エラ・フィッツジェラルドのアルバム「ザ・1961アムステルダム・コンサート」(SOLAR DECORDS)。
バックのオケは、アムステルダム・コンセルトヘボウ。
そして、LOU LEVY(p),HERB BLLIS(g),WILFRED MIDDLEBROOKS(b),GUS JOHNSON(ds)。
CDには、「恋人よ我に帰れ」、「マイ・ファニー・バレンタイン」、「マック・ザ・ナイフ」、「セントルイス・ブルース」等16曲収録されている。
実に、エネルギッシュな歌唱だ。
1.風と共に去りぬ:GONE WITH THE WIND
2.ミスティー:MISTY
3.ザ・レディ・イズ・ア・トランプ:THE LADY IA A TRAMP
4.私の彼氏:THE MAN I VOVE
5.サマー・タイム:SUMMERTIME
6.ツゥー・ダーン・ホット:TOO DARN HOT
7.ローレライ:LORELEI
8.マック・ザ・ナイフMACK THE KNIFE
9.ハウ・ハイ・ザ・ムーン:HOW HIGH THE MOON
以上は、エラ・フィッツジェラルドの「エラ・イン・ベルリン」(Verve 1960)に収められている曲。
ヴォーカルは勿論エラ・フィッツジェラルドで、バックは、ポール・スミス・カルテット。その顔ぶれは、ポール・スミス(p)、ジム・ホール(g)、ウィルフレッド・ミドルブルックス(b)、ガス・ジョンソン(ds)。
12,000の聴衆を得てのライブで、のりまくるエラの声。
その声には、人柄も現れていて魅力的。
写真で見るエラは、美人とはいえないけど、いい人だろうなと思わせる。
ジャズの女性シンガーで人気第一というのがよく分かる気がする。
ビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンの三人は、女性ヴォーカルのトップ・スリー。
ビリー・ホリディは、重すぎる、サラ・ヴォーンは軽すぎる、エラ・フィッツジェラルドがちょうどいいと言うところか。
マイルス・ディビスのトランペットによる「マイ・ファニー・バレンタイン」。
1964年録音のアルバム「マイ・ファニー・バレンタイン」(CBS)に収められた同曲、それから、8年前の1956年録音の「クッキン」(プレスティッジ)に収められた「マイ・ファニー・バレンタイン」、聞き比べるとまるで違う。
デフォルメされた抒情ともっと素直な抒情、僕は、素直な抒情の方が好きだ。
この間に、ジャズ・シーンに起こったことが関係した違いかと思う。
エラ・フィッツジェラルドとサラ・ヴォーンで「マイ・ファニー・バレンタイン」。
エラのは、しっとり歌い上げる感じ、サラのは、丁寧に、高らかに歌い上げる感じ。
エラのは、1961年のアムステルダム・コンサート(SOLAR RECORDS)で。
サラのは、手元のCDには記録がない。
オケをバックにしている。
おそらく、一番知られている定番だと思う。
どちらがいいとは言いがたいが、好みではエラ・フィッツジェラルドだな。
「エラ・イン・ベルリン:マック・ザ・ナイフ」(ヴァーヴ 1960)。
エラ・フィッツジェラルドの代表的アルバムである。
「サマー・タイム」や「マック・ザ・ナイフ」等スタンダード・ナンバーが収録されている。
ライブ録音で会場の熱気が伝わってくる。
曲の合間の「サンキュー」と言うエラ・フィッツジェラルドの声がけれんみがなく印象的である。
歌曲に親しむと、器楽だけの演奏をきく愉しみも増すように思う。
日曜の夕方、エディ・ヒギンズ・トリオで「夜は千の眼を持つ」。
このトリオは、ピアノとギターとベース。
くつろぐには、いささかテンポが速いな。
次に、「ブラック・コーヒー」。
コーヒーならぬビールテイスト飲料を飲みながら。
カロリーゼロ、糖質ゼロ、プリン体ゼロのノンアルコール。
これも、しっくりこないな。
今日は、何を聞いても、気分がのらない日かな。
では、「ベッドで煙草はよくないわ」。
どうも、よくないわ。
「チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアルVol.1」
ジャズ史上、言わずと知れた名盤の一枚。
1946~47年、チャーリー・パーカーがダイアルにのこした記録的作品である。
