マイルスのイルカ

2021-04-30 | 【断想】音楽

 マイルス・ディビスの「1958マイルス」(CBS)から、「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」。
 演奏は、以下の錚々たる顔ぶれ。
 マイルス・ディビス(tp)
 ジョン・コルトレーン(ts)
 キャノンボール・アダレイ(as)
 ビル・エバンス(p)
 ポール・チェンバース(b)
 ジミー・コブ(ds)
  イントロは、ビル・エバンスのピアノ。
 ミュートをきかしたマイルスのジャージーなトランペットが続く。
 そして、コルトレーンのふくよかなテナー・サックスのソロ。
 キャノンボールのハイレベルで安定感のあるアルト・サックス。
 全体をとおして、エバンスが洒落たムードをつくっている。
 なんともいやはやの名演である。


ロリンズのイルカ

2021-04-30 | 【断想】音楽

 ソニー・ロリンズの「オン・インパルス」(1965 インパルス)から、「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」。
 以下のメンバーによるワンホーンの演奏である。
 ソニー・ロリンズ(ts)
 レイ・ブライアント(p)
 ウォルター・ブッカー(b)
 ミッキー・ローカー(ds)
 ロリンズです、とばかりにテナー・サックスではじまる。
 当時のジャズ・シーンがロリンズの演奏に影響しているせいもあるのだろうが、かなり原形と異なるものとなっている。
 ロリンズを聞くにはいいかも知れぬが、「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」の曲そのものを聞くにはふさわしくないかな。
 なんだか、もとの形をなぞりたくて、それにふさわしいかどうかは分からぬが、サラ・ヴォーンとサリナ・ジョーンズのヴォーカルを改めて聞いた。


ドルフィン・ダンス:DOLPHIN DANCE

2021-04-29 | 【断想】音楽

 ハービー・ハンコックの「処女航海」から、自身が作曲した「ドルフィン・ダンス」。
 トランペットを吹くのは、フレディ・ハバード。
 1965年の録音だ。
 チェット・ベイカーの「オワイト・ブルース」から、「ドルフィン・ダンス」。
 これは、1983年の録音だ。
 この曲のイルカは、曲芸でジャンプをするようなのでなく、静かになめらかに泳ぐ。
  ハービー・ハンコックのは、昼の凪いだ海を連想。
 チェット・ベイカーのは、夜の誰もいない海を連想。


グリーン・ドルフィン:GREEN DOLPHIN

2021-04-29 | 【断想】音楽

 ジャズのスタンダード・ナンバー「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」。
 もともとは、映画「大地は怒る」のテーマ・ミュージックで、ブロニスラウ・ケイパーが作曲した。
 1947年のことで、第二次世界大戦が終わってまもなくの頃である。
 そして、後にネッド・ワシントンが歌詞を付け、広く歌われるようになった。
 しかし、インストルメンタルの曲としても人気があリ、よく演奏される。
 とてもモダンで、洒落れている、そのうえ幻想的でもある魅力的な曲、バラードである。
 そのタイトルだが、「グリーン・ドルフィン通り」と聞くと、港町かな、近くの海には青緑いイルカが泳いでいるのかなとイメージがふくらむ。
 詞は、グリーン・ドルフィン・ストリートでの恋の思い出を歌ったもので、「夢だったかのようだけど・・・」というもの。
 ヴォーカル、インストゥルメントにとりあえず以下のようなもの。
 ●ヴォーカル:マーク・マーフィー「ラー」(リヴァーサイド)
 ●ヴォーカル:サリナ・ジョーンズ「星へのきざはし」(東芝EMI)
 ●ヴォーカル:サラ・ヴォーン「ザ・ベスト・オブ・サラ・ヴォーン(EMI)
 ●ヴォーカル:メル・トーメ「カミン・ホーム・イビー」(アトランティック)
 ●インストゥルメント:マイルス・ディビス「1958マイルス」(CBS)
 ●インストゥルメント:オスカー・ピーターソン「ロンドン・ハウス」(ヴァーブ)
 ●インストゥルメント:エリック・ドルフィー「アウトワード・バウンド」(Prestige)
 ●インストゥルメント:ソニー・ロリンズ「オン・インパルス」(インパルス)
 ●インストゥルメント:バニー・ケッセル他「ポール・ウインナーズ」(CONTEMPORARY)
 ●インストゥルメント:デューク・ジョーダン「フライト・トゥ・デンマーク」(Steeple Chase)
 上記のうち、手元にCDがあるサリナ・ジョーンズ、サラ・ヴォーン、バニー・ケッセル、デューク・ジョーダン、エリック・ドルフィーと聞いた。
 ドルフィーの奏する管楽器のヴァラエティーにとんだ音色は、素晴らしい。


