〈嫉妬〉

2024-07-30 | 【断想】音楽

 エディ・ヒギンズで“ジェラシー”を聞く。
 ものたりない。
 デューク・ジョーダンで“ジェラシー~キス・オブ・スペイン”を聞く。
 なんか物足りない。
 アルフレッド・ハウゼで聞いてみようか。
 やめとこう。
 そうだ、チェット・ベイカーとデューク・ジョーダンの“キス・オブ・スペイン”を聞こう。


“死の博物誌”

2024-07-30 | 読書

本棚の取り出しやすいところに石原慎太郎の詩集「風の神との黙約」(昭和50年 北洋社)がしまってある。
時折、取り出して開く。
そんなとき、いつも読む箇所があることに気づく。
詩のタイトルは「少年」。
「死」と「少年」・・・・
それは、僕にとっての石原慎太郎
“死の博物誌”が石慎太郎なのだ。


「いないいないばあ」

2024-07-30 | 読書

 金沢で中学生の頃、映画館に行く道の途中だった。
 友だちが、“ジェラシ-”言う言葉を教えてくれた。
 それで、そう言う感情も理解するようになった。
 僕が友だちによって知ったことやものは多い。
 東京で、国立に住んでいた頃、秋吉久美子ファンの友だちがいた。
 街角の小さな喫茶店で、“嫉妬:ジェラシー”と言う詩を読んだ。
 秋吉久美子の詩集「いないいないばあ」(昭和50年 講談社)の中の一遍。
  あたしのキライな
  「陸上カバ的ブス」の
  ヨシエ  が
  あたしの大スキな
  「ラジカル・インテリ風ニヒリスト的秀才」の
  上野君と
  交わったらしいという

  両成敗?

  否!
   
  ぶ女め ぶ女めと
  ヨシエの方だけを
  ののしりながら
  ベッドにひっくり返って
  煙草を吸ってやった

 ずっと後に、デューク・ジョーダンのピアノで“ジェラシー”を聞いた。
 


牧場は緑に・・・・

2024-07-29 | 【断想】音楽

 「カルミナ・ブナーラ」は、11世紀から13世紀頃のヨーロッパで、当時の社会でエリート・コースからはずれたようなインテリが、世を辛辣に生々しく批判したりした歌曲を作り、それらを集めたもの。
 以前、フィリップ・ピケット指揮、ニュー・ろんどん・コンソートのものを聞いたことがある。
 今回は、以下の盤で聞く。
 「カルミナ・ブナーラ~12世紀のオリジナル手稿譜による」
 ルネ・クレマンシック指揮、クレマンシック・コンソート
 1974年録音、harmonia mundi
 CDには、20曲収録されている。
 僕は、この時代の俗謡が好きだ。
 歌っている内容とは関係なく
 音楽そのものの穏やかなトーンが
 長閑である
 現代とは、時間の流れ方が違うという感じだ
 「牧場は緑に」等、器楽だけのもいい。  


“家路”

2024-07-28 | 【断想】音楽

 ロン・カーターの「オルフェ」で、“ゴーイン・ホーム:家路”を聞く。
 ロン・カーターの美的センスがあふれている。
 美しすぎると感じる人もいるだろう。
 この演奏の“家”のある故郷は、南国の天国のようなところだ。
 ボサノバのアルバム。
 テナー・サックスを吹いているのは、ヒューストン・パーソンなる方。


“ゴーイン・ホーム”

2024-07-28 | 【断想】音楽

 モダンジャズとして演奏される「ゴーイン・ホーム(家路)」。
 サキソフォーン奏者による場合が多い。
  これまでに、アルバート・アイラー、アイク・ケベック、アート・ペッパー、アーチー・シェップで聞いた。
 ベーシストのロン・カーターをリーダーとした演奏もある。
 この中で、繰り返して聞くことのあるのは、アルバート・アイラー、アイク・ケベック、アート・ペッパーの三人だ。
 さて、一人プラスになるだろうか。
 今ここに、一人プラスなるかというところである。
 この前から、聞いてみたいと思っていたアルバムがあった。
 それは、ジョージ・アダムスの「ナイチンゲール」(1988サムシンエルス)である。
  その中に、“ゴーイン・ホーム”が収録されている。
 ジャズ・アルバムのガイドブックで、ある評者は、ジョージ・アダムスには、胸に深く迫るものがあると言いつつ、「・・・もちろんこれは異色の作品であって、甘さだけのアルバムは一枚で結構。・・・」と語っていた。
 いかなるスタイルの演奏であろうと、人のハートをつかまない音楽というのは、さみしいのでなかろうか。
 フリー・フォームであろうが、アルバート・アイラーは、胸に迫る。
 そして、そこに、その人の本質を感じる。
 ジョージ・アダムスの音には、何かあると感じていた。
 それで、このアルバムを聞きたいと思った。
 〈パーソナル〉
 ジョージ・アダムス(ts,ss,fl)
 ヒュー・ロウソン(p)
 シローン(b)
 ヴィクター・ルイス(ds)
 〈トラック・リスト〉
 1.明日に架ける橋
 2.この素晴らしき世界
 3.クライ・ミー・ア・リバー
 4.バークリー広場のナイチンゲール
 5,ムーン・リヴァー
 6.プレシャス・ロード・テイク・マイ・ハンド
 7,オール・マン・リヴァー
 8.ゴーイン・ホーム
 「プレシャス・ロード・テイク・マイ・ハンド」、「オール・マン・リヴァー」、「ゴーイン・ホーム」の3曲に、特に、魅力を感じた。
 「ゴーイン・ホーム」では、フルートが使われている。
 それはそれでいいが、サックスでもやってもらえないだろうかとも思う。 


