ケニー・ドリュー・トリオの「エレジー」(マトリックス / RVC)
1986年、コペンハーゲンでの録音
1988年に「インプレッション」ではじまるアルファ・レコードからのヨーロッパ三部作の前の作品になる。
かもし出すムードは、もうはっきりしている。
ケニー・ドリュー・トリオが「エレジー」で演奏している曲。
1.ジャンゴ
2.柳よ泣いておくれ
3.オー・ピーター
4.ウト・ロマンチック
5.エレジー
6、テューン・ダウン
7.時には母のない子のように
8.酒とバラの日々
9.フィナーレ
スタンリー・タレンタイン:STANLEY TURRENTINE
チェリー:CHERRY(1972 CTI / KING RECORDS)
CTIレーベルからの「シュガー(1970)」、「ソルト・ソング(1971)」に続くアルバム。
エレクトリック・ピアノもはいり、当時のジャズ・シーンを反映しているが、スタンリー・タレンタインの音は、ブルージー、アーシーで、旧来の魅力を存分に発揮している。
本アルバムの注目点は、ミルト・ジャクソンが一緒なこと、数々の名盤を作り出しているクリード・テイラーがプロデュースしていること。
〈パーソネル〉
スタンリー・タレンタイン(ts)
ミルト・ジャクソン(vib)
ボブ・ジェームス(p)
コーネル・デュプリー(g)
ロン・カーター(b)
ビリー・コブハム(ds)
クリード・テイラー(プロデュース)
〈ソングリスト〉
1. スピードボール
2. アイ・リメンバー・ユー
3. 回転
4. 清らかなシスター
5. チェリー
6. イントロスペクティヴ
アート・ブレイキーズ・ビッグ・バンド(ベツレヘム)
〈収録曲〉
1.ミッドリフ
2.エイント・ライフ・グランド
3.ティッピン
4.プリスティン
5.エル・トロ・ヴァリエンテ
6.ザ・キス・オブ・ノー・リターン
7.レイト・デイト
8.ジ・アフター・ワールド
1959年12月にレコーディングされたのは7曲。
そのうちの6曲が、このCDに収録されている。
残り2曲が、以下の顔ぶれ、クインテットで演奏されている。
「ティッピン」と「プリスティン」がそれである。
ドナルド・バード(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
ウォルター・ビショップ・Jr(p)
ウェンデル・マーシャル(b)
アート・ブレイキー(ds)
フル・メンバーとなると、以下の6人も加わり11人となる。
アイドリース・スリーマン(tp)
ビル・ハードマン(tp)
アル・コーン(ts)
サヒブ・シハブ(as)
メルバ・リストン(tb)
ジミー・クリーヴランド(tb)
「イントロデューシング・ウェイン・ショーター」(Vee jay)
1959年録音のウェイン・ショーターの初リーダー・アルバム。
演奏にはなかなかのメンバーが揃っている。
ウェイン・ショーター(ts)
リー・モーガン(tp)
ウィントン・ケリー(p)
ポール・チェンバース(b)
ジミー・コブ(ds)
ウェイン・ショーターのリーダー・アルバムで聞いたことがあるのは、「ジュ・ジュ」、「ナイト・ドリーマー」くらいだ。
「JUJU」は、昔々、そのタイトルにひかれて、LPを買ったように思う。
でも、ウェイン・ショーターが、ウェザー・リポートを牽引するようになり、フュージョンが好きでないわたしの関心からはずれてしまった。
でも、今となって、「イントロデューシング」を聞くのは、かつて気づかなかった魅力があるかも知れないと思ったからだ。
このアルバムからは、典型的なハード・バップが聞けると評されている。
CDをかけて、もう5曲目。
確かに、その通りだ。ハイ・レベルで、聞きやすく親しみやすい作品となっている。
ウェイン・ショーターのテナー・サックス、なかなかいい。
CDには、10曲、収録されている。(同タイトルは、別テイク)
1.ブルース・ア・ラ・カルト
2.ハリーズ・ラスト・スタンド
3.ダウン・イン・ザ・デブス
4.パグ・ノーズ
5.ブラック・ダイアモンド
6.マック・ザ・ナイフ
7.ブルース・ア・ラ・カルト
8.ハリーズ・ラスト・スタンド
9.ダウン・イン・ザ・デブス
10.ブラック・ダイアモンド
ディジー・リースに「スターブライト」と言うアルバムがある。
デューク・ジョーダンのアルバム「フライト・トゥ・ジョーダン」に、「スターブライト」と言う曲が収まっている。
トランペットがディジー・リース、テナー・サックスがスタンリー・タレンタイン、ベースがレジー・ワークマン、ドラムスがアート・テイラーと言う顔ぶれでの演奏だ。
ディジー・リースが演っているとは気づいていなかった。
ディジー・リースのアルバムでは、テナー・サックスがハンク・モブレー、ピアノはウィントン・ケリー、ベースはポール・チェンバース、ドラムスはディジー・リース盤と同じくアート・テイラー、おおいに期待できるメンバーだ。