「ザ・フェイマス・アルト・ブレイク」、「ラヴァーマン」、「チュニジアの夜」等、パーカーの伝説が生まれた名演が聞ける。
チェット・ベイカーのトランペット、好きになったのかな。
「チェット・ベイカー&クルー」(1956 ロスアンゼルス/パシフィック ジャズ1224)。
「トゥ・ミッキース・メモリー」をはじめに14曲が収録されたCD。
ウエスト・コーストの風、光が感じられ、晴れやかなムードにつつまれる。
みんな、のびのびと演奏しているようだ。
全体に、明るいムードの中で、チェット・ベイカーの音に違和感はない。
シャイな青年のおもむきのレベルである。
ラストの「LINE FOR LYONS」では、チェット・ベイカーの歌声。
チェット・ベイカー (tp)
フィル・ウルソ(ts)
ボビー・シモンズ (p)
ジミー・ボンド (b)
ピーター・リットマン (ds)
BILL LOUGHBROUGH (chromatic tympani)
プレヴェールの「枯葉」。
ああ思い出してくれないか
ぼくらが恋していた幸福な時代を
あの頃のくらしは
今より美しく太陽はもっと明るかった
・・・・・・・・・(小笠原豊樹訳)
夕方になって、「枯葉」を聞く。
イブ・モンタンのヴォーカルで。
それから、楽器のみの演奏で。
エディ・ヒギンズのピアノ・トリオで。
エディ・ヒギンズとスコット・ハミルトンらのもの。
ビル・エヴァンス・トリオで。
キャノンボール・アダレイとマイルス・ディビスのもの。
どれがよかったか。
なんとも言えないな。
やっぱり、ヴォーカルかな・・・・。
紅葉の季節になってきた。
山の方では進んでいるのだろう。
それで、「木の葉の子守歌:LULLABY OF THE LEAVES」
ジェリー・マリガン・カルテットで。
これを聞いて、他の人もこの曲をやっていたことを思い出した。
誰だったか思い出せず、CDをあれこれ見た。
スコット・ハミルトンとエディ・ヒギンズ・トリオでの演奏だった。
俺には、このトランペットの音色、いやじゃないな。
いかにもトランペットと言う音をしている。
ブルー・ノートからの「Lee Morgan Vol.3」(1957 BLUE NOTE)。
1957年、リー・モーガン、18歳の時のアルバム。
リー・モーガン(tp)
ジジ・クライス(as)
ベニー・ゴルソン(ts)
ウィントン・ケリー (p)
ポール・チェンバース(b)
チャーリー・パーシップ(ds)と言うメンバーでの演奏。
1.ハサーンズ・ドリーム
2.ドミンゴ
3.クリフォードの想い出
4.メサビ・チャント
5.エィップ・トーイング
以上5曲が収録され、特に、バラッド「I REMENNBER CLIFFORD」が評価が高い。
All composition by Benny Golson:エニー・ゴルソンがてがけたナンバーである。
僕が、ジャズに親しむようになったきっかけのひとつは、リー・モーガンの「サイドワインダー」に接したこと。
僕のような人は多いと思う。
トランペット奏者では、ディジー・ガレスピー、リー・モーガンがスタートだったな。
その後、マイルス・ディビス、クリフォード・ブラウン、アート・ファーマー、ドナルド・バード、ケニー・ドーハム、そして、チェット・ベイカー・・・。
この中では、チェット・ベイカーとマイルス・ディビスをよく聞く。
リー・モーガンのこのアルバムは、ワープロなど打ちながらでなく、しっかり、聞きたいな。
各プレイヤーによるアドリブ、分かり易いスタイルでたのしめる。
「クリフォードの想い出」、しみじみした哀悼。
エディ・ヒギンズのピアノに、スコット・ハミルトンのテナーで。
マイルス・ディビスのトランペットで。
ジェリー・マリガンのバリトン・サックス、アート・ファーマーのトランペットで。
ケニー・ドリューのピアノで。
そして、今夜。
ビル・エヴァンスとジム・ホールの「アンダー・カレント」(1962 UNITED ARTISTS : BLUE NOTE)から。
この「マイ・ファニー・バレンタイン」は、曲を愉しむというのでなく、ピアノのビル・エヴァンスとギターのジム・ホールのかけ合いというのか、インタープレイというのか、そのわざの凄さに神経が集中してしまう作品。
なんとも、絡み合う蛇みたい。
