「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」

2021-05-31 | 【断想】音楽

 ウェス・モンゴメリーの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」。
 「ソリチュード」と言う2枚組LPアルバムのラストに収録されている。
 1965年、BYGからのアルバム。
 演奏には、テナー・サックスのジョニー・グリフィンが加わっている。
 このアルバムでは、この曲だけに。
 ちなみに、収録曲全体。
 ・4オン6
 ・ウェス・リズム
 ・インプレッションズ
 ・トゥ・ホエン
 ・ミスター・ウォーカー
 ・トゥ・ジャンゴ
 ・ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
 ・ラウンド・アバウト・ミッドナイト


アランフェス協奏曲

2021-05-31 | 【断想】音楽

 ホアキン・ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」(1939)を以下で聞く。
 ペペ・ロメロ(g)
 SR.NEVILLE.MARRINER(指揮)
 ACADEMY OF ST MARTIN IN THE FIELDS
 PHILIPS  
  アランフェス(Aranjuez)は、地名。
 マドリードの南方48キロばかりのところで、スペイン王室の美しい宮殿と庭園がある。
  ここのところ、ジム・ホールのギターで聞くことが多い。
 第2楽章の部分である。


“ジェラシー”

2021-05-29 | 【断想】音楽

 「ジェラシー」と言う言葉を知ったのは、中学生になった頃だったと思う。
 外国映画にからんで、友だちが、「ジェラシー」と言う言葉を使っているのを聞いて、果たして、それはどんな気持ちのことなのだろうと思いめぐらしていたことを覚えている。
 要するに、わたしは、そのような感情をまだ知らなかったのである。
 人の感情も、言葉とともに育っていくようである。
 さて、デューク・ジョーダンの「ジェラシー」なるアルバム、このタンゴの名曲をどのように弾いているのだろうかと手にした。
 1983年、マシュマロ・レーベルからのアルバムである。
 収録曲10曲中、9曲が、デューク・ジョーダン(p)、イェスパー・ルンゴー(b)、エド・シグペン(ds)の3人で演奏されている。
 10番に、クリスチャン・ヨルゲンセンのバイオリンがはいる。
 1.木の葉の子守歌
 2.ジェラシー~キス・オブ・スペイン
 3.ドント・プレイム・ミー
 4.コール・ミー・トゥ・ユア・アームス
 5.スネッカースティンからの夜汽車
 6.ベリー・ロール・ブルース
 7.アンネリース
 8.ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン
 9.チョコレート・シェイク
 10.オー・プリヴァーヴ
 デューク・ジョーダンの生真面目そうな顔はいただけないが、そのピアノの楽しげで、哀しげな音は、カカオの多いチョコレートをかじったときのような味がする。
 「ジェラシー~キス・オブ・スペイン」は、2曲がメドレーで演奏されている。
 やるせなさとそこからの苦い解放感が奏でられる。


ブック・オブ・バラーズ

2021-05-29 | 【断想】音楽

 カーメン・マクレエの名前は、以前から知っているが、しっかりと聞いたことはないように思う。
 何処かで耳にした歌が、気に入らなかったからだろうか。
 そうだろうかと、まず、油井正一著の「CD付、ジャズ・レディス・ヴォーカル」(H2 主婦の友社)に収められていた「トゥ・クロース・フォー・カムフォート」を聞いた。
 凄く迫力のある声・歌唱だと感じた。
 評判の高いアルバム「ブック・オブ・バラーズ」(1958 Kapp)を聞いてみようと思った。
 その前に、カーメン・マクレエの基礎知識。
 1922年、ジャマイカ出身の両親のもと、ニューヨーク生まれる。
 1994年に、カリフォルニア州ビバリーヒルズで逝去、74歳だった。
 8歳からピアノを学び、家にはジャズのレコードがいっぱいあったと言うことだから、ある程度恵まれた環境に育ったのかも知れぬ。
 16歳の時に「ドリーム・オブ・ライフ」なる曲を作る。
 この曲は、なんとビリー・ホリディによって歌われ、レコーディングされることになる。
 そして、それが契機で、ジャズの世界に入ることになる。
 はじめの頃は、ヴォーカリストと言うより、ピアニストとして活動したそうだ。
 しかし、次第にヴォーカリストとしての実力が認められるようになり、クラブ歌手として歩むことになる。
 彼女は、大ホールのステージで歌うのでなく、ジャズ・クラブで、客を身近に感じながら歌うのを好んだそうだ。
 ジャズ・ヴォーカリストとしてのスタイルを、そこに見いだしていたようである。
 油井著では、カーメン・マクレエの項には、「ライブ・ジャズの女王」とのタイトルがつけられている。
 そして、その唱法は、いかにもジャズっぽいスキャットを多用することなく、歌詞を明瞭に丁寧に歌うものであると。
 客に、ささやくように歌ったと言われる。
 さて、予備知識はこれくらいにして、ラブ・バラード集となっている「ブック・オブ・バラーズ」を聞こうかと思う。
 収録曲は、以下の12曲。
 1.バイ・マイ・セルフ
 2.ザ・スリル・イズ・ゴーン
 3.いつ頃から
 4.ドゥ・ユー・ノウ・ホワイ
 5.マイ・ロマンス
 6.アズント・イット・ロマンティック(ロマンティックじゃない?)
 7.楽しい恋なら
 8.恋に落ちる時
 9.優しくしてね
 10.私には良すぎたあはた
 11.エンジェル・アイズ
 12.昨夜見し夢
 カーメン・マクレエの歌には、隅々まで行き届いた丁寧さを感じる。
 静かにジャズ・ヴォーカルを愉しもうと思ったら、カーメン・マクレエがいいのかな。
 歌詞の意味が理解できたら、いいのになあと思う。


