〈デュオ〉

2022-03-30 | 【断想】音楽

 ゲイリー・バートンとチック・コリアによるヴィブラフォンとピアノのデュオ。
 この楽器の取り合わせ、耳になじみやすいように思う。
 「デュエット:DUET」(1978 ECM)
 ただ、わたしは、こう言うのを聞いても魂が震えないんだな。
 もともと魂を震わすためにつくられたものでもないのかな。
 〈パーソネル〉
 ゲイリー・バートン:Gary Burton(vib)
  チック・コリア:Chick Corea(p)
 〈収録曲〉
 1.デュエット組曲
 2.チルドレンズ・ソング#15
 3.チルドレンズ・ソング#2
 4.チルドレンズ・ソング#5
 5.チルドレンズ・ソング#6
 6.レイディオ
 7.ソング・トゥ・ゲイル
 8.ネヴァー
 9.ラ・フィエスタ
 チック・コリアの代表作と言われる「ラ・フィエスタ」、そのコンテンポラリー・クラシックのような感じ、現代の切なさ、速い時の流れのなかの哀しみ、切なさも哀しさも現代の時の流れに紛れ込んでいく、そういう風にとらえられた。
 僕は、ゆったりしたのが好きだ。
 時の流れを感じさせないようなのがいい。


ロリンズはロリンズ・・・

2022-03-26 | 【断想】音楽

 「ジス・イズ・ホワット・アイ・ドゥ:This Is What I Do」(Milestone)
 ソニー・ロリンズの2000年録音のアルバム
 ジャケットには、白い顎髭をたくわえたロリンズ
 70歳、時の流れを感じさせる
 でも、変わらないものがある
 相変わらず、ロリンズの音は気持ちいいのだ
 演奏は、曲によって異なるが、以下のメンバー
 ソニー・ロリンズ(ts)
 ロリンズの甥っ子のクリフトン・アンダーソン(tb)
 ステファン・スコット(p)
 ボブ・クランシャウ(electric bass)
 ジャック・デジョネット(ds)
 ペリー・ウィルソン(ds)
 〈収録曲〉
 1.サルバドール
 2.スイート・レイラニ
 3.デッド・ユー・スィー・ハロルド・ビッグ
 4.ア・ナイチンゲール・サング・イン・バークリー・スクエア
 5.チャールス M.
 6.ザ・ムーン・オブ・マナコオラ(マナコオラの月)


“ラスト・レコーディング”

2022-03-21 | 【断想】音楽

 ケニー・ドリュー・トリオの「ザ・ラスト・レコーディング / ブルー・ノート・オーサカ」(1992 アルファ・ジャズ)。
  このアルバムは、1993年にリリースされた「プレイズ・スタンダーズ/ライブ・アット・ザ・ブルー・ノート・オーサカ」(2枚組)に収録されきっていなかった録音をアルバムにしたもの。
  ケニー・ドリューは、1993年8月4日に、コペンハーゲンで亡くなっている。
 ヨーロッパに渡り、アメリカに帰ることのなかった人だ。
 アメリカ社会の人種差別等を嫌ったようだ。
 演奏はいつもの3人。
 ケニー・ドリュー(p)
 ニールス・ペデルセン(b)
 アルヴィン・クィーン(ds)
 〈収録曲〉
 1.ブルーソロジー
 2.マイ・シャイニング・アワー
 3.オレオ
 4.オールド・フォークス
 5.シークレット・ラブ
 6.セント・トーマス
 とても、ハイレベルのプレイだ。
 ここでの演奏は、総じてハード・バップ調だ。
 でも、かつての調子とは異なる。
 夾雑物を削ぎ落とし、ステップ・アップしているように感じる。
 「オールド・フォークス」は、しんみり、美しい。
 ベースが素敵だ。
 ラストは、ロリンズの「St.トーマス」だ。


「アンダーカレント」

2022-03-20 | 【断想】音楽

 「アンダーカレント」(BLUE NOTE)
 ハード・バッパーとしてのケニー・ドリューがいる。
 1960年、ニューヨークにいた頃のレコーディングである。
 1956年の「ケニー・ドリュー・トリオ」(RIVERSIDE)とともに、初期の代表盤の一枚である。
 みんな若々しく、まさしくハード・バップ。
 バシッとやろうぜと言う意気込みが感じられ、気持ちいい。
 ケニー・ドリュー(p)
 ハンク・モブレー(ts)
 フレディ・ハバード(tp)
 サム・ジョーンズ(b)
 ルイス・ヘイズ(ds)
 以上の顔ぶれによる演奏である。
 この中で、一番年下はフレディ・ハバード、一心にトランペットを吹く。
 演奏されているのは、以下の通り。
 1.アンダーカレント
 2.ファンク-コシティ
 3.ライオンズ・デン
 4.ザ・ポッツ・オン
 5.グルーヴィン・ザ・ブルース
 6.バラッド


