デイヴ・ブルーベック・カルテットの「エンジェル・アイズ」(1962,1965 Sonny)。
マット・デニス作の7曲が演奏されている。
〈メンバー〉
デイヴ・ブルーベック(p)
ポール・デスモンド(as)
ジーン・ライト(b)
ジョー・モレロ(ds)
〈ソング〉
1.レッツ・ゲット・アウェイ・フロム・イット・オール
2.コートにすみれを
3.エンジェル・アイズ
4.ウィル・ユー・スティル・ビィ・マイン
5.エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
6.リトル・マン・ウィズ・ア・キャンディ・シガー
7.ザ・ナイト・ウィ・コールド・ツト・ア・デイ
エンターテイメントとしてのジャズと言っていいか。
小難しいことのなく、ジャズの愉悦に満ちた演奏だ。
サラッとして耳に心地よいジャズである。
いろんなスタイルのジャズがあっていい。
ジャズ史上、名盤中の名盤、マイルス・ディヴィスの「カインド・オブ・ブルー」。
1曲目、オリジナルの「ソー・ホワット」。
ジャズのガイド・ブックのトップで紹介されていた。
それで、たまに聞こうと言う気持ちになった。
演奏しているのは、以下の4人。大物揃いである。
マイルス・ディヴィス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
ポール・チェンバース(b)
ジミー・コブ(ds)
ぼくたちの生と死
またたくまの輝きと
永遠なる沈黙
なにもなかったみたいだ
悔しいね
折角の生だったのに
見苦しいざまを呈しもしたが
それも消えていく
それで
採算がとれるのか
今夜は「ノクターン」を聞く。
チャーリー・ヘイデンの「ノクターン」(2000 VERVE)。
深く沈潜する思いがある。
抑圧する者と反抗し戦う者、チャーリー・ヘイデンは、反抗する側で政治的メッセージを発する人だ。
反抗というより、傲慢な権力者へのプロテクトか。
のんきな左翼ではなさそうだ。
音楽表現には、政治より哲学を感じる。
人間の現実に目を背けることのない、内省的なものが強いように感じる。
「ノクターン」には、11曲収録されている。
演奏は、チャーリー・ヘイデン(b)、ゴンサロ・ルバルカバ(p)、イグナシオ・ベローア(ds)他。
ケニー・ドリューの「エバーグリーン」(アルファ・レコード)より。
そのはじめの1曲「ネイチャー・ボーイ」。
あの少年は、どうしただろうか。
生きていれば、70も半ばのはずだ。
不遜で、現実主義の少年だったな。
悲しいなんてこと知らなかったな。
ひとつだけいいところ。
友だちが好きだったな。
夜ごと、黒い樹々を見て、亡くなった友を思う老人がいた。
少年の日の友だけが、大切な老人がいた。
アイク・ケベックの「ヘヴィー・ソウル(1961 BlueNote)」より。
「ネイチャー・ボーイ」をインストゥルメンタルで聞く。
静かな夜に奏でられるテナー・サックスの響き。
そんな感じである。
ケニー・ドリューのピアノ、「スインギン・ラブ(1983 RVC)」で聞く。
繊細で美しい。
パルネ・ウィランの「ティルト(1957 SONY)」で。
この中では、静かでゆっくりしたアイク・ケベックのが、僕には一番だ。
ロレス・アレキサンドリアに「ディープ・ルーツ (1962 Cadet)」と言うアルバムがある。
“ネイチャー・ボーイ”が収録されている。
聞いてみたなと思っているひとつだ。
それの代わりに入手した「マイ・アン・オンリー・ラブ(1986 SONY)」で、たまに聞く。
これ、ちょっとテンポが速過ぎると思っている。
「ディープ・ルーツ」では、どうなのだろうと思っている。
ローランド・カークの「溢れ出る涙」(1968 atlantic)。
サングラスの黒人が管楽器を二本、口にくわえ頬を膨らませている。
ジャケットの写真も、異能のプレーヤーが、なにやらメッセージ性の強い演奏ををしていそうだと感じさせる。
ローランド・カークは、盲目のジャズ・プレイヤー。
彼の外見や演奏スタイルから、その演奏をグロテスク・ジャズと呼ぶ人もいるそうだ。
それは、ユニークと呼び変えてもいいのだろう。
音楽としては、普通なのではないだろうか。
〈パーソネル〉
ローランド・カーク(ts,cl,fl,マンゼロ・フレクサホーン、イングリッシュ・ホーン)
ロン・バートン(p)
スティーヴ・ノヴォセル(b)
ジミー・ホップス(ds)
ディック・グリフィス(tb)
〈トラック・リスト〉