面なの舞

2021-05-27 | 読書

 謡曲「定家」を読む。
 金春禅竹の作とされ、古くは「定家葛」とも言った。
  主人公は、式子内親王の亡霊である。
 フィクションでのことではあるが、式子内親王の生涯は、「面なの舞」だったのかと思う。
 舞台は、花の都の千本あたり、藤原定家が建てた「時雨の亭」、式子内親王の塚があるあたり。
 藤原定家の「邪淫の妄執」が、葛となって、式子内親王の塚にまとわりつくのを、旅の僧が読経をもって慰めるというストーリーである。
 「憂き恋せじと御祓せし、・・・」式子内親王であつたが、藤原定家と契りをかわし、死して後も、「御覧ぜよ、身は仇波の立ち居だに、亡き跡までの、苦しみの、定家葛に身を閉じられて、かかる苦しみ隙なき所に、・・・」と言うことであったのである。
 やるせない話であり、人の愛の妄なることを思う内容である。
 でも、全体として、インパクトが薄い感じがする。


アモール・・・・

2021-05-27 | 【断想】音楽

 いつしか、わたしのCDケースに、エディ・ヒギンズのものが、12枚にもなっている。
 エディ・ヒギンズのジャズは、クリエイティビティと言う観点からは、どのように評価されているのだろうか、いずれにしろ、親しみ、愉しむと言う面からは、おおいに称賛されていいと思う。
 多くのスタンダード・ナンバーが取り上げられており、そのメロディがしっかり演奏されているところがいい。
 つまり、それぞれの曲の魅力となっている元のテーマが聞き取りやすく演奏されているのである。
 インプロヴィゼーションがすぎて、原形がわかりにくいとき、エディ・ヒギンズで聞き直すということをやるわけである。
 エディ・ヒギンズが、インプロヴィゼーションをやらないわけではない、原テーマを示したあとに、おおいにやっているのである。
 これらは、どう評価されているのだろうか。
 エディ・ヒギンズのアルバムは、いずれも、ヴィーナス・レコードからのもので、録音はとてもいい。
 ジャケットも、女性モデルの写真を使っていて、魅力的である。
 演奏の基本は、ピアノ、ベース、ドラムのトリオである。
 時に、テナー・サックスのスコット・ハミルトンのフューチャリング等がある。
 1.魅せられし心(1997.06)
 2.アゲイン(1998.10)
 3.ベッドで煙草はよくないわ(2000.02)
 4.魅惑のとりこ(2001.01)
 5.煙が目にしみる(2001.10) +ts
 6.マイ・フーリッシュ・ハート(2002.09) +ts
 7.懐かしのストックホルム(2002.09)
 8.イフ・ドリームス・カム・トゥルー(2004.07)
 9.マイ・ファニー・バレンタイン(2004.09) +ts
 10.アモール(2005.11)
 11.恋に過ごせし宵(2006.10)
 12.イッツ・マジック(2006.10) +ts,cla
 2005年の「アモール」を聞きながら、以上、備忘メモとした。
 このアルバムの演奏メンバー。
 エディ・ヒギンズ(p)
 ショーン・スミス(b)
 ジョー・アシオーネ(ds)
 収録曲
 1.ビギン・ザ・ビギン
 2.ムーン・ワズ・イエロー
 3.愛の悲しみ
 4.ペンサティバ
 5.ある恋の物語
 6.ジェラシー
 7.カリニョーソ
 8.アモール
 9.パーフィディア
 10.モーニング
 11.コパカバーナの夜
 ラテンの「ジェラシー」。魅惑的である。


