ウエスト・コースト・ジャズの代表的アルバムと言っていいのだろうか。
ジェリー・マリガンの「ナイト・ライツ」(1963 Philips)。
このアルバムは、「美しいメロディーの缶詰」との評を読んだ。
そして、その評者は、ナイト・ライフのおともにと言っていた。
収録曲は、以下の通りである。
1.ナイト・ライツ
2.カーニバルの朝~黒いオルフェ
3.ウィー・スモール・アワーズ
4.プレリュード・ホ短調
5.フェスティブ・マイナー
6.テル・ミー・ウェン
演奏は以下のメンバー。
ジェリー・マリガン:バリトン・サックス、ピアノ
アート・ファーマー:トランペット、フリューゲルホーン
ボブ・ブルックマイヤー:トロンボーン
ジム・ホール:ギター
ビル・クロウ:ベース
デイブ・ベイリー:ドラム
高層ビルの最上階のバー
窓のそとには港町の灯り
カウンターごしに眺められる
僕のとなりには美しい方
ただこの時をこのままで
ウィスキーの香り
THE DAVE BRUBECK QUARTET:ザ・デイブ・ブルーベック・クヮルテット
TIME OUT:タイム・アウト
1959 CBS
■PERSONNEL
DAVE BRUBECK:デイブ・ブルーベック(ピアノ)
PAUL DESMOND:ポール・デスモンド(アルト・サックス)
GENE WRIGHT:ジーン・ライト(ベース)
JOE MORELLO:ジョー・モレロ(ドラム)
デイブ・ブルーベック1920年、カリフォルニアの音楽一家に生まれる。
ピアニストであった母について、4歳頃からピアノを習う。
13歳の時、ミュージシャンとしてスタート。
ヒリビリーやディキシーランドのバンドでピアノを弾く。
オークランドのミルス・カレッジでは、ダリウス・ミヨーに作曲法を学ぶ。
シェーンベルクにも師事したそうだ。
その後、ミヨー門下の同僚と八重奏団を結成。
そして、サンフランシスコを中心に活動。
実験的、先進的なものであったが、一部で評価されただけ。
一般的人気を博すようになるのは、DJのジミー・ライオンズの番組に出演するようになって以降。
クラシックの衣をはおったへんてこりんなピアノが、ポール・デスモンドの清くなめらかなアルト・サックスの音色とあわさって、人気爆発。
違和感のない変拍子ジャズを普通のものに。
デイブ・ブルーベックは、音楽史的には大きく評価されるそうだ。
いずれにしろ、わたしにとって、この「TIME OUT」、その中の「TAKE FIVE」は、ジャズに親しみをもたせてくれた曲である。
スティーブ・レイシーのソプラノ・サックスのソロである。
聞いて、楽しい気分になることがないのは、わかっていて聞いた。
作曲者や奏者の意図が何であるかと思いつつ聞く曲がある。
要するに、何を言いたいのは分からない作品である。
こういうことは、音楽の分野だけでないが。
このアルバムもそんなひとつだ。
そんなのは、他者に聞かせるものなのだろうかと思ってしまう。
かつて、前衛とされたストラヴィンスキーやバルトークは、今や、なじみやすいものになっている。
そういうこともあるが、ただの傲慢の発露でしかないようなものもある。
STABS
STEVE LACY
SORO IN BERLIN;SOPRANO SAX
SAJ-05
RECORDED IN BERLIN, 1975
SIDE 1: 1.DEADLINE 2.COASTLINE 3.THE DUCK
SIDE 2: 1.CLOUDY 2.MOON 3.STABS 4.NO BABY
今、聞いているのは、2面の「MOON」か、そんな感じがある。タイトル名を知ってのこと。
アルバムの名になっている「STABS」は、複数の刺し傷のことだろうか。
イタリア協奏曲:Italienisches Konzert F-dur BWV971
ヨハン・セバスティアン・バッハの作曲。
協奏曲との名が付いているが、チェンバロのソロ。
カール・リヒターが奏する盤(ARCHIV)で聞く。
3楽章でなり、「速い、ゆっくり、速い」である。
この曲、以前から時折聞く。
確か、昨年は、グールドがピアノで弾いたものを何回か聞いた。
ジョン・ケージのカリヨン曲。
「鐘のための音楽・第5:Music for Carillon No.5 」(1967)
CDは、「Music & Graphic」(wergo)
演奏は、オルガンを使っていて、奏者は、Zsigmond Szathmáry。
曲自体は、おもしろくもおかしくもない。
ヴァイオリンがメインのジャズ・フュージョン。
ノエル・ポインターの「ファンタジア:PHANTAZIA」(Blue Note)
もともと、フィージョンをいいとは思わず、聞くことも少ない。
なのに、このアルバムを持っている。
きっと、ヴァイオリンの音にひかれたのだろう。
案外、聞くのである。
これは、嫌ではないのだ。
収録曲
PHANTAZIA:ファンタジア
NIGHT SONG:ナイト・ソング
LIVING FOR THE CITY:リビング・フォア・ザ・シティ
RAINSTORM:ラインストーム
WAYFARINGS STRANGER:ワイファリングス・ストレンジャー
MIRABELLA:ミラベラ
FIDDLER ON THE ROOF:フィデラー・オン・ザ・ルーフ
パーソネルは、曲によって、変化している。
ともかく、ノエル・ポインターのヴァイオリン(エレクトリック&アコースティック)が小気味いい。