“リラクシン”

2024-07-26 | 【断想】音楽

 “リラクシン・ウィズ・ホレス”(2004 STUNT)
 ホレスとは、ジャズ・ピアニストのホレス・パーランのこと。
 ベースのイェスパー・ルンゴーとドラムのエド・シグペンとのトリオでの演奏アルバムである。
 老人となったパーランが、リラックスして、ピアノにむかっている。
 そう、老人が三人、音楽を愉しんでいるという感じである。
  ホレス・パーランもコペンハーゲンに居を移したジャズメンの一人。
 わたしが好きになるピアニストには、そう言う人が多い。
 はじめの1曲を聞く。
 なんとなくぼんやりと聞ける。
 就寝前にいいな。
 音を追うと、その人がどんな気持ちで弾いているかがわかる。
 〈トラック・リスト〉
 1,LIKE SOMEONE IN LOVE
 2.DON'T TAKE YOUR LOVE FROM ME
 3.THINKING OF YOU
 4.THEME FOR ERNIE
 5.FOR HEAVENS SAKE
 6.EVERYTHING HAPPENS TO ME
 7.LOVE AND PEACE
 8.EVERYTIME WE SAY GOODBYE
 9.BLUES FOR HP
 10.NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU ARE DOWN AND OUT


“レア”ピアソラ

2024-07-18 | 【断想】音楽

 アストル・ピアソラの「ブエノスアイレスの夏~ピアソラ・レア・トラックス」(アルゼンチン・ポリドール)。
 1965年~67年の間に録音され、シングル盤他でリリースされはしたものの、それっきりになって、改めて聞こうとすると困難を極めていたいたものが、集められ、CD化されたアルバムとのこと。
 新宿のディスク・ユニオンでこのCDを手に取って、ひかれたのは、収録曲の曲名だった。
 「革命家」、「闇の女グラシエラ」、「薔薇と燕たち」・・・・。いったいどんな曲なのだろうと、期待が膨らむものだった。
 〈アルベルト・ロドリゲス・ムニョス作「金の垂れ髪」の音楽〉
 1.ブエノスアイレスの夏
 2.ゲートルのリズムで
 3.セ・ラムール
 4.トレス・サルヘントス
 〈革命家とアルフレド・ゴビの肖像〉
 5.革命家
 6.アルフレド・ゴビの肖像
 〈アストル・ピアソラ=エグレ・マルティン〉
 7.私自身の肖像
 8.闇の女グラシエラ
 9.薔薇と燕たち
 〈タンゴの歴史 第3集~40年代(未完成)〉
 10.ウノ
 11.スール(南)
 12.マレーナ
 13.ペルカル
 〈ボーナス・トラック:弦楽オーケストラ(パリ録音)〉
 14~17 ノニーノ、セーヌ川他
 以上が収録曲である。
 いつだって、惹きつけられてしまう。
 ワープロを打ちながら聞いていても、その音はしみこんでくる。
 こう言うのは珍しいことである。
 ピアソラの生演奏、聞きたかったな。


“ディシジョン”

2024-07-18 | 【断想】音楽

 ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテットによる「ディシジョン」。
 タイムレス・レーベルから、1984年に出されたアルバム。
 「アース・ビームス」(1980)、「ライフ・ライン」(1981年)の流れのなかにある作品。
 以下を、何回かのタイミングで聞いた。
 ジョージ・アダムスもドン・ピューレンも、その音はいい。
 好ましいものである。
 フリー・スタイルのところにも、単なるこけおどし的なものはなくて、感じがいい。
 だけど、僕は、何か物足りなさを感じる。
 求めても、仕方ないが、60年代、70年代にあった「熱」がないように感じる。
 ジョージ・アダムスがいいと感じたのは、ミンガスとのプレイでであつた。
 古い世代があって、僕はよさを感じるのか。
 でも、この感覚、今後、変化するかも知れないが。
 〈パーソネル〉
 ジョージ・アダムス(ts,fl,vo)
 ドン・ピューレン(p)
 キャメロン・ブラウン(b)
 ダニー・リッチモンド(ds)
 〈収録曲〉CDには、6曲収録されている。
 1.ツリーズ・アンド・グラス・アンドサングス
 2.ヒズ・アイ・イズ・オン・ザ・スパロウ
 3.メッセージ・アージェント
 4.ディシジョンズ
 5.トリプル・オーヴァー・タイム
 6.アイ・クド・リアリー・フォー・ユー


