酒への賛歌

2012-09-25 | 【断想】ETC
 笠間書院「コレクション日本歌人選」シリーズの「大伴旅人」より。
  今代(このよ)にし楽しくあらば来生(こむよ)には虫に鳥にも吾はなりなむ
 酒への賛歌の一首。
 今生の酒の楽しみは最高だ。
 そのためになら、来世の俺がどうなろうとかまわぬ。
 そんな歌だ。
 その気持ち、よくわかるなあ。
 だけどなあ・・・・・健康のことも。
 俗人だなあ。
 自分のことさ。

ヨーロピアン・フラット

2012-09-25 | 【断想】牡蠣
 アンソールの絵の牡蠣。
 それは、ヨーロッパガキ、フランスガキ、ヨーロッパヒラガキ、ヨーロピアン・フラットと言われる牡蠣かな。
 同種のものでも、人によって、地域によって、さまざまに呼ばれる。
 もう、シーズンは過ぎたが、今年も夏の牡蠣、岩牡蠣を食べることができた。
 みな、国産のもの。
 岩牡蠣は天然物。養殖の試みもあるようだが、進んでいるのだろうか。

「牡蠣を食べる女」

2012-09-24 | 【断想】牡蠣
 ジェームズ・アンソール展に行った。
 ベルギーのアントワープ王立美術館所蔵の作品からで、別の作家のものも展示されていた。
 会場は、新宿の損保ジャパン東郷青児美術館。
 アンソールには、写実的な絵があるが、奇妙なのもあり、その方で知られている。
 奇妙な方は、まるで亡霊たちの世界。
 神と人、人のつくっている社会へのアンソールの眼のわざか。
 ともかく気になる絵で、それで見に行った次第。
 写実的な絵のひとつに「牡蠣を食べる女」と題されるものがあった。
 牡蠣好きの私としては、しっかり覚えておくべきこと。
 絵の牡蠣を見ると、殻が丸っこく、平たい。
 ヨーロッパでは一般的なヒラガキだった。
 以前、世界の牡蠣の種類を調べたことがあるけど、細かいことは忘れた。
 このブログにも、牡蠣の種類のこと書いたことがあるように思う。

遺品

2012-09-20 | 民社
 以前、和田一仁さんに、ダンヒルのライターをもらった。
 氏は、愛煙家であった。
 パイプや葉巻を時にくゆらしていた。
 ダンヒルのパイプを大切そうにしていたのを思い出す。
 その氏が煙草をやめ、だいぶ時が経てからだったが、私に自分が使っていたライターをくれた。
 その後、氏は亡くなり、そのライターは、とりわけ、私の大切なものとなった。
 但し、長年使われていなかったライターは、火がつかなくなっていた。
 先般、そのライターをオーバーホールし、使えるようにした。
 11月に、和田さんの偲ぶ会があるので、それまでに直しておきたかった。
 オーバーホールに出したのは、新宿の煙草屋だ。
 かつて、山村茂実さんと何度か行った店だ。
 山村さんは、葉巻を買い、わたしは、パイプの煙草を購ったりしていた。
 山村さんの買う葉巻は、かなり高価なもので、わたしは、「よくもまあ」と思っていた。
 煙草好きのわたしにも、無駄使いだなあと思わせるくらいだった。
 その山村さんも亡くなって久しい。
 あるとき、山村さんに防衛関係の本をもらった。
 特別たいした本でないが、大切にしまってある。
 和田一仁は私のかつてのボスで、山村さんのボスであった永末英一と親しかった。

恵比寿にて

2012-09-19 | 【断想】ETC
 時間つぶしで、町を歩いて、激しい雨に遭った。
 傘がなく、近くの珈琲店に飛び込んだ。
 カウンター席でアイスコーヒーを飲んだ。
 珈琲専門店みたいで、なかなかいい味だった。
 しばらくして、背後に聞いたことのある声。
 振り返ると、知り合いの妙齢の女性が三人。
 席を変えて、一緒にしばしお喋りというところだけど、煩わしかった。
 ちょっと、一人でやりたいこともあった。
 外の雨があがっていたので、「やあ」と一言挨拶して、おさらばした。
 そして、別のコーヒーショップに入った。
 そこのアイスコーヒーはまずかった。

