緑のコブ地

2007-05-31 | 【樹木】ETC
 ケヤキもイヌシデも、葉を繁らせ、うえから見おろすと、まるで緑のコブ地。
 そのうえをツバメが舞っている。明日から6月になる。
 隣の神社のケヤキは、光を求め、杉の木より高く、葉を繁らせている。

山の神に向かいては

2007-05-29 | 【断想】神々
 山の神は男神か、女神か。キリスト教では「天に在します父なる神」と祈るが、洋の東西を問わず、総じて、天には男の神、地には、大地母神というように女の神をみるケースが多いようだ。山は、われらの生存のための食料という恵みをもたらすところであり、母性と結びつけられるということが多い。
 マタギの風習には、山に向かって感謝をしたり、願いごとをするとき、男根を晒して行うということがあるそうだ。男根を必要とし、よろこぶとすれば、男より女であろう。
 また、女人禁制の山があちこちあるが、そのわけを山の神は女ゆえに、女どうしの諍いを起こさないため、嶮しい山の危険から女を守るためとする見方がある。女人禁制を男女差別というような角度からだけ見るのは、薄っぺらである。

朴の木の花を望む

2007-05-28 | 【樹木】ETC
 白洲正子の「木」(平凡社ライブラリー)に、「雑木の中で朴だけは、ひときわ高くそびえており、遠くからでなくては花を望むことはできない。近頃私はとみに目が悪くなったので、花びらが散っているのを見て、わずかに咲いたことを知るのみである」とある。
 そうなのだ。朴の花はとても大きく美しいが、間近で見ることはなかなか出来ないのだ。多摩動物公園近くの林に生える朴の木が、花をつけていることは、その後、確認できたが、それも離れたところから眺めたのである。
 どちらかというと、木のうえで、人知れず、香りを漂わせているのである。同じモクレン科のユリノキなどもそうだ。なにも、人間に見てもらわなくてもいいわけだから。

崖っぷちのアラカシ

2007-05-27 | 【樹木】ETC
 崖っぷちのアラカシは、根元の土が崩れ流れ出し、倒木の恐れありとして、崖下側の枝を大幅に剪定された。マンション裏に生えているアラカシである。だいたい、そこが崖地になったのは、人の仕業ではなかったろうか。
 住んでいるマンションの玄関ガラス扉に、時折、野鳥がぶつかって死んでしまうということだ。このマンションでは、ガラス扉の内に入っても、そこは外なのだ。中庭に木々がある。透明なガラスゆえに、鳥が通り抜けられると勘違いするようだ。
 アラカシも野鳥も、人さえいなければ、そのような災禍に遭うことはなかったろうに。
 ガラス扉で命を落とした野鳥は、目撃したとの人の言によると、キビタキ、キジバト、ジョウビタキ、コジュケイ・・・。

「海蛇の来る岬」

2007-05-26 | 【断想】蛇
 外を歩いていて、ここはいいところだなと感じる場所、なんだか嫌だなと感じる場所がある。陰惨な雰囲気があって、こんなところに住んでいたら、俺も変質者・犯罪者になるのでないかと思わせる場所もある。
 そんななか、岬というのは、総じて、別世界との接点という感覚を呼び覚まし易い場所だ。海の彼方から、神がやって来るとか、己の胸の鳥を飛び立たせるとか。己の身を飛び立たせてあの世に行くとか。
 見おろす海もさまざまだけど、前登志夫という人の次ぎの一首、わかりますね。

かぎりなく海蛇の来る岬にて神々の事語りはじめき

花をつけているらしい朴の木

2007-05-25 | 【樹木】ETC
 京王線の多摩動物公園の駅前から眺められる林の中に、朴の木がある。そのことは、数年前に花を見つけて知っていた。
 朝、出勤の時、その林に白い花らしきものをつけた木を見つけた。大きな葉やそのつき方で、朴の木であることは、すぐに分かった。しかし、その木まで、いささか距離があり、下から見上げる位置関係にあるので、白いものが花であることが、はっきりとは見えない。
 高架のモノレールの多摩動物公園駅にのぼれば、視認できるかも知れない。というようなことも思いつつ。

