寒い日も

2008-12-31 | 【断想】ETC
 大晦日、冷気のなか、欅も犬四手も、すっくと立っている。
 人のような揺らぎはないようだ。
 西行のような歌などよまない。
 「いつかわれ昔の人といはるべきかさなる年を送りむかへて」

殻つき焼き牡蠣

2008-12-29 | 【断想】牡蠣
 殻つき焼き牡蠣を食べた。
 毎年、年末年始の休みに入ったところで、その集まりは設定される。
 店に入ると、かつて、ともに仕事をした顔ぶれ。
 店のご主人夫妻とも、長いつきあいである。
 私たちのために、店を開き、食べ物を用意してくれた。
 かつて、店のすぐ近くに、私たちの事務所があった。
 昭和54年に開設した事務所だった。
 その店には、昼御飯の場所として入ったのが始めだったと思う。
 以来、幾星霜。
 皆、それぞれに齢を重ねてきた。
 先日の献立は、私たちのことを思ってのものと見られた。
 ボリュームより、質、食材にウェイトがおかれていた。
 牡蠣、海老、蟹。牡蠣ならば、牡蠣フライから、焼き牡蠣へ。
 その思いが嬉しかった。
 店のご主人は、数年前から蕎麦を打つようになった。
 しめくくりは、その蕎麦。
 これがまた、とてもうまいのだ。

紅枝垂梅の白い瘡蓋

2008-12-28 | 【樹木】梅
 昨年の初春、吉野梅郷で買った鉢植えの紅枝垂梅は、その春、見事なまでに花をつけた。
 「そんなにゴテゴテ、馬鹿じゃないか」というくらいだった。
 その後、葉に虫が発生し、ぼろぼろに食われた。
 幹、枝に白い瘡蓋のようなものができて、こすり落とした。
 そのため、今年の春、つた花は僅かだった。
 そしてまた、白い瘡蓋、埃のようなものが全身にできた。
 ここ数日、その白いものを爪楊枝と歯ブラシで落とした。
 かなりの作業だった。
 花芽、枝芽などを傷つけないように気をつけた。
 それでも、落としてしまった蕾もある。
 枝には、瘡蓋の白いあとが残っている。
 ただ、これ以上やると、芽を傷めるだけだろう。
 気にはなるが、一区切りとした。
 花芽は、昨年よりはずっと多い。
 今年、あたらしい土に植え替えたのは、よかったようだ。
 花をつけるのを楽しみにしている。
 それにしても、あの白い瘡蓋の正体は何なのだろう。

冬の朝

2008-12-27 | 【樹木】ETC
 雑木林のうえに、オレンジ色の雲がたなびく、晴れた冬の朝だった。
 唐鼠黐(トウネズミモチ)の実は、すっかり、食べ尽くされてしまった。
 枝垂れ梅は、花芽をふくらましつつある。

林檎の実をもらう

2008-12-25 | 【樹木】ETC
 林檎の実をもらう。
 今年は何故かよくもらう。
 普段食べるのは、西洋林檎(セイヨウリンゴ)の実だ。
 西洋林檎は、明治時代になってから、輸入され広まった。
 品種は多い。
 バラ科リンゴ属の樹木。
 林檎の実をかじりながら出勤する青年を見かけたのは、ホワイトハウスの近くだった。

クロノスの妬み

2008-12-23 | 【断想】ETC
 枯葉の季節だからだろうか。
 俺の齢が思わせるのか。
 君の瞳に衰えを見つけたせいか。
 「ピエリアの薔薇 ギリシア詞華集選」(沓掛良彦編訳)より、ストラトーンの詩。

 花の盛り

 君よ、もし
  咲き匂う花かと見ゆる容貌をば
   誇りたもうなら 悟れかし。
 
 薔薇とてまたあでやかに咲き匂い
  その美しさ誇れども
   にわかに色褪せ花朽ちて
    うちすてられて塵芥
     無残な姿となるものを。

 世にある花と、また
  美わしき容貌とに許されし
   盛りの時は同じにて
 はかなきものと悟るべし。
  かの「時(クロノス)」の妬みゆえ
   ともに無残に色褪せて
    ふたつながらに朽ち果てる。  

落ち葉掃き

2008-12-22 | 【樹木】ETC
 小学校一年の女の子とベンチにすわっていた。
 私が、落ちていたエノキの枯葉を拾うと、「何してるの」ときいてきた。
 「パパはね、パパじゃなかった。おじさんは、植物学者だから、ほら、この葉脈の数を見ると、何の木の葉かわかるんだよ」
 私は、植物学者ではない。よくつく嘘だ。
 彼女は、キタコブシの枯葉を見つけた。
 「この大きな葉は」
 「あそこの木の葉だよ」
 「どうしてここにあるの」
 「風で飛んできたんだよ。すぐそこの木だから」
 僕が竹箒で枯葉を掃き出したら、別の箒を見つけて、手伝ってくれた。

落花

2008-12-21 | 【樹木】ETC
 山茶花と椿の違いをもうひとつ。
 山茶花の花びらは、ばらばらはらはら。
 椿の花は、花ごと重たげにぽとり。
 知人は、椿の落花を見たくないと言った。
 斬首を連想してしまうと。
 彼の祖国は独裁国家だった。

ネズミの糞を食う

2008-12-20 | 【樹木】ETC
 今朝も唐鼠黐(トウネズミモチ)の木に、鵯(ヒヨドリ)が来ていた。
 木を見ると、あんなにびっしりなっていた黒灰色の実が、あらかた食べ尽くされている。
 そのことを妻に報告すると、「あなたも食べてみたら」と言われた。
 鼠黐(ネズミモチ)という名は、その葉がモチノキに似ており、その実がネズミの糞を連想させるからだったと思う。
 ネズミの糞を口にする気はない。