1.ブラック・アンド・クレイジー・ブルース 6
2.ラフ・フォー・ロリー 3
3.メニー・ブレッシングル 5
4.フィンガーズ・イン・ザ・ウィンド 5
5.ザ・インフラッテッド・ティア(溢れ出る涙) 5
6.クレオール・ラヴ・コール 4
7.ハンドフル・オブ・ファイヴス 3
8.フライ・バイ・ナイト 4
9.ラヴレヴリロキ 4
テンションが高いな、興奮が常態なのかな、と言う印象を持つ。
奇矯なところがある。
深みがなくてはいけないことはないが、深みがないと言う感じがする。
「キャンデッド・ドルフィー」のCDを入手した。
このCDには、8曲入っている。
録音は、1960年、1961年に行われている。
この頃のドルフィーが、どうだったかと思った。
他に、どのようなアルバムがあるかと気になった。
このブログに、以前載せたディスコグラフィーの一部を修正再掲。
【1960、1961年のアルバム】
※印は、録音が複数日、複数年にわたっているもので、録音が一番速い年月日をもって順序とした。
1960.03. チャールズ・ミンガス / プリ・バード(Mercury)
1960.04. アウトワード・バウンド[惑星](New Jazz / Prestige)
1960.04.※ヒア・アンド・ゼア(Prestige)
1960.04.※ステイタス(Prestige)
1960.04.※ダッシュ・ワン(Prestige)
1960.06.※ファイアー・ワルツ(Prestige)
1960.07.※アザー・アスペクツ(Blue Note)
1960.08. アウト・ゼア(New Jazz / Prestige)1960
1960.08. (共)ラテン・ジャズ・クインテット / キャリベ(Prestige)
1960.10. チャールズ・ミンガス / プレゼンツ(CANDID)1961
1960.10.※キャンデッド・ドルフィー(CANDID)1889
1960.11.※ネイマ(Jazzway)1887,1991 ラスト・レコーディングス(1964)
1960.12. ファー・クライ(New Jazz / Prestige)1960 ロン・カーター/マジック
1960.12. オーネット・コールマン / フリー・ジャズ(Atlantic)
1961.02. オリバー・ネルソン / ブルースの真実(Impules)
1961.04. (共)テッド・カーソン / プレンティ・オブ・ホーン(Old Town)
1961.06. ロン・カーター / ウィズ・エリック・ドルフィー(Prestige)
1961.07. アット・ザ・ファイブ・スポット vol.1(Prestige)1961
1961.07. アット・ザ・ファイブ・スポット vol.2(Prestige)1964
1961.07. (共)ブッカー・リトル / メモリアル・アルアム(Prestige)1964
1961.08. ベルリン・コンサーツ(Inner City/enja)1978
1961.09. イン・ヨーロッパ vol.1(Prestige)1964 コペンハーゲン・コンサート
1961.09. イン・ヨーロッパ vol.2(Prestige)1965
1961.09. イン・ヨーロッパ vol.3(Prestige)1965 コペンハーゲン・コンサート
1961.09.※ストックホルム・セッションズ(enja)1981
1961.09. コンプリート・ウプサラ・コンサート(Jazz Door)1993
1961.11. ジョン・コルトレーン / ビレッジ・バンガード(Impulse)
1961.11.※ジョン・コルトレーン / インプレッションズ(Impulse)
こうやって見ると、チャールズ・ミンガス、チコ・ハミルトン、ロン・カーター、オーネット・コールマン、オリバー・ネルソン、テッド・カーソン、ブッカー・リトル、ジョン・コルトレーン等の名義のアルバムで演奏している。
この「キャンデッド・ドルフィー」では、チャールズ・ミンガスと一緒である。
ジャズ・レーベルのキャンディドに残るエリック・ドルフィーの演奏が収録されている。ドルフィーがフィーチャーされて演奏した曲がセレクトされているようだ。
以下の通り、8曲収録されている。
1.リインカーネーション・オブ・ア・ラヴ・バード
2.ストーミー・ウェザー(荒天候)
3.テイント・ノーバディズ・ビジネス・イフ・アイ・ドゥ
4.ボディ・アンド・ソウル(身も心も)
5.アフリカン・レディ
