オーネット・コールマンの曲で、はじめに聞いたのは、「TOWN HALL 1962」だった。
その音は快をもたらすものではなかったが、幾度も聞くうちになじんでしまって、今では、その音を聞くと懐かしい。
久し振りにオーネット・コールマンを聞こうかと思った。
1970年代の作品「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」(173,1975 Horizon)。
収録曲は、「テーマ・フロム・ア・シンフォニー」と「ミッドナオト・サンライズ」の2曲。トラックとしては「テーマ・フロム・ア・シンフォニー」が2テイクで3トラック。
「テーマ・フロム・ア・シンフォニー」は、1976年12月に、パリで録音され、演奏しているのは以下の5人。
オーネット・コールマン(as)
バーン・ニックス(g)
チャーリー・エラビー(g)
ルディー・マクダニエル(bg)
シャノン・ジャクソン(ds)
「ミッドナオト・サンライズ」は、1973年1月、モロッコでの録音で、演奏は以下のメンバー。
オーネット・コールマン(as)
ロバート・パーマー(cl)
モロッコの現地ミュージシャン
久々のオーネット・コールマンであったが、聞いているうちにウトウトしてしまった。
気づいたとき、曲が終わっていた。
折角の機会だったのに、もったいないことをした。
ブッカー・リトルは、1938年、テネシー州メンフィスの生まれ、1961年に23歳で亡くなっている。
その名を聞くと、1961年のエリック・ドルフィとのニューヨーク・ファイブスポットでのエキサイティングな演奏が思い浮かぶ。
これは、ジャズ史上にのこる名演と言っていいのだと思う。
聞く度に、凄いなと感じる。
ブッカー・リトルは、ドンドン成長し続けていたと言われる。
その将来がおおいに期待されたトランペッターであった。
この名前をアルバム名とした「ブッカー・リトル」は、死の前年1960年4月に録音されている。レーベルはTIME。
演奏は4人で行われている。このアルバムは、2回のセッションの記録で、演奏者は以下の5名となる。ピアノが2人。
ベースのスコット・ラファロも、このアルバムを録音してからほどない時期に、25歳で死亡している。
ブッカー・リトルと同じく、将来を嘱望されていた。
このレコードを聞いていると、はっきりした存在感をもって、ベースの音が聞こえてくる。
全体を通し、溌剌とした若々しさを感じる、気持ちのいい演奏である。
〈パーソネル:Personnel〉
ブッカー・リトル:Booker Little (tp)
トミー・フラナガン:Tommy Flanagan (p) ※1,2,5,6
ウィントン・ケリー:Wynton Kelly (p) ※3,4,
スコット・ラファロ:Scott LaFaro (b)
ロイ・ヘインズ:Roy Haynes (ds)
〈収録曲:Song name〉
1.オープニング・ステートメント:Opening Statement
2.マイナー・スイート:Minor Sweet
3.ビー・ティーズ・マイナー・プリ:Bee Tee's Minor Plea
4.ライフス・リトル・ブルー:Life's a Little Blue
5.グランド・ヴァルス:Grand Valse
6.フー・キャン・アイ・ターン・トゥ:Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me)
ペラペラめくっていた本にこのアルバムが紹介されていたので、たまにルイ・アームストロングを聞くのもいいかと思った。
「この素晴らしき世界:Louis Armstrong “What A Wonderful World”」(1968 Decca)。
「この素晴らしき世界」は、ベトナム戦争時、平和を願って作られた曲である。
ルイ・アームストロングのあだ名は、若い頃、ディッパー(Dipper)。
借金まみれの奴というような意味で呼ばれていた。
“サッチモ”と呼ばれるようになるのは後のことである。
ロンドンで音楽関係のジャーナリストに「ハロー・サッチモ」と声をかけられたのがはじまりとされている。
サッチモは、サッチェル・マウス(Satchel Mouth)からきている。
つまり、分厚い唇の意味で、黒人差別的と言えばそうなる。
でも、“おしゃべり好き”と言うニュアンスで、親しみをこめて使われたそうだ。
ルイ・アームストロングは、この愛称を気に入っていたそうだ。
その歌声を聞くと、あたたかい気持ちになれる。
「サッチモ、万歳」だ。
〈ソング・ネーム〉
1.この素晴らしき世界:What a Wonderful World
2.キャバレー:Cabaret
3.ザ・ホーム・ファイアー:The Home Fire
4.ドリーム・ア・リトル・ドレーム・オブ・ミー:Dream a Little Dream of Me