〈日曜日に〉

2022-03-19 | 【断想】音楽

 ビル・エヴァンスの「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」(1961 / RIVERSIDE)
 ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブである。
 アルバム「ワルツ・フォー・デビィ」とは、同日録音。
 ピアノ・トリオの歴史に新しい展開をもたらしたとされる名盤のひとつ。
 メインはピアノなのかも知れないが、スコット・ラファロのベースが、耳をそばだたせる。
 〈パーソネル〉
 ビル・エヴァンス(p)
 スコット・ラファロ(b): 録音の11日後に交通事故で死去
 ポール・モチアン(ds)
 〈収録曲〉
 元々のLP盤では、片面3曲の計6曲。
 手元のCDでは、別テイクが収録されて、10トラック。
 1.グロリアス・ステップ
 2.マイ・マンズ・ゴーン・ナウ
 3.ソーラー
 4.アリス・イン・ワンダーランド(不思議の国のアリス)
 5.オール・オブ・ユー
 6.ジェイド・ヴィジョンズ


ここに“ビ・バップ”

2022-03-19 | 【断想】音楽

 ディジー・ガレスピーの「グルーヴィンハイ:GROOVIN' HAGH」(SAVOY)
 このアルバムの曲、演奏されたのは、1945~1946年である。
 モダン・ジャズの幕開け、“ビ・バップ”のはじまりの時期である。
 “ビ・バップ”は、チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーがやり出したスタイルと言われる。
 さて、このアルバムは、どういう顔ぶれによるのか。
 ディジー・ガレスピー(tp)
 デクスター・ゴードン(ts)
 チャーリー・パーカー(as)
 ソニー・スティット(as)
 ミルト・ジャクソン(vib)
 アル・ヘイグ(p)
 クライド・ハート(p)
 レモ・パルミエ(g)
 チャック・ウエイン(g)
 スラム・ステュア(b)
 カーリー・ラッセル(b)
 シド・カトレット(ds)
 ケニー・ムラーク(ds)
 コージー・コール(ds)
 溌剌、いきいきとした演奏である。
 新しいものをみんなで作り出していく喜びのようなものを感じる。


「ベース・フェイス」

2022-03-13 | 【断想】音楽

 レイ・ブラウン・トリオ
  レイ・ブラウン(b)
   ベニー・グリーン(p)
  ジェフ・ハミルトン(ds)
 「ベース・フェイス/ライブ・アット・クンビワ」(TELARC)
  レコーデイング:1993.4.1-2
 カリフォルニア・サンタ・クルーズ クンビワ・ジャズ・センター
 前から、レイ・ブラウンのリーダー・アルバムを聞いてみたいと思っていた。
 数は多くはないようだが、「ブラック・オルフェウス」が親しみやすそうだった。
 しかし、店頭では、なかなか見つからない。
 たまたま見つけた「ベース・フェイス」なるアルバムを聞くことにした。
 〈収録曲〉
 1.マイルストーンズ
 2.ベース・フェイス
 3.イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ・オブ・ザ・モーニング
 4.ティン・ティン・デオ
 5.CRF-クラフト
 6.テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ
 7.リメンバー
 8.Makin' Whoopee
 9.Phineas Can Be
 このアルバム、聞きだして初めに、迫ってくる際立ったものが、乏しいかなと感じた。
 でも、そうでもないかな。
 3の出だしのアルコ、美しい。
 レイ・ブラウンは、チャールズ・ミンガスとポール・チェンバースの要素を兼ね備えていて、そして格調高いとの評を目にしていたので、いささか期待はずれとなったのか。
 でも、アルコは、格調高いと言えば、そうだ。
 ベースの音、かなり重いところがある。床にドスンというところがある。
  全体として、悪くはないが、格別ではないと言うところ。


“ミスティ”

