ICT工夫
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2007年01月25日の朝日新聞山梨版で、県と市の間になにがあったのか問題点が見えてきました。

県立図書館には、政府刊行物、白書などが全点揃っている、山梨県行政文書も県内市町村の刊行物なども揃っている、すなわち県民情報プラザの2階にある資料は全てこちらに移管する。議会議事録なども製本されたものが置かれている。もちろん郷土資料も通常の図書、雑誌・新聞バックナンバーも十分に蔵書している。それらができる限り開架式で配架されている。観光や産業に関する広報パンフレットなども収集されて、閲覧可能になっている事も望ましい。

内部検索とインターネット検索に堪能で専門知識豊富な職員が子供の絵本から国の行財政についてまで、あらゆる問合せに応じられる体制がとられている。司書のお仕事は大変なもので、一人二人でこなせるものではありません。本が好きというだけで出来る仕事でもない専門職です。
裏方には調査員という専門職も必要で、国立国会図書館のように県内議員さん達の行政調査・研究もサポートできる必要があります。議会事務局とは違う機能として、図書館は県庁通常の職員以上に守秘義務が課せられ議員さんが何を調べても、調べている事すら外部に漏れることは無いはずです。ここまで出来るなら議員の政務調査費を少し減らす事も納得できるでしょう。

市販されているような図書・刊行物についてだけ考えるのではなく、情報ソースという視点で図書館を考える。情報があるということは発信もできるということ。山梨発デジタルアーカイブのようなプロジェクトがここを拠点にして全国、世界に向けて発信される。

県内各地の図書館・公民館などの公共施設との連繋で、地元にいながらにして生涯学習機能が満たされるようなシステムが県立図書館を中心に県内に構築される。

甲府市当局は北口図書館に何を求め、期待したのか、それを知りたいです。

 「何十回も県と話し合って決まった新学習拠点が白紙撤回されたら、市としては困る」
 23日朝、当選証書を手にした甲府市長の宮島雅展氏に笑顔はなかった。

■「白紙」に反発
県と進める多くの事業を協調するとしていた手前、一歩も譲らない姿勢をみせた。4年間支え合った山本栄彦氏から横内正明氏に知事が交代し、「県市一体」が崩れた。
 「どうすれば彼(横内氏)とうまくやっていけるかを考えれば、再選したと言っても、浮かれていられない」
宮島氏にとって山本氏は前市長で、同じ甲府一高出身の「盟友」。選挙期間中を通じ、山本県政の継続を訴えつづけた。

 一方、横内氏は公約としてJR甲府駅北口に計画された新学習拠点の「白紙撤回」を掲げた。これに宮島氏は猛反発。あちこちの遊説で「市民の生涯学習のためには、絶対に必要な施設。市に一言の説明もなく、突然白紙とはとんでもない話だ」と繰り返した。しかし、盟友は敗れた。

(朝日新聞が書いた通りなら、県立図書館施設が「甲府市民」の生涯学習のためと認識している甲府市当局ということになるが、「市民」という言葉を一般的に捉えるなら、施設は規模こそ違え全県にあるのだから、それとの連繋、ネットワークこそが大切な事なので、甲府市に一極集中させる必要もない。)

■40年近く放置
老朽化した県立図書館を移し、500席のホールやカフェなどを備えるという新学習拠点。山本知事が県議会の承認を得て、04年から基本構想の策定などに1億円以上を費やし、検討を重ねている。完成は09年秋。民間資金を生かすPFI方式も決まっていた。
だだっ広い9千平方メートルの建設予定地は砂利が敷かれ、整地されていた。駅北口とは県道を挟んで接する。40年近く前に県の木造庁舎が解体された後はずっと空き地。県職員や公用車の駐車場に使われるぐらいだという。
県都の玄関口にもかかわらず長年、放置されていたのが実態だった。

 ここで市は88年から区画整理を主導し、県や国とともに21・9ヘクタールを整備してきた。「中心街活性化の目玉」ととらえ、2013年度の完了までに、年間の市税収入(約300億円)を上回る総額380億円を投じる力の入れようだ。
中央の広場を中心に、歴史公園、商業観光拠点、国の新合同庁舎……。3年後に、ほとんどの施設が出そろう予定だった。高校や大学が集う文教エリアで、市幹部の一人は「もし新学習拠点が白紙となれば、大きな核を失う」と強調する。

■判断は新知事
「新学習拠点の現計画には反対」。朝日新聞社が今月中旬に行った世論調査では、44%の県民がこう答えた。特に男性は30代と60代で反対が6割を占め、認知度もいま一つだった。山本氏の陣営からは、「30年分の維持管理費を含むのに、『総事業費230億円』という言葉が独り歩きした」 「県民への説明不足だった」という声も漏れる。

(街づくりや情報処理の問題を、金の問題だと考えていた事がそもそもの間違いだったということを理解して欲しい。)

 県は来月にも建設に向け、入札希望業者を募り、4月以降は新しい蔵書約25万冊を購入する予定だった。だが、いったんは凍結。「まずは新知事の判断を仰ぐことになる」と県企画部は言う。
一方、甲府市。今後は横内新知事との関係づくりが急務となる。「もともと金丸系の方。衆院選に出る時、私がまとめ役をした。対話の糸口は多い」と宮島氏は明かす。早急に市側から直接対話を持ちかける考えだ。

「もともと金丸系」、そんな事を言われても、それがどういう意味なのか異邦人には分かりません(^_^;) 県都の首長は全国に向けた発信をなさっていただきたい、『爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺』、このような誰にも分かる素晴らしいご発言が続く事を願っています。

2007年01月25日の山梨日日新聞の記事は以下のようでした。

建設から36年がたち、老朽化が進む県立図書館。蔵書も収蔵能力を超え、閉架書庫の棚にも収まらず、段ボールに入れられた図書は十万冊にも上る。「建物は耐震基準も満たしていず、駐車場も少ない。早く建て替えの動きが具体化してほしい」。県立図書館の福岡哲司館長は、建て替え論議が宙に浮いた格好になっていることにもどかしさを感じている。
 県立図書館と生涯学習センターを一体化し、JR甲府駅北口に整備する新学習拠点計画。政策面で山本県政との違いが見えにくいとの指摘がある中で、横内氏が明確に白紙撤回を打ち出した事業だ。「民間資本を活用するPFI方式による建設、運営は図書館になじまない」と言い切る。
 担当職員は「3年間かけて入札までこぎつけた。議論を一から始めることになれば、新しい図書館はいつできるのか」と表情を曇らす。
 横内氏は、図書館単独で県が直接建設する考えだが、図書館建設は国から補助金が出ないため、すべて「自己資金」で賄わなければならない。財政状況が厳しい中、数十億円とされる建設費をどのようにして確保するかが課題となる。
 現計画地は甲府市の区画整理事業エリア内。横内氏は建設場所をあらためて検討する構えだが、宮島雅展市長が計画変更に強く反対しており、場所を変える場合は、中心市街地活性化につながる代替案を示す必要が出てくる。

中部横断道の県費負担を削減すれば図書館に回せる訳です。議論の前提がおかしいのに3年もかけて無駄な仕事をしてきた事を反省していただけると思います。県立博物館の二の舞にならずに済んだ事を喜びましょう、しかし、県立図書館のこんな状況も知ってか知らずにか、博物館も国費が使えるからと急いで造ったのでした。国の金だから・・と箱物作りにいそしむ自治体の話を昨晩のテレビでもやっていました。



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