「能の物語」“俊寛”

2022-06-30 | 読書

もう二ヶ月くらい前になるが、国立能楽堂で、能「安達原・黑塚」を観た。
知人からの招待で、とてもいい時間を過ごすことが出来た。
能は観るものであるが、私は、読むのも好きだ。
基本が話し言葉で、ゆっくり読むと、なんとなく理解できるのがいい。
そして、親しむ因となったのが、白洲正子の「能の物語」、「謡曲平家物語」を読んだことだった。
「能の物語」には、「はじめに」に、「お能の主人公はおおむね幽霊で、生前この世に思いを残して死んだ人びとが、夢うつつの間に還ってきて、恋の想い出を語ったり、犯した罪をざんげしたりします。幽霊でない場合でも・・・・・・」とあり、おおいに興味をそそられた。
先日、「謡曲平家物語」で「大原御幸 建礼門院」を読んだが、「能の物語」にもあったはずと「大原御幸」を読んだ。
こちらは、謡曲そのものを知るのにとてもいい。
今朝、電車の中で、「大原御幸」と同時代の出来事を題材としている「俊寛」を読んだ。
どちらも後白河法皇がらみの出来事である。
「俊寛」の話は、小さい頃、子どもの本で読み、絵もついていて、とても印象深いものだった。


“ニッティー・グリッティー”

2022-06-30 | 【断想】音楽

 バルネ・ウィランが演奏する幾つかの曲は、わたしのモダン・ジャズへの関心を膨らませてくれた。
 以下の曲がそうで、その演奏に刺激された、別のプレイヤーのものをさがして聞いたりした。
 ・アート・ブレイキーらとのアルバム「危険な関係」の「プレリュード・イン・ブルー」。
 ・マル・ウォルドロンらとのアルバム「フランス物語」の「クワイエット・テンプル」。
 ・マイルス・ディビスらとの「死刑台のエレベーター」の「シャンゼリゼの夜」他。
 ・アルバム「ティルト」の「ネイチャー・ボーイ」。
 ・アルバム「エッセンシャル・バラード」の「いそしぎ」。
 そういうことで、聞いたことのないバルネ・ウィランのアルバムを見ると、欲しくなってしまう。
 Inside Nitty=Gritty / Barney Wilen (1992 VENUS)
 ニッティー・グリッティー / バルネ・ウィラン(1992 ヴィーナス)
 このアルバムの特徴は、オルガンをまじえて演奏していること。
 〈パーソネル〉
 バルネ・ウィラン(ts,ss)
 エマニュエル・ベックス(organ)
 ピーター・グリッツ(ds)
 〈収録曲〉
 1.ヴァルス・ホット
 2.ディグ
 3.キャラバン
  4.グラナダ
 5.マイ・アイデアル
 6.マ・ブル
 7.ブルー・ルー
 8.トロリー・ソング
 9.聞かせてよ愛の言葉を
 10.パリの舗道
 このアルバムを聞いていて、バルネ・ウィランがもともとソニー・ロリンズ好きだったこと、それにけたたましくなく、落ち着いたムードへの志向などを感じる。
 所持していなくて、気になるアルバム・
 ・フレンチ・バラッズ
 ・ワイルド・ドッグズ・オブ・ザ・ルウェンゾリ
 ・エッセンシャル・バラード


“大原御幸”

2022-06-29 | 読書

 この前、テレビで、京都の寂光院の謂われのことなどを取り上げているのを見た。
 それに刺激されて、謡曲「大原御幸」を読んだ。
 はじめに、有朋堂書店発行の「謡曲集」で、続いて、小学館発行の「謡曲集」で。
 前者は、大正七年発行の本で、ハンディだが、字がビッシリで読みにくい。
 後者の方が、行換えがしてあったりで読みやすい。
 登場人物の解説もあって、より理解できる。
 人間関係が分かって、感興もたかまる。
 理解を一歩進めるため、白洲正子著「謡曲平家物語」の「大原御幸 建礼門院」も読んだ。かつて、興味深く読んだ本だ。
 改めて、白洲著の魅力を感じた。平時子(二院)が娘の徳子(建礼門院)をどう見ていたかにも触れていて、成る程と思った。
 もう一度、小学館発行本で、ゆっくり読んでみたい。   