老いぼれデビル

2021-04-28 | 【断想】音楽

 OLD DEVIL MOON:オールド・デヴィル・ムーン:老いた悪魔の月
 バルネ・ウィランの「ニューヨーク・ロマンス」で、この曲を聞いて、ソニー・ロリンズのものもと思った。
 バルネ・ウィランは、ソニー・ロリンズにあこがれていたようだから、それでの選曲なのだろうか。
 ロリンズのは「ビレッジ・バンガードの夜 VOL.1」に収録されている。
 CDでは、ラストに位置しているが、もともとのLPでは、トップだったはずだ。
 久し振りに聞く。
 やっぱり、ロリンズ、凄いな。パワフル、迫力が。
 時の流れをこえた凄さがある。


ニューヨーク・ロマンス

2021-04-28 | 【断想】音楽

 バルネ・ウィラン・カルテットの「ニューヨーク・ロマンス」(ヴィーナス 1994)
 ピアノにケニー・バロンを迎えてのカルテット。
 バルネ・ウィラン(ss,ts,bs)
 ケニー・バロン(p)
 アイラ・コールマン(b)
 ルイス・ナッシュ(ds)
 曲は、デューク・ジョーダン作曲の「危険な関係のブルース」から始まる。
 2曲目には、昨日、ジュリー・ロンドン他で聞いた「クライ・ミー・ア・リバー」。
 今にも消えいりそうな静かな演奏になっている。
 これをアタマに、よく知られたスタンダード・ナンバーがならぶ。
 ウィランのインプロビゼーション、いささかありきたりかな。
 アッと感じさせるところないような。
 7曲目の「ドント・フェンス・ミー・イン」は、ほとんど普通に吹いている。
 こう言うのが、なめらかでソフトな特色がよく出ていいのでないかな。
 8曲目「オールド・デヴィル・ムーン」、老いた悪魔の月とは、どんな月かな。
 ラストは、「アイ・ウィル・セイ・グッバイ:I Will Say Goodbye」。
 生きていると、もうサヨナラと言いたくなる出会いもあるな。
 サヨナラしたくない友が、サヨナラになってしまったりもあるな。
 1.危険な関係のブルース'94
 2.クライ・ミー・ア・リバー
 3.ブルース・ウォーク
 4.ユーブ・チェンジド
 5.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
 6.マック・ザ・ナイフ
 7.ドント・フェンス・ミー・イン
 8.オールド・デヴィル・ムーン
 9.アイ・ウィル・セイ・グッバイ


スイート・メモリー:SWEET MEMORIES

2021-04-27 | 【断想】音楽

 松田聖子の「スイート・メモリー:SWEET MEMORIES」。
 この前、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」をオリビア・オンと言うフィリッピン出身の女性歌手が歌うのを、ユーチューブで聞いた。
 とても素晴らしかった。
 そして、その人が、「スイート・メモリー」をも歌っていた。
 これがまた、とてもよかった。
 それで、もととなる松田聖子のも聞き直した。
 とても、うまいな、声もすばらしいなと改めて感じた。
 女性のかわいさを感じさせる声、か弱さを守ってやらなくてはと思わせる声である。
 松田聖子が登場した頃のことを思い出す。
 やはり、すてきだなと感じていたこと。
 ちょっと、それまでにないよさが感じられるなと思っていたこと。
 新宿の歌舞伎町で毎夜、飲んでた頃だ。
 よく行った店に、聖子と言う名前の女性もいたな。


パッショーネ:Passione

2021-04-27 | 【断想】音楽

 フランスのテナー奏者バルネ・ウィランのロマンス三部作のひとつ。
 それが、地中海地方に照準をあてた選曲で「パッショーネ」。
 1995年、ヴィーナス・レコードからのCDである。
 いつもの通り、ジャケットには、美女モデルを使っている。
 それだけでも、聞いてみようかと思わせる。
 バルネ・ウィラン・クインテット
 バルネ・ウィラン(ts,as,ss)
 エンリコ・ラバ(tp)
 アラン・ジャン・マリー(p)
 ジル・ナチュレル(b)
    フィリップ・ソアラ(ds)
 イタリアのトランペッター、エンリコ・ラバをフィーチャリングしている。
 1.ジターバッグ・ワルツ
 2.マイ・シップ
 3.ライン・フォー・ライオンズ
 4.エスターテ
 5.ベネチアン・ルンバ
 6.パッショーネ
 7.ベゴニア
 8.ベサメ・ムーチョ
 9.ベラ・チャオ
 10.波止場にたたずみ
 11.アル・ヘラズ
 「危険な関係」サウンドトラックの「プレリュード・イン・ブルー」のバルネ・ウィランがよかった。聞いてみようと言う気持ちにさせられたのだ。
 バルネ・ウィランを聞くための参考アルバム。
 1957年 「死刑台のエレベーター」(フォンタナ)※マイルス・ディビス
 1959年 バルネ(RCA)
 1959年 「危険な関係」(フォンタナ)※アート・ブレイキー
 1988年 ワイルド・ドッグス・オブ・ザ・ルウェンゾリ(IDA)
 1989年 ふらんす物語(アルファ・レコード)
 1993年 ニッティ・グリッティ(ヴィーナス)
 1993年 五木の子守歌(ヴィーナス)
 1994年 ニューヨーク・ロマンス(ヴィーナス)
 1995年 パッショーネ(ヴィーナス)


