他人のパソコン


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会社関連のサイトでサーバーの移転があった。
それに伴いメールの受送信のサーバーも変わるのだが、当然読み込むメーラーの設定を変えなければならない。
ところが、しばらくの間、以前の古いサーバーの方にメールが行ってしまう可能性があるという。
つまりひとつのメールアドレスに送られたメールが、どちらのサーバーに行くかわからない状態になるというのだ。
機械が行うにしては不可思議な現象であるが、サーバー移転にはつきものなのだという。
そのためパソコンのメーラーも、同じメールアドレスで設定の違う二つのアカウントを並行して運用しなければならない。

社員の持つパソコンのメーラーの設定をすべて直す必要がある。
いちいちやり方を説明するのは大変なので、所有者に許可を得て、僕がそれぞれのパソコンを直接いじった。
意外に大変な作業だった。
メーラーによって設定方法が違うのだが、特に最新のアウトルックは同じメールアドレスで複数のアカウントを持てない設計になっているようで、少し変則的なやり方をする必要があった。

ところで他人のパソコンをいじってみてわかったのだが、とにかくどれも使いづらい(笑)
パソコン作業をするスペース、特に左右の幅が狭い人が多く、キーボードを打っていても極めて不快であった。
腕が自由に動かせないので入力ミスが多くなるし、モニタの角度や距離、大きさも違うので身体全体に負担がかかる。
中には斜めに座ったポジションで使っている人もいて、よくこんな体勢で使えるものだと感心した。
数分使用しただけで肩がこってしまった。

それぞれの人にそれぞれの癖があり、またパソコンに対する考え方にも違いがあり、それが色濃くパソコンの配置に表れている。
画像の加工をする人は、大きい画面を真正面から見て、キーボードやマウスも常に操作しやすい状態にしておく必要がある。
根をつめて作業をするので、そうしないと疲れきってしまう。

しかし一般の人は、かなり無茶な体勢でも、それほど気にもせずパソコンと接していることがわかった。
たかがパソコンなのに、何も大真面目に向き合わなくてもいいでしょう、という感じ。
どうやら僕にとってのパソコンと、他の人にとってのパソコンでは、存在の意味にずれがあるようだ。
大抵の用事はスマホで事足りてしまうのだし、今や多くの人にとってパソコンはそれほど重要な機械ではないということなのだろう。
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愛用靴


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もう数週間前の話なのだが、2ndという男性ファッション雑誌で「革靴自慢。」という別冊が出た。
革靴の特集号である。
書店などで見られた方もおられるだろう。
専門的な内容ではないが、広く若手の読者に読まれており反響も多い雑誌だという。

その中で「愛用靴を見せてください!」という特集があって、業界関係者など数十人が長年使い込んだ自慢の靴についてのコメントを寄せていた。
多くの人はコレクションから3足だけ選んで、1ページいっぱいに写真が載せられている。
そこで僕も雑誌風を気取って、自分の使っている靴から3足を選んでみることにした(笑)

しかし、ただ現在気に入って履いているものだけを選んでみても、偏った結果になってしまうだろう。
そこで自分なりの条件を設けてみた。

・現行機種、あるいは後継モデルが現在でも入手可能な機種であること
・一定以上の期間をともに過ごし、今でも気に入って使用していること
・ひとつのメーカーからは1機種のみとする
・国産の靴をひとつ以上入れること

その結果以下のような感じになった。
雑誌の1ページっぽいレイアウトにまとめてみた(笑)
ただ各靴のコメントについては、第三者からインタビューを受けたような書き方ではおかしいので(COLKID氏は「やはりラストが命だと思います」と語る・・という感じになってしまう・笑)、普通に解説するだけにした。



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ハイシャイン


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このところ毎晩靴磨きに精を出している。
現在鏡面磨き用のグッズをいろいろと研究中だ。
市販されているハイシャイン用クロスをいくつか取り寄せてみた。

右はいつも使っているルボウの「ハイシャイン・ポリッシュ・クロス」
中央の赤いのは靴磨きでは有名なブリフトアッシュの「磨き布
左がルボウの「ハイシャイン・ポリッシュ・クロス・エクストラ」。



これらのクロスはそれぞれ細長く切られており、指にギューギューに巻き付けて使う。
しかし価格が意外に高い。
3枚程度で500円~1,000円と馬鹿にならない金額である。

そこでネルの生地を取り寄せて、それを短冊状に切って使ったりもしている。
そちらもネルなら何でもいいというわけではないようだ。
もう少し使ってみてから、ここにレポートを書こうと思っている。
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黒いバックル


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セイコーのSBDJ027 プロスペックス フィールドマスターにPVDコートのブラック・バックルのZuluナイロンベルトをつけた。
幅20ミリのシングルタイプでベルトの色はベージュである。
黒いバックルとこの色のベルトは、本来欲しかった組み合わせである。

前回はみつけることが出来ず、やむなくシルバーのものを輸入した。
2018年2月3日の日記
しかしeBayに出ているものをみつけ、再度取り寄せたのだ。



想像していた通り、やはりバックルはこの色の方が合う。
シルバーのものより、ずっとしっくりくる。
ちょっとした違いであるがかなり印象が変わる。

実はこのベルトは先日寝ぼけて意図せずに落札してしまったものだ。
2018年2月10日の日記
しかし届いてみると、非常に良く合っており、かなり気に入ってしまった。
現在はその日の服装に合わせ、黒いベルトと使い分けている。
結果オーライといったところか(笑)

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手口


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このところウエブ上の詐欺の手口が巧妙になってきた。
一見、本物と見分けがつかないメールが送られてきたりする。
あれっと思い、しばらく考えてしまうものも多い。
最後まで詐欺か本物かの判定が出来ず、削除しても頭にもやもやが残る。

最近驚いたのはiPhoneの画面にいきなり開くウインドウだ。
グーグルから、あなたは特別に選ばれて当選したというお知らせが届くのだ。
そんな上手い話があるわけないので、普段ならすぐにニセモノと判別するところだ。
ところが今回のものは、ロゴやレイアウトから発せられる細かいニュアンスまで実に本物っぽく作られており、どこにも詐欺であることを匂わす要素がみつからない。
しかも数分以内にクイズに答えられないと無効・・という設定になっており、対応をせかされる。

そのため引っかかる人が続出しているという。
実際はこれはフィッシング詐欺で、クリックするとスマホ内部の情報を読みとられてしまう。
何でもグーグルの社員の中にも騙された人がいるのだそうだ。

詐欺のメールも以前より技術的に進歩し、手口が巧妙になってきている。
現在毎日のように送られてくるのは、「楽天カード利用のお知らせ」だ。
いくつか持っているメールアドレスにそれぞれ送られてくるので、世間一般にかなり広まっている詐欺メールだと思う。
これもロゴなどがリアルに作られていて(というより実物のコピーであろう)、自分が楽天カードを持っていないにも関わらず、最初は本当に楽天から来たかと勘違いする。
当然カードを持っている人なら、身に覚えのないカード利用の知らせに焦り、クリックしてしまう可能性がある。

また会社の仕事用メールアドレスには、「○月度発注書送付」というメールが届くことがある。
ちょっとぶっきらぼうな文章なのだが、これに近い言葉足らずのメールを書く人が得意先にいるので、一瞬その人からかと思ってしまう。
こちらは添付ファイルが会社のセキュリティシステムに引っかかり、ウイルスが含まれていると表示されるので危険なメールと分かる。
人にメールを送る際には、自分であることが明確に伝わるように、意識してしっかりとした文章を書く必要があるということだ。

○○様と個人の名前を宛名に書いて送られてくるものもある。
恐らく適当な名前を書いているのだろうが、たまたま自分の苗字と一致した時があり、これには危うく騙されるところであった。
メールの真偽を見分ける際に、こちらや先方の名称が明記されているかも判定基準のひとつなので、偶然当たってしまうとまともに引っかかる恐れがある。

ブラウザ上部の窓に実際とは違うURLを表示させて、罠を仕掛けたサイトに誘導する・・という詐欺もあるそうだ。
つい最近Facebookで友人が知らせてきた。
セキュリティのレベルが高いはずのhttpsから始まる偽のURLを表示させた例が、ネット上の記事に出ていた。

今までは目で見てどこかおかしいと気付いたのだが、いよいよ外観からでは判別がつかない領域に入りつつあるようだ。
騙される方が悪い・・と笑っていられなくなってきた。
このままではインターネットを基本とした社会が成り立たなくなる危険性があり、これは極めて深刻な問題ととらえるべきでないかと思う。
ネット社会の信頼性を揺るがすことは、人類の未来に対する破壊行為でもあるのだ。
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くしゃみ


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数日前からくしゃみが出るようになった。
大きいのが連続して出る。
その度にMrs.COLKIDが嫌な顔をして逃げる。

熱っぽさは無いので、多分風邪ではないだろう。
となると花粉・・・?
ああ、今年もその季節がやってきたか。
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値引き


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あちこちから新電力の売込みがある。
僕の知る限りでも銀行や取引先といった正規ルートを通して5社から話があった。
それ以外にも得体の知れない会社から電話での売り込みが毎日のようにある。

皆慣れた営業が出てきてとうとうと説明する。
せめて見積もりだけでもと言うが、自分で発電しているわけでも無い会社が何を言ったところで、何だか危なっかしい気がして、あまり乗らないようにしてる。
儲かる話なら何でも手を出す・・ということは、儲からなくなったらさっさと手を引く・・ということでもある。
工場にとって電力は命なので、少々安いくらいでホイホイと変えてしまうわけにはいかないのだ。

ところがここに来て、当の東電から値引くという電話がかかってきた。
本当に東電かと聞いたら、間違いなく東京電力だという。
さすがに顧客をどんどん失い、今までのような殿様商売ではいられなくなったようだ。
以前は横柄で一方的であったが、今回は随分と態度が違う。
基準の料金から値引くと言うので、興味があると言うと、会社に説明に行きたいという。

とても営業向きではない純朴な青年が来た。
恐らく他の部署にいたのに、会社の状況が大きく変わり、こちらに回されたのだろう。
話し方が下手で、可哀想で聞いていられないほどであった。
本来ならこれでは営業としては通用しないだろう。

しかし、別に情にほだされたわけではないが、今回はその営業の言うことを信用し、契約を交わすことにした。
発電設備を持っている会社が値引くと言うなら、こちらとしてはその方がいい。
あちこちで酷い言葉を浴びせかけられたようで、その事を伝えると、青年は涙目になっていた。
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虫の声


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聞くだけで英語が喋れるようになるという教材のCMが毎日のように流れる。
見ているうちに、ちょっと自分もやってみようかな・・という気持ちにもなる。
英語が喋れないと言っても、多くの日本人は学校で何年も英語の教育を受けてるので、きっかけを与えることで話すことが出来るようになるのかもしれない。

子供の英語教育も大変盛んである。
幼稚園児のような小さい子供が、自分よりもよほど流暢に英語を話すのを時々見る。
この子達が大きくなったら日本はどうなるのだろう・・と思うほどだ。

とは言うものの、一方で自動翻訳機の世界が、いよいよ現実的な話になってきたようだ。
ネット上の翻訳サイトも以前よりずっと精度が高くなっているし、リアルタイムで会話が翻訳されていくツールも程なく実用化されるだろう。
今後はAIが活用されて、前後の文脈の流れやその人の思考パターン、話し方の癖などを加味した翻訳に変わっていくと思われる。
ドラえもんに出てくるような自動翻訳装置が実現しつつあるのだ。

しかしそうなると、人間が英語を覚える必要はなくなるのではないか?
実用性の高い自動翻訳装置が出来てしまえば、何も人間様が努力して外国語を覚えることもないだろう。
話したり聞いたりした内容が瞬時に訳されて、円滑にコミュニケーションが取れるようになれば、重要なのは言葉の技術より会話の内容になる。
母国語をいかに魅力的に話せるかの教育に、もっと力を入れるべきなのではなかろうか。

最近読んだ興味深い記事で、日本語が日本人の脳に特殊な影響を与えているというものがあった。
人間は右脳で雑音や音楽などを処理し、左脳で言語を処理する。
電話で話す時は右側の耳で聞かないと上手く会話が出来ない(神経は交差するため右耳の入力は左脳で処理される)のもこのためだという。

ところが世界で日本人とポリネシア人だけが、他の民族と脳の働き方が違うのだという。
たとえば日本人は「虫の声」を左の言語脳側で処理することがわかっている。
それ以外の民族では虫の声は右脳で処理されるので、雑音の一種と捉えられる。
そのため暗騒音とみなされるのか、盛大に鳴いていても感知できないことさえあるのだという。
虫の声を楽しむという感性は、我々特有のもので、同じ東洋人でも中国人や韓国人はこの感性を持っていない。

そしてこの特殊な脳の働きは、幼児期に習う母国語によって決まるらしい。
つまり日本語という言語を習得することが、脳に直接の影響を与えているのだ。
日本人だとしても英語を母国語として育てば西洋型になるし、中国人が日本で育てば日本型の感性を持つようになるという。
子供の時に最初に習う言語が、人生を左右するほど重要だということだ。

日本が特殊であると言われる理由の大半は、この脳の働きの違いにあると思われる。
だとしたら、子供の頃から母国語以外の言語を積極的に習得することで、かえって独自の価値を失ってしまう可能性もある。
まずは自分の国の言葉をしっかり話せることが重要なのではなかろうか。
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紙コップ


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ウィークデイの朝食は、会社に着いてからシリアルに豆乳をかけて食べている。
もう半年以上続けているが、今のところ不思議と飽きる気配はない。
外国のテレビドラマで朝食はいつもシリアル・・というシーンがあるが、なるほど案外飽きないものなんだなと感心している。

寒くなってからは冷たい豆乳ではさすがに辛くて、電子レンジで暖めてもらっている。
朝の事務所は気温が低くて体が冷え切ってしまうのだ。
暖かい豆乳をかけると、シリアルはすぐに柔らかくなる。

食後に糖尿の薬を飲まなければならない。
最初はシリアルにかけた豆乳を飲み干す時に、一緒に薬を飲み込もうとしたが、シリアルのかけらが喉に引っかかって咳き込んでしまった。
そこで薬を飲むための水も、別に用意してもらうようにした。

とりあえず紙コップに水を入れて出してもらった。
会社で何かのイベントを開いた時に買った紙コップで、細長い箱に大量に入って安く売られているものである。
使い捨てとはいえ、一回使っただだけで捨ててしまうのは勿体無いので、残った水を捨てて逆さにして乾かしておいた。
翌日もその同じ紙コップで薬を飲んだ。

それから半年以上経つのに、最初に使った紙コップをそのままずっと使い続けている。
毎日水を入れて、薬を飲んだ後は逆さにして乾かす・・・それをずっと繰り返している。
水が入っている時間は、だいたい15分から20分くらいか。

恐らく内側に何か水を弾くコーティングをしているのだろうが、それにしてもこんなに長持ちするものかと驚いている。
見たところまったく痛んだ様子は無い。
新品と言っても通じるくらいだ。
その間シリアルを入れるセトモノの容器は、一度壊してしまい交換しているのに・・・
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広場


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午後になって軽く散歩してきた。
外に出たら意外に寒くて、一度戻って厚着をした。
銀座を起点に少し長い距離を歩こうかと思ったが、日が暮れてくると寒さが増してきた。
日本橋まで行ったところで諦めて、電車に乗って帰宅した。

東京駅の丸の内側の駅前広場の工事が終わり、やっと塀が無くなった。
何年ぶりかで、駅前に広々とした空間が出現していた。
そこでのんびりしたいところだが、寒くて長くはいられなかった。
あの辺りにゴジラが立っていたよなあ・・などと思いながら、その場を後にした。
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ショセ


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chausser(ショセ)のクラシック・ライン C-7930。
アッパーは日本製コードバンのバーガンディ。
サイズは25-1/2。



ユーザー側から見ると、ショセは靴業界の中で特殊なポジションにあるように見える。
トゥ部分を大きく盛り上がらせ、先端部は少し上を向かせた独特の形状。
日本製ならではの繊細な作りと、アクの強いオリジナリティのあるデザインの両立。
あえて製品情報を少なくした雰囲気重視のウェブサイト。
百貨店などでは見ることが出来ず、実物を試着するには恵比寿の直営店に行くしかない。

サイトのふんわりとした雰囲気は、恐らく今の30代、40代の人たちのセンスで、僕の世代のものではない。
何となく近寄りがたいが(笑)、好きになったらもうこれだけ・・というコアなファンがいそうである。
何かとコピー品の多いこの業界で、他とまったく違うというのは貴重なことである。

実は数年前に購入しようと思い、一度お店に出かけたことがある。
しかし当時はあの独特のデザインに気後れしてしまい、結局購入には至らなかった。
ずっと気にはなっていて、時折ウエブサイトも見ていたのだが、何しろ製品の情報があまり載っていない。
むしろ同社製品を扱うショップのサイトの方が詳しく書かれている。

今回たまたま雑誌で写真を見かけて、やはりひとつ欲しいと思い、久々に恵比寿のお店に出かけてみた。
しかしお店の在庫にも限りがあり、必ずしも欲しいモデルの欲しいサイズが手に入るという訳ではない。
売切れてしまえばそれまでで、次回出来上がるのは数ヶ月先になる。
製品によっては、もう出来ませんというものもある。
大量生産ではなく、いいものを少数コツコツと作っていくという方針なのだ。



最初は上級ラインのサブライム・バイ・ショセというシリーズの製品を買おうと思っていた。
イタリア製のカーフやホーウィン社製のコードバンをアッパーに使ったダブルソールのシリーズである。
しかし何足か試着させて貰ったら、ひとつ下のクラシック・ラインのラストが驚くほどしっくりきたため、急遽こちらに変更することにした。
革はステアを使ったものもあったが、国産コードバンのモデルは、恐らくもう原皮が入手できないという話だったので、今回は貴重なコードバンの方を選んだ。

ラストの形状が本当に特殊で、ご覧の通り幅が狭めで細長い。
踵をしっかりと掴み、そこから土踏まずにかけてはギュッと絞り込んだように固定される。
指先は左右は押さえられるが、上側の空間は広大なので開放感がある。
アーチの突き上げ感こそ少ないが、どこかモディファイドラストに共通したものを感じさせる。

他のモデルも試したが、このシリーズのラストが飛びぬけて僕の足に合っていた。
足全体を強く掴まれるような感触なのに、不快感や違和感は伴わないという、あまり経験したことのない履き心地であった。
しかも柔らかいフレキシブルソールを採用しており、軽くて曲りやすいであろうことを考えると、このブランドのよさがより濃厚に味わえるのではないかと思った。
まずはこのモデルを買うべきだ・・とすぐに決まった。

写真で見るとかなりトゥが膨らんで見えるが、実物はそこまで極端には見えない。
ちょっと個性的な形のプレーントゥ・・という感じだ。
横方向からだと先端部の反り上がった部分が強調されて見えるようだ。

捨て寸は確かに大きめで、指の先に数センチの隙間が出来る。
使い始めると、その手前のヴァンプ部分に盛大に曲げ皺が入る。
ショセでは数年履き込んだ後のフォルムを意識してデザインしているという話を読んだ。
皴の入り方など計算した上での形なのだろう。



国産コードバンに関しては、よく米国ホーウィン社のものと比較される。
国産はきれいで整っているのが特長で、その端正なところが好きだという人もいる。
それに比べるとホーウィン社製はムラ感があり荒々しいイメージである。
まあアメリカ靴好きの僕などは、正直言うとホーウィン製コードバンの方が好みである。

ホーウィンのコードバンはオイルがたっぷり入っており、使い始めは国産のものより柔らかいようだが、国産コードバンも使っている内に柔らかさが出てくるという。
手で触れた感触ではホーウィン製の方が厚みを感じさせる。
雨に弱く曲ったところが白くなるのはどちらも同じである。
この赤みの強いバーガンディは、サフィールのクレム1925のエルメスレッドの色が近いと思う。

足に吸い付くような履き味で、踵から土踏まずにかけては遊びがなく、かといって靴擦れも発生しなかった。
先端部に十分な空間があるためか、窮屈さはなく意外なほど快適である。
硬質な感触であるが、シングルソールならではのしなやかさがあり、ヴァンプ部分が抵抗なくスッと曲がってくれる。

デザインもさることながら、履き心地もかなり個性的である。
歩いていて靴との一体感を味わうことが出来る。
相当気に入ってしまい、購入以来出番も多い。

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曲がり角


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以前知人の家の近くの急カーブについて書いた。
大掛かりな道路工事を実施するにあたり、その期間そこを迂回する仮の道路を設置したのだ。
急激な3つのカーブの連続になっている。
そこにまた行ってきた。
2017年6月24日の日記

やはり何度行ってもここは危険としか言いようがない。
最後のコーナーの角部分に家が建っており、その先がまったく見えないのだ。
そのためカーブの向こう側からいきなり対向車が飛び出してくる。
細い道なのに意外に車の往来が多く、鉢合わせする確率も高い。

今回もヒヤリとする場面があった。
しかも行きと帰りの2回、その同じ場所で危険に遭遇した。
残りのふたつのカーブが見通しがよく、つい気持ちよく走ってしまうのも危険な要因になっている。
その勢いで曲ってくると、いきなり最後のコーナーで罠が待っている。

対向車がトラックの場合は、まず間違いなくこちらの車線にはみ出してくる。
そもそも道幅が狭いので、幅の広い車だと曲がり角では車線内に入りきらないのだ。
また一般の乗用車が曲りきれずにこちらの車線にはみ出してくることも多い。
ハンドル操作が追いつかないのだろう。
ちゃんと自分の車線を守って曲っているのは、皮肉なことに腕自慢の走り屋タイプの車ばかりになる(笑)

本当は速度を保ったまま、車線内でアウト・イン・アウトのラインを描きながら通過すると凄く楽しい。
車に一定のGがかかり、車体を傾けながら気持ちよく曲っていく。
それはとても楽しいドライブなのだが、何しろ対向車がいきなりこちらの車線に飛び込んでくるので、そんな走り方は許されない。
やむなく手前でブレーキを踏んで減速し、ノロノロと様子を見ながら曲るしかない。

知人によれば、最後のカーブは基準に適合しない角度になっているようだ。
そのために町中の運転ではあまり経験しないようなハンドルの切り方を要求される。
しかし仮の道路のために、角の家の土地を買収する訳にもいかない。
やむなくそういう無茶なカーブになってしまったようだ。

幸いにもまだ大きな事故は発生していない。
地元の人はわかっているから気をつけて運転するが、初めて通過した人はちょっと焦るだろう。
危ない対向車と遭遇するかどうかは運次第だ。
早く工事が完了して、危険な仮の道が撤去されるといいのだが・・・
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しわ


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オールデンの990は2足持っている。
ひとつは先日染め替えしたサイズ7Eのものだ。(2017年11月27日の日記
もうひとつは何年も前に米国から取り寄せたもので、サイズは8Eと大きい。

初めてのオールデンでしかも通販だったので、自分に合ったサイズがわからず、このくらいかと思いエイヤッで買ってみたのだ。
今となってみれば明らかに大きいのであるが、当時は靴のフィッティングに関して未熟で、こんなものかと思い普通に履いていた。
踵がかなり緩くて、ちょっとサンダルみたいな履き方になるし、羽根も上の方はくっついてしまう。
見た目にも何となく大きく感じるし、あまり履くこともなさそうなので、やはり処分しようかと考えていた。

先日あるブログで、コードバンの990などに皺が寄るのは、そもそもバリーラストが完全に足の形に合っていないからではないか・・という記事を読んだ。
もちろんコードバンはその皺こそが大切で、皺自慢をするくらいなのだが、より足の形状に合った靴だと、あのように大きく皺が寄ることはないというのだ。
それを読んで、なるほど言われてみればその通りかもしれないと思った。

ならば逆手にとって、このサイズの大きい990を、皺入りコードバン靴として育て上げてはどうかと思いついた。
緩い分、皺も盛大に入るはずだ。(笑)
もう靴は一杯持っているのだし、ひとつくらい皺重視の緩めの靴があってもいいだろう。
というわけで、急遽処分は取りやめることにした。



まずは手でギューギューと曲げて、もともとあった表面の皺をさらに強めに入れてみた。
案外力が必要で、途中で胸の筋肉がつって死にそうになった(笑)
それから波状に入った皺の山部分を中心にワックスを塗って光らせる。
おお、カッコいいじゃないか!(笑)
左右対称に皺が入らないのが個人的には凄く気になるが、そこがまたいいのだ・・と自分に言い聞かせる。

インソールを入れて厚手の靴下で履くと、大きいとはいえそれほど違和感無く履くことはできる。
一日歩いてみたが、その状態だと緩みは少なく、羽根も一応開くし、踵が外れてしまうこともなかった。
僅かに大きく見えるのが難点であるが、何しろ迫力のある皺が目立つので、大きさよりそちらに目が行ってしまう(笑)
まあ、ちょっと二流ファッションっぽいのは確かなのだが・・・

外を歩いていても、時々わざとしゃがんで、靴に無理やり皺を入れてみたりする。
よしよし、いい皺が出てるぞ・・などとほくそ笑む(笑)
シューツリーを入れるとせっかくの皺が消えてしまうので、帰宅してもツリーは使わず、そのままそっと棚に保存する。
この皺感をさらに強調できる仕上げ方法はないかと、クリームやワックスを買ってきていろいろ試しているところだ。

裏では皺を深めるためにいろいろ努力をしているが、履く時はさりげなく、皺が勝手についたような顔をして歩くのだ。
太陽の光の下では、No.8らしい赤みが下から出てきてゾクゾクするぞ(笑)
・・人から見るとこれって馬鹿に見えるんだろうか・・・

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開発


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ある大手販売店からオリジナル製品の開発の依頼が来たことがある。
その話を持ち込んだのが、そのお店でトップの営業の人たちであった。
業界でも名の知れた凄腕の販売員である。

こちらとしては、その店でどのような製品が売れるのか、今ひとつよく分からなかった。
一応日本ではもっとも高級なものを販売しているお店のひとつである。
そこで、その営業の人たちに、どのような商品にすべきか、ご自分たちで作り上げてはどうかと提案してみた。
こちらは製造工場に徹して、言う通りのものを作ってあげるから・・と話した。

それから毎日のように、その営業の人たちが会社にやってきた。
時に背広を脱いで現場に入り、直接工場長にこうしたい、ああしたいと、熱心に製品への要望を出す。
試作品を見て、ここをこう変えて欲しいと言われれば、すぐにその作業に入る。
営業の人たちには、その間お茶を飲んで待っていてもらう。
要望通りの製品が出来たら、また現場に出て現物を見てもらう。

その作業を何日か繰り返して、ついにオリジナル製品が完成した。
出来上がった製品は、我々からすると少々「?」というものに見えた。
これで売れるのだろうか・・と正直思った。

すぐにお店で大々的に売り出し、プレス発表まで行われた。
新聞や雑誌などに広告も出した。
その動きの大きさに、さすがは大手販売店と舌を巻いた。
しかし努力の甲斐なく、その商品は思ったほど売れなかった。

彼らは現場に立ち、お客に商品を売り込むプロである。
お客がどのようなものに興味を示すか、どういうセールストークが有効か・・など販売のノウハウ、技術を熟知している。
何しろ日本でもトップクラスの販売員なのだ。
自分たちに任せれば、どんなものでも売ってみせる・・と豪語してきた人たちである。

しかし彼らにとって商品開発は、ほぼ初めての経験であった。
自由に作ってあげると言われると、逆に戸惑いの表情を見せる。
長年販売に携わってきた自分たちの経験を生かして、本当に売れる製品を作る・・という意気込みで取り組んだはずであった。
それなのに実際に出来上がった商品は、少しピントが外れているように感じられた。

やはり商品の開発はメーカーがやるべきなのだと痛感した。
販売員はあくまで商品をお客さんに売り込むプロなのであり、ゼロから何かを作り上げる専門家ではない。
餅は餅屋である・・ということなのだろう。

最近エンドユーザーから、メーカーへの直接の質問が非常に多い。
その中に、お店の店員の説明では信用できないから、実際に作っている人に本当のところを聞きたい・・というものがけっこう混ざる。
ネットでの情報が氾濫する中、ユーザー側も知識量が多くなり、生半可なことでは通用しなくなってきた。
時代はどんどん変わっているということだ。
彼ら販売のプロたちは、今後はさらに苦境に立たされるのではなかろうか・・・
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テレビで米国アマゾンが行っている興味深いサービスについての特集をしていた。
通販の荷物を届ける際に不在が多いのは、あちらでも同じ状況のようだ。
米国ではそういう時は玄関の外にそのまま荷物を置いて行くようだが、それだと盗難や荷物の破損という問題が発生する。

そこでアマゾンが無線で開錠できる玄関のキーを開発した。
アマゾンキーというのだそうだが、それをアマゾンから購入して自宅の玄関に取り付ける。
監視カメラとセットで249.99ドルだそうだ。

荷物の配達員が、その場で発行された暗号信号を使い、外側から玄関のキーを開錠できる。
ドアを開けて荷物をドアの内側に置く。
再度施錠して配達員は帰るが、その様子を監視カメラが撮影し、映像をクラウドに送り続ける。
それを遠隔地から家主がスマートホンで監視し、不正が行われることを防ぐというものだ。

これにより配送の空振りを防ぎ、配達員への負担や運送料金の上昇を抑えようという画期的なアイディアである。
また家のドアを家族以外の人が開錠できる仕組みを作ることで、ハウスクリーニング、ペットの散歩代行など他の場面でも使用できるよう進めていくという。
自宅の鍵を他人が自由に開けられるところは少しひっかかるが、もともと家政婦など他人に自宅の面倒をみてもらう文化が発達している国なので、あまり抵抗は無いのかもしれない。
テレビドラマなら、監視システムの配線を切ってハッキングして偽の映像を流して・・という強盗団が出てくるところだが(笑)、そもそも悪人がそうまでして盗みを働くほどの資産を持つ人は限られている。

ところで皆さんはすでに利用されているかもしれないが、先日アマゾンで買い物した際、近所のコンビニに届けてもらうサービスを初めて利用してみた。
仕事で家を空けている事が多いので、通販の荷物を受け取ることは、我が家では大きな問題の一つなのだ。
平日なら会社に届けてもらうが、休日に自宅に届けてもらおうとすると、今度は配達員がいつ来るかわからないので出かけることが出来なくなってしまう。

アマゾンのオーダー時に、届け先にコンビニを指定することが出来る。
地図上に受け取り可能な付近のコンビニがズラッと出るが、都内の繁華街なので大量に重なって表示されてしまう。
地図を拡大して、その中から自宅マンションのすぐ隣のビルにあるファミリーマートを選んだ。

いつも通り荷物の配送途中は、経過を報告するメールが来る。
そして指定したコンビニへの到着のタイミングで、荷物の受け取りに必要な認証キーを知らせてくる。
12桁のお問い合わせ番号と7桁の認証番号である。

コンビニに行き店内の端末で「店頭受取サービス」を選択し、スマホを見ながらこの二つのキーを入力する。
二つの数字が合えばこちらの名前が表示され、同時に伝票がアウトプットされるので、それをレジに持って行き、サインして荷物と受取伝票を貰うという流れだ。
コンビニ側が複数の店頭受取サービスの仕組みに対応しているのか、画面上の番号の呼び方が違い少し戸惑ったが、いずれにしても二つの番号さえ正しければそれでOKになる。
実に簡単であった。

外出する際にコンビニに立ち寄ったが、幸い荷物のパッケージが小さかったので、家に戻らずそれを持ったまま出かけた。
普通サイズの荷物の受け取りなら、近所のコンビニを使えば十分事足りることがわかった。
自宅玄関を出て1、2分ほどで行ける場所にある。

周りに聞いたてみたら、すでに多くの人が同等の仕組みを利用しているようだ。
ヤマト便などは営業所やスーパーマーケットなどあちこちにロッカーが設置されており、僕より高齢の叔母でさえ、日常的にそちらに荷物を届けてもらっているという。
ユーザー側の順応が案外早いので、昨年から問題になっている輸送の問題も、順次改善しているのかもしれない。

しかしミネラルウォーターなど重いものの場合は面倒だ。
コンビニまで取りに行くのはかなり大変だし、やはり自宅で受け取れるに越したことは無い。
かと言って重い荷物を受け取るためだけに、鍵を替えるのもちょっと抵抗があるのだが・・・

すでに母親の住むマンションなどは、不在時に荷物を受け取れるロッカーが1階ホールに設置されている。
今後は一般家庭もそういう作りに変わっていくだろう。
そうなればアマゾンキーもいらなくなるかと思ったが、前述の通りこの仕組みは他の分野でも活かすことが出来る。
考えてみれば、緊急時に自分以外の人間が玄関を開けることができる仕組みは重要なので、今後は設置が義務付けられていくかもしれない。
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