上溝桜(ウワミズザクラ)の花期は、四~五月頃。これから花をつけるのだろうか。
「古事記」に、次のようにある。
天の石屋戸に隠れた天照大御神に外に出て来てもらう手立てを講じる箇所で、神意を伺う占いを行うくだりである。
「天の香山の真男鹿の肩を全抜きに抜きて、天の香山の天のははかを取りて、占合ひまかなはしめて、・・・」とある。
「ははか」の木を燃やして、穴を開けた鹿の肩骨を焼いてできた割れ目で占うということである。
この「ははか」とは、朱桜(かにわざくら)の古名だそうだ。
樹木図鑑を開くと、上溝桜の別名が「ははか」である。
「ははか」は、朱桜であり、上溝桜であるということである。
上溝桜の花は白い。どうして、朱桜というのかは分からないが、そういうことなのだ。
上溝桜にまつわる話を知って、書きとめておきたくなった。