「ネイチャー・ボーイ」は、ナット・キング・コールが歌って、ヒットしたナンバーだ。
遙か遠い国から海こえ、山こえてやって来た不思議な少年
シャイで悲しげな眼をした少年
ある日、「愚か者と王さま」の話をした
それに、こんなことを言っていた
「素敵なのは、ひとを愛し、気持ちが通じ、愛されること」
ジャッキー・マクリーンのアルバム「ネイチャー・ボーイ」(1999 サムシンエルス)。
1999年の録音と言うことは、わたしの聞いているジャズの中では、もっとも新しいくらいだ。
演奏しているのは、以下の4人。
ジャッキー・マクリーン(as)
シダー・ウォルトン(p)
デヴィッド・ウィリアムス(b)
ビリー・ヒギンズ(ds)
なんだか、ピアノ、おもしろい。
1.あなたは、愛のなんたるかを知らない
2.ネイチャー・ボーイ
3.言い出しかねて
4.恋とは何でしょう
5.とてもたやすく恋に落ちた
6.煙が目にしみる
7.スター・アイズ
8.バークリー広場のナイチンゲール
ジャッキー・マクリーンの吹くアルト・サックスの音色、時にしっとり、切なげである。
その魅力を改めて感じた。
「ネイチャー・ボーイ」、不思議な少年のロマン、どこか悲しげ、愉しませてくれる。
Love is now the stardust of yesterday
The music of the years gone by
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Sometimes I wonder why I spend
The lonely night dreaming of a song
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But that was long ago
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ジャズ・スタンダードの名曲「スターダスト」を以下で聞く。
男性ヴォーカルで、フランク・シナトラ、パット・ブーン、ナット・キング・コール。
女性ヴォーカルで、キーリー・スミス、サラ・ヴォーン。
ヴォーカルでは、ナット・キング・コールのが、いいかな。
一般に、耳になじんでいるのは、フランク・シナトラかな。
インスツルメントで、ジャンゴ・ラインハルトが、コールマン・ホーキンスのテナーとともに演奏するのを聞いた。
1935年録音の古いアルバム「イン・メモリアル」で。
他に誰か、演奏していただろうか。
ゲオルク・フィリップ・テレマン
水上の音楽:WATER MUSIC(ハンブルクの潮の満干)《管弦楽組曲》
ムジカ・アンティクァ・ケルン(ポリドール ARCHIV)
1.Ouverture
2.眠るテティス
3.目覚めるテティス
4.恋に落ちたネプトゥーン
5.Die spielenden Najaden
6.Der scherzende Trionus
7.Der stürmende Aeolus
8.Der angenehme Zephir
9.Ebbe und Fut
10.Die lustigen Bootsleute
休日の朝、潮の満ち干を、寄せてはかえす波を。
カウント・ベイシー・アンド・ヒズ・オーケストラによる「ベイシー・イン・ロンドン」(Verve)。
1956年に、スウェーデンでライブ録音されたが、「イン・ロンドン」。
ジャケットの写真は、ロンドンで撮影。
当時、ロンドンでのコンサートが大成功をおさめており、そう言うアルバム名になったそうだ。
こういう誰もが楽しい気分になれるような、ノリノリのジャズ。
いつも、こういう演奏をするのもたいへんだろうな。
ビッグ・バンドのジャズを聞いたのは久し振りだった。
ジャッキー・マクリーンの「悪魔の踊り(デーモンズ・ダンス)」。
その曲名にひかれて、CDを買った。
演奏しているのは5人。
ジャッキー・マクリーン(as)
ウディ・ショウ(tp,flh)
レイモント・ヨハンセン(p)
スコット・ホルト(b)
ジャック・デジョネット(ds)
このアルバムには、6曲が収録、そのトップが「DEMON'S DANCE」。
1967年に録音されたが、世に出たのは1970年、ブルーノートから。
演奏への意気込みを感じさせるアルバムだ。
ジャッキー・マクリーンのアルト・サックスも、そこに彼の存在を感じさせる。
1.デーモンズ・ダンス
2.トイ・ランド
3.ブー・アンズ・グランド
4.スイート・ラブ・オブ・マイン
5.フルーゲ:Floogeh
6.メッセージ・フローム・トレーン
「フルーゲ」とは、何のことだろうか。
バルネ・ウィランのサックス、マル・ウォルドロンのピアノで「黒いオルフェ」。
ウィランのアルバム「ふらんす物語」(アルファレコード)で聞く。
この曲は、ポール・デスモントの「テイク・テン」で、聞くことが多い。
その前は、スタン・ゲッツ、ゲイリー・マクファーランドの「ビッグ・バンド・ボサ・ノヴァ:黒いオルフェ」で。
気温があがってくる季節の夕方、聞きたくなる曲だ。
アルベール・ルーセルの代表作のひとつ「交響曲第3番」。
チャールス・デュトワ指揮、フランス国立管弦楽団で聞く。
第1楽章、激しいリズムではじまる。勇敢な武者があってくるような。
第2楽章、静かなはじまり。美しい山並みを眺めるような。
第3楽章、宮殿でワルツ、舞踏会の雰囲気。
第4楽章、ロマンの香りただよう交響曲。
per violoncello e piccola orchestra「スノヴィデーニアへの回帰」は、ルチアーノ・ベリオの1976-77年の作品。
「スノヴィデーニア」とは、「郷愁を誘う夢」の意だそうだ。
政治がらみの思いがバックにあっての曲である。
「スターリン主義に裏切られた夢」・・・・。