6.クワイエット・プリーズ(どうぞ静かに)
7.ムーズ・イン・フリー・タイム
8.ヘイジー・ヒューズ
演奏は、以下の顔ぶれ。
幾つもの演奏の寄せ集めでデアルカラ、当然、曲によって演奏者は異なる。
1と2、7と8は、同じメンバー。
詳細CDケース裏面にある。
エリック・ドルフィー(as,cl,fl)
コールマン・ホーキンス(ts)
チャールス・ミンガス(b)
テッド・カーソン(tp)
ブッカー・リトル(tp)
ケニー・ドーハム(tp)
トミー・フラナガン(p)
マル・ウォルドロン(p)
ダニー・リッチモンド(ds)
マックス・ローチ(ds)
アビー・リンカーン(vo)他
1と2の演奏者は、テッド・カーソン(tp)、ロニー・ヒリヤー(tp)、エリック・ドルフィー(as,bcl,fl)、チャールズ・マクファーソン(as)、ニコ、ブニック(p)、チャールス・ミンガス(b)、ダニー・リッチモンド(ds)
2では、ドルフィーやミンガスのソロを愉しめる。
なんだか、このような寄せ集め的なの、アルバムとしての魅力がない。
エリック・ドルフィーがもっとメインにおおきく目立てば別だろうが。
マル・ウォルドロンの「白い道 黒い雨」(TOKUMA JAPAN)。
1995年の夏に広島で録音された。
4曲収録されており、2曲がスタジオ録音。
あと2曲は、8月6日、原爆記念日、広島の善正寺でのライブ録音である。
1.子守唄
2.白い道
3.黒い雨
4.時には母のない子のように
ピアノはもちろんマル・ウォルドロン。
ヴォーカルが、ジーン・リー。
フルートが、天田透。
1と4が、スタジオ録音で、ピアノとヴォーカル。
「子守唄」は、日本の俗謡“・・・ぼうやはよいこだねんねしな・・・”。
「黒い雨:ブラック・レイン」は、マル・ウォルドロンの作。
人間の作り出す悲劇、人間の罪を深く意識させられる作品になっている。
日本が白人の国だったら、アメリカは広島や長崎に原爆を投下しただろうか。
そう思うときがある。
だけど、かつて日本の国の中に、アメリカの核を非難していた人が、ソ連や中共の核を許容する言動をしていたことを思い出す。
人の身勝手さが思い知らされる。
そこに、人種の区別はない。
平和を願い、祈るだけで、平和を達成できるならば、そんなに楽なことはない。
バルネ・ウィランが、22歳の時のクラブ・サンジェルマンでのライブ。
1959年の録音である。
パリのクラブ・サンジェルマンが熱気にあふれていた頃だ。
このライブは、2枚のCDに収録されている。
「バルネ」と「モア・フロム・バルネ」。
〈パーソネル〉
バルネ・ウィラン(ts,ss)
ケニー・ドーハム(tp)
デューク・ジョーダン(p)
ポール・ロヴェール(b)
ダニエル・ユメール(ds)
〈「バルネ」の収録曲 8曲〉
1.ベサメ・ムーチョ
2.ステイブメイツ
3.ジョードゥ
4.レディ・バード
5.ロータス・ブロッサム
6.エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
7.四月の思い出
8.彼奴を殺せ
〈「モア・フロム・バルネ」の収録曲 8曲〉
1.自由が一番
2.オール・ザ・シングス・ユー・アー
3.リーツ・アンド・アイ
4.ラウンド・ミッドナイト
5.ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート
6.タイム・オン・マイ・ハンズ
7.あなただけを
8.時のたつままに
エピクロスの友情に関する箴言。
「断片その1」(出隆、岩崎允胤訳)より。
・友情はみなそれ自身のゆえに望ましいものである、利益から出発するものではあるが。
・友情にせっかちな人も、しりごみする人も、ともに賞めむべきではない。むしろ友情のためには危険を犯しさえすべきである。
・亡くなった友人にたいしては、悲嘆によってではなく、追想によって、共感を寄せようではないか。
・亡くなった友人の思い出は、快である。
ニールス・ペデルセンが亡きケニー・ドリューを思ってつくったアルバム「フレンズ・フォーエヴァー」を聞いていると、好ましい友情を感じる。
エピクロスが言った「利益から出発する」とは、どういうことであろうか。
「利益」と言う言い方は、一般的にふさわしくないのでないか。
友を思うのは、自分のためかも知れないが、・・・・。
人を大切にしたり、愛するのは、自分のためにもなるというのは、そうだろう。
夜、黒い木々を見ると、そこに亡くなった友を感じる。