ヘレン・メリルで“黒いオルフェ”

2022-06-28 | 【断想】音楽

  ヘレン・メリルが歌う「黒いオルフェ」。
 英語で歌っているヘレン・メリルの「黒いオルフェ」は、歌詞が通常とは違うようだ。
 ヘレン・メリルのヒット曲集のようなアルバムで聞く。
 日本のビクター・エンタテイメントからのもので、日本で知られているジャズのスタンダード・ナンバー、ポピュラー曲も含めて選んでいる。


ブラック・オルフェ

2022-06-26 | 【断想】音楽

 【Black Orpheus : ブラック・オルフェウス : 黒いオルフェ】から。
 Manhã de Carnaval : Moning Of The Carnival : カーニヴァルの朝
 バルネ・ウィランの「フレンチ・ストーリー」で。
 スタン・ゲッツ、ゲイリー・マクファーランドで。
 ジェリー・マリガンで。
 ポール・デスモンドで。
 このうちで、一番よく聞いたのは、ジェリー・マリガンの「ナイト・ライツ」でかな。
 


サラ・ヴォーンで“いそしぎ”

2022-06-26 | 【断想】音楽

サラ・ヴォーンが歌う「いそしぎ」。
想像していたより、グッといい。
しっとり歌っている。
女性ヴォーカルで、つぎの5人を聞いた。
・ブレンダ・リー
・カーメン・マクレイ
・アン・バートン
・アストラッド・ジルベルト
・サラ・ヴォーン
歌詞の持つ抒情性を感じさせるのはアン・バートン、カーメン・マクレイかな。
曲のトータル雰囲気では、アストラッド・ジルベルトか。


ガルシアのギター曲

2022-06-25 | 【断想】音楽

 ガルシア、ギター、二つの単語で思い出した。
 ジェラルド・ガルシアの曲を聞こう。
 僕よりひとつ年下の作曲家。
 ギター曲「エチュード・エスキス」。
 第1番「恋は魔術師・・・?」から。
 第6番「あぶらむしの午後」。
 第11番「・・・揺らめく緑」
 弾くのはジョン・ホルムクヴィスト。


“ヴァージン・ビューティー”

2022-06-25 | 【断想】音楽

 オーネット・コールマン&プライム・タイム:Ornette Coleman & Prime Time
 「ヴァージン・ビューティー:Virgin Beauty」(1988 SMJ/CBS)
 プライム・タイムは、オーネット・コールマンがリーダーをつとめるバンド。
 アルバムは、共同名義のかたちでリリースされた。
 このアルバムは、全曲がオーネット・コールマンによる作曲。
 ジェリー・ガルシアを迎えての演奏であることが、ひとつの注目点。
 オーネット・コールマンのアルバムのうち、もっとも売れたものだそうだ。
 聞きやすいと言う評がある。
 〈アーティスト〉
 オーネット・コールマン:Ornette Coleman (as,vln,tp)
 ジェリー・ガルシア:Jerry Garcia (g) ※on 1, 6, 7
 チャールス・エラービー:Charlee Ellerbe (g)
 バーン・ニックス:Bern Nix (g)
 アル・マクドウェル :Al McDowell (el-b)
 クリス・ウォーカー:Chris Walker (el-b)
 カルヴィン・ウェストン:Calvin Weston (ds)
 デナード・コールマン:Denardo Coleman (ds,key,per)
 〈ソング・リスト〉
 1.3ウィッシーズ:3 Wishes 
 2.ブルジョワ・ブギ :Bourgeois Boogie
 3.ハッピー・アワー :Happy Hour
 4.ヴァージン・ビューティー :Virgin Beauty
 5.ヒーリング・ザ・フィーリング:Healing the Feeling
 6.シンギング・イン・ザ・シャワー:Singing in the Shower
 7.デザート・プレイヤーズ:Desert Players
 8.ハネムーナーズ:Honeymooners
 9.チャンティング :Chanting
 10.スペリング・ジ・アルファベット:Spelling the Alphabet
 11.アンノウン・アーティスト:Unknown Artist

