猪坂さん有難う

2010-09-05 | 【断想】ETC
 今日午前、猪坂豊一さんは荼毘にふされた。
 彼を通じて、実に多くの人と接した。
 はじめは、出版社系のジャーナリストが中心だった。
 その後、企業の広報関係者、世界各国の大使館関係者他。
 政治関係者も多かった。
 なかには、天安門事件で中国政府から追われた人もいた。
 それらはすべて、彼の個人的コネクションによるものだった。
 社会的地位などとは無縁なところに発するコネクションだった。
 いつも凄いなと思っていた。
 会合の案内をもらうたびに、ありがとうと思った。
 彼は、なにの代償も求めなかった。
 誰でも真似のできるようなことではなかった。
 猪坂豊一の古い名刺を取り出してみた。
 名刺に、60.10.28と鉛筆で記してあった。
 彼がまだ、月刊誌「自由」の編集にたずさわっていたときのものだった。
 はじめて会ったのが何時だったか覚えていない。
 名刺の日付の前のことだと思う。
 学生運動が激しかった政治の季節。
 70年安保の頃、彼は、私と同系の思想グループに関係していた。
 そういう中でのことであろう。
 同世代ということもり、ことさら悲しい。
 猪坂さん有難う。

またな

2010-09-04 | 【断想】ETC
 今朝4時過ぎ、長年の友人である猪坂豊一さんが亡くなった。
 とても暑い日だった。
 夕方になって風が吹き、いくらか暑さがおさまった。
 ゆっくり歩いた。
 悲しかった。

「私の舌は重い」

2010-09-02 | 【断想】ETC
 40年近く前に見ていた詩集。
 ジョルジュ・バタイユの「大天使のように」(生田耕作訳・思潮社刊)。
 久しぶりに、本棚から出して、開いてみた。
 今の俺は、こういうのが読みたかったのだなと感じた。
 雑纂詩篇「好運への祈願」の一部。
  心は乱れ
  骨はもつれ
  私の心臓は冷え
  私の舌は重い