赤い実の西洋柊

2007-12-31 | 【樹木】ETC
 赤い実をつける木に、クリスマス・ホーリーがある。セイヨウヒイラギともアメリカヒイラギとも言われる。
 高幡橋のほとりに、花や木を売る店がある。クリスマスホーリーが売られていた。セイヨウヒイラギなるものを、その名を意識して、はじめてしっかり見た。
 バラを買って帰った。

それはピラカンサ

2007-12-30 | 【樹木】ETC
 先日、散歩の途中、赤い実をたわわにつけた木を見た。その実を手にしてみた。しかし、木の名前が分からなかった。
 今年ももう終わろうというこの季節、赤い実をつけた木をあちこちで見かける。見かけるが、それが、ナンテンだかセンリョウだか、何だか区別がつかない。
 妻が、調べてくれた。散歩の途中に見かけたのは、その種がピラカンサと総称されているトキワサンザシだった。
 トキワサンザシはバラ科、ナンテンはメギ科、アオキはミズキ科、センリョウはセンリョウ科、マンリョウやヤブコウジはヤブコウジ科である。
 もうすぐお正月、花屋の店頭には、縁起がいいとされるセンリョウやマンリョウが必ずある。

木登り

2007-12-29 | 【樹木】ETC
 まだ小学校へ行く前から、ともかく、塀の上を歩いたり、木登りをするのが好きだった。木の枝に服が引っかかりズタズタになることもあった。近所の遊び友だちと、木の上に、住処を造ったことがあった。
 あの木は、何という木だったかと、時折、思っていた。抱えてすべらない樹肌をし、幹がしっかりしていて折れたりしなく、適度な高さで支幹を横に伸ばす木、そして、身近な木、それは、樫の木だったと思う。樫の木といっても、いろいろだが、この前、樫の木を前にして、遠い日の記憶がよみがえるような気がした。これだと思った。
 50数年前の金沢の小立野でのことだ。

「照葉樹林文化とは何か」

2007-12-28 | 読書
 佐々木高明著「照葉樹林文化とは何か」(中公新書)を読んだ。
 その第三部は、「討論 照葉樹林文化と稲作文化をめって」となっている。討論への参加者は、佐々木高明、佐藤洋一郎、堀田満、安田喜憲の4名である。内容は表題の通りで、何をもって照葉樹林文化、稲作文化と言えるかということはあるが、その発生地域や時期などについて論議されている。
 おもしろいのは、その論議のやりとりそのものである。学者の間でのお互いの評価や師弟関係がどうなっているかは知らないが、しゃべり言葉に歴然と上下関係のようなものが感じさせられ、各人の個性がはっきりと現れていることである。
 同じような発言が繰り返されて、しつこい方だなとか、かなりこだわっているんだなとの印象を抱かせたりする部分もある。また「それでどうなの」と、相手を小馬鹿にしたような言い方、相手の論の盲点を突くところなどもあり、なんとも興味深いのである。
 個々の言い回しは別として、あのような討論が行われるということは、とても良いことだなと感じさせる。一人で思いこんでいても、それが間違っているということもある。自由な論議で、じかに別な研究者から思いがけぬ指摘を受けるというのは、貴重なことだと思われるからである。
読み終えて、感心した次第である。

黄葉と紅葉

2007-12-26 | 【樹木】楓
 万葉集の巻第九に、「黄葉の過ぎにし子らとたづさはり遊びし磯を見れば悲しも」という歌があった。はじめの部分は「もみちばのすぎにしこらと 」とよむ。
 「黄葉の」は、「過ぎ」「散り」「移り」にかかる枕詞で、ここで、「過ぎ」というのは、死のこと。亡くなってしまった子と一緒に遊んだ磯辺を眺めての想いが歌われている。
 万葉の頃は、「もみじ」は「もみち」で、「黄葉」と書くことが、「紅葉」と書くより遙かに多かったということである。
 尋常小学校唱歌に、「もみじ」がある。高野辰之作詞である。
 「秋の夕日に照る山もみじ」とはじまり、「赤や黄色の色さまざまに 水の上にもおるにしき」と結ばれる。
 実際、赤や黄のものを、どちらかの色をもって表現するのは、どうなのだろうか。今、私たちは、秋が深まり、木の葉が色づくこと自体をほとんど「紅葉」と使っている。

ハゼノキを見つつ

2007-12-25 | 【樹木】ETC
 冬の青い空に、風が過ぎると、枝をはなれた枯葉が舞う。
 空のたかみに、無数に舞う。
 見あげて歩く。
 俺はポケットに手をつっこんだまま歩く。
 かたわらに、ヤマハゼの木、ハゼノキ。
 その葉、黄から紅へと、秋に美しいのはナンキンハゼだ。
 ナンキンハゼは、トウダイグサ科シラキ属に分類される。
 街路樹などにも植えられる。
 同じく「ハゼ」と名についても、ハゼノキ、ヤマハゼはウルシ科ウルシ属の樹木。

