アラブの街で

2020-06-30 | 【断想】音楽

 クセナキスの「Domaathen(ドマーテン)」(1977 MODE)
 オーボエとパーカッションの11分ばかりの曲。
 出だし、アラブの街では、こういう音も聞こえてくるかと思わせる。
 「ドマーテン」とは、果たして何であろうか。


大地母神の娘

2020-06-29 | 【断想】音楽

 クセナキスの「Persephassa(ペルセパッサ)」(1969 MODE)。
 ペルセパッサ(ペルセフォネー)は、ハーデス(冥界の王)の妻にして、デーメテール(大地母神、豊穣の神)の娘。
 6人のパーカッション奏者による曲。
 ギリシア神話には、次のような話がある。
 野で花摘みを愉しんでいたペルセフォネは、裂けた大地から躍り出た黒塗りの馬車の男に、冥界へと連れ去られた。ペルセフォネの母である女神デメテルは怒った。豊穣の神たる任を放棄し、地上には、飢饉がひろまった。
 さて、ペルセフォネのその後は、続きは、どうぞ、本ででも。
 ペルセパッサ=ペルセフォネー=ペルセポネー
  デーメテール=デーメーテール=デメテル
 ギリシア神話に登場する神や人の名は、本により色々で、うんざりする。


サッフォー

2020-06-29 | 【断想】音楽

 クセナキスの「Psappha(プサッファ)」(1975 MODE)。
 パーカッションのソロ。
 「プサッファ」は、サッフォー、サッポオに同じ。
 サッフォーの詩の一節(沓掛良彦訳)
 エロースがわたしの心を襲うては
 烈しく揺すぶった さながら
 山風が吹き来たり
 樫の樹を襲うのにも似て・・・・


Mercy,Mercy,Mercy!

2020-06-28 | 【断想】音楽

 キャノンボール・アダレイの「SOMETHIN' ELSE」を聞いたので、彼のものをもうひとつ。
 「Mercy,Mercy,Mercy!:マーシー・マーシー・マーシー」(1966 Capitol)
 キャノンボール・アダレイ・クインテットの演奏。
 ジャケットに、次のようにある。
 「ファンキーなバンド・カラーからジャズ・ロックへ転換し成功を収めたキャピトル時代の会心ヒット作!」
 ともかく、楽しく聞ける。
 確か、この一連の大衆うけに対するチャールズ・ミンガスの刺激的コメントがあったな。


SOMETHIN' ELSE

2020-06-28 | 【断想】音楽

 モダン・ジャズの名盤中の名盤。
 SOMETHIN' ELSE:1958年、BLUE NOTEからのリリース。
 キャノンボール・アダレイ(as)
 マイルス・ディビス(tp)
 ハンク・ジョーンズ(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 アート・ブレイキー(ds)
 以上の顔ぶれによる演奏である。
 収録曲1曲目は、AUTUMN LEAVES(枯葉)。
 マイルス・ディビスの静寂に響くような哀感いっぱいのトランペットにひきつけられる。
 2曲目は、LOVE FOR SALE(ラブ・フォー・セール)、これぞ、モダン・ジャズと思わせる。
 そして、SOMETHIN' ELSE(サムシン・エルス)他へ。


この世の名残

2020-06-27 | 【断想】音楽

 アート・ペッパーの「ゴーイン・ホーム」(Galaxy 1982)。
 アート・ペッパーのラスト・レコーディングと言われるアルバムである。
 彼のアルバムは、1950年代のものの評価が高い。
 でも、ラスト・レコーディングと言われると気になる。
 曲目もメロディを知っているような親しみやすいものだ。
 アルバート・アイラーにも、「ゴーイン・ホーム」と言うアルバムがある。
 その選曲の共通性が気になる。
 演奏は、アート・ペッパーとピアノのジョージ・カブレスの二人である。
 収録曲は以下の通り。
 1.ゴーイン・ホーム 
 2.サンバ・モン・モン 
 3.イン・ア・メロウ・トーン 
 4.ドント・レット・ザ・サン・キャッチ・ユー・クライン 
 5.イズント・シー・ラヴリー 
 6.ビリーズ・バウンス 
 7.ラヴァー・マン 
 8.ザ・スウィーテスト・サウンズ
 9.ドント・レット・ザ・サン・キャッチ・ユー・クライン
 10.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
 ※9,10は、CDで、Bonus tracks。
 なかなかいいアルバム。
 そう思って聴くと、苦しかったけど、愛してやまぬこの世への名残のよう。
 しみじみと・・・・。
 これに付き合い、ペッパーを支えているジョージ・カブレスのやさしさも身にしみる。


