“悪魔との契約”

2019-01-30 | 【断想】音楽
 ニコロ・パガニーニ(1782-1840)の「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 op.6」。
 パガニーニの29歳の時、1811年に作曲されている。
 悪魔と契約を結んでいるとの噂を呼ぶパガニーニの超絶技巧。
 神との契約とならなかったのは、その風貌にもよるのか。
 パガニーニ自身も愛奏したという「第1番」を聞く。
 第2楽章は、とりわけヴァイオリンが際立つ。
 《サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)/シャルル・デュトワ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/PO》

「ロシアの哀愁」

2019-01-27 | 【断想】音楽
 ラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 OP40」。
 アシュケナージのピアノで聞く。
 《ハイティンク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団/LONDON》
 ラフマニノフの音楽、「ロシアの哀愁」がただようと言われる。
 アシュケナージのピアノ、キレがいい。
 こう言う曲に向いているのかな。
 曲に忠実にと言うか、個人的な思い入れが過剰にならない方がいい曲に。

ロシアからの・・・

2019-01-27 | 【断想】音楽
 ラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第3番 二短調 OP30」。
 マルタ・アルゲリッチのピアノで聞く。
 《リッカルド・シャイー指揮/ベルリン放送交響楽団/1982年ライブ録音/DECCA》
 あくまで調性を貫いたラフマニノフ、ゆえに、安心して耳を傾けられる。
 いわゆる「クラシック」として心置きなく楽しめる。

アルゲリッチの強い音

2019-01-20 | 【断想】音楽
 チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23」。
 マルタ・アルゲリッチのピアノで聞く。
 《キリル・コンドラシン指揮/バイエルン放送交響楽団/1980年ライブ録音/DECCA》
 ダイナミックな曲調、アルゲリッチの強い音、とてもいい。
 第1楽章の力強い出だしが、この曲の魅力か。
 ここのところ、どうしてか、人気「ピアノ協奏曲」に惹かれる。
 先日、この曲をアルゲリッチのピアノ、デュトワ指揮、ロイヤル交響楽団で聞いた。
 別のCDで聞いてみたいと思ったのだ。

「逢い引き」

2019-01-20 | 【断想】音楽
 人気があるラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18」を定評のあるアシュケナージのピアノ演奏盤で聞く。
 ハイティンク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、LONDONである。
 後期ロマン主義を代表する協奏曲と評されている。
 3楽章で構成され、第1楽章のはじめには「鐘の響き」を思わせるところがあると言われる。
 確かにそうである。キンコンカンと言うより、ガランガランに近いか。
 第1楽章には、2つの主題。揺らぎと朗々と歌うメロディ。
 ラフマニノフのメロディは伸びやかで、広々とした感じがあって気持ちいい。
 第2楽章には、ノクターン風抒情的旋律。わずらわしいことから解き放たれ、ひとり静かな夜を愉しむ感じ。
 第3楽章の第2主題は、映画「逢い引き」に使われ、広く親しまれるようになった。
 その旋律の印象は、「逢い引き」と言う恋情より、滔々と流れる大河のほとりで世のはるけきさへの想いか。

AT NEWPORT

2019-01-14 | 【断想】音楽
 バルトークの陰鬱なピアノを聞いたからだろう。
 ディジー・ガレスピーのあっけらかんとしたトランペットが聞きたくなった。
 「AT NEWPORT:ニューポートにて」というアルバム。
 1957年7月、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルのライブ。
 スイングジャーナル選定ゴールドディスクの一枚。VERVE盤。
 ガレスピー率いるビックバンドが、のりのりで。
 パーソネル:リー・モーガン、アル・グレイ、メルバ・リストン、ベニー・ゴルソン、ウィントン・ケリー、メアリール・ウィリアムス他。
 曲目は、「ディジーズ・ブルース」から、「チュニジアの夜」まで。

Out of doors

2019-01-14 | 【断想】音楽
 バルトークのピアノ曲、「Out of doors:Im Freien 戸外にて」(1926)を久し振りに聞いた。
 ピアノは、Erzsébet Tusa。
 1988年録音のHUNGAROTON盤。
 Volume2の1曲目は「Night music」、かつて、この曲についての解説を読んだことがある。
 確か、鋭敏な聴覚のことが書かれていた。
 遠い森の中の猫の声を聞き分けたと。
 子猫が楓の木に登り、降りれなくなっていたという話だったと思う。
 この曲を聞くと、それを思いだす。
 全体としては、愉しい曲ではない。
 重苦しさがつきまとう。
 だから、普段は聞かない。
 ついでに、アンドール・フォルデス(po盤)が演奏したのも聞いた。
 1955年、ハノーファーでの録音、モノラル。
 フォルデスの方が、音が強いが、やわらかく感じる。
 少しだけ救いを感じる。

ノルウェーからのピアノ

2019-01-14 | 【断想】音楽
 エドヴァルド・ハーゲループ・グリーグ(1843-1907)の「ピアノ協奏曲イ短調op.16」(1868)を聞く。
 《マタチッチ指揮/リヒテル:ピアノ/モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団/EMI》で。
 “民族主義的ロマン派協奏曲のチャンピオン”と言われる曲である。
 誰もが耳に馴染みがあり、親しみやすく、クラシック音楽を愉しむという気分にさせてくれる。
 第3楽章のピアノ、美しい。
 グリーグは、ノルウェーの人である。ドイツ-ロマン派影響を受けたが、ノルウェー国民主義の方向をとった。
 この曲は、グリーグが、ソプラノ歌手のニーナと結婚した次の年に書かれている。  