デューク・ジョーダン盤と似た感じになっているのでなかろうか。
「KENNY DREW / Four Classic Albums(AVID)」のひとつ。
ケニー・ドリューの「トーキン&ウォーキン:Talkin' & Walkin'」(1955)
ロス・アンジェルスのキャピトル・スタジオでの録音。
ジョー・メイニー(as&ts)
ケニー・ドリュー(p)
リロイ・ビネガー(b)
ローレンス・マカブル(ds)
〈曲〉
1.トーキン&ウォーキン
2.イン・ザ・プレスクライブド・マナー
3.プレリュード・トゥ・ア・キス
4.ウィー・ドット
5.ハイデン・チャンネル
6.デッドライン
7.アイム・オールド・ファッションド
8.マイナー・ブルース
9.トーキン&ウォーキン
これで、以下の4アルバムで成る「KENNY DREW / Four Classic Albums(AVID)」を聞き終えたことになる。
1.Introducing The Kenny Drew Trio(1953)
2.This Is New(1957)
3.Talkin' & Walkin'(1955)
4.Jazz Impressions of Rodgers & Hart Pal Joey(1957)
ケニー・ドリューについては、コペンハーゲンに落ち着いて、より美しいメロディーや哀愁のようなものを大切にした演奏をするようになってからのアルバムに魅力を感じた。
でも、アメリカで、ハード・バッパーとして、スピードやリズムに重点をおいて演っていたときのものも、ドリューならではの美しさがあってなかなかいいのである。
1曲目の「トーキン&ウォーキン」、とってもノリノリになれる。
このアルバム、全体を通して、ノリがいい。
ノリがいいいのは、素晴らしいことだけど、存在を示すには、それだけでは足りない。
ケニー・ドリューは、ヨーロッパで、それを身につけたのでなかろうか。
ウェス・モンゴメリー「ボス・ギター」(1963 RIVERSIDE)
このアルバム、ウェス・モンゴメリーが深くなじんだギター、オルガン、ドラムスと言う楽器編成で演奏されている。
メンバーは、ウェス・モンゴメリー、メル・ライン、ジミー・コブ。メル・ラインは、故郷でのバンド仲間。
CDでは、ベサメ・ムーチョ、酒とバラの日々等10トラック(ボーナス・トラック2)。
ジャズのギターと言うとき、これまでに誰を聞いたことがあるだろうか。
チャーリー・クリスチャン
ウェス・モンゴメリー
ケニー・バレル
バニー・ケッセル
ジャンゴ・ラインハルト
ジョー・パス
どういうわけか、ギターについては、余り好き嫌いが出ない。
もともと、人の心情、哀感を表現するのに適した楽器で、そんな面がひきつけるもとになっているのか。
僕の好みで、モダン・ジャズに接していると、ウェス・モンゴメリー、ケニー・バレルの二人を聞くことが圧倒的に多い。
そこには、“黒い”魅力もある。
ディジー・リースなるジャズ・マンに「スター・ブライト」と言うアルバムがあることをジャズのガイドブックで知った。
ディジー・リースは、ジャマイカ生まれで、イギリスで活動していて、ジャズの本場アメリカでは、余り知れていなかったそうだ。
それが、マイルス・ディビスやソニー・ロリンズによって見いだされ、アメリカでアルバムも出すようになったそうだ。
「スター・ブライト」と言う曲は、デューク・ジョーダンの「フライト・トゥ・ジョーダン」で聞いており、気に入りの曲のひとつだ。
それで、ディジー・リースのことはともかく、そのアルバムを聞いてみたいと思った。
新宿のディスク・ユニオンで棚をさがしたが、そのアルバムはなかった。
それで、かわりに以下のCDを聞いてみることにした。
ディジー・リース「ブルース・イン・トリニティ」(1958 BLUE NOTE)
〈パーソネル〉
ディジー・リース(tp)
ドナルド・バード(tp)
タビー・ヘイズ(ts)
テリー・シャノン(p)
ロイド・トンプソン(b)
アート・テイラー(ds)
〈曲〉
1.ブルース・イン・トリニティ
2.アイ・ハド・ザ・クレイジスト・ドリーム
3.クローズ・アップ
4.シェパーズ・セレナーデ
5.カラー・ブラインド
6.ラウンド・アバウト・ミッドナイト
ディジー・リースのトランペット、チマチマしていないとうか、伸びやかな音で、感じがいい。それが、第一印象だ。
テナー・サックスのタビー・ヘイズも、同じ感じだ。とてもいい。
ケニー・ドリューの「パル・ジョーイ」(1957 Riverside)
「パル・ジョーイ」は、ブロードウェイ・ミュージカル。
〈パーソネル〉
Kenny Drew(p)
Wilbur Ware(b)
Philly Joe Jones(ds)
〈収録曲〉
1.ビウィッチト
2.ドゥ・イット・ザ・ハード・ウェイ
3.時さえ忘れて
4.ハッピー・ハンティング・ホーン
5.アイ・クッド・ライト・ア・ブック
6.ホワット・イズ・ア・マン?
7.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
8.ザ・レディ・イズ・ア・トランプ
ジミー・スミス・ウィズ・スタンリー・タレンタイン
「プレイヤー・ミーティン:PRAYER MEETIN'」
1963&1960 BLUE NOTE
この二人なら、ブルージーなジャズを愉しめそうだと買い求めたCD。
〈他の演奏メンバー〉
クエンティン・ワーレン(g)
サム・ジョーンズ(b)
ドナルド・ベイレイ(ds)
〈収録曲〉
1.プレイヤー・ミーティン
2.アイ・オールモスト・ロスト・マイ・マインド
3.ストーン・コールド・デッド・イン・ザ・マーケット
4.フェン・ザ・セイント・ゴー・マーチング・イン
5.レッド・トップ
6.ピクニッキン
7.ロンサム・ロード
8.スミス・ウォーク
このアルバム、特別に印象にのこるレベルに達さない。
若きビリー・ホリデイを聞くならこれと言われる「レディー・デイ」(CBS)を入手した。
レディー・デイとは、ビリー・ホリデイの愛称である。
入手したCDは、16トラックで成っている。
これは、12曲収録のコロンビアからのLP盤をもとに、日本で編集されたものである。
ビリー・ホリデイが歌い、録音された時代には、当然ながらCDなどない。
ともかく、このアルバムは、さまざまなかたちでリリースされた。
LPで36曲収録のアルバムもある。
そして、わたしが入手したCDのかたちになったわけだ。
CDになってからも、曲順が変わったりしているようだ。
入手したCDと、ガイド・ブックに紹介されている曲順も少し異なっている。
以下は、入手したCDの順。
01.月に願いを:I Wished On The Moon
02.月光のいたずら:What A Little Moonlight Can Do
03.ミス・ブラウン・トゥ・ユー:Miss Brown To You
04.イフ・ユー・ワー・マイン:If You Were Mine
05.君に泣く:I Cried For You(Now It's Your Turn To Cry Over Me)
06.サマータイム:Summertime
07.ビリーズ・ブルース:Billies's Blues
08.アイ・マスト・ハヴ・ザット・マン:I Must Have That Man!
09.フーリン・マイセルフ:Foolin' Myself
10.気ままな暮らし:Easy Livinng
11.ミー・マイセルフ・アンド・アイ:Me,Myself And I(Are All In Love With Tou) 12.月夜の小舟:A Sailboat In The Moonlight
13.心を閉ざして:I'm Gonna Lock My Heart (And Throw Away The Key)
14.スイング・ブラザー・スイング:Swing Brother, Swing!
15.セント・ルイス・ブルース:St.Louis Blues
16.ラヴレス・ラブ:Loveless Love
若き日のビリー・ホリデイの声と言うことなのだが、彼女は44歳で亡くなっている。
1915年生まれ、1959年没である。
彼女は、14,5歳から、場末のクラブで歌い出したようだ。
本格的な音楽活動は、17歳くらいからと記録本にある。
このアルバムに収録されている曲が録音されたのは、1935~1940年。
と言うことは、ビリー・ホリデイ20代の前半である。
スイング・ジャズの時代のもので、ロイ・エルドリッジ、ベニー・グッドマン、ベン・ウェブスター、レスター・ヤングやテディ・ウィルソン他の演奏である。
「KENNY DREW / Four Classic Albums(AVID)」の2枚目のアルバム。
それは、ケニー・ドリュー/ジス・イズ・ニュー:This Is New(1957)。
〈収録曲〉
1.ジス・イズ・ニュー
2.カロル
3.イッツ・ユー・オア・ノー・ワン
4.ユーアー・マイ・スリル
5.リトル・ティー
6.ポールス・パル
7.ワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー?
〈プレイヤー〉
●1~3 クインテット
ドナルド・バード(tp)
ハンク・モブレー(ts)
ケニー・ドリュー(p)
ウィルバー・ウェア(b)
G.T.ホーガン(ds)
●4~7 カルテット
ドナルド・バード(tp)
ケニー・ドリュー(p)
ウィルバー・ウェア(b)
G.T.ホーガン(ds)
KENNY DREW / Four Classic Albums (AVID)
ケニー・ドリューの初期の4枚のアルバムを2枚のCDに収めて売られているものを買った。
ハード・バッパーとしてのケニー・ドリューが愉しめる。
4枚のアルバムは以下の通り。
1.Introducing The Kenny Drew Trio(1953)
2.This Is New(1957)
3.Talkin' & Walkin'(1955)
4.Jazz Impressions of Rodgers & Hart Pal Joey(1957)
まず、1枚目を聞こうか。
「Introducing The Kenny Drew Trio:イントロデューシング・ザ・ケニー・ドリュー・トリオ」。
〈演奏メンバー〉
ケニー・ドリュー(p)
カーリー・ラッセル(b)
アート・ブレイキー(ds)
〈曲〉
1.イエスタデイズ
2.星影のステラ
3.グロリア
4.ビー・マイ・ラブ
5.恋人よ我に帰れ
6.エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
7.イット・マイト・アス・ウェル・ビー・スプリング
8.ドリューズ・ブルース
グルーヴィーと言うのか、ファンキーでもあり、いいアルバムだ。
ホレス・パーランを聞こうか。
彼のものなら、嫌になることはない。
いつの間にか、好きなジャズ・ピアニストのひとりになった。
今日は、「ハッピー・フレイム・オブ・マインド」
1963年録音、ブルー・ノートだ。
〈パーソネル〉
ジョニー・コールズ(tp)
ブッカー・アーヴィン(ts)
グラント・グリーン(g)
ホレス・パーラン(p)
ブッチ・ウォーレン(b)
ビリー・ヒギンズ(ds)
CDに付いていた解説に「・・・ハートウォームなジョニー・コールズのトランペット、アーシーなブッカー・アーヴィンのサックス・・・」とあった。
アーシーは、earthy。土のかたまりたるアースと言うことで、「泥臭い」と言うような意味。
ブッカー・アーヴィンの音には、都会的に洗練されていない独特の癖があるということか。確かに、そんな魅力がある。
〈曲〉
1.ホーム・イズ・アフリカ
2.ア・チューン・フォー・リチャード
3.バック・フロム・ザ・ギグ
4.デクシ
5.クチェザ・ブルース
6.ハッピー・フレイム・オブ・マインド
ところで、サイドマンとしてのホレス・パーランの演奏は何があったかと思った。
わたしのコレクションの中には何があるかと。
●チャールズ・ミンガス
:ブルース&ルーツ(1959 Atlantic)
:ジャズ&ポエトリー(1957 BETHLEHEM)
:ミンガス・アー・アム(1959 COLUMBIA)
●スタンリー・タレンタイン
:ソルト・ソング(1971 CTI)
:アップ・アット・ミントンス(1961 BLUE NOTE)
:ルック・アウト(1960 BLUE NOTE)
●アーチー・シェップ
:ゴー・イン・ホーム(1977 Steeple Chase)
今、窓の外に、スイカズラ(金銀花)の花。
二三年前、積雪にしなったモチの木にからまって、モチの木が花をつけたよう。
ケニー・ドリューは日本人に人気があると言う。
美しい旋律を聞かせてくれる、哀愁を感じさせてくれる等が理由か。
わたしも、ケニー・ドリューが好きだ。
わたしも、日本人のようだ。
それでまた、ケニー・ドリューのアルバム。
「ムーンリット・デザート(月の砂漠)」(1982 BMG)。
演奏しているのは、その頃のいつものトリオ・メンバー。
それから、デンマーク王立室内楽団からのメンバーも一緒のようだ。
いつもながら、くつろぎのひとときをくれる。
〈収録曲〉
1.ムーンリット・デザート(月の砂漠)
2.ソルヴェーグの歌
3.ケイ・ディー
4.スターダスト
5.ロッセリル
6.プレリュード・トゥ・ア・キッス
7.ブルース・ワイル
8.スター・クロスト・ラヴァーズ