エリック・ドルフィーが、ケン・マッキンタイアーと演っている「ルッキング・アヘッド」、チャールズ・ミンガスの「メディテーション」で演っているときより、生き生きしている感がある。
ミンガスとのを聞いて、何かくすんでいる感じで、「ルッキング・アヘッド」を聞いてみた次第だ。
ケン・マッキンタイアーとのかけあいもおもしろい。
目つきの悪いケン・マッキンタイアーが、巫山戯てるんじゃないかと思わせるアルト・サックスのプレイ、それが素晴らしい。
シベリウス交響詩「フィンランディア」を昨日とは別盤で聞く。
1.バーヴォ・ベルグンド指揮、フィルハーモニー管弦楽団
2.ネーメ・ヤルヴィ指揮、エーテボリ交響楽団
3.カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
讃美歌となっている部分については、ヤルヴィ指揮の盤、その他の勇壮な部分は、フィンランドの人たちの愛国心を表していると言うことでは、昨日聞いたディヴィス指揮の盤がよかったように感じた。
チャールズ・ミンガスの「メディテーション」(1964 WOTRE MUSIC)。
フランスにおけるコンサートを録音し、アルバムとした一枚のようだ。
演奏メンバーにエリック・ドルフィーがいたので、聞こうかとおもった。
エリック・ドルフィーのバスクラリネットもフルートも悪くはないのだが、聞き手たる私の気分のせいだろうか、全体として物足りない。
〈トラック〉
1.ペギーズ・ブルース・スカイライト12:50
2.オレンジ・ワズ・ア・カラー・オブ・ハー・ドレス 11:35
3.メディテーション・フォア・インテグレイション 22:30
4.フェイブル・オブ・フェイバス 24:53
〈ミュージシャン〉
ジャッキー・バイヤード(p)
クリフ・ジョーダン(ts)
エリック・ドルフィー(as,bcl)
ダニー・リッチモンド(ds)
チャールズ・ミンガス(b)
シベリウス交響詩集(5作品)
1.エン・サガ(伝説)
2.トゥオネラの白鳥
3.フィンランディア
4.大洋の精たち
5.タピオラ
アンドリュー・ディヴィス指揮
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
1996年2~3月 / ストックホルム・コンサート・ホール
FINLANDIA
「フィンランディア」は、全体的には、勇壮な曲である。
ただ後半に、讃美歌298番で知られる絶妙な静かな旋律が奏でられる。
“やすかれ、わがこころよ”と・・・・・・・。
ミンガス・ビッグバンドの“ブルース&ポリティクス”(ドレフェス)
「それはアラバマ、セルマでの孤独な日々だった / 自由」をはじめ、8つのトラックで成るアルバム。
どの曲・演奏もとても魅力的である。
ミンガス・ムード満載と言っていいかな。
だけど、そこにミンガス本人がいたら、もっと迫力があつたろうになと思ってしまう。
2トラックは、おなじみの「ハイチの戦闘の歌」。
7トラックに、「おお、神よ、その原爆を私の上に落とさせ給うな」。
単に相性がいいというだけでなく、それ以上のもの、少し大袈裟かも知れないが、死生観に互いに通じるものがある、そんな、印象をもつ。
ケニー・ドリューとニールス・ペデルセンの二人のことである。
この二人のデュオは、そんなことを強く感じさせる。
◇
身のまわりの多くの人が、この世を去った。
いずれ、わたしもそうなる。
その生は、まるで、何もなかったかのようだ。
広くたかいところから見れば、まさしくそうだろう。
世俗的には多くの言を費やすこともできる。
でも、それはなんだかしたくない。
何もないのもさみしいくせに。愛するもののために・・・・。
「・・・全体に黒人霊歌で統一され、アイラーのルーツを明確に示している・・・」
「・・・ワイルドでプリミティヴなフィーリングをジャズにとり戻した・・・」
アルバート・アイラーの「スイング・ロウ、スイート・スピリチャル」(1964 Osmosis Record:disk UNION)の紹介(1982年)を書いている油井正一氏の言である。
そして、このライナー・ノーツには、児山紀芳氏による、アルバート・アイラーへのインタビュー記録が結構長く載っている。
この紹介に、とても確かな視線を感じる。
ピアノはカール・コブス、ベースはヘンリー・グライムス、ドラムはサニー・マレーである。
アルバート・アイラーの音楽は、「この世はそんなに捨てたもんじゃない」と語りかけてくれる。
アルバート・アイラーの「ライブ・オン・ザ・リビエラ:live on the RIVIERA」(1970 ESP)。
1970年7月に、南フランスのニース近郊のサン・ポール・ドゥ・ヴァンスのマーグ美術館(ニュイ・デ・マーグ財団)で行われた音楽祭でのライブである。
7月27日の演奏が「マーグ美術館での夜:Nuits de la Fondation Maeght」(Shandar:RCA)としてリリースされ、日本では、「ラスト・レコーディング」と言う名前で出ている。
わたしに地球の空気のおいしさを教えてくれたアルバムである。
「live on the RIVIERA」は、7月25日の演奏が録音されたもので、このアルバムを入手したしたのは、数年前である。
このようなフリー・フォームのジャズをうるさいとしか感じない人もあるだろう。
でも、僕は、そうではない。
ひとつひとつの音、無意味ではないのだ。
この感性については時代的環境の影響は大きかったなとは思う。
これらが、何かを解決したり、解答を見つけたかと問うなら、なんでもないとも言える。
でも、そこがあって、今があるのだと思う。
演奏しているのは、以下の4人。
