、天照大神が出たあとの天岩戸には「シリクメ縄」が張られたといい、それが今の注連縄の原義とされている。志摩地方では、昔、トンボの交尾を「シリクミ」といったというが、これはシリクメ縄のシリクメと同じ語であろう。それならば、シリクメ縄、つまりシメ縄はまさに蛇の交尾を象る縄で、それ故に、もっとも神聖視されたのである。・・・・
※写真は三嶋大社

老いの日の金木犀

2010-08-15 | 【樹木】ETC
 三嶋大社の金木犀は、樹齢1200年と言われ、日本で一番巨きい。
 そうと知って眺めるのは、二回目だった。
 前にも感じたが、若々しい勢いは既にない。
 幹に、葉に、衰えは歴然としている。
 二里四方に芳香を漂わしたという壮年の彼にも会いたかったな。
 でも、彼に較べたら、人間の命の短いこと。

科野国の州羽の海

2010-08-14 | 【樹木】ETC
 諏訪大社は古い社で、そこの木々にも古く大きなものが多い。
 古事記に、次のようにある。
 國譲りの神話の一部である。
 ・・・・・・
 かれ追ひ往きて、科野国の州羽の海に迫め到りて、殺さむとしたまふ時、建御名方神白さく、「恐し。我をな殺したまひそ。此処に行かじ。また我が父大国主神の命に違はじ。・・・・」
 諏訪大社の祭神たる建御名方神(たけみなかたのかみ)は大国主神の子息。
 「科野国の州羽の海(しなののくにのすはのうみ)」は、信濃の諏訪湖のこと。
 いにしえの神々のことが思われる。
 七年に一度という御柱祭で使われるのは、樅の木。

星に願いを

2010-08-12 | 【樹木】ETC
 諏訪大社二社四宮を巡る。
 諏訪大社の神紋は梶の葉。
 本宮に植えられていた。
 「神紋 穀(かじ)の木」との立て札があった。
 梶の葉と言うと、かつて、星への願いを書いたもの。
 平家物語の義王出家の段に、次ぎのようにある。
 「かくて春すぎ夏たけて、秋の初風吹きぬれば、星合の空をながめつつ、天の戸わたるかぢの葉に思ふこと書くころなれや」

象潟は遠い

2010-08-09 | 【断想】牡蠣
 芭蕉の奥の細道にある象潟に行ってみたいと思った。
 そこは、岩牡蠣の産地でもある。
 きっとおいしい岩牡蠣が食べられるだろうと。
 鳥海山のブナ林から流れ出た豊かな水が牡蠣を育てているのだ。
 しかし、象潟へは、東京から行くのに時間がかかる。
 近辺の宿も空いていなかった。
 だからと言うわけでもないが、新宿のオイスターバーで岩牡蠣を食べた。
 岩手県広田湾、新潟県山北、石川県輪島の産の岩牡蠣。

一期は夢よ

2010-08-04 | 読書
●古典の愛とエロス/出口裕弘著/朝日新聞社/1992年8月1日発行/1500円
 著者は、この本に「恋の大事」の気分でのぞんだと言う。
 わが国古典に表現されている色恋の諸相が綴られ、なんとも魅力的な一書となっている。
 作品としては、古事記、蜻蛉日記、源氏物語、更級日記、それに蕪村の句などがとりあげられている。読むのを中断している「蜻蛉日記」をもう一度手にしようか、「とはずがたり」を読み始めようかなどとの思いにさせる。
 色恋と言っても、それぞれの時代の影響が大きいななどとも思わされる。
 さて、本書で取り上げられていた閑吟集から。
 「何せうぞ 燻んで 一期は夢よ ただ狂へ」