昨日、「エラ&ルイス:Ella Fiyzgerald & Louis Armstroog」(1956 Verve)で、「アラバマに星落ちて」を聞いた。
今日は、この曲を「キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ」(1959 MURCURY)で聞こう。
それから、「スタン・ゲッツ・プレイズ」(1952 Verve)で。
チャーリー・パーカーの傑作「ナウ・ザ・タイム:Now's The Time」(1952-1953 Verve)。
このアルバムの録音は、「ジャズ・アット・マッセイ・ホール:Jazz At Massey Hall」(1953 debut)の前と後の2回のセッションの折である。
既に、パーカーは、麻薬と病魔におかされていたが、この時の演奏には、その影響はみられないとされている。
収録されているのは、13曲。
1.ザ・ソング・イズ・ユー
2.レアード・ベアード
3.キム
4.キム
5.コズミック・レイズ
6.コズミック・レイズ(別テイク)
7.チ・チ(Take.1)
8.チ・チ(Take.3)
9.チ・チ(Take.4)
10.チ・チ
11.アイ・リメンバー・ユー
12.ナウズ・ザ・タイム
13.コンファメーション
2曲目の「レアード・ベアード」のベアードは、晩年、同棲していた愛人チャン・リチャードソンとの子(男)で、チャールズ・ベアード・パーカーのこと。
3曲目、4曲目のキムは、チャン・リチャードソンの連れ子(女)。可愛がっていたそうだ。
CDに付いていた油井正一氏の解説には、パーカーの家族のことが記されている。
3回結婚している。チャンは、入籍していない。
〈演奏メンバー〉
1~6は、1952年12月の演奏で以下の顔ぶれ。
チャーリー・パーカー(as)
ハンク・ジョーンズ(p)
テディ・コティック(b)
マックス・ローチ(ds)
7~13は、1953年8月の演奏で以下の顔ぶれ。
チャーリー・パーカー(as)
アル・ヘイグ(p)
パーシー・ヒース(b)
マックス・ローチ(ds)
チャーリー・パーカーが、ジャズ史に大きな足跡をのこしたこと、ジャズに新しい展開をもたらしたこと、「天才」とか、「モダン・ジャズの父」とか呼ばれるのは、それはそれでいいのだろう。
そこから一歩引き、音そのものを聞くと、チャーリー・パーカーは、魂のなかの何かをうったえると言うタイプではなく、音楽表現の拡張に熱意を燃やしたように思う。
「ニューオリンズ組曲:New Orleans Suite」(1970 Atlantic)は、デューク・エリントンが、ジャズ発祥の地・ニューオリンズに思いを寄せて書いた組曲。
1970年のニューオリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルに際し、主催者側とニューオリンズ市から委嘱されたのである。
CDには、9曲収録されている。
1曲目は、「ニューオリンズのためのブルース:Blues For New Orleans」。
オルガンが使われ、ブルージーな感じを高めている。弾いているのは、ワイルド・ビル・デイヴィス。
以下、収録曲。タイトルを見れば分かるが、ジャズの先輩たるルイ・アームストロングなどに捧げられている。また、〈美しいデルタ=ミシシッピー川河口域=ニューオリンズ〉讃歌。
デューク・エリントンの思いが伝わってくる。
1.ブルース・フォー・ニューオリンズ
2.バーボン・ストリート・ジングリング・ジョリーズ
3.ルイ・アームストロングの肖像
4.美しいデルタへの讃歌
5.ウェルマン・ブロードの肖像
6.セカンド・ライン
7.シドニー・ベシェの肖像
8.アリストクラシー・ア・ラ・ジャン・ラフット
9.マヘリア・ジャクソンの肖像
「エラ&ルイ:Ella Fiyzgerald & Louis Armstroog」(1956 Verve)。
ジャケットには、エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングの二人がならんで椅子に腰掛けた写真、その表情を見ただけで、このアルバムがどのようなものであるか想像できる。
サービス精神旺盛で、歌い奏すると喜びがあふれてくる二人。
聞く者のハートも温かくしてくれる。
最高のデュエット。
バックの演奏陣もなかなかである。
オスカー・ピーターソン(p)
ハーブ・エリス(g)
レイ・ブラウン(b)
バディ・リッチ(ds)
〈収録曲〉
1.お友達になれない?