5.ギヴ・ミー・ユア・キッス:Give Me Your Kisses (I’ll Give You My Heart)
6.ザ・サンシャイン・オブ・ラヴ:The Sunshine of Love
7.ハロー・ブラザー:Hello Brother
8.エア・マスト・ビー・ア・ウェイ:There Must Be a Way
9.ファンタスティック、ザッツ・ユー:Fantastic, That's You
10. アイ・ゲス・アイル・ゲット・ザ・ペ-パーズ・アンド・ゴー・ホーム
:I Guess I’ll Get the Papers (And Go Home)
11.ヘルザポッピン:Hellzapoppin’
〈パーソネル〉
ルイ・アームストロング:Louis Armstong (tp)
タイリー・グレン:Tyree Glenn (tb)
ジョー・マレイニー:Joe Muranyi (cl)
マーティ・ナポレオン:Marty Napoleon (p)
バディ・カトレット:Buddy Catlett (b)
ダニー・バルセロナ:Danny Barcelona (ds)
他
ディジー・ガレスピーの「ソニー・サイド・アップ:SONNY SIDE UP」(1959 Verve)。
ガレスピーのトランペットをメインに、二人のソニーがテナー・サックスの腕をふるいあうところが注目されたアルバム。
若く、熱のこもった演奏、バップ・チューンが聞ける。
3曲目の「アフター・アワーズ」、スロー・テンポでブルージーな感じ、好きだな。
からだが、動いてくるね。
テナー・サックスの魅力が充満
〈パーソネル〉
ディジー・ガレスピー(tp)
ソニー・スティット(ts)
ソニー・ロリンズ(ts)
レイ・ブライアント(p)
トミー・ブライアント(b)
チャリー・パーシップ(ds)
<収録曲:Songlist>
1.On the Sunny Side of the Street(明るい表通りで)
※ディジー・ガレスピーのヴォーカルが入る
2.ザ・エターナル・トライアングル:The Eternal Triangle
※ロリンズとスティットのテナー・バトルが展開される
3.アフター・アワーズ:After Hours
4.I Know That You Know
デューク・エリントンの「ザ・ポピュラー・デューク・エリントン」(1966 SONY MUSIC)。
多くのジャズメンが、デューク・エリントンの曲をとりあげ演奏する。
そのプレイは、誰にも愛された。
デューク・エリントン自身の演奏を聞くと、懐かしさ、よきアメリカを感じる。
これが録音されたのは、まだ人種差別がはなはだしい時代だったとは思うが。
そうなのだ、妙な深刻さがない。
のちの求道者的なジャズが、みみっちくも思える。
デューク・エリントは、目を閉じ、眉をひそめて聞く必要はない。
〈曲と演奏者〉
1.A列車で行こう
:デューク・エリントン(p)/クーティ・ウィリアムス(tp)/ハービー・ジョーンズ(tp)/マーサー・エリントン(tp)/キャット・アンダーソン(tp)/ローレンス・ブラウン(tb)/デューク・エリントン・オーケストラ
2.アイ・ガット・イット・バッド
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/キャット・アンダーソン/デューク・エリントン・オーケストラ
3.パーディド
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/デューク・エリントン・オーケストラ
4.ムード・インディゴ
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/デューク・エリントン・オーケストラ
5.黒と茶の幻想
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン /キャット・アンダーソン/デューク・エリントン・オーケストラ
6.ザ・トゥイッチ
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/キャット・アンダーソン/ローレンス・ブラウン/デューク・エリントン・オーケストラ
7.ソリチュード
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/デューク・エリントン・オーケストラ
8.私が言うまで何もしないで
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/キャット・アンダーソン/デューク・エリントン・オーケストラ
9.ザ・ムーチ
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/キャット・アンダーソン/デューク・エリントン・オーケストラ
10.ソフィスティケイテッド・レディ
