ウィリアム・カウント・ベイシーの「ストリート・アヘッド」(1968 Verve)
1960年代後期の名盤の一枚。
ビッグ・バンドの醍醐味を理屈なしに愉しめる一枚。
9曲、収録されている。
1.ベイシー・ストレート・アヘッド
2.イツッ・オー・ソー・ナイス
3.ロンリー・ストリート
4.ファン・タイム
5,アジック・フリー
6.スイッチ・イン・タイム
7.ヘイ・バーナー
8.ザット・ウォーム・フィーリング
9.クイーン・ビー
CARMEN McRAE(カーメン・マクレイ)のFor Once In My Life(フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ)。
1967年録音、レーベルはAtlanticである。
カーメン・マクレイ(vo)
ジョニー・キーティング(arr,cond)
一般によく知られた曲が歌われている。
カーメン・マクレイは、1920年の生まれだから、このアルバムの録音があった1967年は、47歳であったと言うことになる。
ジャケットの写真にも、それが伺える。
若さが残っている。
バルネ・ウィランがいいなと思い出したのは、アート・ブレイキーの「危険な関係」(1959年録音)での演奏を聞いた時からだ。
サウンドトラック「危険な関係」のなかの「プレリュード・イン・ブルー」が、とても気に入った。
以降、バルネ・ウィランのCDを何枚も買って、聞いた。
それは、以下のアルバム。録音年順にならべてみた。
1957 Tilt:ティルト (Swing)
1959 Barney:バルネ(RCA)
1959 Un Témoin dans la ville:「彼奴を殺せ」(fontana)
1972 Moshi:モシ(SARAVAH)
1981 French Story:フレンチ・ストーリー(STEMRA/ALFA)
1990 Paris Moods:パリス・ムード(ALFA)
1991 Modern Kostalgie:モダン・ノスタルジー(ALFA)
1994 New Yorf Romance:ニューヨーク・ロマンス(SUNNYSIDE/Venus)
1995 Passione:パッショーネ(Venus)
etc Nature boy:ネイチャー・ボーイ(Jazz Line)
これらのなかで、普通に親しむのは、1980年代になって、マル・ウォルドロンと演奏したりした頃のもの。
1972年の「モシ」は、ちょっと異質である。
当時のジャズ・シーンが影響しているか。
クロスオーバーの雰囲気が濃厚である。
エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング/ポーギーとベス/Verve/1957
ジョージ・ガーシュウインのミュージカル・オペラ作品「ポーギーとベス」をエラとルイが歌う。
エラ・フィッツジェラルド
ルイ・アームストロング
ラッセル・ガルシア・オーケストラ
ジャッド・コンロン・シンガーズ
「ポーギーとベス」は、ポーギーとベスの物語。
だいたい、次のようなもの。
舞台は、キャットフィッシュ・ロウ。
アケリカ・サウスカロライナ州のチャールストンにある黒人の貧民窟。
身体に不具合があり貧しいポーギーは、情をかけたベスと同棲することになる。
そのベスは、殺し屋の情婦だった。
ポーギーは、その殺し屋を成敗し、警察に捕まる。
一人になったベスは、セックスと麻薬の魅力に抗しきれず、ポーギーのもとから離れていく。
アルバムでは、ストーリーの流れにそって、歌われる。
全部で15トラックになっていて、序曲からはじまる。
2トラック目に、もっとも有名な「サマータイム」が歌われる。
この歌は、多くのミュージシャンがとりあげている。
このブログでも、このことは何度も書いた。
ヴォーカルでは、ビリー・ホリディのが評判がいいようだが、僕には、このエラとルイのが、出色だと思う。
アルバムのラスト・トラックは、「お主よ、私は祈りの道を」。
救いがたいのが人間、神に憐れみを求めることになる。
レイ・ブライアント「アローン・アット・モントルー」(1972 Atlantic)
レイ・ブライアントによるピアノ・ソロ・アルバム。
スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏である。