2.イズント・ジス・ア・ラヴリー・デイ
3.ヴァーモントの月
4.誰も奪えぬこの思い
5.青空の下で
6.テンダリー
7.霧深き日
8.アラバマに星落ちて
9.チーク・トゥ・チーク
10.あなたのそばに
11.エイプリル・イン・パリ
「ヴァーモントの月」「アラバマに星落ちて」・・・月や星、素晴らしい。
MJQの「たそがれのヴェニス : No Sun in Venice」(1958 Atlantic)。
ジョン・ルイスがフランス映画「大運河」のために書いた曲集だ。
〈パーソネル〉
ミルト・ジャクソン(vib)
ジョン・ルイス(p)
パーシー・ヒース(b)
オニー・ケイ(ds)
〈曲〉
1.ゴールデン・ストライカー
2.ひとしれず:ONE NEVER KNOWS
3.ローズ・トルク
4.行列
5.ヴェニス
6.三つの窓
〈MJQ コレクション etc〉
●ジャンゴ(1953~55 Prestige)
●コンコルド(1955 Prestige)
●フォンテッサ(1956 Atlantic)
●たそがれのヴェニス(1958 Atlantic)
●ラスト・コンサート(1974 Atlantic)
※ジョン・ルイス/グランド・エンカウンター
※ミルト・ジャクソン/プレンティ、プレンティ・ソウル
MJQのアルバムではじめて聞いたのは、「フォンテッサ」だった。
音楽もきれいで、洒落ていたが、ジャケットもそうだった。
ジャズはジャズだけど、僕には、MJQは、きれいに過ぎて聞こえる。
「マイ・フェイバリット・シングス : MY FAVORITE THINGS」(1960.10.21,24,26 Atrantic)。
ジョン・コルトレーンの人気・傑作盤である。
ソプラノ・サックスを初めて吹いた作品でもあり、ロング・セラー。
インド音楽の影響もみられると言われている。
演奏は、コルトレーン・カルテット。
ジョン・コルトレーン(ts,ss)
マッコイ・タイナー(p)
スティーブ・デイビス(b)
エルビン・ジョーンズ(ds)
収録曲は以下の4曲。
1.マイ・フェイバリット・シングス
2.エブリタイム・ウィ・セイ・グッドバイ
3.サマータイム
4.バット・ノット・フォー・ミー
「マイ・フェイバリット・シングス」は、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」挿入歌、ジュリー・アンドリュースが得意とした子どもの歌。JR東海のCMでも使われた曲だ。
コルトレーンもこの曲と自分の演奏を気に入っていたそうだ。
このアルバムでは、コルトレーンのいいところが聞ける。
こう言うのを聞くと、コルトレーンという人が、もともとどういう人であったかをうかがい知るような気がする。
まじめで、凡庸で、音楽好きで、・・・・それだけで充分だったように思う。
もっともらしい精神性を前面に出したり、フリーのスタイルをとったりは、余分だったのではないかと。
そこにいやらしさ等が出て来たのはないかと。
僕には、そう感じられ、めったに聞かない因となっている。
【コルトレーン・コレクション(リーダー・アルバム)】
●ブルー・トレイン(1957 BLUE NOTE)
●ソウルトレーン(1958 Prestige)
●ジャイアント・ステップス(1959 ATLANTIC)
●マイ・フェイバリット・シングス(1960 ATLANYIC)
●ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード(1961 Impulse)
●インプレッションズ(1961 Impulse)
●バラード(1961,1962 Impulse)
●ジ・インナー・マン(1962 Vee Jay)
●至上の愛(1964 Impukse)
ホレス・パーランがリーダーなら聞こうじゃないかと、手にしたCD。
ステファン・ウィリアム・オルソンのギターがメインだけど、リズム・セクションは相変わらずで、全体としてジャージーである。
〈アルバム〉ビハインド・ザ・ブルース:Behind The Blues
〈レーベル〉LeafageJazz
〈レコーディング〉2001 9.9&10
〈演奏メンバー〉
Horace Parlan Trio featuring Staffan William - Olsson
ホレス・パーラン・トリオ フューチャリング ステファン・ウィリアム・オルソン
ホレス・パーラン(p)
マッズ・ヴィンディング(b)
エド・シグペン(ds)
ステファン・ウィリアム・オルソン(g)