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/デューク・エリントン・オーケストラ
11.クリオール・ラヴ・コール
:デューク・エリントン/クーティ・ウィリアムス/ハービー・ジョーンズ/マーサー・エリントン/キャット・アンダーソン/ローレンス・ブラウン/デューク・エリントン・オーケストラ
以上で名前がもれている人。
チャック・コナーズ(btb)
ジョニー・ホッジス(as)
ラッセル・プロコープ(as)
ジミー・ハミルトン(as)
ポール・ゴンザレス(ts)
ハリー・カーネイ(bs)
ジョン・ラム(b)
サム・ウッド・ヤード(ds)
マル・ウォルドロンの比較的新しいアルバム。
1983年12月、東京での録音である。
「あなたと夜と音楽と:YOU AND THE NIGHT AND MUSIC」(KING RECORDS)。
重量感をもつ演奏だ。
よく知られたスタンダードでありながら、マルを感じさせる重量感がある。
ベースの弓弾きが効いている。
重さ、色の濃さを感じさせる演奏だ。
「ラウンド・ミッドナイト」など、胸に響いてくるマルの暗く沈んだピアノの音がする。
優しいメロディを奏でながらも、罪深き人のいとなみをジッと見つめているようなところがある。
それが、マルの魅力なのだ。
「我が心のジョージア」も、故郷を懐かしさ、愛着だけでなく、悲喜こもごも思いをこめてと言うように聞こえる。
マルがひっぱっている。
マルの力を感じる。
ベースのレジー・ワークマンと言う人知らないけど、聞かせるな。
ラストはマル作曲の「ワルツ・フォー・マイ・マザー(母へのワルツ)」。
胸のうちをベースが奏でる。
ピアノが涙を浮かべている。
〈パーソネル〉トリオでの演奏。
マル・ウォルドロン(p)
レジー・ワークマン(b)
エド・ブラックウェル(ds)
〈収録曲〉
1.今宵のあなた
2.バッグス・グルーヴ
3.ラウンド・ミッドナイト
4.あなたと夜と音楽と
5.ジョージア・オン・マイ・マインド(我が心のジョージア)
6.ビリーズ・バウンス
7.ワルツ・フォー・マイ・マザー
ジョー・パスの演奏は、これまでには、エラ・フィッツジェラルドの歌とのアルバム「イージー・リビング」(PABLO RECORDS 1983,1986)で聞いたくらいだ。
ジャズ・ギターの巨匠と言われるジョー・パスのソロ作品に接してみようと思った。
アルバムは、その名も「ヴァーチュオーゾ(巨匠)」、1973年録音のPablo・ユニバーサル・ミュージックからのもの。
収録曲は、以下の12曲。
スタンダード・ナンバーがならんでいる。
1.ナイト・アンド・デイ(夜も昼も)
2.ステラ・バイ・スターライト(星影のステラ)
3.ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
4.マイ・オールド・フレイム
5.ハウ・ハイ・ザ・ムーン
6..チェロキー
7.スウィート・ロレイン
8.ジョーンズ嬢に会ったかい?
9.ラウンド・ミッドナイト
10.オール・ザ・シングス・ユー・アー
11.ブルース・フォー・アリカン
12.ソング・イズ・ユー
無伴奏のギターだけのジャズ、僕には、これがジャズと言われなければ、ジャズとは認識できないだろう。
クラシックでは、ギター・ソロを聞くことがある。
それに較べて、なんだか、ジョー・パスのテクニック、並大抵ではないように感じる。
チマチマしたところがない。
気分のいい音だ。
ただ、やはり、ギターだけというのは、さみしいんじゃないかな。
平板になってしまいはしないか。
ソロは、ソロでいいけど。
もっと、ジャズらしい彩りがあった方がいいのじゃないか。
アート・ファーマーのトランペットを改めて聞いてみようかと思ったのは、ジェリー・マリガンの「ナイト・ライツ 1963ヴァージョン」を聞いてからだ。静かと言うか、あたたかいと言うか、とても気持ちよく聞けたことによる。
アート・ファーマーのリーダー・アルバムで、人気があり、わたしのCD棚にあるアルバムは、以下の3つ。
・1958 モダン・アート(Liberty)
・1964 トゥ・スウェーデン・ウィズ・ラブ(Atlantic)
・1965 シング・ミー・ソフティ・オブ・ザ・ブルース(Atlantic)
それで、これも傑作と呼ばれる「アート:ART」(1960 ARGO)を聞くことにした。
アート・ファーマーのトランペットの音色を楽しめるとの評がある。
カルテットの演奏で、メンバーは以下の4人。
アート・ファーマー(tp)
トミー・フラナガン(p)
トミー・ウィリアムス(b)
アルバート・ヒース(ds)
〈収録曲〉
1.ソー・ビーツ・マイ・ハート・フォー・ユー
2.グッド・バイ、オールド・ガール
3.フー・ケアズ
4.ウト・オウ・ザ・パスト
5.ヤンガー・ザン・スプリングタイム
6.ザ・ベスト・シング・フォー・ユー・イズ・ミー