「ARTPEPPERZOOTSIMS:アートペッパーズートシムズ」(PABLO)なるアルバム。
1981年、ロサンゼルスのカリフォルニア大学でのライブ録音。
CDには、6曲収録されている。
アートペッパーとズートシムズは、同じ1925年生まれ。
以下、曲名と演奏者・構成。
1.ウィー:アート・ペッパーがアルト・サックス、ズート・シムズがテナー・サックスで、あとピアノとベース、ドラム。
2.虹の彼方に:アート・ペッパーとピアノ、ベース、ドラム。
3.イン・ザ・ミドル・オブ・ア・キス:ズート・シムズとピアノ、ベース、ドラム。
4.ブロードウェイ:ズート・シムズとピアノ、ベース、ドラム。それに、バニー・ケッセルのギター。
5.イパネマの娘:4に同じ。
6.ブレイクダウン・ブルース:1に同じ。
ピアノは、ヴィクトリー・フェルドマン
ベースは、レイ・ブラウンだが、2曲目だけ、チャーリー・ヘイデン。
ドラムスは、ビリー・ヒギンズ。
4.5曲目のギターは、上記のようにバニー・ケッセル。
まず、あまりなじみのないズート・シムズがメインの「ブロードウェイ」と「イパネマの娘」。とても素直で嫌なクセのないテナー・サックスと言う印象。
バニー・ケッセルのギターも気持ちいい。
「イパネマの娘」は、ズートの演奏に熱がはいり、スタン・ゲッツのとまるで雰囲気が違う。モダン・ジャズとボッサノバ。
ゆったりはできません。結構いそがしい。
続けて、ズートとピアノ・トリオの3曲目。
二人がテナー・サキソフォーンを奏する6曲目と1曲目。
特別、どうと言うことないね。
最後に2曲目、アート・ペッパーの「オーバー・ザ・レイボー」。
Deja Vu:「デジャ・ヴ(いつか見たようなもの)」
アーチー・シェップ・カルテットによるフレンチ・バラッズ。
フランスのバラード。
アーチー・シェップのバラードもので、2001年録音、ヴィーナス・レコードである。
カルテットのメンバー
アーチー・シェップ(ts)
ハロルド・メイバーン (p)
ジョージ・ムラツ(b)
ビリー・ドラモンド(ds)
収録曲はいずれも広く知られたフランスの歌曲、シャンソンと言っていいのか。
1.これからの人生
2.小さな花
3.枯葉
4.詩人の魂
5.ジジ
6.パリの四月
7.パリの空の下
8.デジャ・ヴ
アーチー・シェップと知って聞くせいか、なんだか、ひっかかるな。
フリー・ジャズの頃からの雄叫び、女々しさ。
やっぱり、ダメだな。美しいメロディのあいまに、突拍子もない音が入る。
それが、音楽としての深みを増すことはない。
ただ、俺流にやっているよと言うだけで、うすっぺらと感じる。
「歌なるもの」への基本的な愛着がないように感じる。
勝手なことを言って、申し訳ないけど、そんな感想。
アーチー・シェップとピアノのホレス・パーランのデュオでの「ゴーイン・ホーム」(1977 Steeple Chase)。
CDには、アルバム名となった「ゴーイン・ホーム」をはじめ、10曲が収録されている。
1.家路
2.ノーバディ・ノウズ・ザ・トラブルズ・アイヴ・シーン
3.ゴー・ダウン・モーゼ
4.スティール・アウェイ・トゥ・ジーザス
5.ディープ・リバー
6.マイ・ロード・ホワット・ア・モーニング
7.アメイジング・グレイス
8.サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・ア・マザーレス・チャイルド
9.スウィング・ロウ、スイート・チャリオット
10.カム・サンデイ
このアルバムは、ヴィーナス・レコードからのバラード3部作に先立つ時期に出ている。かつてのフリーから、オーソドックスなスタイルへの変化の時期だ。
「家路」を聞いて、余分な音の付け足しが多すぎるように感じる。ヴィブラートや掠れ、それに咆哮、叫び・・・それがなくなったら、アーチー・シェップじゃなくなってしまうかな。
音は、魅力的なのだ。余分な飾りを取り払ってもらいたいものだと思う。それでも、充分アーチー・シェップでなかろうか。
よき飾りとは感じられないのだ。アーチー・シェップの感性に違和感を抱く要因になっている。
ガキじゃあるまいし不要なはしゃぎはいらないよと言ったところか。
とてもいい情感、哀愁に満ちたところを大切にして欲しいなと言う思いだ。
アーチー・シェップは、1937年生まれ、先輩だ。