オスカー・ピーターソンの代役としてのプレイだったそうだ。
この時の演奏の素晴らしさで一気に名を高めたそうだ。
1.ガッタ・トラヴェル・オン
2.a.ブルース#3
b.柳よないておくれ
3.クバノ・チャント
4.ロッキン・チェア
5. アフター・アワーズ
6.スロー・フレイト
7.グリーンスリーブス
8.リトル・スージー
9.別れのときまで
10.ブルース#2
11.“愛の夢”ブギー
あの鍵盤の叩き方、常軌を逸している。
ここのところ、気分が重くなることが多い。
それを霽らしたい。
刺激の強いものが欲しい。
マルのピアノは、いいかも知れない。
重く、暗い気分に付き合ってくれる。
付き合って、消してくれる。
マル・ウォルドロンの「マル-4」(1958 Prestige)
半世紀くらい前に買ったマルのLPが3枚ある。
・レフト・アローン
・オール・アローン
・マル-1
俺の胸にあるものは、何も変わっていないか。
失ったものが戻ることはない。
時間が少しばかり癒してくれる
時の流れは、残酷なばかりではない。
「マル-4」、演奏者。
マル・ウォルドロン(p)
アディソン・ファーマー(b)
ケニー・デニス(ds)
収録曲は7曲。
ホレス・パーラン・トリオの「ハイフライ」(1978 Steeple Chase)。
ピアノとギターとベースのトリオである。
ホレス・パーラン(p)
ダグ・レイニー(g)
ウィルバー・リトル(b)
12トラック、6曲を収録、1曲を2回演奏。
1.ハイフライ
2.ラウンド・アバウト・ミッドナイト
3.ワンシ・アイ・ラヴド
4.ダーン・ザット・ドリーム
5.フー・ケアズ?
6.ウエスト・コースト・ブルース
ルイ・アームストロングで、「表通りで:ON THE SUNNY SISE OF THE STREET」を「コンプリート・タウン・ホール・コンサート」なるアルバムに収録されているのを聞いてみたかった。
ジャズ・アルバムのガイド・ブックで、そのジャケットの写真を見ていた。
それをたよりに、新宿のディスク・ユニオンに寄るたびに、CD棚を眺めたが、そのアルバムが見あたらなかった。
CD化されていないと言うこともあるかもしれないと思った。
それで、ネットで調べてみた。
そして、「AT TOWN HALL:ザ・コンプリート・タウン・ホール・コンサート(完全盤)」なるアルバムがあることを知った。
これを見つけられれば、その方がいいと思った。
CD2枚組で、RCAから出ているものをついに見つけた。
このアルバムは、1947年5月17日の演奏の記録である。
録音は、1947年ということで、よくないが、ジャズの魅力あふれたアルバムになっている。
プレイヤー全員の溌剌とした意気込みが感じられる。
若きルイ・アームストロングのいきいきした声とトランペットを聞くことが出来た。
「コンプリート・タウン・ホール・コンサート」は14トラックで、完全盤「アット・タウン・ホール」は21トラック。
バルネ・ウィランの「ティルト:TILT」(SWING)のBMGから発売されているものを買った。
盤に、Made in the E.U.とある。
バルネ・ウィランが好きなので、収録曲も気に入りが多く、中味が同じ、外装だけ違うというのをつい買ってしまった。
ザ・グレイト・ジャズ・トリオとは、誰の命名なのだろうか。
臆面ないというか、慎みある人は、そんな風には名乗らない。
その3人は、ハンク・ジョーンズ、ロン・カーター、トニー・ウィリアムス。
「ザ・グレイト・ジャズ・トリオ / アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード / 1977 / EW」
1977年、ニューヨークのヴィレッジ・バンガードでのライブである。
スイングジャーナル誌で、ジャズディスク大賞・銀賞と評価の高い一枚。
ハンク・ジョーンズ、サド・ジョーンズ、エルビン・ジョーンズは、兄弟。
年齢順で、楽器は、ピアノ、トランペット、ドラム。
どうしてか、私の好みのエリアに登場しない人たちだ。
〈収録曲〉
1.ムース・ザ・ムーチ
2.ネイマ
3.フェイヴァース
4.12+12
アン・バートンのデビュー・アルバム「ブルー・バートン」(1967 EPIC/SONY)。