〈収録曲〉
1.ムーンライト・セレナーデ ※グレン・ミラー
2.愛の夢 ※リスト
3.クレイジー ※ウィリー・ネルソン
4.ザ・ウィナー
5.シー・フォー・ユアセルフ
6.ディズ・ガイ ※バート・バカラック
7.ワン・フォー・ザ・ボス
8.パーティー・タイム
9.ノーマ
10.ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニイ・モア ※デューク・エリントン
11.スター・ダスト ※ホーギー・カーマイケル
聞きなれたメロディをもつ曲も多く、親しみやすい。
1953年、カナダ・トロントのマッセイ・ホールでのライブ録音。
モダン・ジャズの巨人5人による白熱の演奏が収められた一枚「ジャズ・アット・マッセイ・ホール:Jazz At Massey Hall」(debut)。
その5人
チャーリー・パーカー(as)
ディジー・ガレスピー(tp)
バド・パウエル(p)
チャーリー・ミンガス(b)
マックス・ローチ(ds)
もう70年近くも前の演奏なのに、古さを感じさせない。
時代を超えた魅力がそこにあるからか。
5人が発する音がいきいきと輝いている。
若い力の炸裂が感じられる。
演奏者たちの声が聞かれるのも魅力。
チャーリー・パーカーのアルバムで、これまでで一番いい。
ミンガスもローチもしっかりした存在感があっていい。
1,パーディド
2.ソルト・ピーナッツ
3.オール・ザ・シングス・ユー・アー52丁目のテーマ
4.ウィー
5.ホット・ハウス
6.チュニジアの夜
ビ・バップの典型的なアルバムと評されている。
チャーリー・パーカーが、白いプラスチック製のアルト・サックスで演奏したことでも話題になった。
“テンダリー”を聞く。
ローズマリー・クルーニーが歌って、世界に知られるようになった歌曲。
夜風、木々とその枝、恋のはじまり・・・・・。
ジャック・ローレンスが詞、ウォルター・グロスが曲。
以下で聞く。
バルネ・ウィランのサキソフォーンで。
サリナ・ジョーンズのヴォーカルで。
チェット・ベイカーのトランペットで。
エラ・フィッツジェラルドのヴォーカル、ルイ・アームストロングのトランペットとヴォーカルで。
アール・クルーのギターで。
今度、ナット・キング・コールのヴォーカルでも。
ホレス・パーランの“WADIN':ウェイディン”を聞いたせいだ。
「歩く」と言うことで思い浮かんだ。
マル・ウォルドロンの“CAT WALK : キャット・ウォーク”。
1959年の「レフト・アローン」(BETHLEHEM)にある。
これもベースの音ではじまり、ピアノが寄り添ってくる。
これには、ホーンは入ってこない。
スウィンギーで好きな曲だ。
一人歩きだね。
WAIDEN' = WADING : wadeから。
辞書を引いた。
wade:(水の中を)歩く。(川などを)歩いて渡る。
wading poolとなると、公園などの水遊び用のプール。
先日、ホレス・パーランがピアノを弾くトリオに、ジョー・バン・エンクハウゼンのテナー・サックスが加わった演奏で、“WADIN':ウェイディン”を聞いた。
夜道を歩く感じでとてもいいとの感想を書いたが、言葉の意味からいったら、水浸しのところを歩くと言うことになる。
そう言うところを歩くとなると、ゆっくり、慎重にとなる。
さて、この曲は、ホレス・パーラン自身の作、アルバム「アス・スリー」や「スピーキン・マイ・ピース」にも収められている。
「スピーキン・マイ・ピース」では、アルバムのトップにこの曲がある。
これを聞く。
ジョージ・タッカーの低く響くベースではじまる。
それはまさに歩む音。
そこに、パーランのピアノが乗っかる。
〈気をつけて行こうぜ〉
アル・ヘアウッドのドラムが、リズムをきざむ。
スタンリー・タレンタインのテナー・サックスがソロをとる。
トミー・タレンタインのトランペットが続く。
・・・そして、みんなで、ジャブジャブ、水を撥ねながら。
〈あまりカッコよくはいかないが、泥道の行進だ!〉
ジェリー・マリガンとポール・デスモンドの「ブルース・イン・タイム」(1957 Verve)。
ウエスト・コーストの香りただよう、いささか大人しげなジャズと言えるか。
息せき切った激しさはないが、二人のホーンがいきいきしていて、さすがと思わせる。
ジェリー・マリガンのゴージャスで豊かな音、ポール・デスモンドのさわやかな都会的な音が素晴らしい。
久し振りに、この二人の音を聞いて、こんなによかったかなと感じた次第だ。
二人の息は合い、美しい仕上がり。