ALBERT AYLER:tenor saxophone,soprano,musette,vocal
ALLEN BLAIRMAN:drums
STEVE TINTWEISS:double bass
MARY MARIA:vocal,soprano saxophone
収録曲は、以下の通りである。
1.MUSIC IS THE HEALING FORCE OF THE UNIVERSE
2.BIRTH OF MIRTH
3.MASONIC INBORN
4.OH! LOVE OF LIFE
5.ISLAND HARVEST
6.HEART LOVE
7.GHOSTS
「マーグ美術館での夜:Nuits de la Fondation Maeght(ラスト・レコーディング)」については、装幀の異なるアルバムを何枚か持っている。
デューク・ジョーダンの「フライ・トゥ・ジョーダン」。
名盤の一枚である。
フライ・トゥ・ジョーダン、スターブライト・・・・と曲は続く。
これで、僕は、スタンリー・タレンタインやディージー・リースの魅力を知った。
名盤というのは、後に、広がりを用意している。
さて、マイルス・ディヴィスの「リラクシン」。
マイルス・ディヴィスのアルバムの中で好きなものだ。
昨日聞いたレッド・ガーランドの「ゴー...」と演奏メンバーを比較する。
ベースとドラムスは同じだけど、さて、どちらがリラックス型の顔ぶれと言えるか。
言うまでもないのだろうな。
as:キャノンボール・アダレイ→無し
ts:無し→ジョン・コルトレーン
p :ウィントン・ケリー→レッド・ガーランド
ds:フィリー・ジョー・ジョーンズ&ジミー・コブ→フィリー・ジョー・ジョーンズ
tp:フレディ・ハバード→マイルス・ディヴィス
b :ポール・チェンバース→ポール・チェンバース
この前、馬場あき子の「和泉式部」(河出書房新社、1990年)を通読した。
だいぶ以前に一度読んだことがある。
和泉式部の心のことが語られ、総じて、難しい。
古文の知識が乏しい私には、意味がとれないところも多かった。
紫式部や清少納言との交りのことなどは興味深く読んだ。
澁澤龍彦の「女のエピソード」には、“華やかな自由恋愛のチャンピオン”として、和泉式部のことが語られていた。
こちらは、読みやすかった。
澁澤龍彦の「女のエピソード」にサロメも取り上げられていた。
サロメは、ヘロデ王の誕生日にお祝いの舞を舞う。
褒美をやろうと言うヘロデ王にサロメは所望する。
「預言者ヨハネの首を盆に載せていただきたい」
聖書の記述は少ないが、多くの芸術家によって、サロメのことは多くかたられた。
・・・女性の色情狂と性的冷感症は裏腹の関係・・・
・・・熱く燃えているのは頭の中だけ・・・
リヒャルト・シュトラウスの“サロメの踊り”を聞こうか。
ショルティ指揮、ウィーン・フィルハーモニック・オーケストラで。
ポール・チェンバースのリーダー・アルバム「ゴー...」のCD盤を入手した。
このアルバムについては、かつて、ガイド・ブックで、その存在を知って、中古のLP盤を見つけて購入した。
それは、盤に「8月25日発売・見本品」と表示されたものである。
1977年、日本でテイチク・レコードが発売したものだ。
CD盤の方は、1987年リリースの東芝EMIからのものである。
レーベルは、VEE-JAYで、1959年録音であるが、収録曲が異なっている。
CD盤の収録曲は、以下の7つ。
1.オーフル・ミーン
2.ジャスト・フレンド
3.ジュリー・アン
4.ゼアー・イズ・ノー・グレイター・ラヴ
5.イーズ・イット
6.アイ・ガット・リズム
7.アイ・ハード・ザット
LP盤には、Fブルースがあり、「アイ・ハード・ザット」がなく、かわりに「ディア・マン」がある。
演奏は、ハードバップの面々。
キャノンボール・アダレイ
ウィントン・ケリー
フィリー・ジョー・ジョーンズ
フレディ・ハバード
ジミー・コブ
ポール・チェンバース
プレイヤーたちが、好きなハードバップをいきいきとのびのびと愉しくやっているという感じである。
それぞれの持ち味も生きている。
キャノンボール・アダレイの屈託ないプレイが気持ちいい。
ポール・チェンバースについては、ハードバップ好きには、いたるところでお馴染みだ。
だけど、リーダー・アルバムとなると数はそんなに多くない。
そうではあるが、「ベース・オン・トップ」や「ゴー...」は、とても記憶に残る名盤。
凄くいい確率なのだ。
「リリー・マルレーン」について
・第一次世界大戦当時:兵士ハンス・ライプが作詞
・1938年(作詞から20数年後):ノルバート・シュルツェが曲をつける
・オランダのラレ・アンデルソンが歌ってレコード化(700枚くらい売れる)
・1942年(第二次世界大戦が始まって3年目):ドイツ軍が、アフリカ戦線のドイツ将兵向けの放送で流す。評判となりミリオンセラーに。
・1943年:イギリスBBCドイツ語放送、ルーツィエ・マンハイムの替え歌
・英語版、トミー・コナー訳詞
・ヨーロッパ戦線慰問のマリーネ・ディートリッヒが歌う
・イタリアの歌手ミルバも、コンサートのテーマ曲(定番)にして歌う
ミルバが歌う「リリー・マルレーン」を聞きたい。
イアニス・クセナキスのパーカッション・ソロの“プサッファ”を聞いたついでに、CDに続いて収録されている“ドマーテン:Dmaathen”と言う曲を聞いた。
オーボエが使われていて、パーカッションだけよりは彩りがある。
だけど、この種の曲は、人の心にうったえかけるには、足りないものがある。
オーボエとパーカッションの曲で、以下の二人のプレイ。
Jacqueline Leclair(ob)
Steven Schick(per)
違和感なく聞きはしたが、おもしろくないと言えば、おもしろくない。