欲しいと思っていたアルバムを入手できた。
グラント・グリーン/ ザ・コンプリート・カルテッツ・ウィズ・ソニー・クラーク
2枚組みのCD、ブルーノートからのものだ。
1991年から92年にかけて録音されたグラント・グリーンとソニー・クラークの共演の記録だ。
この演奏は、1枚づつ、ジャケットも異なり幾つかのかたちでリリースされている。
DISC2は、「オレオ」と言う名前で売られてもいる。
それが、2枚のCDにまとめられたのが、上記のコンプリート盤である。
1997年になってリリースされている。
それを中古で、手頃な価格で入手できたのだ。
グラント・グリーンとソニー・クラークの相性はいいと言われる。
ジャージー、ブルージー、グルーヴィーな演奏が愉しめそうなのだ。
それでは、「オレオ」から。
ギター、ピアノ、ドラムと連なり、もう一度ギターでシメ。
別テイクで「オレオ」。
さて、はじめから。
DISC2の収録曲は、次の通り。
1.ムーン・リバー
2.グーデンス・コーナー
3.トゥー・フォア・ワン
4.オレオ
5.リトル・ガール・ブルー
6.チューン・アップ
7.ヒップ・ファンク
8.マイ・フェバリット・シングス
9.オレオ
〈演奏者〉
グラント・グリーン(g)
ソニー・クラーク(p)
サム・ジョーンズ(b)
ルイ・ヘインズ(d)
さて、DISC1には、10トラック。
1~7は、このブログに載せた「ナイジェリア」と言うアルバムにある曲目・演奏である。
ドラムは、ルイ・ヘインズでなく、アート・ブレイキーである。
8~10は、以下の曲。
8.グリーン・ドルフィン・ストリート
9.シャドゥラック
10.ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ
「リトル・ガール・ブルー」は、スロー・テンポで、かわいく、愛らしく、優しい。
エリック・ドルフィーのリーダー・アルバムで、所有してるものを、リスト・アップしてみた。
「ヴィンテージ」(GM)と言うアルバムについては、その存在は知っていたが、人気曲集の類いと思っていた。
そうでないことに気づいたのは最近で、ならばと購入した。
CDは、7トラック。
うち3曲(以下の1~3)は、演奏メンバー、録音日がお同じ。
残りの4曲は、それぞれ、演奏メンバーが異なる。演奏日は、以下の4と6が同じ。
〈収録曲〉
1.ハーフ・ノート・トリプリット
2.オード・トゥ・チャーリー・パーカー
3.アイアン・マン
4.デンシティーズ
5.ナイト・ミュージック
6.アブストラクション
7.ドナ・リー
このアルバムは、ドルフィーの死後に作られている。
相変わらず、ドルフィーは、凄い。
夕刻に聞いたのだが、眠くて集中できなかった。
【エリック・ドルフィー・マイ・コレクション】
LP・CD 1960.04.01 アウトワード・バウンド[惑星](New Jazz / Prestige)1960
・CD 1960.07.08 アザー・アスペクツ(Blue Note)1987
LP・CD 1960.08.16 アウト・ゼア(New Jazz / Prestige)1960
・CD 1960.10. キャンデッド・ドルフィー(CANDID)1889
・CD 1960.12.21 ファー・クライ(New Jazz / Prestige)1960
LP・CD 1961.07.16 アット・ザ・ファイブ・スポット vol.1(Prestige)1961
・CD 1961.07.16 アット・ザ・ファイブ・スポット vol.2(Prestige)1964
LP・ 1961.07.16 withブッカー・リトル / メモリアル・アルアム(Prestige)1964
LP・ 1961.08.30 ベルリン・コンサーツ(Inner City/enja)1978
・CD 1961.09.08 イン・ヨーロッパ vol.1(Prestige)1964 (注)コペンハーゲン・コンサート
・CD 1961.09.06 イン・ヨーロッパ vol.2(Prestige)1965
・CD 1961.09.08 イン・ヨーロッパ vol.3(Prestige)1965 (注)コペンハーゲン・コンサート
・CD 1961.09.25 ストックホルム・セッションズ(enja)1981
・CD 1961.09. ザ・ウプサラ・コンサートvol.1(Jazz Door)1993
・ 1961.09. ザ・ウプサラ・コンサートvol.2(Jazz Door)1993
・CD 1962.03. ヴィンテージ・ドルフィー(GM Recordings/enja)
・CD 1962.10.07 ライヴ・イン・ニューヨーク(Stash)1990