木々を眺めよ

2012-09-19 | 【樹木】ETC
 ベランダで酒を飲みながら、木々を眺める。
 そんな習慣から遠ざかって、日々が流れた。
 いささか気持ちがすさんだかな。
 その分、ブログへの投稿も減った。
 木々や空を眺めたり、風を感じたりすることは、なによりの薬と思う。
 酒もまた薬でもある。
  しるしなきものを思わず一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし(大伴旅人)

初秋の散歩

2012-09-18 | 【断想】蛇
 路上に、死んだ蛇。
 まだ若い蛇。
 この前も、道端に死んだ蛇を見た。
 干からび、いつしか見えなくなった。
 葛の花が咲き、甘い香り。
 橡の実を拾った。
 まだ、気温は高いが、秋の気配はある。

「楽しくをあらな」

2012-09-13 | 読書
 先日、笠間書院の「コレクション日本歌人選」シリーズで、「大伴旅人」が配本された。
 出たら買おうと思っていた一冊である。
 このシリーズは、だいたい歌人ごとに一冊になっており、丁寧な解説付きで、持ち歩きできるコンパクトサイズである。
 通勤の電車の中で読める。
 「大伴旅人」は、好きな歌人の一人で、万葉集から拾い読みしたり、万葉集の解説本で歌人ごとにまとめられた部分があるものを読んだりしていた。
 大伴旅人の歌ばかりをまとめたものが欲しかった。
 それで、入手し、読書中である。
 大伴旅人が何故好きかと言うと、その一つは、次の歌にあるような精神の姿勢である。この歌は、所収されていなかったが。
 「生けるひと遂にも死ぬるものにあればこの世にある間は楽しくをあらな」

高尾山のハゲ

2012-09-12 | 【樹木】ETC
 高尾山の蛸杉、以前はみんなが触るので樹皮が剥がれて、まさしく蛸と言う様相があった。
 蛸というよりハゲかな。
 その蛸のうえに子どもが乗っかって、記念写真を撮ったりしていた。
 その後、柵が設けられ、保護された。
 そして、剝げていた部分にうっすらと樹皮ができた。
 いわゆる蛸・ハゲのツルツル感がなくなっていた。

おさな友だち

2012-09-11 | 【断想】ETC
 あいつは、生きているのだろうか。
 もう、50年ばかり会っていない。 
 おさない頃、一緒に過ごした町をともに歩けたらと思う。
 犀川にも行ってみよう。
  わが命も常にあらぬか昔見し象の小河を行きて見むため(大伴旅人)

あふれる緑

2012-09-11 | 【樹木】ETC
 私は多摩に住んでいる。
 近隣には、まだ緑が多い。
 道を歩き、眼前に広がるあふれるばかりの緑を見て、ふと脳裏に浮かんだ。
 もし、この緑が戦禍で焼け果てたり、天変地異で枯れ果てたりしたら・・・・。
 荒涼とした風景を想像した。
 そして、思った。
 そういうことが起きないようにしなくてはと。
 緑があるからこそ、こころもゆたかでいられると。 

戦国武将の歌

2012-09-03 | 読書
【本の紹介】
●戦国武将の歌/綿抜豊昭著/笠間書院/2011年3月25日発行/1260円(税込み)
 笠間書院発行の「コレクション日本歌人選」シリーズの一冊。主に歌人単位で編まれていて、一首ごとに分かりやすい現代語訳と解説が付けられている。この一冊は、信長、秀吉、家康をはじめ、名だたる武将たちの歌が集められている。歌そのもののレベル云々でなく、武将たちの性格、死生観などがにじみ出ていて、歴史理解を深めるよすがとなろう。「文」と「武」の関係、文弱な武将の末路のことなど興味深い。佐々成政の一首「何事もかわりはてたる世の中を知らでや雪の白く降るらむ」