7.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
8.ザット・オールド・デヴィル・コールド・ラヴ
アート・ファーマーは音色に好みがあり、トランペットとフリューゲル・ホーンを合わせたフランペットと言う楽器を作ったりしたそうだ。
ソフトな音が好きなようだ。確かに、アート・ファーマーの音は、ソフトで、優しさがあって、くすんだような滑らかさがある。
マイルス・ディビスのミュートをきかしたトランペットのような、澄み切ってかたい音はない。男一人の孤愁より、まろやかでふっくらな女性がともにいる温みを好むようなところがある。
このアルバムには8曲が収録されているが、どれもウォーマーな感じである。
トミー・フラナガンのピアノにも、優しさを感じる。
“ミスター・ベースマン”と言うと、もう半世紀を超える前に流行ったジョニー・シンバルの歌を思い出す。
これを一緒に聞いた友だちの顔が思い浮かぶ。
さて、ミスター・ベースマンことポール・チェンバースのリーダー・アルバムを初めて聞く。
「ベース・オン・トップ:BASS ON TOP(1957 Blue Note)」
こんなに、ベースが主人公のジャズ・アルバムは、めったにないのでないか。まさしく、
トップ・ベーシストの演奏を愉しめる。
〈収録曲〉
1.イエスタデイズ
2.家に来てくれたら嬉しいわ
3.チェイシン・ザ・ハート
4.懐かしのストックホルム
5.ザ・テーマ
6.コンフェッシン
〈パーソネル〉
ポール・チェンバース(b)
ケニー・バレル(g)
ハンク・ジョーンズ(p)
アート・テイラー(ds)
1曲目の「イエスタデイズ」、5曲目の「ザ・テーマ」では、アルコ・ソロを聞ける。
よくもこんなにと感じるくらいメインに躍り出ている。
4曲目の「ディア・オールド・ストックホルム(懐かしのストックホルム)」は、もとはスウェーデンの民謡。
美しいメロディをケニー・バレルのギターを前面に、ベースも大いに愉しめる。
モダン・ジャズのピアノ・トリオによる演奏で定評あるアルバムの一枚。
ソニー・クラーク・トリオによるその名も「ソニー・クラーク・トリオ」。
1957年録音で、レーベルは、ブルー・ノート。
もちろん、ピアノはソニー・クラーク。
ベースはポール・チェンバース、ドラムスはフィリー・ジョー・ジョーンズというハード・バップ時代のマイルス・チームの二人。
演奏曲は、もともとは、次の順序だったようだ。
1.ビ・バップ
2.時さえ忘れて(アイ・ドント・ノウ・ワット・タイム・イット・ワズ)
3.トゥー・ベース・ヒット
4.タッズ・デライト
5.朝日のようにさわやかに(ソフトリイ・アジ・イン・ア・モーニング・サンライズ)
6.四月の思い出(アイル・リメンバー・エイプリル)
のちに出た手元のCD盤では、上記の、2,2,3,3,1,4,4,5,6の順。
2と3と4の別テイクが入り、9トラックとなっている。
まず、「ビ・バップ」。
ピアノの音に生き急ぐようなひたむきさを感じる。
昔、知り合いにそう言うタイプの人がいた。
好きになれないと思っているうちに、死んでしまった。
ソニー・クラークは、この演奏から6年後、1963年に31歳で没してしまった。
ヘロインの過剰摂取が因だった。
わたしの知り合いは、過剰労働だったと思う。
ポール・チェンバースは、アルコ(弓弾き)が好きなようだな。
次は、「時さえ忘れて」。
やはり、どこか急ぐ風があるな。
3曲目「TWO BASS HIT」、ベースの曲のヒットが二つ、二つのベースのヒット・・・どう受けとめればいいにかな。
4曲目は「タッズ・デライト」、そして5曲目はおなじみの「朝日のようにさわやかに」。 とても穏やかで、狂いのないきちっとした演奏だ。こういう風にできるというのは、能力があるからに他ならない。
よく言われるが、哀感がただよっている。
31歳の青年がどこまで哀情を感じていたかは、計り知れないが。
ラストもおなじみの「四月の思い出」。これも哀感ただよい、ロマンチックな感じ。
これ、誰かと聞きくらべてみようかな。
マイルス・ディビスの「スティーミン」(1956 プレスティジ)。
1956年のマラソン・セッションと呼ばれる演奏でレコーディングされた4枚のアルバムの一枚である。
マイルス・ディビスは、「いつもジャズ・クラブで演っているようにして、それを録音すればいいじゃないか」と考え、この4枚が生まれたそうだ。
スタジオでのセッションは2回、全部で25曲が録音されたそうだ。クラブのお客が親しめる曲と言うことで、スタンダード・ナンバーが中心になっているとのことだ。
その4部作は、「リクラシン」、「スティーミン」、「ワーキン」、「クッキン」。
私の記憶では、「リクラシン」と「クッキン」の出来がよかったようだ。
バタバタと作られたかのようだが、中味はとてもいい。
ぼくは、ここらのマイルスのジャズが好きだ。
さて、「スティーミン」は、以下の人と曲。
〈パーソネル〉