鎌の刃が生えるタブノキ

2007-05-24 | 【樹木】ETC
 タブノキは、クスノキ科で暖かいところに多い。また、汐の香りのするところに育つ。
 能登半島の羽咋から七尾に向かう途中に、金丸という地があり、そこに鎌宮諏訪神社という社殿のない神社がある。その境内には、鎌の刃を数多くはやしたタブノキが立っている。タブノキには、注連縄が張ってある。写真で見ただけだが、なにやら不気味な様相を呈している。
 鎌が、自然に生えてきたわけではない。それは人の手によるものである。タブノキの幹に鎌を打ち込んだのである。刃は、獲物にうちかかる姿、下を向いている。
 何故に、そういうことをしたのか。鎌という農具であり武器であるもので、何かに身構え、何かを願っている人の心が感じられる。
鎌が打ち込まれるのは、「鎌祭り」とも「風祭り」と呼ばれる祭の日だそうだ。その日、稲穂を添えるという。かつては、近隣農民が、鎌を手に踊ったという。
 刃が捉えようとしているのは、風の魔のようである。農作物に被害をもたらす暴風に刃向かっているのであろう。よい天候や豊作を祈り願うことが、結果として、グロテスクともいえるタブノキをつくってしまったようだ。
 また、土地争いの多い地域で、その争いに結着をつける境界確定の儀式がはじまりとの説もある。
 人の思いによって、木々は様々な姿をとる。いずれにしろ、そのタブノキのように、刃を生やすというのは、まれだろう。

清楚な星と花

2007-05-23 | 【樹木】ETC
 夜、東南東の空に、光っている星が見える。
 ここのところ、いつも見える。
 他の星が見えなくても、その星だけは、はっきり見える。
 おとめ座のスピカだろう。
 清い光を放っている。
 地には、エゴノキの清楚なる白い花が落ちている。

桜餅の里に巨蟹

2007-05-22 | 【樹木】櫻
 桜餅の葉には大島桜の葉が使われている。その大方を生産しているのが伊豆半島の松崎町である。前に書いた通りだ。
 その松崎町には、巨蟹伝説がある。ヤマメ釣りに出かけた爺さんが、大きな岩と思ってのぼったのは、実は蟹の甲羅で、動めいたのだと。そして、その爺さんは、家には帰ったが、まもなく死んでしまったということである。町を流れる持草川上流には、オッカナ淵とかオオカミ淵と呼ばれるところがある。滝も多く、オオカミがうなるような響きをたてると。
 昔から地震が頻発する伊豆である。そんなところから生まれた伝説といえる。地が動く、うなりがするというわけである。伊豆半島には、松崎町の他にも巨蟹伝説をもつところがあるそうだ。

梅の葉裏に巣くう虫

2007-05-21 | 【樹木】梅
 鉢植えの枝垂れ梅の木は、葉を繁らせているが、その葉には、痛んだものが多い。切ってしまったものも結構ある。
 葉裏に虫がつくのである。それを絵筆でとったりしていたのだが、その刺激で、葉自体を痛めてしまった。よかれと思ってやったのだが、よくなかった。殺虫剤だけにしておいた方がよかったのかも知れない。でも、虫を見ると、とってしまいたくなる。
 こんなようなことよくあるな。

美しきエゴノキの花

2007-05-19 | 【樹木】ETC
 同じエゴノキ科エゴノキ属なのに、白雲木はいい名前をもらっている。エゴノキは、その語感がよくない。
 それはともかく、ひとの好みは知らないが、俺には、エゴノキのつける花の方が、ナイーブな美しさをもっているように感じる。今日、エゴノキのしたで、その花を見あげた。ほのかな香りが漂っていた。
 そして、改めて、そう思った。そこに節度なるものがある。節度には胸をしめつける魅力がある。透けそうな白い花びら。

したから見る花

2007-05-19 | 【樹木】ETC
 先日、国会図書館の脇を通ったとき、エゴノキが白いかわいい花をつけているのを見た。住んでいるマンション前の小さな公園にもエゴノキがある。それも今、花をつけている。ベランダから見おろしている。エゴノキの花は下向きに咲く。木のしたに行って、見上げてやらなくてはならない。