●能の見方/松岡心平著/角川文庫/2013年8月25日発行/819円
1997年に、角川叢書から刊行された「能-中世からの響き」の文庫化。歴史、作品、鑑賞という区分けで三部構成になっている。
能の基礎知識に乏しい私には、いささか読みづらい本だった。作品の背景など周辺事項が中心に記述されているように見えた。作品そのものがもつ情動的側面、人間の罪業のようなものについても、もっとアプローチされてもいいのにと言う印象をもった。
本書に刺激され、今後、次の作品に接してみたいと思う。
・世阿弥が74歳の時の作品「金島書」。
・元雅の「重衡」。
・「井筒」の解説の中で、紀貫之、世阿弥に「性の反転、複綜」が見られるとあった。興味深かった。改めて、読んでみようかと思った。