 聞いていたら、いつしか眠っていた。


「サムシング・エルス」

2022-06-25 | 【断想】音楽

 オーネット・コールマンのデビュー作・初アルバム「サムシング・エルス」、これまで聞いたことあったろうか。
 何十年も前のジャズを聴くと言うこと、いったい何なんだろう。
 単にノスタルジアで聞いているわけではない。
 もちろん、時代の息吹を嗅ぎ取ろうとしているわけでもない。
 あえて言えば、知的好奇心かな。
 はじめてのものに接して、これはいいなと思うことがある。
 それで、次々ととなる。
 以下、アルバムの基本データ。
 SOMETHING ELSE!!!!
 THE MUSIC OF ORNETTE COLEMAN
 CONTEMPORARY S7551
 1958 Los Angeles
 ORNETTE COLEMAN(as)
 DON CHERRY(tp)
 WALTER NORRIS(p)
 DON PAYNE(b)
 BILLY HIGGINS(ds)
 1.INVISBLE
 2.THE BLESSING
 3.JAYNE
 4.CHIPPIE
 5.THE DISGUISE
 6.ANGEL VOICE
 .7.ALPHA
 8.WHEN WILL THE BLUE LEAVE?
 9.THE SPHINX


チャパカ:CHAPPAQUA

2022-06-24 | 【断想】音楽

 オーネット・コールマン/チャパカ組曲/1965.6/Columbia:Sony
 コンラッド・ルークス監督の映画「チャパカ」のために作ったものだが、映画で使われることはなかった作品。
 オーネット・コールマンは、フリー・ジャズの人であるが、このアルバムは、とても聞きやすく心地よいとの評を見た。
 それがきっかけで、久しぶりにオーネット・コールマンを聞いてみようかと思った。
 聞き始めてすぐに感じたのは、なんとも懐かしい音色だと言うこと。
 思えば、モダン・ジャズに接しはじめた十代の頃、オーネット・コールマンのものをよく聞いた。
 それが、耳の奥に残り、懐かしく感じたようだ。
 フリーだと言うことでの違和感はない。
 やっぱり、しっかり自分の音をもった人なんだなあと改めて思った。
 「パート1」と思って聞いていたのは、実はディスクを間違えてて、「パート3」だった。
 そこには、チャーミングさもあった。
 続けて聞いたのは「パート4」。
 さて、「パート1」から。
 「パート3」と「パート2」が、耳を傾けさせたかな。
 ところで、CHAPPAQUA(チャパカ)は、チャパクアで、地名でいいのだろうか。
 〈演奏者:アーティスト〉
 オーネット・コールマン:Ornette Coleman(as)
 ファラオ・サンダース:Pharoah Sanders(ts)
 デヴィッド・アイゼンゾン:David Izenzon(b) 
 チャールズ・モフェット: Charles Moffett(ds) 他
 〈収録曲:Tracklist/CD盤・2枚組〉
 [Disc 1]
 1.CHAPPAQUA SUITE:チャパカ組曲 パート1
 2.CHAPPAQUA SUITE:チャパカ組曲 パート2
 [Disc 2]
 1.CHAPPAQUA SUITE:チャパカ組曲 パート3
 2.CHAPPAQUA SUITE:チャパカ組曲 パート4

 オーネット・コールマンについては、まだCDなるものがない時代に関心を持ったので、LPが何枚かある。
 ・ジャズ来るべきもの
 ・世紀の転換
 ・フリー・ジャズ
 ・タウン・ホール1962
 ・クロイドン・コンサート:An Evening With Ornette Coleman
 ・ゴールデン・サークル
 ・ソープ・サッズ
 以上の中で、一番よく聞いたのは、「タウン・ホール1962」。
 確か、ドーナツ盤をはじめに買った。
 田無の小さなレコード店でだったかな、懐かしい。
 フリー・ジャズと言うが、オーネット・コールマン、エリック・ドルフィー、アルバート・アイラー、それぞれ強烈な個性がある。
 アルバート・アイラーには魂の平安を求めずにおれないものがあふれているのを感じる。
 エリック・ドルフィーには、卓越した技倆と宇宙への意思のようなものを感じる。
 オーネット・コールマンには、音楽に向き合う真摯な姿勢を感じる。人間性としては、この三人では一番凡庸かな。でも、あんな演奏、凡庸ではできないな。うまく表現できません。