マイルス・ディビス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
〈収録曲〉
1.飾りのついた四輪馬車
2.ソルト・ピーナッツ
3.サムシング・アイ・ドリームド・ラスト・ナイト
4.ダイアン
5.wェル、ユー・ニードント
6.ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ
今夜は、秋の月が煌々と照っている。
それを、自宅で見あげることができる。
明日から、衆議院議員選挙がはじまる。
かつては、こうはいかなかった。
時が流れたことを思う。
それだけ老いたということでさみしくもあるが、今を大切にしたい。
和泉式部和歌集を開く。
「冥きより冥き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月」
さて、今夜は、マイルス・ディビスのミュートをきかしたトランペットを聞こうか。
コロンビアに移籍する前、プレスティジにのこした4部作のひとつ「スティーミン」(1956)から「ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ」。
この前、ブルー・ミッチェルで聞いて、マイルスのを聞こうと思っていたんだ。
演奏は、マイルス・ディビス、ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズという凄いクインテット。
この曲では、コルトレーンはプレイしていないな。
おとなしい、これと言った演奏ではないが、それもいい。
レッド・ガーランドによる「C・ジャム・ブルース」を聞いた。
とても、よかった。
同じピアニストのデューク・ジョーダンは、どうだったろうか。
「ブルー・デューク」で聞く。
こちらも、トリオでの演奏。
ジョーダンのピアノには、いつもそう言うところがあるけど、ウキウキと楽しげ。
かんだか可愛らしいところがある。
それでは、大御所チャールズ・ミンガスはどうだったか。
「アット・カーネギー・ホール」で聞く。
ライブ録音、多菅編成の24分を超えるド迫力演奏である。
1974年の録音で、フリーの影響も。
それぞれ特徴があっていい。
セロニアス・モンクの1967,68年レコーディングのアルバム、「アンダーグラウンド:Underground」(Columbia)。
これまで接したモンクの演奏の中で、もっとも新しいものだ。
セロニアス・モンクがレジスタンス闘士に扮したジャケットが人気を博したアルバムでもある。
セッションは3回。
1967.12.14に、以下の2,6。
1067.12.21に、4。
1968.02.14に、5,7,3、1。
ヴォーカルが入るのは7曲目だけ。
《パーソネル》
セロニアス・モンク(p)
チャーリー・ラウズ(ts)
ラリーゲイルズ(b)
ベン・ライリー(ds)
ジョン・ヘンドリックス(vo)
CD盤には、3つのボーナス・トラックが付いていて、計10トラックとなっている。
オリジナル盤では、以下の7トラック。
1.セロニアス
2.アグリー・ビューティー ※チャーリー・ラウズのテナーに注目
3.レイズ・フォー ※トリオ演奏、同一テーマの繰り返し。
4.ブー・ブーズ・バースディ
5.イージー・ストリート
6.グリーン・チムニーズ
7.イン・ウォークド・バド
このアルバム、モンク独特の魅力が希薄かな。
でも、まあ、人は歳も取るしな。
モンクは、時とともに、接しやすくなるようだ。
マイルス・ディビスのコンボでピアノを弾いていたレッド・ガーランド。
そのガーランドのリーダー・アルバム。
“グルーヴィー:Groovy”(1956,57 Prestige)。
街の建物の壁に落書きをしたようなグレーのジャケットはクール。
元プロボクサーのピアノ・タッチは、小気味いい。
ちらっと聞いて、好きになりそうだと感じた。
演奏しているのは以下の3人。
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
アーサー・テイラー(ds)
6曲収録されている。
1.C.ジャム・ブルース
2.ゴーン・アゲイン
3.ウィル・ユー・スティル・マイン?
4.ウィロー・ウィープ・フォア・ミー(柳よ泣いておくれ)
5.ホワット・キャン・アイ・セイ・ディア
6.ヘイ・ナウ
1曲目は特に素晴らしい。
「C.ジャム・ブルース」は、デューク・エリントンが作曲した言わずと知れたスタンダード。
多くのミュージシャンが演奏している。
歯切れのいいピアノから繰り出されるグルーヴィー、ブルージーなフィーリング、とてもグッド。
ポール・チェンバースのベースがよく響いて、ソロがことに見事。
ポール・チェンバースもマイルス・コンボのメンバー、彼はハード・バップが好きで、マイルスがモード・ジャズへとか、そこから離れ出したとき、コンボをおさらばした。
おおいに納得できることである。