“おいしい水”

2023-01-29 | 【断想】音楽

 アストラッド・ジルベルトのCDに、「ザ・シルバー・コレクション」と表記された一枚がある。
 「The Astrud Gilberto Album」で、レーベルは、ヴァーブ。
 ジャケットは、アルバム「おいしい水」のものである。
 アストラッド・ジルベルトの声・歌、ボサノヴァ、快適だね。
 そこに、妙な社会性に発するストレスはない。
 そこに、肩肘をはらないていい世界がある。
 以下の曲が収録されている。
 1~13:アルバム「おいしい水」収録曲
 14~22:アルバム「いそしぎ」収録曲
  〈曲目リスト〉
 1.ワンス・アイ・ラヴド
 2.おいしい水
 3.瞑想
 4.アンド・ローゼズ・アンド・ローゼズ
 5.悲しみのモロ
 6.お馬鹿さん
 7.ジンジ
 8.フォトグラフィア
 9.夢みる人
 10.あなたと一緒に
 11.サヨナラを言うばかり
 12.いそしぎ:Love Theme From "The Sandpiper" (The Shadow Of Your Smile)
 13アルアンダ:(Take Me To) Aruanda
 14.カーニヴァルの朝:Manha De Carnaval
 15.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン:Fly Me To The Moon
 16.ジェントル・レイン:The Gentle Rain
 17.ノン・ストップ・トゥ・ブラジル:Non-Stop To Brazil
 18.ガンソ:O Ganso
 19.フー・キャン・アイ・ターン・トゥ?:Who Can I Turn To?
 20.デイ・バイ・デイ:Day By Day
 21.悲しみよ、さようなら:Tristeza
 22.ファニー・ワールド:Funny World
 23.サマー・サンバ :So Nice(Summer Samba)
 24.レッツ・ゴー:Let Go(Canto De Osssanho)
 25.ビリンバウ:Berimbou


“ハード・トーク”

2023-01-29 | 【断想】音楽

 マル・ウォルドロン・クインテッド:Mal Waldron Quintet
 「ハード・トーク:HARD TALK」(enja)。
 1974年のライブ録音。
 ハードで重い音が、ズシリとくる。
 ただ、きれいにジャズをやってますと言うのとは違うところがいい。
 スティーヴ・レイシーの激しさが効いている。
 でも、ソプラノ・サックスの音というのは、精神衛生にようないように感じる。
 「ハード・トーク」の中、マルが優しさをつくっている。
 〈パーソネル〉
 マル・ウォルドロン:Mal Waldron(p)
 マンフレッド・ショーフ:Manfred Schoof(tp)
 スティーヴ・レイシー:Steve Lacy(ss)
 イズラ・エッキンガー: Isla Eckinger(b)
 アラン・ブレアマン:Allen Blairman(ds)
 〈収録曲〉
 1.スネーク・アウト
 2.ハード・トーク
 3.ロシアン・メロディ
 4.フーレイ・フォー・ハービー


「また恋してしまったのよ」

2023-01-29 | 【断想】音楽

 『頽廃音楽』同名展覧会復元展(1988年、デュッセルドルフ)のためのオリジナル・サウンド・ドキュメント
 上記のCD4枚組の作品の中にある、マレーネ・ディートリヒの歌を聞いてみる。
 このドキュメントは、ナチスのゲッペルスが、1938年に催した『頽廃音楽展』(帝国音楽祭の一巻)が、元となっている。
 「粛清」「濫用」「“ドイツ的音楽”」「抵抗」と4つのプログラムが示されている。
 マレーネ・ディートリヒの歌は、「粛清」の中に収められている。
 フリードリヒ・ホレンダー:トーキー映画『嘆きの天使』(1930年)より
 『頭のてっぺんから爪先まで愛にどっぷり』                                
  マレーネ・ディートリヒ(歌)、ヴァイントラブ・シンコペイターズ、
 指揮:フリードリヒ・ホレンダー
 「頭のてっぺんから爪先まで愛にどっぷり、それが、わたしの世界。どうすることもできないわ。愛することしかできないの。男たちは、灯りの周りの虫のように群がってきて、燃え尽きたりするわ。わたしにはどうすることもできなわ」と歌われる。
 同曲をマレーネ・ディートリヒが、1954年6月、ロンドンの“カフェ・ド・パリ”で歌ったのも聞いてみた。
 こちらは、英語で「FALLING IN LOVE AGAIN」。
  1937年、マレーネ・ディートリヒは、ヒットラーからの帰国要請を断り、アメリカ籍をとることになる。
 第二次世界大戦中は、連合軍の将兵慰問で、ヨーロッパ戦線を廻った。
 この曲の邦題は、「また恋してしまったのよ」。 


“開けゴマ”