「イパネマの娘」

2021-05-26 | 【断想】音楽

 アントニオ・カルロス・ジョビンの「イパネマの娘」(1963 ヴァーブ)。
 英語表記のジャケットには、「イパネマの娘」との表示はない。
 以下の通りである、「作曲者自身による演奏」と。
 THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS ANTONIO CARLPS JOBIN
 12曲の収録曲の最後を飾るのが、DESAFINADO(ディザフィナード)で、それが使われている。「調子はずれ」といような意味らしい。
 日本では、「イパネマの娘」が知れ渡っており、そういうことになったのだろう。
 ストリングスが活かされ、フルートの音色が美しい。
 ジョビンはピアノを弾いている。


限りなきドラム

2021-05-25 | 【断想】音楽

 マックス・ローチの「限りなきドラム:DRUMS UNLIMITED」(1967 アトランティック)。
 マックス・ローチ(ds)
 ジェームス・スポールディング(as)
 フレディ・ハバード(tp)
 ロニー・マシューズ(p9
 ジミー・メリット(b)
 Side-1 1.ザ・ドラム・オルソー・ワルツ
    2.ノモ
    3.限りなきドラム
 Side-2 1.セントルイス・ブルース
    2.フォア・ビッグ・シド(シド・カトレットに捧ぐ)
    3.イン・ザ・レッド(A XMAS CAROL)
 モダン・ドラムの確立者と言われるマックス・ローチの名演盤。
 アルバム名となっている「限りなきドラム」は、ドラム・ソロ。
 ドラムのソロと言うのは、曲としては、面白くない。マックス・ローチが、どのように叩くかと言う角度からは、聞くかも知れぬが。
 まじめに、一生懸命やっているようだが、なんだか面白くない。


セント・ルイス・ブルース

2021-05-25 | 【断想】音楽

 1.ルイ・アームストロングの「プレイス・W.C.ハンディ」から。
   文句なしに楽しい。CD盤で聞いた。
 2.エラ・フィッツジェラルドの「ザ・1961・アムステルダム・コンサート」から。
   さすが、エラ。たくみなスキャット、素晴らしい。テンポはやい。
 3.マックス・ローチの「限りなきドラム」から。
   フレディ・ハバードのトランペット、ジェームス・スポールディングのアルト。
 4.ハービー・ハンコックの「ガーシュウィンズ・ワールド」から。
   スティービー・ワンダーのヴォーカル、ハーモニカ入り。
 5.エディ・ヒギンズの「イフ・ドリーム・カム・トゥルー」より。
   もとのメロディ・ラインがはっきりしていて、聞きやすい。
 6.デューク・ジョーダンの「ブルー・デューク」から。
   これもメロディ・ラインがはっきりしていて、楽しく聞ける。
 有名な「セント・ルイス・ブルース」を幾つかの歌唱、演奏で聞いてみた。
 何というか、ルイ・アームストロングのヴォーカルが、耳の奥に響くなかでのことになる。


