カルメンと薔薇

2017-05-26 | 【断想】音楽
 カルメンが口にくわえ、ドン・ホセに投げた花
 メリメの小説では、カッシアの花
 ビゼーのオペラの舞台では紅い薔薇
 いつしかカルメンと言うと薔薇となった
 ビゼーの曲はあかるい
 ハバネラ、恋は野の鳥
 とりあえず、CDで聴こうかな
 ※薔薇にカルメンと言う名の品種がある。写真はカルメンではない。
  カッシアとカシー、カシアは同じ。

木々の白い花

2017-05-25 | 【樹木】ETC
 多摩モノレールで
 多摩動物公園から多摩センターへ
 高架を走る電車の窓からは
 多くの木々が眺められる
 朴の木やエゴノキの白い花
 周辺の宅地開発は進むが
 ここらでおしまいにと思う
 便利に使っているモノレール自体
 緑を少なくしてしまったのだが
 高幡不動から多摩動物公園の間
 モノレールの工事で
 かつての桜並木はなくなった
 工事後の新たに植えられた桜は
 かなり大きくなった
 そう言えば
 京王線の多摩動物公園駅の駅前には
 ヒマラヤ杉があった
 近くにユリノキの並木もあった
 ヒマラヤ杉は無くなったまま
 ユリノキの代わりにハナミズキ

死と紅い薔薇

2017-05-24 | 【断想】音楽
 ジャケットに紅い薔薇の花の絵
 記憶にのこる
 それで聴こうかと
 LPのレコード盤をもっていた
 確か遊びに来ていた後輩にやった
 名前は忘れた
 ちょっといかした奴等だった
 黒いTシャツ似合っていたな
 キース・ジャレットの
 DEATH AND THE FLOWER
 これが日本で「生と死の幻想」のタイトル
 なんだか知的な感じ
 1974年の録音だ
 その音いいですよ
 ピアノの音
 音のつらなり
 きれいです
 ベースもいいよ
 サックスも
 多くを求めなければ
 この世はそれなりに愉しい
 心地よい
 なかなかお洒落だよ
 広いコンクリートの部屋
 スコッチの水割りが合う
 日本酒じゃないね
 求めるゆえに
 充足は遠くなる

TOWN HALL,1962

2017-05-24 | 【断想】音楽
 はじめて買ったジャズのレコード盤は、オーネット・コールマンの「タウンホール1962」だった。前衛的なもの、より新しいものをとの思いからだったと思う。高校生の頃だった。
 音楽自体は、「なんだ、これは」との印象であったが、表面的には、そうゆう風には反応しなかった。わけの分からない何かを求めていたからだ。そこには、何かがあるが、自分にそれを受けとめる感性がないというのは、みっともないと・・・・、そんなようなことだったのでないか。
 今、改めて聴くと、妙になつかしい。その後、わけの分からないものに、さんざん接して、なれたからだろうか。いや、かつて、幾度も真剣に聴いたからだろう。ともかく、ひとつの季節を鮮烈に感じさせる。
※ジャケットは、裏面。はじめて買ったレコード盤のものではない。

ジャズ・遺伝子

2017-05-24 | 読書
【本の紹介】
●ジャズの証言/山下洋輔・相倉久人/新潮新書/2017年5月20日発行/820円(税込み)
 本書は、山下洋輔、相倉久人の二人の対談をまとめたものである。相倉氏は2015年7月に亡くなっており、対談が行われたのは、それ以前ということになる。未発表であったものが、出版にいたったということである。
 両氏のイメージからすると、過激な発言の応酬を期待するむきも多いかと思うが、本書の内容は、いたってまともで、穏やかなものである。ジャズを愛する二人が、その本質を考究したところを語り合っている。また、時代背景からして、激しい世相の動きの中で表面に現れたものと別に、ベーシックなものの大切さに言及している。音楽理論に触れた部分は、わたしには、よく分からなかった。
 いずれにしろ、どちらかというと、たんたんと音楽、ジャズについて話し合われているが、なんだか飽きさせない。二人は、わたしより一世代前の方であるが、わたしの世代に共通するジャズメンやクラブのこと等もでてきて、身近さを感じさせるのが、その理由であろうか。
 60年安保から70年安保の騒動、新宿のピットイン、唐十郎の赤テント・・・・。
 改めて、自分はジャズをどうとらえているのかと考えた。基本的なことだが、クラシックを聴くときは、その作品を第一に気にする。演奏者や指揮者による選択もあるが、ほぼ、作品優先である。
 一方、ジャズは、決定的にプレイヤーを気にして、それで聴くかどうかを決める。アイラー、ロリンズ、ドルフィー、モンク、ミンガス・・・・要するに、演奏者の個性を感じたくて聴くのである。本書に出てくる言葉を使えば、プレーヤーの「遺伝子」に接したくてということか。
 演奏に関して、聴くと同時に、演奏者の動きを見ることが重要とあった。もっと見ればよかったな。