ミーツ・ザ・リズム・セクション

2020-06-27 | 【断想】音楽

 「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」(CONTEMPORARY 1957)
 アルバム名にあるように、アート・ペッパーが、マイルス・ディビスのリズム・セクションとともに演奏した。
 マイルス・ディビスのリズム・セクションとは、当代のトップ・ランナーだった。
 アート・ペッパー(as)
 レッド・ガーランド(p)
 ポール・チェンバース(b)
 フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
 1.YOU'D BE SO NICE TO COME HAME TO
  2.レッド・ペッパー・ブルース
 3.イマジネーション
 4.ワルツ・ミー・ブルース
 5.ストレート・ライフ
 6.ジャズ・ミー・ブルース
 7.ティン・ティン・デオ
 8.スター・アイズ
 9.バークス・ワークス
 10.ザ・マン・アイ・ラブ
 アート・ペッパーは、1925年、カリフォルニア州ガーディナに生まれた。
 1957年に代表作と言える「モダン・アート」、「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」を残す。
 はじめの麻薬中毒から立ち直った頃だ。
 岩浪洋三氏の本に、アート・ペッパーについて、「・・・彼は感受性が豊かな上に傷つきやすい性格で意志も弱く、一九五四年には麻薬の中毒となって病院入り・・・」とある。


LATE NIGHT GUITAR

2020-06-25 | 【断想】音楽

 アール・クルーの「LATE NIGHT GUITAR:レイト・ナイト・ギター」(1979-80 BLUE NOTE)
 誰かが、夜に聴くジャズとして、紹介していた。
 そのことに期待して、聴いてみることにした。
 レコード店では、フュージョンに分類されている。
 わたしが、ほとんど聴くことがないジャンルである。
 わたしにとってのジャズは、1950-1960年代の、いわゆるウエスト・コースト・ジャズ、ハード・バップ、フリーと呼ばれるものだ。
 「レイト・ナイト・ギター」の第一印象、そのギターの音、甘い音だなあ。
 ストリングとあわせ、優しい、女性的な音だなあ。
 わたしの好みから言うと、いささか甘すぎる。
 渋み、辛みが欲しいなと言う感じ。
 ストレートのウィスキーがわたしの好み。
 これは、甘みの多い、赤いチェリーがのってるようなカクテルだな。
 曲目も、「テンダリー」、「モナ・リサ」とか「ア・タイム・フォア・ラブ」。
 こういうの、ジャズじゃないな・・・・。


Stan Getz Plays

2020-06-25 | 【断想】音楽

 スタン・ゲッツ・プレイズ/ヴァーブ/1952
 スタン・ゲッツが25歳の時の演奏
  スタン・ゲッツ(ts)
 デューク・ジョーダン(p)
 ジミー・レイニー(g)
 ビル・クロウ(b)
 フランク・イソラ(ds)
  1.星影のステラ
 2.タイム・オン・マイ・ハンズ
 3.ティズ・オータム
 4.今宵の君は
 5.恋人よわれに帰れ
 6.身も心も
 7.アラバマに星落ちて
 8.ユー・ターンド・ザ・テーブルズ・オン・ミー
 9.サンクス・フォー・ザ・メモリー
 10.ヒム・オブ・ジ・オリエント
 11.ジーズ・フーリッシュ・シングス
 12.ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン
 13.NOBODY ELSE BUT ME
 14.DOWN BY THE SYCAMORE TREE
 15.I TILL YOU HADN'T ANYONE
 16.WITH THE WIND AND THE RAIN IN YOUR HAIR
  13~16は、CDで追加。
 聞きやすくて、くつろぎのムードもあっていい。
 そこに、ひたって、それ以上を求めなければ、それでいい。
 6月下旬、窓の外は緑があふれている
 今日は、はやく帰って、スタン・ゲッツ。