「奇妙な果実:STRANGE FRUIT」

2021-05-24 | 【断想】音楽

 ビリー・ホリディの「奇妙な果実」(1939,1944 COMMODRE RECORDS)
 THE GREATEST INTERPRETATIONS OF BILLIE HOLIDAY
 ザ・グレイテスト・インタープリテイションズ・オブ・ビリー・ホリデイ
 このアルバム、かつて、LPで持っていた。
 当時の住まいを訪ねてきた後輩に、それをあげたのをおぼえている。
 どうして、これをあげてしまったのだろうか。
 ともかく有名なアルバムである。
 ジャケットも赤茶色の顔面アップのインパクトの強いもので、一目見たら忘れられなくなる。
  また、「奇妙な果実」が何をさすか、それを知ると忘れられなくなる。
 人を差別し、その命までへとも思わぬ心、人の弱さ・愚かさ、他人事でないことを思わずにはいられなくなる。
 ビリー・ホリディの生涯については、彼女の自伝のこともあり、広く知られている。
 彼女の歌を聞くとき、それと無関係に聞くことは難しい。
 去年だったか、1958年録音の「レディ・イン・サテン」を聞いた。
 1959年に44歳で亡くなった彼女の晩年の作と言える。
 このアルバムのある紹介記事に、「奇妙な果実」のインパクトが強くて、このアルバムをそのように捉えがちになるが、収録曲はそれだけではないとの指摘があった。
 その通りである。それに、彼女生涯の暗い部分ばかり気にしないで、明るい部分や歌そのものにも耳を傾けて見た方がいいと。
 ビリー・ホリディの歌唱はなんとも素晴らしい。このアルバムでは、若いときの粗さ、晩年の衰えた声でない絶頂期を示すものが聞けると。
 それで、改めて、このアルバムを聞いてみようと思った。
 収録曲は、以下の16曲である。
 1.奇妙な果実
 2.イエスタデイズ
 3.ウァイン・アンド・メロウ
 4.ブルースを歌おう
 5.ハウ・アム・アイ・トゥ・ノウ
 6.マイ・オールド・フレーム
 7.アイル・ゲット・バイ
 8.水辺にたたずみ
 9.アイル・ビー・シーイング・ユー
 10.アイム・ユアーズ
 11.エンブレイサブル・ユー
 12.時の過ぎゆくままに
 13.ヒーズ・ハァニー・ザット・ウェイ
 14.恋人よ我に帰れ
 15.アイ・ラブ・マイ・マン
 16,明るい表通り
 聞いていて感じたこと。
 ・声質の好みからするといまいち。
 ・歌詞の発音の明瞭さ
 ・音程の確かさ、それにともなう安心感
 ・とてもナチュラルな歌唱
 「奇妙な果実」は次のように歌われる。
 南国の木に奇妙な実がついている
 葉には血、根っこにも
  黒い肉体が揺れている・・・・
 首をくくられ、血をしたたらした黒人が木に吊され、揺れている光景である。
 「LOVER COME BACK TO ME」等、聞きやすい。


シティー・ライツ

2021-05-23 | 【断想】音楽

 リー・モーガンの初期の傑作アルバム「シティー・ライツ」(1957.8 Blue Note)。
 リー・モーガンは、1956年11月に、初リーダー・アルバムを録音。
 その年に3枚のアルバムを出し、続く年の作品となる。
 そして、1958年には、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズに加わり、その名をひろく知らしめることになる。
 このアルバムでは、ホーンが三本の六重奏となっている。
 リー・モーガン(tp)
 カーティス・フラー(tb)
 ジョージ・コールマン(as,ts)
 レイ・ブライアント(p)
 ポール・チェンバース(b)
 アート・テイラー(ds)
 みんな若々しく威勢がいい、これぞハード・バップと言う感じである。
 収録曲は5曲。
 1.シティー・ライツ(ベニー・ゴルソン)
 2.テンポ・デ・ワルツ(ベニー・ゴルソン)
 3.ユーア・マイン・ユー(ジョニー・グリーン)
 4.ジャスト・バイ・マイセルフ(ベニー・ゴルソン)
 5.キン・フォークス(ジジ・グライス)
 それぞれ、特徴のある曲のように思う。
 それぞれを、愉しみながら演奏している観である。
 各楽器のソロ、それぞれ魅力的である。
 「テンポ・デ・ワルツ」は、ワルツの響き、なんだか奇妙だけど面白い。
 リー・モーガンのトランペットの音、歯切れがよく、健康的。
 正道を歩んでいるようだ。


ブルー・デューク:BLUE DUKE

2021-05-22 | 【断想】音楽

  デューク・ジョーダン・トリオの「ブルー・デューク」(1983年録音、RVC)。
 トリオの顔ぶれ。
 デューク・ジョーダン(p)
 ハリー・エメリー(b)
 ジェームス・マーティン(ds)
 収録された9曲のうち6曲が、ジョーダンの作。
 他に、ジェローム・カンの「君はわがすべて」、デューク・エリントンの「C・ジャム・ブルース」、W・C・ハンディの「セントルイス・ブルース」。
 ジョーダンの曲は、おなじみの「ノー・プロブレム」と「ジョー・ドゥ」の2曲と新作の4曲。
 「ノー・プロブレム」については、これまで他のアルバムでも何度も聞き、それぞれ工夫があってよかったが、この演奏もそれにも増していい。ジョーダンの卓越した才を感じる。イントロが異なり、何度聞いてもあきさせないのである。
 「C・ジャム・ブルース」では、ハリー・エメリーのベース・ソロが耳をそばだたせる。
 新作の「フロム・デューク・トゥ・デューク」は、デューク・エリントンに捧げられたもので、心が温められるところがある。
 ひとつのアルバムとして、とても充足感のあるもので、この一枚で、デューク・ジョーダンの魅力を存分に楽しめるように思う。