ジェリー・マリガン(bs)
ポール・デスモンド(as)
ジョー・ベンヤミン(b)
デイブ・ベイリー(ds)
演奏は以上の4人、ピアノ・レスである。
曲目は以下の7つ。
1.ブルース・イン・タイム
2.ボディ&ソウル:身も心も
3.スタンド・スティル
4.ライン・フォー・リヨン
5.ウィンターソング
6.バトル・フム・オブ・ザ・パブリカン
7.フォール・アウト
前から気になっていたCD。
マル・ウォルドロンの「ERIC DOLPHY & BOOKER LITTLE REMEMBERED LIVE AT SWEET BASIL」(1986 KING)。
エリック・ドルフィーとブッカー・リトルの1961年のファイブ・スポットでの白熱の演奏を偲んでつくられたアルバム。
ニューヨーク、スイート・ベイジルでのライブである。
リズム・セクションは、往時と同じメンバーで、ピアノのマル・ウォルドロン、ベースのリチャード・デイビス、ドラムスのエド・ブラックウェルの三人。
そして、ブッカー・リトルにかわりトランペットを吹くのはテレス・ブランチャード、エリック・ドルフィーにかわりアルト・サックス、バス・クラリネットを奏するのはドナルド・ハリソンである
気迫のこもった演奏になっている。
マルのピアノもずしりと重い。
演奏されたのは3曲。
1.ザ・プロフェット ※ドルフィー
2.アグレッション ※リトル
3.ブッカーズ・ワルツ ※ドルフィー
もととなった3曲、「ブッカーズ・ワルツ」は、「AT THE FIVE SPOT vol.1,vol.2」ではなく、「ERIC DOLPHY MEMORIAL ALBUM / RECORDED LIVE THE FIVE SPOT」(1961 PRESTIGE)に収められている。
スイングジャーナル誌で、ゴールド・ディスクに選定されているアルバムである。
ジャケットの写真も、ファイブ・スポットの時を思い起こすものとなっている。
ホレス・パーランが、1060年から1963年の間に、ブルーノートにのこした7枚のアルバム。
1.ムーヴィン・アンド・グルーヴィン(1960.2)※
2.アス・スリー(1960.4.20)※
3.スピーキン・マイ・ピース(1960.7.14)※
4.ヘディン・サウス(1960.12.6)※
5.オン・ザ・スパー・オブ・ザ・モーメント(1961.3.18)※
6.アップ・アンド・ダウン:UP&DOWN(1961.6.18)※
7.ハッピー・フレイム・オブ・マインド(1963)
きっと、そのグルーヴィーなところが気に入ったのだろう。
ホレス・パーランのCDを棚に何枚も並べるにいたっている。
この中の「ムーヴィン・アンド・グルーヴィン:MOVIN'&GROOVIN'」を聞く。
これは、本格的な初リーダー盤で、演奏は、以下の三人。
ホレス・パーラン(p)
サム・ジョーンズ(b)
アル・ヘアウッド(ds)
収録曲は、以下の8曲。
1.C.ジャム・ブルース
2.オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
3.アップ・イン・シンシアズ・ルーム
4.レディー・バード
5.バグス・グルーヴ
6.星影のステラ
7.ゼア・イズ・ノー・ゲレイター・ラヴ
8.イット・クッド・ハブン・トゥ・ユー
よく知られた曲がならぶ。
ホレス・パーランは、いつもながら、スウィンギーなジャズを愉しませてくれる。
彼がリーダーのアルバムは、どれもベースが重く響き、演奏にはっきりとした土台を築いているように思う。奏者が違っていても、そうである。
それが、スウィンギーな魅力をつくっている。
ハード・バップで、ファンキーでとなる。
デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団の「ファースト・タイム」(1961 CBS)。
二大ビック・バンドの夢の共演、饗宴である。
歴史的名盤と評されている。
レコードは、もとは8曲収録だったものが、CDでは、ボーナス・トラックが付いて、全16トラック。
CD付解説も、写真が多く使われ、通常よりずっと厚い。
二人の大物への特別扱いが感じられる。
もともとの8つのトラックは、以下の通り。
1.バトル・ロイヤル
2.トゥ・ユー
3.テイク・ジ・A・トレイン:A列車で行こう
4.コーナー・ポケット
5.ワイルド・マン
6.セグエ・イン・C
7.BOB
8.ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド