悦楽の時

2019-10-31 | 【樹木】ETC
沓掛良彦編訳のギリシア詞華集「パエリアの薔薇」より、ルーフィーノスなる方の「悦楽の時節」なる詩から。
・・・大きな杯を手に取って
生の酒を存分に呷ろうよ。
人生の悦楽の時節は短いのだ、
やがて老齢がやつてくりや
その日々にやこんなことも叶うまい。
して行きつく先は死なのだから。

ほんとうに、老いて病を得たりすると、
酒も、女も、友との交遊も遠くなる
覚悟しとかなきゃ

雲路を凌ぐ旅の空

2019-10-31 | 【樹木】ETC
謡曲「善界」より、気にとまった詞を写す。
この曲、日本の仏法を妨げんと唐より渡来した善界坊であったが、結局、退散するはめになる話し。
・是は大唐の天狗の首領善界坊にて候。・・・・急ぎ日本に渡り、仏法をも妨げばやと存じ候。
・かほどに妙なる佛力神力、今より後は来るまじと、云う聲ばかりは虚空に残り、・・・・‼️姿は雲路に入りける。

みっともない僧都

2019-10-31 | 【樹木】ETC
謡曲「俊寛」より、気にとまった詞を写す。
この曲、俊寛ひとりが、遠流の鬼界が島に取り残される話。
この話は、小さい頃、絵本でも読んで、印象に残っている。
どうしてだろうか。
俊寛をみっともない僧都と感じたからだったと思う。
・こは夢かさても夢ならば、さめよさめよと現無き、俊寛が有様見るこそ哀れなりけれ。

涙の波の空穂舟

2019-10-31 | 【樹木】ETC
謡曲「鵺」より、気にとまった詞を写す。
この曲、頼政が矢先にかかり、命を失ひし鵺の亡心・霊が現れ、昔語りをする。蘆屋の里でのことである。
・心を知れば盲龜の浮木
・闇中に埋木
・浮き沈む、涙の波の空穂舟
・こがれて堪へぬいにしへ
・心の闇を弔ひ給へ
・我は名のみぞ捨小舟
・頭は猿、尾は蛇、足手は虎のごとくにて

勇敢なる戦士たちよ

2019-10-30 | 【樹木】ETC
緩慢なるが、持続する肉体の苦しみにとらわれずにいると言うことは無理なのだろう。
緩慢なるがゆえに、精神で対抗することもかなわないことがあるのでないか。
勇敢な戦士たちよ。
老いに病を得た戦士たちよ。
なんてなさけないことだろう。

無明

2019-10-30 | 【樹木】ETC
人は、自分の死を確認できるか。
確認しようと言う時には、既に死んでいる。
死因はどうだろうか。
病気などをかかえていれば、推測はできるだろう。
でも、最終的なことは・・・・

裸で生まれて

2019-10-30 | 【樹木】ETC
いずれおどずれる死のことを時に思う。
沓掛良彦編訳のギリシア詞華集「パエリアの薔薇」より、パルラダースの「一生」なる詩。
裸で生まれて死ぬのも裸
裸で死ぬと決つたものを
あくせくとして何としよう。

姨捨山の夕暮

2019-10-30 | 【樹木】ETC
謡曲「姨捨」より、気にとまった詞を写す。
重い曲との紹介。
・姨捨山の夕暮に、松も桂もまじる木の緑も残りて秋の葉の、はや色づくか一重山、薄霧も立ち渡り、風すさましく雲盡きて、寂しき山の気色かな。寂しき山の気色かな。

軒端の梅

2019-10-30 | 【樹木】ETC
謡曲「東北(軒端梅)」より、気にとまった詞を写す。
いにしえ、上東門院御所(東北院)内に、和泉式部が植えし軒端の梅。
和泉式部の霊がついた名木。
好文木または鶯宿梅と名付けられた。
・門の外法の車の音きけは、我も火宅を出でにけるかな
・春の夜の闇はあやなし梅の花、色こそ見えね香やは隠るる

好文木

2019-10-30 | 【樹木】ETC
謡曲「老松」より、気にとまった詞を写す。
梅と松が登場し、「久しき春こそめでたけれ」と結ばれる祝いの一曲である。
梅については、次のような説が展開される。
國に文学盛んなれば、
花の色を増し、
匂ひ常より優りたり、
文学廃れば匂ひもなく、
其色も深からず、
さてこそ文を、
好む木なりけりとて、
梅をば、
好文木とは附けられたれ。

一丈の鬼神

2019-10-29 | 【樹木】ETC
謡曲「紅葉狩」より、気にとまった詞を写す。
平維茂は、紅葉狩の山中で、鬼神に出会う。
・不思議や今までありつる女、とりどり化生の姿を現はし、或は巖に火焔を放ち、又は虚空に焔を降らし、・・・・七尺の屏風の上に猶、あまりて其たけ一丈の鬼神の、角はかぼく眼は日月、面を向くべきやうぞなき。

霜篷をいただき

2019-10-29 | 【樹木】ETC
謡曲「卒都婆小町」より、気にとまった詞を写す。
この曲は、「悟りの道に入らうよ」と終わる。
・若く美しい小町:さもいにしへは優女にて、花の貌輝き、桂の黛青うして、白粉を絶さず、羅綾の衣多うして、桂殿の間に餘りしぞかし。
・老い衰えた小町:頭に霜篷をいだき、婢妍たりし両鬢も、肌に悴けし墨亂れ、艶々たし雙娥も、遠山の色を失ふ。

世は空蟬の唐衣

2019-10-29 | 【樹木】ETC
謡曲「千手」より、気にとまった詞を写す。
登場するのは、千手の前、平重衡、狩野介宗茂。
・(宗茂)一谷の合戦に生捕られ給ひ候を、某預り申して候。朝敵の御事ては申しながら、・・・
・(重衡)佛像を亡ぼし人壽を絶ちし、現當の罪を果すこと、前業よりなほ恥うこそ候へ。
・世は空蟬の唐衣、世は空蟬の唐衣、きつつなれにしつましある・・・