「リニア中央新幹線環境影響評価準備書に対する環境保全の立場からの意見」 として 「公益財団法人日本自然保護協会 理事長 亀山 章」 さんから 「東海旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 山田佳臣殿」 宛に提出されたものが 日本自然保護協会ホームページ に公開されています。
本文はPDFファイルで5ページ、末尾に 「参考図1:リニアの路線と断層及び地すべり地との関係」 と 「参考図2:南アルプス地域の保護地域」 が付属して全7ページ 700 KB ほどです。下の画像はPDFファイルの一部分です。
以下のような5点が指摘されています。
問題点1:いくつもの活断層を横切る本計画は人命を軽視した計画であり看過できない。
問題点2:南アルプスの隆起量の評価は科学的に誤っており、「工事中はもとよりその後の維持管理においても問題はない」という記述には根拠がない。
問題点3:生物多様性への影響の回避措置が科学的に妥当ではない。
問題点4:山梨実験線での失敗が検証されていない。
問題点5:建設残土の処理計画に具体性がなく、地形・地質学的に危険な場所がある。
問題点4 だけは山梨県政に直接関係する意見でした。ここに書かれている 「高橋の水文学的方法」 については検索すると多数の記事がありますが、読みやすいテキストベースなので トンネル湧水量の推定 をメモしておきます。
2013年10月25日に山梨県環境影響評価等技術審議会平成25年度第1回が開催されて山梨県内各紙が報じました。
2013年11月7日付けで、今後の各小委員会の開催予定が告知されています。直近は11月11日開催です。PDFファイルなので後でリニア中央新幹線のページで一覧表にしておく予定です。
山梨リニア実験線における環境影響調査報告の存在は確認してありますが、県庁サイトでの公開が確認出来ていません。県庁サイトの中が探しにくいのです。今後小委員会での配布資料などとして何処からでも誰でも容易にアクセスできることを期待しています。
山梨県政としては、日本自然保護協会が指摘したことに加えて、実験線水資源枯渇問題の発生に対して行政としてはどのように対応したかという記録を明確に公表することも必要でしょう。それが無いと山梨県知事がアセス準備書に対して述べる意見は準備書と同様な批判を受けてしまうことになりかねません。

2013年11月9日に「桜ヶ丘9条の会」がPDFファイル全文をテキスト化して、「リニア計画に対する日本自然保護協会の意見書」 として掲載されています。
10月下旬から今日までの間に多くの組織団体から各種の意見が出ていることが報じられていますので、そのうち整理してWebページにまとめる予定です。
リニアに関心を持って以来、なんとなく気になっているのは福島原発事故後にネット上で交わされた意見です。「原発誘致でいい思いしてきたんだろう、いまさら何を言ったいるんだ」と東京人が書き、「原発は東京に電気を送っていたのだ、なんの犠牲も払わずいい思いだけしていたのはそっちだろう」と福島人が書く。しかし実際のところ原発でいい思いをしてきたのは俗に言う1%の人々だけで、残りの人々には首都圏はじめ全国的に悪い影響が及びつつあると思えるのです。リニアについても根っこは似たようなものだと言われないようにしたいものです。大本営発表は表では無い、それは裏工作の結果に過ぎないことを見抜いていかねばならないのです。