プレイズ・スタンダーズ

2021-04-27 | 【断想】音楽

 デューク・ジョーダン・トリオの「プレイズ・スタンダーズ:PLAYS STANDARDS」。
 1983年、コペンハーゲンで録音。
 CDは、:センチュリー・レコード発売。
 いつしか、デューク・ジョーダンのピアノが、すっかり好きになってしまった。
 それで、このアルバムも聞こうと思った。
 その名の通り、スタンダード・ナンバー6曲が演奏されている。
 なかなか聞かせるアルバムだ。
 演奏しているトリオのメンバー。
 デューク・ジョーダン:Duke Jordan(p)
 イエスパー・ルンゴー:Jesper Lundgaard(b)
  オデア・タンゴー:Aage Tanggaard(ds)
 収録曲は、以下。
 1.I SHOULD CARE
 2.AUTAMN LEAVES
 3.CRY ME RIVER
 4.GONE WITH THE WIND
 5.THESE FOOLISH THINGS
 6.THE WAY YOU LOOK TONIGHT
 これら、スタンダード・ナンバーの基礎知識だけメモしておこう。
 ついでに、他のプレイヤーによるものを聞いてみよう。
 1,アイ・シュッド・ケア:I SHOULD CARE
   作詞・作曲:サミー・カーン+アクセル・ストーダール+ポール・ウェイン(1944)
   ラブ・ソングで、ジューン・クリスティの歌ったのが知られているようだ。
   また、パウエル、モンク、エバンスとピアニストたちの演奏の評価が高い。
   以下、聞いてみた。
   ・チェット・ベイカーが、ストリングスをバックにトランペットを奏でたもの。
   ・バド・パウエルのピアノ、「バド・パウエルの芸術」で。
   ・セロニアス・モンクのピアノ・ソロ、「セロニアス・ヒムセルフ」で。
   ・エディ・ヒギンズのピアノ・トリオ、「魅せられし心」で。
 2.オータム・リーブス(枯葉):AUTAMN LEAVES
   この曲は、サラ・ヴォーン、キャノンボール・アダレイ、ビル・エバンス・・・素晴らしい演奏が多数ある。
 3.クライ・ミー・ア・リヴァー:CRY ME RIVER
   作詞・作曲:アーサー・ハミルトン(1953)
   「クライ・ミー・ア・リヴァー」は、川のように涙を流して泣くと言うような意。
   不誠実な恋人に泣かされると言うブルー・バラードである。
   ジュリー・ロンドンが歌って大ヒットした。
   ・ジュリー・ロンドンのヴォーカルで聞く。
    ギターとドラムだけの伴奏で歌う最初のものと後の盤とで。
   ・ニッキ・パロットの色っぽい歌いぶりの「ムーン・リバー」で。
 4.ゴーン・ウィズ・ザ・ウインド(風と共に去りぬ):GONE WITH THE WIND
   歌詞:ハーブ・マジソン、作曲:アリー・リューベル(1937)
   同名の映画とは別のもの、もともと、失恋のスロー・バラード。
   ・エラ・フィッツジェラルドの歌、「イン・ベルリン」で。
    さすが、エラ、元気よくのってます。
 5.ジーズ・フーリッシュ・シングス:THESE FOOLISH THINGS
        作詞:ホルト・マーベル、作曲:ジャック・ストレイチー+ハリー・リンク(1936)
   去ってしまった恋人の品々をてもとに悲嘆にくれる歌。
   ・スコット・ハミルトンとエディ・ヒギンズ・トリオの「マイ・フーリッシュ・ハート」で。   
   ・チェット・ベイカー・セクステットの「チェット・イズ・バック」で。
    もうひとつ、「イン・パリス チェット・ベイカー・カルテット プレイズ・スタンダーズ」で。
   ・さらに、チェット・ベイカーでもうひとつ「ホワイト・ブルース」で。
   ・スタン・ゲッツのテナー・サックス、「プレイズ」で。
 6.ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト(今宵の君は):THE WAY YOU LOOK TONIGHT
   作詞:ドロシー・フィールズ、作曲:ジェローム・カーン(1936)
   どんなに辛いことがあっても、今宵の君のことを思い出せば、何とかなるさと言う歌。
   1936年の映画「スイング・タイム(有頂天時代)」で、主演のフレッド・アステアが歌った。
   ・ペギー・リーのヴォーカル、「ペギー・リーの肖像」で。
    バックに可愛いセレステの音が入っている。
   ・スタン・ゲッツのテナー・サックス、「プレイズ」で。
    これで、ピアノを弾いているのは、デューク・ジョーダン。
   ・アート・ペッパーのアルト・サックス、「サーフ・ライド」で。
              アップ・テンポで、のりのりの演奏。


“サムシン・エルス”

2021-04-25 | 【断想】音楽

 ピアノの名演盤紹介の本をみていたら、ハンク・ジョーンズの名で「サムシン・エルス」が載っていた。
 言わずと知れたモダン・ジャズの名盤中の名盤、キャノンボール・アダレイの名義で出ている「サムシン・エルス」である。
 1958年、ブルー・ノートからで、ともかく演奏メンバーが凄い。
 キャノンボール・アダレイ(as)
 マイルス・ディビス(tp)
 ハンク・ジョーンズ(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 アート・ブレイキー(ds)
 確か、マイルス・ディビスもこのレコードでのミュートをきかしたトランペットでおおいに人気を高めたはずだ。
 改めて聞いて、「名盤中の名盤」、「歴史的名盤」と言う評価に納得である。
 アルト・サックス、トランペット、ピアノ、ベース、ドラム、どれもこれも魅力的である、素晴らしい。
 鮮烈な印象をもたらすマイルス・ディビスのトランペットと一緒に、キャノンボール・アダレイのサックスを聞くと、凡庸な感じもする。しかし、並の技ではない、それに、おおらかで優しさが感じられ、それが魅力となっている。
 収録曲は、以下の通りである。
 1面、1.枯葉
    2.ラヴ・フォー・セール
 2面、1.サムシン・エルス
    2.ワン・フォー・ダディ・O
    3.ダンシング・イン・ザ・ダーク
 2面の1の「サムシン・エルス」は、マイルス・ディビスの曲である。曲中、ハンク・ジョーンズのピアノは、凄く抑制して鍵盤を叩いているように聞こえる。
 このレコードについては、LPとCDをもっている。CDには、1曲おまけで、「アリソンズ・アンクル」が付いている。  


アランフェス・コンチェルト

2021-04-21 | 【断想】音楽

 ここのところ、「アランフェス協奏曲」と言うと、ジム・ホールのを聞くことが多い。
 それに、クラシック盤を超えたとも評されたマイルス・ディビスのもの。
 今日は、クラシックで。
 もともとは、ホアキン・ロドリーゴによる名曲。
 フィルハーモニア管弦楽団
 指揮:ガルシア・ナバロ
 ギター:ナルシソ・イエペス 
  1979年に、ロンドンで録音。


Black orpheus

2021-04-21 | 【断想】音楽

 バルネ・ウィランで「黒いオルフェ」。
 スタン・ゲッツ&ゲイリー・マクファーランドで「カーニヴァルの朝」。
 ポール・デスモンドの「テイク・テン」の「黒いオルフェ」。
 バルネ・ウィランはいささか気負いぎみ。
 スタン・ゲッツのは、オケが入って大袈裟に。
 くつろぎには、ポール・デスモンドがジム・ホールとやっているのがいい。


あなたと夜と音楽と

2021-04-20 | 【断想】音楽

 「あなたと夜と音楽と」、この曲の演奏では、ビル・エバンスのものが人気があるようだ。
 You and the night and the music fill me with flaming desire,
 Setting my being completely on fire !
 「あなたと夜と音楽がわたしを燃え上がらせる・・・」と歌われる。
 作詞は、ハワード・ディーツ、作曲は、アーサー・シュワルツ。
 ジュリー・ロンドンのヴォーカルで聞く。
 そして、キース・ジャレットのピアノ・トリオで。
 チェット・ベイカーの「チェット」で、この演奏のピアノは、ビル・エバンス。
 エディ・ヒギンズのピアノ・トリオで。
 このように、聞きくらべると、キース・ジャレットのは、高度すぎる。
 夜、愉しむには、凡庸なと言うと失礼かも知れぬが、エディ・ヒギンズのがいい。