・CD 1963.03.10 イリノイ・コンサート(Blue Note)1999
LP・ 1963.07. アイアン・マン(Douglas/Epic)1968 (注)ジター・バグ・ワルツ
LP・CD 1963.0. メモリアル・アルバム[カンヴァセイションズ](Vee Jay,FM)1969,1963
LP・CD 1964.02.25 アウト・トゥ・ランチ(Blue Note)1964
LP・CD 1964.06.02 ラスト・デイト(Limlight)1964
・CD 1964.06.11 ラスト・レコーディングス(West Wind/DIW)1988 (注)ネイマ
・CD 1964.06.11 アンリアリズド・テープ(WEST WIND)
マル・ウォルドロンで、エリック・サティーの「エッセー」を聞く。
サティによるサティとのサブタイトルのついた「卵のように軽やかに(秋山邦晴・岩佐鉄男編訳・筑摩叢書 1992年)」を手に取る。
エッセイ集のような本だ。
ページの角を折り曲げたところに、次の一行があった。
きっと、かつて、それが気に入ったのだろう。
「人間を知れば知るほど、犬をすばらしいと思う。」
エリック・サティの「最初の思想とバラ十字会の鐘」をマル・ウォルドロンの演奏で聞く。
パスカル・ロジェのピアノでは、丁度1分。
マル・ウォルドロンでは、8分半くらい。
ベースとドラムスを加えて、ジャズとして堪能できる。
マル・ウォルドロンの弾くエリック・サティの「ジムノペディー第1番」、とてもよかった。
思わず、聞き耳を立てた。
いささか、音が強いようには感じたが。
途中からの、インプロビゼーションも曲調にそっていて素晴らしかった。
マルの感性があっての、独特の優しさがある。
ピアノに添うペースもしっくり。
実に聴き応えがあった。
すぐに、パスカル・ロジェでも聞いてみた。
マルに較べて、音はかろやかか。
アントニオ・カルロス・ジョビンの「ジョビン・アンド・フレンズ」(1993 Verve)。
フレンズとは、以下のメンバー。
ハービー・ハンコック
ジュー・ヘンダーソン
シャーリー・ホーン(vo,p)
ガル・コスタ(vo)
ジョン・ヘンドリックス
ゴンサロ・ルバルカバ
オスカー・カストロ=ネヴェス
パウロ・ジョビン
ロン・カーター
ハーヴィー・メイソン
アレッジュス・アクーニャ
「イパネマの娘」や「おいしい水」等が、愉しく演奏されている。
愉しく演奏されたものは、愉しく聞ける。
ちなみに、「イパネマの娘」は、若くてハンサムな少年・・・・と、英語の「イパネマの少年」と原語(ポルトガル語)の歌の2曲が収録されている。
「ルイザ」は、アントニオ・カルロス・ジョビンのピアノと歌。
マル・ウォルドロンのピアノで、次の曲を聞いた。
Désespoir agréable (せつなさ、愉しい絶望)。
「おしゃれなピアノ❶ / サティーに魅せられて / マル・ウォルドロン(1983 TEICHIKU)」に収められている。
この曲は、「1906-1913年の間の6つの小品(Six Plèces de la période 1906-1913 )」の1曲目。1908年の作のようだ。
「1906-1913年の間の6つの小品(Six Plèces de la période 1906-1913 )」は、1906年から1913年に書かれたエリック・サティーの遺稿をロベール・キャビー(Robert Caby)が校訂して、1968年に出版したもの。
元のクラシックでは、どのように演奏されているかと、ナクソスからの「サティ・ピアノ名曲集」で聞く。
演奏しているのは、クララ・ケルメンディ。
マル・ウォルドロンのアルバムでは、曲名が「せつなさ」と訳されているが、しっくりこない。
「愉しい絶望」の方が、サティーらしい。
亡くなったあいつには、この世で会う望みは絶たれているが、あいつを思い出すことは愉しいこと、いいことではないか、そんな感じで捉えた方がいいように思う。
マルの出だしは、かなり重い。いささか苦しいくらいだ。
ベースとドラムが入って、ジャズっぽくなるところは、実にいい。
ベースはレジー・ワークマン、ドラムはエド・ブラックウェル。
曲のラストは、とても優しい感じだ。
先日、金沢でKに会った。
Kは、小学校時代の友人。
いつも一緒に遊んだ8~9人の仲間の半分は亡くなっている。
あの世から、Kと僕が、顔をあわせているのを見たら、
きっと祝福してくれるだろう。
Kとは、僕たちが過ごした金沢をあちこちを巡った。
小学校や中学の周辺、犀川のほとり、猿丸神社・・・・。
甲ばこ蟹も食べた。
時は秋
今日はトウカエデ(唐楓)の並木道を歩いた
落ちていた葉を
何枚か拾った
紅葉
そして枯葉・落葉
「枯葉」をジャズで聞こう
余りに多い
ピアニストのだけにしよう
ウィントン・ケリー