実に楽しそうなのだ。
作曲:ホアキン・ロドリーゴ(1901-1999 )
曲名:アランフェス協奏曲(1939)
ギター協奏曲として作られている。このギターをトランペットに代えて、マイルス・ディビスが奏する。
ギル・エヴァンスのアレンジである。
アルバムは、「スケッチ・オブ・スペイン」(CBS 1959)。
ナルシソ・イエペスがギターを弾くクラシック正統版を聞いた。
マイルス・ディビスの「アランフェス」をもう一度と思った。
素晴らしい演奏である。
ここのところ、軽いジャズがいい。
年齢のせいだろうか。
ポール・デスモンドの「ボッサ・アンティグア」(LEGACY 1964)
美しく優しいアルト・サックスの音。
ジム・ホールの洒落たギターの音。
他に、ジーン・ライトのベース、コニー・ケイのドラムス。
1.ボッサ・アンティグア
2.夜は千の眼をもつ
3.オー・ガトー
4.サンバ・カンティーナ
5.悲しみのキュラソー
6.ア・シップ・ウィザウト・ア・セイル
7.アリアンサ
8.東9丁目の女
以上の8曲を収録。
ボサ・ノヴァ・ジャズがここちいい。
作曲:ホアキン・ロドリーゴ(1901- )
曲名:ある貴紳のための幻想曲(1954)
演奏:ペペ・ロメロ(ギター)、ネヴィル・マリナー(指揮)
Academy of St. Martin in the Fields
出版:フィリップス
聞きながら、寝てしまった。
ファンファーレは、しっかり聞こう。
「たいまつの踊り」も。スポーツ
作曲:ホアキン・ロドリーゴ(1901- )
曲名:アランフェス協奏曲(1939)
演奏:ペペ・ロメロ(ギター)、ネヴィル・マリナー(指揮)
Academy of St. Martin in the Fields
出版:フィリップス
3楽章で構成されている。第2楽章の旋律が美しい。
この前、ジム・ホールのギターでのジャズ版を聞いたので、今日はクラシック版。
ジョン・コルトレーンの「BLUE TRAIN ブルー・トレイン」(1957 Blue Note)。
僕にとって、このアルバムは、ジャケットのコルトレーンの写真がなにより印象的だ。
唇に指をあて、何かを考えるかのようなポーズが、とても格好良く見えた。
それで、よく、真似をした。
パーソネル
ジョン・コルトレーン:テナー・サックス
リー・モーガン:トランペット
カーティス・フラー:トロンボーン
ケニー・ドリュー:ピアノ
ポール・チェンバース:ベース
フィリー・ジョー・ジョーンズ:ドラムス
3管編制である。
曲は、「ブルー・トレイン」、「モーメンツ・ノーティス」、「ロコモーション」他。
コルトレーンは、安定している。
サックス奏者としての能力は際立っている。
ただ、僕は、コルトレーンに燦めきを感じない。
どうして、あんなに評価が高いのか。
僕は、夏目漱石より、谷崎潤一郎が好きというタイプである。
「クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・イン・コンサート」(1954 GNP)
ブラウン=ローチ五重奏団は、50曲以上を残したと言われる。
このアルバムは、そのうち、GNPに入れたライブ盤。
スイングジャーナル選定ゴールド・ディスクになっている。
フリーが登場する前、ハードバップの時代。安心して聞ける。
同時期、アート・ブレイキーの方が好きかな。
オーネット・コールマンの「アット・ザ・“ゴールデン・サークル”・ストックホルム:第1集」(1965 Blue Note)。
「フリーと伝統の距離を縮めた」と言われたアルバムである。
はじめて聞いたとき、聞きやすいと感じた。それ以前の、コールマンが耳に残っていたからだろう。
the ornette coleman trio
ORNETTE COLEMAN:arto sax,violin,trumret
DAVID IZENZON:bass
CHARLES MOFFETT:drums
スウェーデンのストックホルムでのライブである。
収録曲
フェイセス・アンド・プレイセス
ヨーロピアン・エコーズ
ディー・ディー
ダウン(夜明け)
「第1集」は、LPとCDで、「第2集」は、CDで持っている。
やはり、聞きやすい。普通のモダン・ジャズとして、接することができる。
それでいて、オーネット・コールマンの音がしている。
でも、特に楽しいとか、気分がのるとか言うものではない。
そうでなくてはならないというものでもない。
ひとつの音楽に接するように、接すればいい。
ウェイン・ショーターの1964年のアルバム「ジュ・ジュ・」(Bleu Note)。
当時のジャズ・シーンのなかでのものと言えようか。
「JUJU」と言うタイトルが示すように、黒魔術の世界をジャズでと言うことか。
ウェイン・ショーター(ts)
マッコイ・タイナー(p)
レジナルド・ワークマン(b)
エルビン・ジョーンズ(ds)
SIDE 1
1.JUJU
2.DELUGE:大洪水
3.HOUSE OF JADE
SIDE 2
1.MAHJONG:麻雀
2.YES OR NO
3.TWELVE MORE BARS TO GO
ウェイン・ショーターの音を聞けば分かる。
フリーとか、みかけだおしの新しさには組しないスタイル。
周りの人たちは、いろいろ言うが、おとなしい本質。
特に、魅力は感じない。