「ジャズ・アドヴァンス」

2017-05-23 | 【断想】音楽
 亡き相倉久人と山下洋輔の対談「ジャズの証言」を読んでいる。今年5月に発行された本(新潮新書)である。行われた対談が未発表のままになっていたということだ。
 その中に、セシル・テイラーの名がよく出てくる。それに、刺激され、セシル・テイラーのピアノを聴いてみようかと思った。
 歴史的デビュー作と言われる「ジャズ・アドヴァンス」のレコードをかけてみた。1955年の録音。かつて聴いて、ちっともいいとは思わなかったと言う記憶が残っている。だけど、改めて、聴くと、いいじゃないかという感じをもった。もしかしたら、今、わたしは、この手の音に飢えているのか。いや、かつてとは、聴いているわたし自身に変化があったのだろう。今は、何かを求めることなく、ただ、漫然と聴いているだけ。それで、愉しめるようだ。
 A面の2曲目「チャージ・エム・ブルース」が、テイラーのオリジナルとのこと。とりあえず、それを聴いた。
 スティーヴ・レイシーのソプラノ・サックスもよかった。
※写真の薔薇は、「ワイルド・イヴ」と言う魅惑的な名前。

ギターを愛して

2017-05-21 | 【断想】音楽
 ヴィラ=ロボスの「ギター・コンチェルト」を聴いた。
 ギターを愛したヴィラ=ロボスには、ギター曲が少ないと言う。
 よくあることだ。
 わたしは、「優しくて、屈託がない」作品と感じた。
 耳に、こころに心地いいのだ。
 ヴィラ=ロボスに関して書かれているものをぺらぺらっと開いて見た。
 「恥ずかしげのないクライマックス」があるとの評がある。
 そんな印象を持たれることは、そうかなと思う。
 いくらか、目立つからだ。
 だけど、「屈託のなさ」の表れとも言える。
 そんな評が全体をおとしめないようにと思う。

屈託のない曲

2017-05-21 | 【断想】音楽
 何か、気持ちをととのえる音楽を聞きたいと思った。
 ヴィラ=ロボスの「ギターと小さなオーケストラによるコンチェルト」を聴いた。
 優しくて、屈託のない曲で、思いはほぼかなった。
 ナルシソ・イエペスがギターを弾いているCD。
 ヴィラ=ロボスは、若い頃、ギターをかついで、ブラジル全土を放浪したと言う。
 きっと大きな糧になっているのだろう。

きんぎんか

2017-05-20 | 【樹木】ETC
 スイカズラは、蔓性の木。
 漢字では、吸葛。
 蜜を吸うと甘い。
 別名、キンギンカ。
 金銀花と書くのだろうか。
 はじめ白い花(銀)は、のちに黄色(金)に変化する。
 窓の外に、その花が見える。

ベルズⅢ

2017-05-19 | 【断想】音楽
 あの悲しく、やるせない調べをどう思うのか。
 どこから、何ゆえに発するものと思うのか。
 アイラーは、何かを乗り越えようとしたが、
 それが出来なかった。
 では、どうであれば、出来たと言えるのか。
 それぞれの人には、それぞれの宿命がある。
 アルバート・アイラーは、サキソフォーンを吹いた。
 その音は、燦めく星を宙に舞わせた。
 空気をやさしく、甘くした。
 そのことは、確かだ。
 最高のこととも言える。
 「ベルズ」も、そのことを証明している。
 悠雅彦の「モダン・ジャズ群像」(音楽之友社・昭和50年4月発行)には、
 アイラーのことが記述されている。
 「・・・彼は秩序を破壊したわけではない。彼はごく自然に振る舞ったにすぎない」と。
 すなおな息づかいを感じさせる。

ベルズⅡ

2017-05-19 | 【断想】音楽
 アイラーの「ベルズ」を聴いた。
 前に聴いたのは、いつだったろうか。
 20年前、30年前・・・・・・・。
 ひとつの時代の中、流れのうちにあったものと言えるだろうが、
 改めて、単独のものとして聴いて、
 「いいじゃないか」と感じた。
 その感じ、いささか、思いがけなくもある。
 暗雲があっての光。
 苦界をへてのスピリッツ・リジョイス。
 アイラーは、「あきらめるな」と言っている。
 1965年5月1日、ニューヨークのタウンホールでのもの。
 レコード盤は、片面だけ録音。