“アフター・ミッドナイト”

2022-06-22 | 【断想】音楽

 ナット・キング・コールの「アフター・ミッドナイト」(1956 Capitol)。
 ナット・キング・コールの弾き語り、理屈抜きの素晴らしさ。
 歌詞の意味が取れなくても、それを超えて、充分に愉しめる傑作。
 ポピュラーな曲もあって、親しみやすくもある。
 ナット・キング・コール・トリオがゲストを迎えての演奏となっている。
 一仕事終えたあとの深夜に気の合う仲間とくつろいでプレイという感じ。
 「アフター・ミッドナイト」なのである。
 1.ジャスト・ユー・ジャスト・ミー
 2.スイート・ロレイン
 3.サムタイム・アイム・ハッピー
 4.キャラヴァン
 5.イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン
 6.ユア・ルッキン・アット・ミー
 7.ロンリー・ワン
 8.ドント・レット・イット・ゴー・トゥ・ユア・ヘッド
 9.アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ
 10.ブレイム・イット・オン・マイ・ユース(わたしの若さゆえに)
 11.夢見るころを過ぎても
 12.ルート66!


〈The Girl Next Door〉

2022-06-21 | 【断想】音楽

 先日、ウェス・モンゴメリーの「ソリチュード」から、「トゥ・ジャンゴ」を聞いた。
 半世紀くらい前に買ったLP盤でである。
 そのLPに付いていた久保田高司氏によるライナーノーツに以下のようにあった。
 「トゥ・ジャンゴ」の曲紹介の部分である。
 ・・・この曲、ぼくの耳にはどう聴いてもラルフ・プレインとヒュー・マーティンのコンビによる〈The Girl Next Door〉に思えるのだが、タイトルと作曲者のクレジットからすれば、これはウェスが今は亡きジャンゴ・ラインハルトに捧げたバラードということになる。・・・・
 そう言うことで、以下を確認。
 LP、CDとも2枚組になっている。
●もともとの「SOLITUDE」LP盤の収録曲名の表記
 RECORD 1 SIDE A  4 ON 6
               WES' RHYTHM
       SIDE B  IMPRESSIONS
               TO WHEN
 RECORD 2 SIDE A  MISTER WALKER
               TO DJANGO
       SIDE B  HERE'S THAT RAINY DAY
               'ROUND ABOUT MIDNIGHT
●「SOLITUDE THE COMPLETE LIVE IN PARIS」CD盤の収録曲名の表記
 DISC1   1.4 ON 6
         2.TWISTED BLUES
         3.IMPRESSIONS
         4.TO WHEN
         5.JINGLES
 DISC 2  1.THE GIRL NEXT DOOR
         2.HERE'S THAT RAINY DAY
         3.'ROUND ABOUT MIDNIGHT
         4.FULL HOUSE        
         5.BLUE AND BOOGIE ~WEST COAST BLUES
●以下のように、曲名表記が変わっているもの(※印)がある。
  4 ON 6 → 4 ON 6
 ※WES' RHYTHM → TWISTED BLUES
  IMPRESSIONS  → IMPRESSIONS
  TO WHEN → TO WHEN
 ※MISTER WALKER → JINGLES
 ※TO DJANGO → THE GIRL NEXT DOOR
  HERE'S THAT RAINY DAY → HERE'S THAT RAINY DAY
  'ROUND ABOUT MIDNIGHT →  'ROUND ABOUT MIDNIGHT 
 今夜は、〈THE GIRL NEXT DOOR〉を聞いてみようか。


犬のための前奏曲

2022-06-19 | 【断想】音楽

 たまに、エリック・サティのピアノ曲を聞こうか。
 パスカル・ロジェの演奏で「4つのしまりのない前奏曲(犬のための)」。
 1.内奥の声
 2.犬儒学派的牧歌
 3.犬の歌
 4.友情をもって
 サティの「卵のように軽やかに」(秋山邦晴・岩佐鉄男編訳)の「哺乳類の手帖」から一行。
 〈人間を知れば知るほど、犬をすばらしいと思う〉