2023-01-28 | 【断想】音楽

 フレディ・ハバードの「オープン・セラミ」(1960 Blue Note)。
 フレディ・ハバードは、ジャズ・メッセンジャーズのリー・モーガンの後任。
 このアルバムは、彼の初リーダー盤。
 演奏スタイルは、ハード・バップ。
 ティナ・ブルックスのテナーが聞けることでも知られるアルバム。
 「これが、モダン・ジャズ」の感、フレディ・ハバードもティナ・ブルックスもみんなとても魅力的なんだけど、格別なものが感じられるかとなると、はてな。
 〈パーソネル〉
 フレディ・ハバード(tp)
 ティナ・ブルックス(ts)
 マッコイ・タイナー(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 カリフォード・ジャービス(ds)
  〈収録曲:6曲〉
 ※CD盤では「オープン・セサミ」と「ジプシー・ブルー」の別テイクが入って8トラック。
 1.オープン・セサミ
 2.バッド・ビューティフル
 3.ジプシー・ブルー
 4.オール・オア・ナッシング・アット・オール
 5.ワン・ミント・ジューレプ
 6.ハブス・ナブ


“ベイズン・ストリート”

2023-01-26 | 【断想】音楽

 クリフォード・ブラウン&マックス・ローチatベイズン・ストリート(1956 EmArcy)
 モダン・ジャズのメイン・ストリートに位置をしめる一枚と言えよう。
  若いソニー・ロリンズが加わった演奏としても注目された。
 マックス・ローチの力強い太鼓モ聞ける。
 以下のようなメンバーで演奏されているアルバム。
 ブラウン=ローチ・クインテッドである。
 洗練されて、勢いのあるクリフォード・ブラウン(tp)
 おおらかで、恐れを知らないソニー・ロリンズ(ts)
 みんなを勢いづかせるマックス・ローチ(ds)
 他、以下の二人。
 ジョージ・モロー(b)
 リッチー・パウエル(p)
 〈収録曲〉
 1.恋とはどんなものでしょう
 2.慕情
 3.四月の思い出
 4.パウエルズ・フランセス
 5.タイム
 6.ザ・シーン・イズ・クリーン
 7.ガートルース・バウンス
 「タイム」は、ちょっとかわったムードを漂わせている曲。
 ピアノのリッチー・パウエルの曲で、服役中の男が、出獄の日を思いながら、なすこともなく過ごしている時(タイム)を表現しているのだそうな。
 なんだか、おもしろい。


おもいでの夏

2023-01-22 | 【断想】音楽

 アート・ファーマーのイースト・ウィンド・レーベルからのアルバムである。
 1976年、ニューヨークで録音された「おもいでの夏:ザ・サマー・ノウズ」。
 アルバムの中に「カーニヴァルの朝(黒いオルフェ)」が収録されていて、アート・ファーマーのウオームなフリュウゲルホーンで聞くのもいいだろうと思った次第。
 甘い香りをただよわして、思っていたより派手やかな演奏だった。
 〈パーソネル〉
 アート・ファーマー(flh)
 シダー・ウォルトン(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 ビリー・ヒギンズ(ds)
 〈曲〉
 1.おもいでの夏
 2.カーニバルの朝~「黒いオルフェ」
 3.アルフィー
 4.ウェン・アイ・フォール・イン・ラブ
  5.ダディ
 6.アイ・シュッド・ケア
 


“カーニヴァルの朝”

2023-01-22 | 【断想】音楽

 フレディ・ハバードの「カーニヴァルの朝(黒いオルフェ)」。
 おおがかりな演奏である。
 おおがかりすぎて、期待に添わず、ガッカリ。
 管だけで、フレディ・ハバードのトランペットの他、エリック・ドルフィーのアルト・サックス、フルート、ウェイン・ショーターのテナー・サックス、カーティス・フラーのトロンボーンと言う編成である。
 リズム・セクションに、シダー・ウォルトン(p)、レジー・ワークマン(b)、ジュー・ジョーンズ(ds)、ルイ・ヘイズ(ds)。
 その他のメンバーでの演奏である。
 これが収録されているアルバム名は、「ボディ&ソウル」(1963 impulse!)である。
 フレディ・ハバードが、ブルーノートから、リダー-・アルバムを出すようになった頃のもので、インパルスからではあるが、演奏メンバーは、ブルーノートとほぼ同じ。
 〈収録曲〉
 1.身も心も
 2.カーニヴァルの朝
 3.チョコレート・シェイク
 4.テディケイテッド・トゥ・ユー
 5.クラレンセズ・プレイス
 6.アリエス
 7.スカイラーク
 8.アイ・ガット・イット・バッド
 9.サーモ


“恋人のように”

