歌詞


D800E + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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ある小説を読んでいたら、登場人物がバーのカラオケでデュエット曲を歌うシーンが出てきた。
曲名は書かれていないが、内容の描写から、明らかに「木綿のハンカチーフ」である。
しかしその内容というのを見て、ちょっと驚いた。

歌に登場する、都会に行ってしまった男性について、静岡か浜松に住む幼馴染の恋人と別れ、新幹線で上京してホストになったと想像できる男・・と書かれている。
えっ、そういう曲だったの?・・と驚いたのだ。

歌詞をもう一度読み直してみると、都会に出た男性がホストになった可能性は、確かに濃厚である。
1970年代中盤の大ヒット曲であるが、僕は中学生で、とてもそんなこと想像できなかった。
太田裕美のイメージからは結びつかなかったし、だいいちホストという職業さえ知らなかった。
(五反田にいたのでホステスはよく知っていたが・・・笑)
きらびやかに見える都会は堕落しやすい場所なのだ・・という程度の認識しかなかった。

ただ歌詞に多少の違和感は持っていた。
曲が進むにつれ、都会に翻弄され人格が変貌し、素朴で純真と思われる恋人をどんどん裏切っていく男性。
それに対し、どこか抵抗しても無駄なことを知っているふしのある女性。
女性は恋人を追うことはせず、田舎から動こうとしない。
最後は涙を拭くハンカチーフが欲しいという、皮肉たっぷりの要求で終わる。

田舎から当てもなく都会に出て、ひとり暮らしていくのは、実際かなり大変なことだろうと思う。
なかなかきれい事では済まないだろうし、一歩間違えれば道を踏み外す可能性もある。

日曜日の昼間に新宿歌舞伎町あたりを歩くと、黒っぽいスーツを着た男性が驚くほど大勢歩いている。
酔っ払って足元がふらつく女性を伴っていることもある。
前日の夜から遊び通しだったのだろう。
僕のよく知らない世界である。

ふと、この曲の流行った頃に、ホストクラブは一般的だったのだろうかと思った。
中学生の頃、朝早く五反田の繁華街を歩くと、ぞろぞろと仕事帰りの女性たちが店から出てくるのはよく見ていた。
しかしホストクラブというのは、あまり聞いたことが無い。

会社の年配者に尋ねたところ、昔から「お金持ちの女性が遊びに行き、男性が相手をするお店」はあったという。
40年位前には、すでに認知度は高かったようだ。
当時浅草にホストクラブがあり、女の子にせがまれて時折連れて行ったという社員もいた。
ところが、何しろ男前のホストが相手をするので自分の出番など無く、その上お金だけ払わされるので、馬鹿馬鹿しくなって行くのはやめたという(笑)
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