2022-03-13 | 【断想】音楽

 ケニー・ドリュー・トリオ
 ケニーズ・ミュージック・スティル・オヴ・オン Vol.3 ミスティ
 レコーディング:1978~1992
 アフター・ビート/ポニー・キャニオン
 〈プレイヤー〉
 ケニー・ドリュー(p)
 ニールス・ペデルセン(b)
 エド・シグペン(ds)
 アルヴィン・クィーン(ds)
 1.星影のステラ
 2.ミスティ
 3.ローマの秋
 4.バット・ノット・フォー・ミー
 5.時の過ぎゆくままに
 6.ラスト・タンゴ・イン・パリ
 7.サンセット ※ピアノ・ソロ
 8.ブルース・イン・グリーン
 9.追憶
 10.アイム・オールド・ファッションド


“クレオパトラの夢”

2022-03-13 | 【断想】音楽

 ケニー・ドリュー・トリオによるアルファ・ジャズからのヨーロッパ3部作とそれに続く同系統のアルバム、その収録曲をならべてみた。
 何というか、そこにケニー・ドリューの魅力の側面を見ることができるように思ったからだ。
 以下は、コペンハーゲンで録音された5作。
 ピアノ・トリオによる演奏で、いずれも以下の3人。
 ケニュー・ドリュー(p)
 ニールス・ペデルセン(b)
 アルヴィン・クイーン(ds)
 ●「IMPRESSIONS/パリ北駅着、印象」(1988)
 1.パリ北駅着、印象
 2.イブニング・イン・ザ・パーク
 3.カフェ・フローラ
 4.枯葉
 5.ノー・グレーター・ラブ
 6.マイ・シップ
 7.ルージュ・ブルース
 8.モーニング・ミスト
 9.ラスト・タンゴ・イン・パリ
 10.追憶
  ●「RECOLLECTIONS/欧州紀行」(1989)
 1.ゴールデン・イヤリング
 2.シェルブールの雨傘
 3.ジェントル・レイン
 4.スウェーデンの城
 5.イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
 6.コペンハーゲン・ブルース
 7.サマー・ノーズ
 8.ア・フォギー・ディ:霧深き日
 9.サドンリー・イッツ・スプリング
 10.オールド・ダニッシュ
 11.リコレクションズ
 ●「EXPRESSIONS/旅の終りに」(1990)
 1.ローマの秋:Autumn in Rome
 2.ミラノのカテドラル
 3.ベニスの愛
 4.アナスターシア
 5.マイ・ファニー・バレンタイン
 6.イズント・イット・ロマンチック
 7.ワルツ・イタリアーノ
 8.ソレント
 9.ビッグ・ブーツ
 10.旅の終りに:Expressions
 ●「EVERGREEN:エバーグリーン~今は夢」(1991)〉
 1.ネイチャー・ボーイ
 2.エコ・トリップ
 3.フラワーズ
 4.スプリング・イズ・ヒア
 5.エバーグリーン
 6.グリーンスリーブス
 7.ムーンライト・ソナタ
 8.エンジェル・アイズ
 9.ソング・オブ・ザ・バース
 10.ブルース・イン・グリーン
 11.サンセット
  ●「CLEOPATRA'S DREAM:クレオパトラの夢」(1992)
 1.月の砂漠
 2.時さえ忘れて
 3.ライト・オン
 4.クレオパトラの夢
 5.これからの人生
 6.ライト・ボッサ
 7.不思議の国のアリス
 8.イメージ
 9.賛歌
 いずれからも、しっとり、センチメンタル、もの憂げな美しさとハード・バップの小気味よさが感じられる。
 センチなのは、少女趣味と嫌う人もいるようだが、それがあって、魅力をましているように思う。
 「クレオパトラの夢」は、バド・パウエルの作。
 バド・パウエルで、聞いた。
 リズミックである。息もつかせず走る。ベースは、ポール・チェンバース、ドラムは、アート・テイラーだ。
 ケニー・ドリューは、哀愁を漂わせ、美しい、そこに情の影がさす。ベースは、ニール・ペデスセンで、メロディもとる。


〈ウエスト・サイド・ストーリー〉

2022-03-10 | 【断想】音楽

 中学生の頃、クラスに、指をはじきながら歩くジョージ・チャキリスの真似がうまいやつがいた。
 映画「ウエスト・サイド・ストーリー」を確か、学校で観に行って、帰ってから真似をしたのだ。みんな、真似をした。
 確か、家に、サウンド・トラックのLPがあった。よく聞いた。
 「ウエスト・サイド・ストーリー」は、とても懐かしい音楽でもある。
 オスカー・ピーターソン・トリオの「ウエスト・サイド・ストーリー」(1962 Verve)も、昔々に聞いたことがあるように思う。
 このアルバムの演奏者は、オスカー・ピーターソン(p)、レイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)の3人。
 〈収録曲〉
 1.何か起こりそう
 2.恋は永遠に
 3.ジェット・ソング
 4.トゥナイト
 5.マリア
 6.アイ・フィール・プリティ
 7.繰り返し
 オスカー・ピーターソンのピアノは、いつもながら、小気味いい。
 うまいなあと感じる。