CASA FORTE

2021-05-21 | 【断想】音楽

 アルバム名となっている「CASA FORTE(カーザ・フォルテ)」は、9曲目に収録されている曲の名前、ブラジル北東部の地名であるようだ。
 地図を開いてみたが、見つからなかった。
 新宿のディスク・ユニオンでヘレン・メリルのところに、日本語で「クール&ボッサ」と名付けられたCDがあり、聞いてみようかと買ったのが、このアルバムだ。
 「“ニューヨークのため息”ヘレン・メリルがささやきかける涼しくて、都会的なブラジリアン・ワールド」と言う宣伝文句に魅かれた。
 1980年にニューヨークで録音され、徳間ジャパンコミュニケーションズから発売されている。
 この9曲目の「カーザ・フォルテ」には、歌詞はない。
 即興スキャットで歌われる。ブラジルの音楽家エドウ・ロボと言う人の作品。
 宣伝文句に偽りはなく、ゆったりした気分で聞けるアルバムだ。
 ヘレン・メリルが歌っているからであろう。


クール・ストラッティン

2021-05-20 | 【断想】音楽

 ソニー・クラークをリーダーとしたアルバム「クール・ストラッティン」。
 1958年に、ブルー・ノートからリリースされた名盤の誉れ高い一枚。
 「クール・ストラッティン」は、英語で「COOL STRUTTIN'」。
 strutは、動詞で「気取って歩く、もったいぶって歩く」、名詞で「気取った歩き方、もったいぶった歩き方」というような意味。
 struted,strutting と用いられる。
 「クール・ストラッティン」は、和訳するなら、「クールな気どり歩き、いかした歩き方」と言うようなところであろうか。
 レコード・ジャケットは、リード・マイルスによるもので、ハイヒールで颯爽と歩く女性の足もとをアップした写真、一度見たら、印象にのこるものである。
 演奏メンバーは、以下の5名、いずれも名だたるジャズメン。
 ソニー・クラーク(p)
 アート・ファーマー(tp)
 ジャッキー・マクリーン(as)
 ポール・チェンバース(b)
 フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
 収録曲は、以下の6曲。もとのLPでは、1から4の4曲。
 1.クール・ストラッティン
 2.ブルー・マイナー
 3.シッピン・アット・ベルズ
 4.ディープ・ナイト
 5.ロイヤル・フラッシュ
 6.ラバー
 ソニー・クラークは、気の弱い人で、世の中の軋轢から逃れるため薬にたよったと言われる。
 1963年、ヘロインの過剰摂取による心臓麻痺で、31歳の若さで亡くなっている。
 そのピアノの音は、かまえることなく接することができる。
 卓越した技能、ジャズへの熱い思い、発せられる音にはしゃんとした姿勢が感じられる。
 安心して、ハイレベルな音に耳を傾けられる。
 アート・ファーマーやジャッキー・マクリーンの管楽器もいい。
 この二人、刺激しあって、それぞれのよさをアップさせているように感じる。


キャンディ

2021-05-20 | 【断想】音楽

 トランペット奏者であるリー・モーガンのワン・ホーン・アルバム「キャンディ」。
 1958年、ブルー・ノートからのファンキーな演奏で知られる一枚である。
 6曲収録されているトップが、アルバム名となっている「キャンディ」。
 「キャンディ」の演奏は、ジャズの基本形がとられ、次のように展開される。
 アート・テイラーのドラムスによるイントロダクション。
 そして、リー・モーガンが小気味よくテーマ・メロディを奏でる。
 続いて各楽器のアドリブ・ソロ、ソニー・クラークのピアノ、リー・モーガンのトランペット、ダグ・ワトキンスのベースと。
 ソニー・クラークのピアノは「これぞジャズ」と感じさせてくれる。
 嫌味なところのない気持ちのいいピアノである。
 リー・モーガンのトランペットは、キレがあって若々しく素敵だ。
 そして、ドラムスとトランペットのフォーバーシス。
 ラストはテーマ・メロディにもどる。