ビル・エヴァンス
トミー・フラナガン
ボビー・シモンズ
エロル・ガーナー
エディ・ヒギンズ
キース・ジャレット
ケニー・ドリュー
以下は、ちょっとの印象。
エロル・ガーナーは大仰な感じ
キース・ジャレットはうなり声がいらない
エディ・ヒギンズはフツウ
ケニー・ドリューはリズミック
ビル・エヴァンスは優等生
トミー・フラナガンは優しさ
ジャズのLPやCDは、アルバムのリーダー別にしてしまってている。
エリック・ドルフィーのLPを見ていて、「アレッ、これはどう言うことなのか」と思った。
「ERIC DOLPHY AND BOOKER ERVIN ,MAL WALDRON WITH THE SEXTET / THE QUEST 」(Prestige)なるアルバムが出てきた。
昔買ったLP盤である。
エリック・ドルフィーとマル・ウォルドロンが共演し、「ザ・クエスト:THE QUEST 」と言う名前で売られているアルバムと同じではないか、と。
確か昨年、購入したCD盤の「THE QUEST / MAL WALDRON With ERIC DOLPHY AND BOOKER ERVIN 」を取り出して確認した。
CDに付いた解説を読んで、よく分かった。
元々、マル・ウォルドロン名義のアルバムだったのに、エリック・ドルフィー名義であるかのようにしても売られたそうだ。
LP盤で、聞いた。
この際、エリック・ドルフィー名義アルバムで、所有しているものをリスト・アップしておこうと思った。
【マイ・コレクション】
LPCD 1960.04.01 アウトワード・バウンド[惑星](New Jazz / Prestige)1960
--CD 1960.07.08 アザー・アスペクツ(Blue Note)1987
LPCD 1960.08.16 アウト・ゼア(New Jazz / Prestige)1960
--CD 1960.10.** キャンデッド・ドルフィー(CANDID)1889
--CD 1960.12.21 ファー・クライ(New Jazz / Prestige)1960
LPCD 1961.07.16 アット・ザ・ファイブ・スポット vol.1(Prestige)1961
--CD 1961.07.16 アット・ザ・ファイブ・スポット vol.2(Prestige)1964
LP-- 1961.07.16 withブッカー・リトル / メモリアル・アルアム(Prestige)1964
LP-- 1961.08.30 ベルリン・コンサーツ(Inner City/enja)1978
--CD 1961.09.08 イン・ヨーロッパ vol.1(Prestige)1964 (注)コペンハーゲン・コンサート
--CD 1961.09.06 イン・ヨーロッパ vol.2(Prestige)1965
--CD 1961.09.08 イン・ヨーロッパ vol.3(Prestige)1965 (注)コペンハーゲン・コンサート
--CD 1961.09.25 ストックホルム・セッションズ(enja)1981
--CD 1961.09.** ザ・ウプサラ・コンサートvol.1(Jazz Door)1993
---- 1961.09.** ザ・ウプサラ・コンサートvol.2(Jazz Door)1993
--CD 1962.03.** ヴィンテージ・ドルフィー(GM Recordings/enja)
--CD 1962.10.07 ライヴ・イン・ニューヨーク(Stash)1990
--CD 1963.03.10 イリノイ・コンサート(Blue Note)1999
LP-- 1963.07.** アイアン・マン(Douglas/Epic)1968 (注)ジター・バグ・ワルツ
LPCD 1963,07.** メモリアル・アルバム[カンヴァセイションズ](Vee Jay,FM)1969,1963
LPCD 1964.02.25 アウト・トゥ・ランチ(Blue Note)1964
LPCD 1964.06.02 ラスト・デイト(Limlight)1964
--CD 1964.06.11 ラスト・レコーディングス(West Wind/DIW)1988 (注)ネイマ
--CD 1964.06.11 アンリアリズド・テープ(WEST WIND)
レッド・ガーランド/イッツ・ア・ブルー・ワールド(Prestge)
このアルバム、1958年2月、ニューヨークでのレコーディングである。
1950年代の終わり頃は、ハード・バップの時代。
ハード・バップのスタイルは、わたしに、もっともモダン・ジャズらしさを感じさせる。
このアルバムは、まさにそのスタイルで、ジャズの気分が存分に味わえる。
演奏メンバーは、以下の通りで、そのスタイルにこだわった顔ぶれである。
