一日一個の林檎

2010-04-30 | 【樹木】ETC
 古来、林檎は健康にいいと言われる。
 「一日一個の林檎で、医者いらず」と。
 先週、久しぶりに多摩動物公園を散歩した。
 ヒメリンゴ(姫林檎)の花が咲いていた。
 秋には、小さな実ができる。
 食べることはないが。

道の知らなく

2010-04-29 | 【樹木】ETC
 山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく(高市皇女子)
 今日、どこかで山吹の花を見かけることがあるだろうか。
 ひとつのものを見ても、それぞれの人の胸に去来するものは異なるだろう。
 この高市皇女子の歌の背景には悲劇がある。
 清水を汲みに行きたいが、道が分からないと言う歌だが。
 清水を汲むと言うことにこめられた思いは。

紫色の花の菜っ葉

2010-04-28 | 【草花】ETC
 野の草花の名をいくらか覚えはした。
 しかし、次々と忘れてもいる。
 その野の花を見て、名前はなんだったろうかと思った。
 そう思って、自分のブログをみたら、写真も載せて記事を書いていた。
 時折、そんなことがある。
 ハナダイコン(花大根)こと、オオアラセイトウ(大紫羅欄花)だった。
 別に、諸葛菜(ショカツサイ)、紫花菜(ムラサキハナナ)、紫金草(シキンソウ)の名がある。
 名に「菜」がある通り、食用になる。
 若芽を茹でて、おひたしにするとホウレンソウの風味とのこと。
 諸葛孔明が軍の食料としたとの伝えがある。
 諸葛菜という名は、この故事による。
 花大根という名は、その花が大根の花に似ているから。
 紫羅欄花は、ストックの古い呼び名だそうな。
 アブラナ科の二年草、江戸時代に渡来した中国原産の帰化植物である。
 さて、来年、この花を見て、名が言えるだろうか。

花の夜の夢

2010-04-27 | 【草花】ETC
 先日、その名を間違えたキランソウの近縁種である。
 それは、同じシソ科のジュウニヒトエ(十二単衣)。
 花の形を見ると、そのことがよくわかる。
 キランソウが地にへばりついているのに対し、ジュウニヒトエの花は、段をなしての輪生、塔状である。
 その重なり合う花の姿から、十二単衣と名付けられたそうだ。
 十二単衣と出てくるわけでないが、目覚めてみれば、袖に、香る花びらがふりかかっていたという皇太后宮大夫俊成女の歌。
 風かよふ寝ざめの袖の花の香にかをるまくらの花の夜の夢

石楠花と牧者

2010-04-26 | 【樹木】ETC
 ツツジ科ツツジ属のシャクナゲ(石楠花)は、豪華な花をつける。
 日本では、庭に植えられたりする。
 ところが、ヒマラヤ方面では、その花は人の関心をひくことがないという。
 シャクナゲは嫌われ者なのである。
 何故か。
 牧草地の邪魔者なのだ。
 その葉に毒があり、動物たちが食べないのである。
 よって、はびこる。その分、牧草が育たない。
 牧草の危機は、人々の暮らしの危機につながる。

すみれ摘むらん

2010-04-25 | 【草花】ETC
 日本で一番目にする菫は、立坪菫(タチツボスミレ)と言うことだ。
 今の季節、道端や野を気にすれば、見つけることができる。
 菫が、こんなにあちこちで見られるものとは、以前は知らなかった。
 存在していたものが、見えなかったとも言える。
 野の草花に幾らか関心を持ち出して、二年か。
 それらの名前や特徴を覚えるようになって、楽しみの地平を少し広げることができるようになった。
 和泉式部の一首。
 浅茅原見るにつけてぞ思ひやるいかなる里にすみれ摘むらん

空には鯉

2010-04-24 | 【樹木】ETC
 もうすぐ五月。
 林は薄緑にけむっている。
 空には鯉。
 アポリネールの詩に「鯉」(堀口大學訳)
  君らの生洲の中で 君らの池の中で
  鯉よ 君らはなんと長命だ!
  死が君らを忘れるのか
  憂鬱の魚よ

春の日の濡れ衣

2010-04-22 | 【断想】ETC
 春の日のうらうら見れどわればかり濡れ衣着たる海人のなきかな(和泉式部)
 春の浦を眺めれど、海女の姿はない。
 ただ、浮名の濡れ衣を着たわたしばかり。
 ときに、濡れ衣も愉しめる。
 ほんとうに濡れ衣と言えるの。
 どうみても、できてるみたいだわ。
 ひとは色々に言うもの。
 さて、真相は。

験なきものを念はず

2010-04-21 | 【断想】ETC
 昨日に続けて、酒の歌。
 験なきものを念はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし(大伴旅人)
 験:しるし
 念はず:おもはず:思わず
 一坏:ひとつき:一杯
 考え、思い、憂えても、何の解決にもならぬことがある。
 気が滅入るだけで、結局、無駄な時間を過ごすことになる。
 そんなときは、気分転換をするのが、生きる知恵というものだ。
 考えることはやめて、一杯の酒を飲むことだな。
 明日になれば、いい知恵も浮かぼうとゆうもの。
 まあ、何年も、何年も、飲み続けなくてはということもあるかも知れないけどね。

楽しむがいいだろう

2010-04-20 | 【断想】ETC
 ガヤガヤした席だったが、彼が言ったことが耳に残った。
 「俺は心臓がわるいんだからね。いつ逝くかわからないんだから」
 そんなことを言いながらも、ちっとも深刻さを感じさせない彼が好ましい。
 パルラダースの「世にあるほどは楽しくおらな」という詩の一部(沓掛良彦訳)。
  大いに陽気にやるがいい
  存分に酒を喰らい、死なんぞ忘れてな。
  それにまた、こんなはかない人生を
  送るのだからその間に
  アフロディーテーの愉しみも
  存分に味わい楽しむがいいだろう。

春の岩牡蠣

2010-04-19 | 【断想】牡蠣
 日曜の夕方、春の岩牡蠣があるというので、オイスター・バーへ。
 茨城県の鹿島、宮崎県の日向灘、愛媛県の宇和御荘湾で採れた岩牡蠣を食べた。
 岩牡蠣というと、身がふっくら大きく、味も濃厚と思ってしまう。
 しかしながら、必ずしもそうでもなく、いささか期待はずれ。
 岩牡蠣は、夏牡蠣と言われる。
 やはり、もう少ししてからの方がいいのだろうか。