バッカス賛歌

2019-01-14 | 【断想】音楽
 「カルミナ・ブラーナ」から「バッカスよ、ようこそ」を聞く。
 ピケット指揮、ニュー・ロンドン・コンソート(PO盤)。
 俗謡で、次のように歌われている。
  バッカスは血管に
  熱い液体を注ぎ
  ヴィーナスの激情に
  女性をもえたたせる
  ・・・・・・・・・(細川哲士訳)
 バッカスは英語名、ギリシア名ではディオニュソス。
 ラテン名ではディオニススとかバックス。
 ゼウスの子どものひとり。
 ニュサの谷でニンフに育てられる。
 葡萄酒を発明した酒の神、忘我、エクスタシーの神である。演劇の神ともされる。
 ディオニュソスは、葡萄酒を広めるために旅をする。
 彼のあとには、酔っ払って踊る一団がついてくる。
 わたしの好きなパルラダースに「玉箒」と言う詩がある。
  さ、飲ましてくりやれ
  酒神(バッコス)さまが憂いを払って下されよう、
  冷えきってしまつたわしの心を
  またちつとばかり暖めて。

のびやかなブラームス

2019-01-14 | 【断想】音楽
 ブラームスの「ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100」。
 ブラームスの「ヴァイオリン・ソナタ」は3曲あり、そのひとつだ。
 20世紀を代表する巨匠であるオイストラフとリヒテルによるヴァイオリンとピアノの演奏、VICC盤で聞く。
 定評ある名盤である。
 これは、1972年のモスクワにおけるライブで、聞き手を意識しての演奏とされる。
 そう言われると、いかにもそんな感じがする。
 優しくのびやかな曲調。
 1886年、スイスの避暑地トゥーンで作曲されてる。

愛と残虐のギリシア神話

2019-01-14 | 読書
 早瀬まひるなる方による「神々の秘密にふれるギリシア神話・愛と美と残虐の世界」(1999年7月、青春出版社発行)を呼んだ。
 ギリシア神話から、18の物語が取り上げられ、著者の脚色もあって、やさしく読み進められるようになっている。
 西風にはこばれるプシュケにはじまり、白い烏に見張られるコロニスまで。コロニスの話では、もともと白い色をしていた烏が、黒い色になった経緯が語られていた。
 この本は、古本屋で廉価で手に入れたものだ。

エロースの仕業

2019-01-07 | 【断想】神々
 エロースの金の矢で射られると、やむにやまれぬ恋に狂うことになる。
 美の女神で母であるアプロディテの命によって、エロースは金の矢を射る。
 クレタ王妃パシパエは、牡牛に焼けるような恋情を抱く。
 パシパエは、とんでもない手段をとる。
 造り物の雌牛に、身をひそめて、牡牛と交わり、悦びに酔う。
 そうして生まれたのが、ミノタウロス。
 鋭く尖った角を持つ牛頭人身、毛むくじゃらで牛の蹄をもつ脚、巨体である。
 しかも、人肉が主食という怪物。
 雌牛を造ったのは、ダイダロス。
 ※ギリシャ神話から、自己流に。エロースの数多い悪戯のひとつを。

グールドのブラームス

2019-01-06 | 【断想】音楽
 ブラームスのピアノ・ソロ曲「間奏曲 作品117-1~3」。
 グレン・グールドの演奏で聞く。
 ブラームスは、この曲について、「わたしの苦悩の3つの子守歌」と語っている。
 その通りの静かで、心癒やされる曲である。
 妙な飾りっ気がなくて、シンプルである。
 演奏がいいのかも知れない。
 CBS盤のグールドによる「間奏曲集」。
 確か、これだったと思う。
 かつて、徹夜で仕事をしなければいけないとき、夜が明けるまで、かけ続けていたことがある。
 あきることはなかった。

サロメの踊り

2019-01-05 | 【断想】音楽
 合間に聞いた曲。
 たまたま、オペラからのものとなった。
 ・歌劇「サロメ」から、「7つのヴェールの踊り」
  リヒャルト・シュトラウス作曲
  ショルティ指揮、ベルリン・フィルハーモニック、DECCA
  ヘロデ王の所望で、ヨハネの首が欲しいサロメが、ストリップ・ダンスをする場面。
  聞いていて、格別にエロチックな感じはない。
 ・歌劇「カルメン」から、「恋は野の花:ハバネラ」
  ビゼー作曲
  マリア・カラス:ソプラノ、EMI
  確か、ニーチェが、ビゼーの音楽を賞賛していた。
  わたしも、ビゼーの音楽が好きだ。
 ・歌劇「タイス」から、間奏曲の「瞑想曲」
  カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーニック管弦楽団、グラモフォン
  気持ちが静かになる名曲。

冷気のなかの臘梅の花

2019-01-05 | 【樹木】ETC
 先日、鎌倉の長谷寺の庭で、臘梅の花を見た。
 今日は、多摩の百草園で、同じく臘梅の花を見た。
 百草園には、花の色や形の異なるものが何種類かあった。
 その中に、枝に枯葉を残したままのがあった。
 家に帰り、樹木図鑑を開いてみたが、その種類がわからなかった。
 いずれにしろ、冷気のなかに透けるような花をつける臘梅が好きだ。
 暖かくなってのさまざまな花、それはそれでいいけれど。