山の神は男神か、女神か。キリスト教では「天に在します父なる神」と祈るが、洋の東西を問わず、総じて、天には男の神、地には、大地母神というように女の神をみるケースが多いようだ。山は、われらの生存のための食料という恵みをもたらすところであり、母性と結びつけられるということが多い。
マタギの風習には、山に向かって感謝をしたり、願いごとをするとき、男根を晒して行うということがあるそうだ。男根を必要とし、よろこぶとすれば、男より女であろう。
また、女人禁制の山があちこちあるが、そのわけを山の神は女ゆえに、女どうしの諍いを起こさないため、嶮しい山の危険から女を守るためとする見方がある。女人禁制を男女差別というような角度からだけ見るのは、薄っぺらである。