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)
なんだか、元ボクサーのガーランドのピアノには、吹っ切れた男らしさを感じる。
そう思って聞くと、ますますそう聞こえる。
ベースをひいたり、はじいたり、チェンバースはいつもハードバップに夢中という感じだ。
安心して愉しめる一枚だ。
ジャケットは、薄いブルー地にガーランドが二人、背中合わせ。
アルバムに収録されているのは、以下の5曲。
1.ジス・キャント・ビー・ラヴ
2.シンス・アイ・フェル・フォー・ユー
3.クレイジー・リズム(狂ったリズム)
4.ティーチ・ミー・トゥナイト(今夜おしえて)
5.イッツ・ア・ブルー・ワールド(青の世界なのだ)
エリック・ドルフィーの「ザ・ウプサラ・コンンサート」(M&I)。
1961年9月4日、スウェーデンのウプサラでのライブの記録である。
コンプリート盤として売られているアルバムもあるようだけど、CDで、vol.1、vol.2として2枚に分けられている。
vol.1の演奏者と収録曲
Eric Dolphy(as,bc,flu)
Rony Johanss0n(p)
Kurt Lindgren(b)
Rune Carlsson(ds)
1.ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ
2.245
3.ローラ
4.52番街のテーマ
5.バグズ・グルーブ
暗く不気味な感じがするジャケットの写真。
不穏な空を鳥たちが、何かから逃れるように飛んでいる。
ジョニー・グリフィンの「ア・ブローイング・セッション」(1957 BLUE NOTE)。
ともかく、一曲、聞いてみよう。
「ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト(今宵の君は)」。
イントロ:アート・ブレイキー(ds)
テーマ ;ジョニー・グリフィン(ts)
ソロ :リー・モーガン(p)
:ハンク・モブレー(ts)
:ジョン・コルトレーン(ts)
※ :グリフィン&ブレイキー
演奏メンバーは、以上の他に、ウイントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b).
なんとも錚々たる顔ぶれである。
三人のテナーサックス奏者のブローイングが注目されるアルバム。
ともかく、グリフィンの迫力、モーガンの若々しいエネルギー、ブレイキーの囃し立てるパワーが印象的だ。
比べると、モブレーとコルトレーンは凡な感じである。
2曲目は、「ボール・ベアリング」
フロントは、次のような流れ。
やはり、グリフィンとモーガンが光る。
ホーン・アンサンブル~コルトレーン~モーガン~グリフィン~モブレー~アンサンブル。
3曲目は。「オール・ザ・シングス・ユー・アー」。
ラストとなる4曲目は、「スモーク・スタック」
全体を通し、リズム・セクションの3人は、申し分ない。
コルトレーンとモブレーに花が足りない。
アントニオ・カルロス・ジョビンの作である「コルコヴァード」を「ゲッツ/ジルベルト」(Verve)で聞く。
この大ヒットしたアルバムの「コルコヴァード」では、ジョビンは、ピアノを弾いている。
曲の演奏の流れは、次の通り。
・ジョビンのピアノで、アストラッド・ジルベルトの歌(英語)。
・スタン・ゲッツのテナー・サックス。
・ジョアン・ジルベルトの歌(ポルトガル語)。
・ジョビンのピアノとスタン・ゲッツのテナー・サックス。
・ジョビンのピアノ・ソロ。
・ジョアン・ジルベルトの歌(ポルトガル語)。
・ジョビンのピアノとスタン・ゲッツのテナー・サックス。
以上の4人の人間関係については、決して爽やかなものと言えないようだが、曲の出来としては、とても見事だ。
爽やかである。
けだるくもある。
それが、素晴らしい。
コルコヴァードは、リオデジャネイロにある岩山。
標高704メートルとか、710メートルと言われる。
頂上に大きなキリスト像があるので有名である。
ボサ・ノヴァの名曲「コルコヴァード」は、アントニオ・カルロス・ジョビンの作。 ジョビンとエリス・レジーナの歌で聞く(the bossa style / MERCURY)。
ジョビンがオーケストレイションしたのを聞く(THE COMPOSER DESAFINADO / Verve)。
カサンドラ・ウィルソンの歌で聞く(belly of the sun / Blue Note)。
普通に、ボサ・ノヴァ気分を愉しむには、ジョビンとエリス・レジーナのがいい。
・・・・・コルコヴァードの岩山が窓からみえる部屋。青い海も。さわやかな風が吹いている。ギターに結んだリボンが揺れている・・・・。