アン・バートンは、1933年生まれのオランダの女性ジャズ・ヴォーカリスト。
歌詞を大切にしたと言うことで、聞いていても、それが感じられる。
ハートフルでしっとりした歌声が愉しめる。
ライナー・ノーツを書いた青木啓氏は、6曲目の「心変わりしたあなた」は、本盤のハイライトと褒めていたが、まさしくその通りで、素晴らしい。
伴奏のルイス・ヴァン・ダイクのピアノ、9曲の収録曲中、3曲に登場するピエ・ノールディクのアルト・サックスもムーディーでいい。
トータルになかなかいいアルバムだと思う。
でも、残念なのは、「ブルー・バートン」と言うアルバム・タイトルにこだわったのかも知れないが、青味がかったジャケット、まるで、印刷ミスみたいでいただけない。
人の顔をあんなに青ざめさせてはいけない。
〈パーソネル〉
アン・バートン(vo)
ルイス・ヴァン・ダイク(p)
ジャック・スコルズ(b)
ジョン・エンゲルス(ds)
ピエ・ノールディク(as)
〈収録曲〉
1.捧ぐるは愛のみ
2.ゴー・アウェイ・リトル・ボーイ
3.ヒー・ウォズ・トゥー・グッド・ミー
4.バット・ノット・フォー・ミー
5.思いではやすし
6.心変わりしたあなた
7.グッド・ライフ
8.夜は更けて
9.サニー
休日の夕方、カーメン・マクレエを聞こうか。
カーメン・マクレエ&デイブ・ブルーベック / テイク・ファイブ / CBS / 1961
ニューヨークのベイズン・ストリート・イーストでのライブ他。
1.想いを若さに
2.あなた次第で
3.若さにまかせて
4.あるカウボーイの想い出
5.愛の結末
6.メランクサ
7.ラギー・ワルツ
8.ブルーになって
9.神にすがって
10.トラベリン・ブルース
11.テイク・ファイブ
12.気軽に愛して
なんだか、「愛の結末」、聞かせるな。歌詞は英語で、分からないけど、胸に迫るものがあるな。
他のことをしながら、なんとなく聞いたけど、なかなかよかった。
「バードランドの子守歌」は、ジョージ・シアリング作曲、ジョージ・デビッド・ワイス作詞のジャズのスタンダード・ナンバー。
多くの歌手がこの歌をとりあげ、演奏も幾多あるが、一番人気は、クリス・コナーのヴォーカル。
クリス・コナー「シングス・ララバイ・オブ・バードランド」(1956 ベツレヘム)。
初期の代表作とされるアルバム。
バードランドは、ニューヨークのジャズ・クラブの名前。
クリス・コナーは、1927年の生まれ、2009年に81歳で亡くなっている。
窓の外の八重桜が満開。
昨日の雨で、花がいささかぼてっとしている。
アン・バートンの伴奏を聞いて、ルイス・ヴァン・ダイクのリーダー・アルバムを聞いてみたいと思った。
そのピアノの音に独特のものを感じたのだ。
「ルイス・ヴァン・ダイク/男が女を愛する時/1968/Artone」
広く知られ、親しみやすい曲を演奏している。
演奏しているのは
ルイス・ヴァン・ダイク(p)
ジャック・ショールス(b)
ジョン・エンゲルス(ds)
かまえることなく接し、愉しめる10曲。
1.男が女を愛する時
2.ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド
3.シーズ・リーヴィング・ホーム
4.マーシー・マーシー・マーシー
5.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
6.青い影
7.ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー
8.ワンス・アポン・ア・サマータイム
9.ラウンド・ミッドナイト
10.ワルツ・フォー・デビー
だいぶ前に聞いたアーチー・シェップの「ゴーイン・ホーム」(1977)を棚から取り出した。
同じスティープル・チェイスからのホレス・パーランの「ハイ・フライ」(1978)のライナー・ノーツを見ていたら、「ゴーイン・ホーム」のことが書いてあった。
「ゴーイン・ホーム」は、アーチー・シェップとホレス・パーランのデュオと。
前は、ホレス・パーランのことを知らなかった。
それで、今度は、ホレス・パーランのピアノを意識して聞いてみたいと思った。
ソロの部分も含めて、シェップに付き合ってあげてるという感じかな。
シェップの奇矯なところ、やはり、気になるな。