SPIRITUAL REUNION

2020-06-24 | 【断想】音楽

 ALBERT AYLER / LASUT RECORDINNG / RCA / 1970
 SPIRITUAL REUNION / 2-SIDE2-1
 このアルバムは、わたしに、地球の空気おいしさを教えてくれた。
 油井正一氏は、「・・・1960年代のジャズの到達点を示す重要なレコード」と評している。「・・・遂にここまで到達した芸術家を召し上げるとは、神も何と残酷なことをするのであろう。・・」と。
 アルバート・アイラーのこのアルバムのことは、これまで何度か書いてきた。
 人のもつ原罪を乗りこえようとひたむきに試みる姿を見、救いを求める声を聞くかのようである。


The Melody At Night,With You

2020-06-24 | 【断想】音楽


 Keith Jarrett / The Melody At Night,With You / ECM / 1999
 キース・ジャレットの代表的アルバム
 1968 サムホエア・ビフォー
 1971 ルータ&ダイチャ
 1971 フェイシング・ユー
 1973 キース・ジャレット・ソロ・コンサート(ピアノ・ソロ)
 1974 生と死の幻想
 1975 キース・ジャレット・ケルン・コンサート
 1976 残氓


プレイボーイズ

2020-06-24 | 【断想】音楽

 チェット・ベイカー&アート・ペッパー/プレイボーイズ
 ワールド・パシフィック/1956
 ジャンルとしては、ウエスト・コースト・ジャズ。
 チェット・ベイカー(tp)
 アート・ペッパー(as)
 フィル・アーソ(ts)
 カール・パーキンス(p)
 カーティス・カウンス(b)
 ローレンス・マラブル(ds)
 トランペット、アルト・サックス、テナー・サックスの3管編成。
 1.フォー・マイナーズ・オンリー
 2.マイナー・ユアーズ
 3.レゾナント・エモーションズ
 4.タイナン・タイム
 5.ピクチャー・オブ・ヒース
 6.フォー・マイルス・アンド・マイルス
 7.C.T.A
 1956年の演奏・録音である。60年以上も前である。
 当たり前だろうが、今聞くと、古くささ、そして懐かしさを感じる。
 そして、アメリカ社会の変化、とりわけ人種差別のことを思い浮かべてしまう。
 ウエスト・コースト・ジャズは、白人が中心だったこと、経済的にも黒人より恵まれていたからだろうが、音楽学校で勉強できたような人たちが多かったこと。
 そういうバックグランドがあって、ジャズを愉しくできたという面があること。
 ジャズを鬱屈したものの捌け口としても面をもたせなくて済んだこと。
 覚えておかなくてはいけないことだと思う。
 「プレイボーイズ」、悪くはないが、特別よくもないな。
 こういうのを聞いて、一昨日に聞いたエリック・ドルフィーの音を思うと、その情念と思想の厚みが格段に異なって出ていると、感じざるを得ない。


Concierto de Aranjuez

2020-06-24 | 【断想】音楽

 ホアキン・ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
 ナルシソ・イエペス;ギター
 フィルハーモニア管弦楽団
 ガルシア・ナバロ;指揮
 Grammophon 1979録音
 マイルス・ディビスとギル・エバンスによる「アランフェス協奏曲」。
 ジム・ホールの「アランフェス協奏曲」。
 いずれも、原曲の第2楽章「アダージョ」をジャズ化している。
 スペイン情緒いっぱいの名曲だ。


Aranjuez

2020-06-23 | 【断想】音楽

 JIM HALL / CONCIERTO / CTI / 1975
 Concierto de Aranjuez / SIDE 2-1
 Jim Hall(g)
 Roland Hanna(p)
 Ron Carter(b)
 Steve Gadd(d)
 Chet Baker(t)
 Paul Desmond(as)
 チェット・ベーカーのトランペット
 ポール・デスモンドのアルト・サックス
 勿論、ジム・ホールのギター
 くつろぎのひとときをくれる。
 もっと、できること、あったのだろうな。
 つまらないことにとらわれて、そのままだなあ。
  結局、闇夜に生まれて、闇夜に死んでいくということか。