2023-01-22 | 【断想】音楽

 カサンドラ・ウィルソンの「ラヴァリー:LOVERLY(~恋人のように)」は、2007年に、ミシシッピ州ジャクソンで録音された。
 レーベルはBLUE NOTE。
 スタンダード・ナンバーを採りあげたアルバム。
 〈パーソネル〉
 カサンドラ・ウィルソン(vo)
 ニコラス・ベイトン(tp)
 マーヴィン・スーウェル(g)
 ジェイソン・モラン(p)
 ロニー・プラキシコ(b)
 レジナルド・ヴィール(b)
 ハーリン・ライリー(ds)
 カン・ババロラ(per)0.)
 ロンダ・リッチモンド(back vo)
 〈収録曲〉
 1.恋人よ我に帰れ: Lover Come Back To Me
 2.黒いオルフェ / Black Orpheus
 3.ラヴァリー(素敵じゃない?);Wouldn't It Be Loverly
 4.風と共に去りぬ:Gone With The Wind
 5.キャラヴァン:Caravan
 6.あなたに逢えるその日まで:'Til There Was You
 7.スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト / Spring Can Really Hang You Up The Most
 8.アレーレ:Arere
 9.セント・ジェームズ病院:St. James Infirmary
 10.ダスト・マイ・ブルーム:Dust My Broom
 11.ザ・ヴェリー・ソート・オブ・ユー:The Very Thought Of You
 12.ア・スリーピング・ビー :A Sleepin' Bee
 洒落た器楽演奏、そして、彼女のずっしりした声、・・・・。
 彼女の声を、色で喩えるなら・・・、暖色か寒色かと言ったら、中間だな。
 緑ではないな。
 茶系かな、そうだとしたら、かなり黒っぽい茶だな。
 ところどころ、赤も見える。


シャイな青年の香気

2023-01-20 | 【断想】音楽

 チェット・ベイカーの「チェット・ベイカー・シングス」なるアルバムには、幾つものヴァージョンがあることを知った。
 ジャケットもいろいろである。
 ちゃんとしたジャズ・ファンからは、今頃になってと思われるかも知れない。
 以前、聞いたのは、一番広く出回っている14曲収録のCD盤、ギターの入っていないものである。
 新たに入手したのは、ジョー・パスのギターがオーヴァーダビングされたCD盤。
 1962年リリースのステレオ化されたものである。
 12曲が収録されている。
 もともとは、1954年から1956年に録音されたものである。
 演奏は、チェット・ベイカー(vo,tp)、ラス・フリーマン(p)、ジョー・パス(g)他である。
 〈収録曲〉
 1.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
 2.ザット・オールド・フィーリング
 3.ライク・サムワン・イン・ラヴ
 4.マイ・バディ
 5.イッツ・オールウェイズ・ユー
 6.サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー
 7.バット・ノット・フォー・ミー
 8.ルック・フォーザ・シルヴァー・ライニング
 9.アイ・ゲット・アロング・ウィズアウト・ユ・ヴェリー・ウェル
 10.アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー
 11.ザ・スリル・イズ・ゴーン
 12.ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー   
 久しぶりに、チェット・ベイカーの歌声を聞いて、改めて思う。
 わかわかしいシャイな青年の香気をただよわせていて、とても魅力的である。
 その声を聞くと、同時に、年老いて、深い皺が刻まれた彼の顔が思い浮かぶ。
 時の残酷さを感じる。
 人の心の弱いところにしのびこむクスリの怖さも。
 人はなんて脆いものなのだろう。
 とても切ない気分になる。


“黒いオルフェ:10”

2023-01-14 | 【断想】音楽

 「黒いオルフェ」の演奏を9つとりあげた。
 わたしの知っているのは、それくらいかなと思った。
 だけど、もっとも耳にしたのではないかと思われる演奏を忘れていた。
 ジェリー・マリガンがアート・ファーマー他と演奏している「黒いオルフェ」だ。
 「ナイトライツ」と言うアルバムに収められていて、毎夜のように聞いていたことがある。


“黒いオルフェ:7”

2023-01-14 | 【断想】音楽

 「黒いオルフェ」をポール・デスモンドのテナーでも聞こう。
 以前、わたしの夜に聞くジャズ、癒やし系のジャズとして、よく聞いた。
 なかなかの出色の出来だと思う。
 ギターを弾いているのは、ジム・ホール。
 なんだか、けだるく、切ないムードがよく出ている。


“黒いオルフェ:5”

2023-01-14 | 【断想】音楽

 ヴォーカルなしの「黒いオルフェ」を聞いてみようか。
 久しぶりのスタン・ゲッツ。
 ゲイリー・マクファーランドのアレンジ、コンダクトのオケをバッグにしての演奏である。
 ギターはジム・ホール、ピアノはハンク・ジョーンズである。
 ゲッツのテナー・サックスが豊かな音を響かせ、全体に豪華である。
 それでも、曲の持つ哀愁のようなものは感じられる。