ピエール・ブレーズ指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、SONYで聞く。
「ケニー・ドリュー・トリオ」、スイング・ジャーナル誌選定ゴールドディスクのアルバムである。
パウエル派のピアニストであるケニー・ドリューが、軽快なタッチで演奏し、多くの人に、「これは分かり易く、気分良く聞ける。ジャズを愉しめる」と感じさせたものである。
1956年に録音され、リバーサイドからリリースされている。
トリオのメンバーは、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。
確かに、ジャズを音として愉しむにはいいかも知れぬ。しかし、音プラス人として受けとめようとするとどうだろうか。
ジャズを愉しむには、演奏者の個性・性格を音を通じて感じ取るところにもあると思う。
これは、特異であればあるほど魅力があると。
いささか、いちゃもんかな。
収録曲は、8曲。
1.キャラバン
2.降っても晴れても
3.ルビー、マイ・ディア
4.ウィアード・オー
5.テイキング・ア・チャンス・オン・ラブ
6.星に願いを
7.ブルース・フォー・ニカ
8.イッツ・オンリー・ア・ペイパームーン
ロレンザッチョ・シンフォニー
シルヴァーノ・ブソッティ作曲
北ドイツ放送交響楽団
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
もともと歌劇として作られたものの管弦楽曲化のようだ。
ロレンザッチョとはロレンツィーノ・デ・メディチのこと。
そんなに長い曲ではないので、久し振りにブソッティを聞いてみようかと思った。
現代曲である。
映像があって、それにともなう方がいい曲かな。
グラモフォンからの2枚組のCDに収められているが、他に2曲。
・The Rara Requiem:ラーラ・レクイエム
・Bergkristall:バレエ音楽“水晶”
「フィエスタ:Fiesta」は、チャーリー・パーカーのVerve(ヴァーヴ)からのアルバム。
1951~1952年録音で、ラテンのリズムにのっての演奏。
チャーリー・パーカー(1920~1955)は、ディジー・ガレスピーとともに、ビバップの創始者とされる。ガレスピーとは、ともに演奏もした。
薬物依存症に苦しみ、直接の死因は心臓麻痺だが、34歳でなくなっている。
1.ウン・ポキート・デ・トゥ・アモール
2.ティコ・ティコ
3.フィエスタ
4.ホワイ・ドゥ・アイ・ラブ・ユー
5.ホワイ・ドゥ・アイ・ラブ・ユー
6.ホワイ・ドゥ・アイ・ラブ・ユー
7.ママ・イネズ
8.ラ・クカラチャ
9.エストレリータ
10.ビギン・ザ・ビギン
11.ラ・パロマ
12.マイ・リトル・スエード・シューズ
久し振りに、大好きなチャールズ・ミンガス。
LP「直立猿人」のSIDE ONE 、「ピテカントロプス・エレクトス」と「ア・フォギー・ディー(霧深き日)」。
1956年録音、アトランティック。
先日、テナー・サックスのJ.R.モンテローズのアルバムに接して、「直立猿人」では、どうだったろうかと思った次第。
ホーンは、アルト・サックスのジャッキー・マクリーンと二人である。
ピアノは、マル・ウォルドロン、ドラムスは、ウィリー・ジョーンズ。
チャールズ・ミンガスがつくり出す音楽は、妙な屈託がなくて気持ちいい。
SIDE TWOに、ミンガスがジャッキー・マクリーンのために作った「ジャッキーの肖像」、もう一曲「ラブ・チャント」。
ペンデレツキ作曲の「ルカ受難曲」、凄く迫力がある。
ペンデレツキ指揮、ポーランド国立放送交響楽団(argo)で聞く。
2部構成で、第1部は、「キリストの受難」。
1.「ああ唯一の望みである十字架よ」
2.オリブ山の祈り
3.アリア「神よ、私の神よ」
4.アリア「主よ、あなたのみ許に住まうのは誰ですか」
5.イエスの捕縛
6.エレミアの哀歌
7.「主よ、どうして長い間、遠ざかっておられたのですか」
8.ペテロの否認
9.アリア「私をお裁きください、神よ」
10.最高法院の審問
11.エレミアの哀歌
12.「私を憐れんでください、神よ」
13.ピラトの審問
なんとなく接する曲じゃない。
第2部は、「キリストの死」
「ヴィオラとピアノのためのロマンスとエレジー:Romances and Elegies for Viola and Piano」、日本では、「エレジー」と名づけられているアルバム。
サブ・タイトルは、「陽炎の憂愁」。
1985年、ニューヨークで録音、ECMからのCD。
キム・カシュカシャンのヴィオラとロバート・レヴィンのピアノのデュオで、7曲が収録されている。
ヴォーン・ウィリアムズの「ロマンス」、エリオット・カーターの「エレジー」、ゾルタン・コダーイの「アダージョ」を聞いた。
高原での休日、緑なす庭園を眺めて、お茶を飲むとき、流れていてもいいな。
デューク・ジョーダンの1955年のアルバム「トリオ&クインテット/デューク・ジョーダン」(Savoy)。
日を別けて演奏されたトリオでの5曲とクインテットでの5曲が収録されている。
演奏メンバーは、以下の通り、トリオは、ピアノ、ベース、ドラムである。
デューク・ジョーダン(p)
パーシー・ヒース(b)
アート・ブレイキー(ds)
セシル・ペイン(bs)
エディー・バート(tb)
1.フォアキャスト
2.サルトリー・イブ
3.私からは奪えない
4.チュニジアの夜
5.サマータイム
6.フライト・トゥ・ジョーダン
7.トゥー・ラブズ
8.キューバ
9.イエスタデイズ
10.スコッチ・ブルース
収録曲は、ジョーダンおなじみのものが多い。
これのあと、おなじみになるのかな。
静かで落ち着いた哀調が癒しをもたらす。
後半クインテットのは、バリトン・サックス、トロンボーンが音に膨らみをつけている。
デューク・ジョーダンのアルバムはいつも満足させてくれる。