白樫は関東に

2007-12-24 | 【樹木】ETC
 照葉樹林を構成する代表的な樹種のひとつがカシ(樫)だ。ブナ科コナラ属で、私の住む多摩では、シラカシをよく見かける。公園などでアラカシも見かける。
 カシの主だった種類は、シラカシ、アラカシ、アカガシ、ウバメガシ、ウラジロガシ、イチイガシというところか。カシは、シラカシは関東に、アラカシは関西に多いというように分布にはっきりした傾向がある。ウバメガシは、紀伊半島というように暖かい地方の海岸に多い。このウバメガシからは、硬くて火持ちがいい良質な木炭として高名な備長炭がつくられる。
 カシには、落葉のものもあると聞くが、以上あげたものは、すべて常緑である。その材は硬くて丈夫である。船などのも使われるという。
 マンション裏の崖地に大きなアラカシがあり、倒木の懼れありとして、先だって大幅に剪定された。 

馬酔木と長元坊

2007-12-22 | 【樹木】ETC
 アセビ(馬酔木)は、早春に釣り鐘状の花をつける。白くて小さくて可愛らしい感じである。しかし、その葉には毒がある。馬が食べると、酔ったようになるということである。小さくて見かけが可愛いからといっていただくと、やっかいなことになることもあるというわけだ。ちなみに、同じツツジ科のシャクナゲやレンゲツツジも有毒だ。
 多摩動物公園のチョウゲンボウ(長元坊)の檻には、猛禽類だから気をつけるようにとある。チョウゲンボウは、他の猛禽類に較べるとずっと小さい。鳩サイズである。しかも利発そうで、可愛い感じなのである。だが、檻に指を突っ込んだりしてはいけない。

「ヒイラギ」というけれど

2007-12-21 | 【樹木】ETC
 今、教会暦では待降節。
  ひいらぎかざろう ファララララララララ、
  晴着に着かえて ファララララララララ、
  カロルをうたおう ファラララララララ、
  たのしいこのとき ファララララララララ。
 この歌にあるように、クリスマスの飾りつけに使われるヒイラギのことを図鑑などで調べてみた。ヒイラギが、何故に聖なるクリスマスと結びついているのかと言えば、その葉に棘があり、魔を払うとされるからだ。この感覚は、洋の東西を問わないもののようだ。
 先日、樹木の名前に、「ビワ」と付いていても、植物分類上、異なる種類のものであるということを書いたが、同じことが、「ヒイラギ」についても言える。
 ・ヒイラギ=モクセイ科モクセイ属
 ・ヒイラギモクセイ=モクセイ科モクセイ属
   ※ヒイラギよりギンモクセイに似ている。
 ・セイヨウヒイラギ=モチノキ科モチノキ属
   ※クリスマス用途
   別名:アメリカヒイラギ、クリスマスホーリー
 ・シナヒイラギ=モチノキ科モチノキ属
   ※安価なので日本でクリスマス用途
   別名:チャイニーズヒイラギ、ヒイラギモドキ、ヒイラギモチ
 ・アマミヒイラギモチ=モチノキ科モチノキ属
 ・ヒイラギガシ=バラ科サクラ属
   別名:リンボク
 ・ヒイラギナンテン=メギ科ヒイラギナンテン属
   ※葉が細いのは、ホソバヒイラギナンテン。
 主なところをあげてみた。葉に棘があるということで共通性はあるものの、その形状には、バラエティーがある。ほとんど丸いというもの、成長すると丸くなるものもある。
 ちなみに私が住むマンション前の公園には、ヒイラギナンテンが生えている。実ができると、野鳥がつつきに来る。

「樹木ウォッチング」

2007-12-20 | 【樹木】ETC
 樹木に関心を持ち出して、5、6年経つだろうか。気持ちのおもむくまま、植物、樹木、森林、植生に関する読みやすそうな本を読んできた。図鑑、ガイドブックの類で、わりかしよく手に取るのは、山と渓谷社の「野山の樹木・ポケット版」、それから、淡交社の「身近な樹木ウォッチング」である。手元にある「身近な樹木ウォッチング」は、新版と付いていて、2001年6月の初版である。サブタイトルに「まず基本170種を覚えよう」とあって、少し樹木の名前を覚えたいと思い出した頃に購入したものだ。
 よく出来た本で、樹木に親しむうえでとても適切なガイドブックとなっている。植物園の紹介などもある。ひとつひとつの説明も、関心をそそらせ、しかも正確なように思える。
 先日、自分は、基本の170種を覚えただろうかと、本のはじめから掲載順に樹木を見ていて、まだまだだなと感じた。ザッとみて、知悉率は7割にいたらないと思う。それで、知らない木のことをポツポツ、ブログで取り上げて、率を高めようかと思った。

フウとモミジバフウ

2007-12-20 | 【樹木】楓
 フウは漢字では楓と書くが、カエデ科ではなく、マンサク科。その葉はカエデ科のトウカエデと同じく、3裂。いわゆるフウは、タイワンフウとも言い、中国原産。モミジバフウ(紅葉葉楓)は、アメリカフウと言い、北米原産。モミジバフウは、葉が5~7裂。いずれも、カエデのごとく秋の紅葉が美しい。
 長江文明の担い手たるミャオ族他は、フウを崇拝しているという。