「フレンズ・フォーエヴァー」の中の「ケニー:KENNY」は、ニールス・ペデルセンの作曲。
優しさ、ふくよかさを感じる曲である。
ケニー・ドリューが亡くなる1年くらい前のスイスでのライブである。
ニールス・ペデルセンが録音していたものが、世に出ることになったとのことだ。
ケニー・ドリュー・トリオによる「ピアノ・ナイト」(1992 meldoc)。
ケニー・ドリュー(p)
ニールス・ペデルセン(b)
アルビン・クィーン(ds)
とてもいきいきとした演奏である。
溌剌としていて、気持ちがいい。
それに、美しい。
こういうのを聞いていると、俺も、もっと人に優しく接さないといけないなと言う気持ちになる。
電話の一つも入れた方がいいかなと。
聞いていて、ケニー・ドリューのピアノは、時として、クラシックかと思わせる。
とても質の高い見事な演奏だ。
7曲、収録されている。
1.イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
2.イッツ・マイト・アズ・ウェル・ビー・スプリング
3.ブルーソロジー
4.サンバ・ペティーテ
5.イエスタデイズ
6.マイ・シャイニング・アワー
7.セント・トーマス
ジョー・ヘンダーソンの「ポギー&ベス」。
1997年の録音、Verve。
ジョージ・ガーシュウィンのオペラからだ。
幾つもの曲が、ジャズ風にアレンジされて演奏される。
一番有名なのは、「サマータイム」。
ひきつけらるものがなくて、なんとなく聞き流した。
眠かっただけか。
つまらないことに時間をとられ、うんざりしていたからか。
レイ・ブラウンの「黒いオルフェ:ブラック・オルフェウス」(1989,1991 Evidence)。
ジャズ・アルバムのガイド本に載っていて、聞こうと思っていた。
このアルバムに収録されている9曲に、「ベース・フェイス」と言う1曲を足して、「ベース・フェイス」(キング・レコード)と言う名前で発売されているアルバムがあることを後で知った。
それに、同じ「ベース・フェイス」(Telarc)との名前のアルバムがあって、曲としての「ベース・フェイス」が収録はされているが、他はかなり異なっているものがある。
ここらのこと、いささか注意しておいた方がいい。
〈「ブラック・オルフェウス」の演奏者〉
ジーン・ハリス(p)
レイ・ブラウン(b)
ジェフ・ハミルトン(ds)
〈収録曲〉
1.酒とバラの日々
2.アイ・ソウト・アバウト・ユー
3.黒いオルフェ:ブラック・オルフェウス
4.ハウ・インセンシティブ
5.マイ・フーリッシュ・ハート
6.プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラブ
7.浮気はやめた
8.星に願いを
9.昔のようでなく
広く知られた曲がならんでいる。
表情豊かで、美形なベースの音、ソロでは、それがはっきりでている。
「黒いオルフェ」、・・・・訳ありの二人の幸せを願う。今日、無事に過ごせますように。・・・・そんな感じ。
「マイ・フーリッシュ・ハート」、しみじみして、いいな。
「星に願いを」も「昔のようでなく」も、グルーヴィーでイカしてるな。
レイ・ブラウンの豊かな音、さすがだなと思う。
このアルバムは、ジャズを充分に愉しませてくれる。
ゆたかな気持ちにさせてくれる。
だけど、こんなことを言うのは、まことに失礼だとは思うのだが、このアルバムを聞いた直後に、ケニー・ドリューとニールス・ペデルセンの演奏を聴くと、技量、情趣、精神性、なんだかレベルが違うな、後者がはっきり高いなと感じた。
《黒いオルフェ:カーニヴァルの朝》は、多くのミュージシャンが演っている。
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vo カサンドラ・ウィルソン「ラヴァリー」
vo ヘレン・メリル「ヘレン・メリル」
vo アストラッド・ジルベルト「いそしぎ」
vo シルヴィア・テリス「ザ・ボッサ・スタイル」
tp アート・ファーマー「おもいでの夏」
tp フレディ・ハバード「ボディ&ソウル」
bs ジェリー・マリガン「ナイト・ライツ」
ts バルネ・ウィラン「フレンチ・ストーリー」
ts ポール・デスモント「テイク・テン」
ts スタン・ゲッツ「・ビックバンド・ボサ・ノヴァ」
b ロン・カーター「オルフェ」
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