“オールド・フィーリング”

2024-07-15 | 【断想】音楽

 “オールド・フィーリング”は、ジョージ・アダムスがサムシンエルスの残した同じ曲調をもつ一連のアルバムの一枚である。
  “ナイチンゲール”(1988)
 “アメリカ”(1989)
 “オールド・フィーリング”(1991)
 誰かが、“ナイチンゲール”には、ジョージ・アダムスの激しいフリー・スタイルの魅力がないと批判していた。ジョージ・アダムスのよさは、そこにあるのだろうが、それだけではない。
 ゆえに聞いてみたいと思った。
 なんだか肩肘張ってなくてはいけないかのような言い方が不快だった。
 それで、“ナイチンゲール”をきいてみようと思った。
 だけど、CDショップで見かけなく、“オールド・フィーリング”があったので、入手した。
 〈収録曲〉
 1.ザット・オールド・フィーリング
 2.ザ・ワンダラー
 3.アズ・タイム・ゴーズ・バイ(時の過ぎるまま)
 4.メロディー・フォー・モネ
 5.素顔のままで
 6.ザ・クライ
 〈パーソネル〉
 ハンニバル・ピーターソン(tp)
 ジョージ・アダムス(ts,vo)
 ジャン・ポール・ブレリー(g)
 サンディ・デプリアーノ(b)
 ルイス・ナッシュ(ds)
 レイ・ギャロン(p)*3


“雨降りの日”

2024-07-14 | 【断想】音楽

 アート・ペッパーの1977年、東京におけるライブ。
 「ファースト・ライブ・イン・ジャパン」(ポリドール)。
 このアルバム、ホーンは、アート・ペッパーひとり。
 アルバムは、アート・ペッパーをリーダーとしたものようになっているが、実際の演奏メンバーからすると、カル・ジェイダー・セクステッドが、アート・ペッパーをゲストとしたと言える。
 4曲目の「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」がしっとりした感じで、よかった。
 このCDを入手した動機は、ペッパーで、「カーニヴァルの朝」を聞いてみたいと言うことだった
 〈パーソネル〉
 アート・ペッパー(as)
 クレア・フィッシャー(kb)
 オブ・フィッシャー(b)
 ピーター・リゾ(ds)
 パンチョ・サンチェス(per)
 カル・ジェイダー(vib)
 ボブ・レッドフィールド(g)
 〈トラック・リスト〉
 1.イントロダクション
 2.チェロキー
 3.ザ・スピリッツ・イズ・ヒア
 4.ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
 5.ストレート・ライフ
 6.マンテカ
 7.カーニヴァルの朝
 8.フェリシダージ


“ネイチャー・ボーイ”

2024-07-09 | 【断想】音楽

 ロレス・アレキサンドリアが歌う“ネイチャー・ボーイ”を「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」(1957~1964 SONY)と言うアルバムで聞く。
 「ディープ・ルーツ」(1962 CADET)と言うアルバムにも収録されている。
 いつか、機会があった、それも聞いてみたい。
 実は、「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」では、“ネイチャー・ボーイ”は、トップに収録されている。
 ショップで、それに気づいて、すぐさま、そのCDを購入したのだが、家で、持っていたロレス・アレキサンドリアのCDを取り出してみたら、中味が同じものを持っていた。
 ジャケットが違っていて、購入時に気づかなかったのだ。
 歌は、とてもいい。


“ライフ・ライン”

2024-07-01 | 【断想】音楽

 ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテットによる「ライフ・ライン」。
 1981年、オランダでのスタジオ録音、レーベルはタイムレス(アルファ・レコード)。
 タイムレスでの「アース・ビームス」(1980)につぐ、第二弾。
 このアルバムでは、ジョージ・アダムスのヴォーカルが聞ける(2曲目、4曲目)。
 〈パーソネル〉
 ジョージ・アダムス(ts,fl,vo)
 ドン・ピューレン(p)
 キャメロン・ブラウン(b)
 ダニー・リッチモンド(ds)
 〈収録曲〉CDには、6曲収録されている。
 1.ザ・グレイト・エスケイプ・オア・ラン・ジョン・ヘンリー・ラン
 2.セリアスリー・スピーキング
 3.ソフト・シーズ
 4.ネイチャーズ・チルドレン
 5.プロテクション
 6.ニューカマー:セブン・イヤーズ・レイター
 ジョージ・アダムス、ドン・ピューレンのエキサイティングな演奏からは、フリー・スタイルをよそおっているのではないのは聞き取れる。
 ただ、僕には、その叫びが何によるものであるのか、何を求めるものであるかが、掴めない。
 演奏された1980年頃というのは、45年くらい前になる。
 僕が、秘書家業をはじめた頃だ。
 世界的にも学生運動、学園紛争の時代が遠ざかり、世の中いくらか落ちついた頃なのだ。
 人には、いつの時代でも変わらぬものはあるのだが。