近く見る人もわが身もかたがたに漂う雲とならんとすらん(和泉式部)
先日、同世代の友人が急逝した。
かつて、同じ事務所で、同じ目標をもって、ともに働いた。
過ぎてしまった歳月を思えば、一時期のことであるが、一度抱いた同志感は、変わることはなかった。
その事務所がなくなってからも、定例の年二回の「同窓会」他で顔を合わせた。
「俺たちは、いい仲間だな」といつも思った。
葬儀の翌日、いつも集まるメンバーのひとりが催すお茶会があった。
彼の突然の死の前から、予定されていたものだ。
茶室に「無事」と書かれた掛け軸があった。
「事無し」・・・・。
なんだか、それでいいのだと感じた。
お茶会の帰り、友のひとりが私を見て、「そんなに長生きしそうには見えないな」と言った。
「そうかも知れないな」と思った。