RECOLLECTIONS/欧州紀行

2022-03-09 | 【断想】音楽

〈ケニー・ドリュー・トリオによるヨーロッパ3部作〉
アルファ・ジャズからのアルバムである。
「IMPRESSIONS/パリ北駅着、印象」(1988)
「RECOLLECTIONS/欧州紀行」(1989)
「EXPRESSIONS/旅の終りに」(1990)
第二作となる「RECOLLECTIONS」は、日本人向けに「欧州紀行」 と名づけられている。
しかし、「RECOLLECTIONS」は、「追想」の意で、収録された曲は、その意を感じさせるものとなっている。
1. ゴールデン・イヤリング
2. シェルブールの雨傘
3. ジェントル・レイン
4. スウェーデンの城
5. イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
6. コペンハーゲン・ブルース
7. サマー・ノーズ
8. ア・フォギー・ディ:霧深き日
9. サドンリー・イッツ・スプリング
10. オールド・ダニッシュ
11. リコレクションズ
聞きながら、思い浮かぶままに。
1. 切なく歌う。 ひとり歌う。 懐かしさのあるメロディー。
ゆったりではないけど、懐かしい。
2. アラ、雨だわ、雨が降り出したんだわ。
濡れた舗道、歩いたことあるわ。
ひとりじゃなかったわ。
3. 窓辺で見ていた。
あの人のバッグ、雨に濡れてる。
でも、平気みたい。
クルマが通り過ぎていく。
みんな、ひとりじゃない。
雨が恋人。
4. 湖のほとり。
崖のうえ。
7. もう、終わったね。
そうでもないさ。
もう一度、歩いてみようよ。
8. ジャズっぽいジャズ。
9. 生きていればさ、色んなことあるよな。
10. 小気味いいジャズ。 いかしてる。 ドラム、ベースがいきている。
11. 過ぎ去った日々のこと。
なんだか、悲しくなるよ。


初演「ワルツ・フォー・デビィ」

2022-03-06 | 【断想】音楽

 ビル・エヴァンスの「ニュー・ジャズ・コンセプションズ」(1956 RIVERSIDE)。
 ビル・エヴァンスは、モダン・ジャズ、とりわけピアノ・トリオの歴史に大きな功績を残したミュージシャンとして、高く評価され、人気もある。
 単なるリズム・セクションと見なされていたピアノ、ベース、ドラムをそれ自体で音楽的作品として成立させるようにグレード・アップさせたとされる。
 そのビル・エヴァンスの初リーダー・アルバムが、「ニュー・ジャズ・コンセプションズ」である。
 詩情あふれた美しく、ジェントルマンのモダン・ジャズ。
 このブログで、はじめて取り上げた。
 〈Personnel〉
 ビル・エヴァンス(p)
 テディ・コティック(b)
 ポール・モチアン(ds)
  収録曲は、オリジナル・アルバムで、11曲。
 なかに、「ワルツ・フォー・デビィ」の初演がある。
 


歴史的名盤 「スターダスト」

2022-03-05 | 【断想】音楽

 ライオネル・ハンプトンの「スターダスト」(1947 DECCA)。
 第二次世界大戦が終結してまもなくの頃、1947年8月4日、アメリカ・カリフォルニア州パサデナのシビック・オーディトリアム(パサデナ市公会堂)での演奏である。
 ジャズのラジオ番組のディスク・ジョッキー等をしていたジーン・ノーマンなる人が行った「第3回ジャスト・ジャズ・コンサート」でのジャム・セッションからつくられたアルバムである。
 ライブ・レコーディングで、当時の雰囲気が伝わってくるものとなっている。
 ライオネル・ハンプトンは、ジャズの世界にヴィブラフォンを持ち込んだミュージシャンであり、バンド・リーダー。
 アルバムのジャケットは、文字ばかりで、次のように記されている。
 GENE NORMAN PRESENTS
 THE“ORIGINAL”LIONEL HAMPTON
 STAR DUST
 BY LIONEL HAMPTON ALL STARS
 演奏しているのは、ライオネル・ハンプトン・オール・スターズ(ライオネル・ハンプトンと彼のジャスト・ジャズ・オール・スターズ)。
 収録されているのは以下の4曲で、ライオネル・ハンプトン自身が演奏に加わっているのは、1曲目の「スターダスト」だけ。
 2~4曲は、ライオネル・ハンプトンなしのザ・ジャスト・ジャズ・オール・スターズで、曲によって少しメンバーが入れ替わっている。
 1.スターダスト
 2.ワン・オクロック・ジャンプ
 3.ザ・マン・アイ・ラヴ
 4.オー、レイディ・ビー・グッド
 聞いていて、楽しい気分にさせてくれる演奏である。
 こまかいテクニック、録音技術云々ではないのである。
 演奏者も聴衆も、このひと時に喜びに感じていると言う雰囲気なのだ。


“ジャズの表通り”

2022-03-05 | 【断想】音楽

 オスカー・ピーターソンのジャズのこと。
 音楽としてのジャズの魅力の見本を示してくれるように思う。
 いわば、ジャズの表通り。
 オープンで明るいジャズである。
 何らかのマイナーとも言える感情表現はほとんど見受けられない。
  美しさや優しさは感じる。
 抒情とか、淋しさとか、暗く静かな気分とか、求道的な面とか、怒りや鬱屈みたいものが顕著に表れることはない。
 それはそれで、特に批判できることではない。
 人それぞれの持ち味である。
 あとは、聞く人の好き嫌いや精神状態で、どう感じるかと言うこと。
 以上は、オスカー・ピーターソンの演奏を聞いて思ったことである。
 オスカー・ピーターソンの「ザ・トリオ」(1961 Verve)。
 〈演奏メンバー〉名盤を何枚も残した3人である。
 オスカー・ピーターソン(p)
 レイ・ブラウン(b)
 エド・シグペン(ds)
 〈収録曲〉
 1.恋したことはない
 2.ウィー・スモール・アワーズ
 3.シカゴ
 4.夜に生きる
 5.サムタイムズ・アイム・ハッピー
 6.ウィスパー・ノット
 7.ビリー・ボーイ
 「シカゴ」イキイキ、躍動感があって素晴らしい。


“ポルトガルの血”

2022-03-01 | 【断想】音楽

 ホレス・シルヴァーのリーダー・アルバム、20代の頃買ったLPを2枚持っている。
 ・ホレス・スコープ(1960  BLUE NOTE)
 ・フィンガー・ポッピン(1959 BLUE NOTE)
 その後、何10年も後に買ったCDが3枚ある。
 ・jazz...has...a sense of humor (1998 verve)
 ・ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ(1959  BLUE NOTE)
 ・ソング・フォー・マイ・ファザー(1963  BLUE NOTE )
 アルバムは、購入順に記した。
 ホレス・シルヴァーと言えば、ファンキー・ジャズ、私の最初のとっかかりも、そう言うところだったと思う。
 でも、「ソング・フォー・マイ・ファザー」等を聞くと、エキゾチックな魅力もある。
 ホレス・シルヴァーの父には、ポルトガルの血が流れていたと言うことで、その音楽に、その血がはっきり感じられる。
 ジャケットの帽子をかぶった男は、シルヴァーの父だそうだ。
 久し振りに聞くと、改めて、なかなかいいなと感じる。
 「ザ・ホレス・シルヴァー・クインテット/ソング・フォー・マイ・ファザー」
 (1963~1964/BLUE NOTE)
 〈収録曲〉
 1.ソング・フォー・マイ・ファザー
 2.ザ・ネイティヴス・アー・レストレス・トゥナイト
 3.カルカッタ・キューティ
 4.ケ・パサ
 5.ザ・キッカー
 6.ロンリー・ウーマン
 以上が、オリジナル・アルバムに収録、片面3曲。
 7.SANCTIMONIOUS SAM
 8.QUE PASA? : ケ・パサ(トリオ・ヴァージョン)
 9.SIGHIN' AND CRYIN'
 10.SILVER TREADS AMONG MY SOUL
 〈1,2,4,5 パーソネル〉
 カーメル・ジョーンズ(tp)
 ジョー・ヘンダーソン(ts)
 ホレス・シルヴァー(p)
  テディ・スミス(b)
 ロジャー・ハンフリーズ(ds)
 〈3,6,7,8,9,10 パーソネル〉
 ブルー・ミッチェル(tp)
 ジュニア・クック(ts)
 ホレス・シルヴァー(p)
 ジーン・テイラー(b)
 ロイ・ブルックス(ds)